感想:アニメ『ウマ娘』第3期8話はレースがなくても涙あふれる人情回! キタサンブラックの“走る理由”とは…
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- タダツグ
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ファン待望のアニメシリーズ第3期『ウマ娘 プリティーダービー Season 3』第8話“ずっとあったもの”が放送されましたので、視聴しての感想をお届けします。
【注意】この記事では『ウマ娘 プリティーダービー Season 3』の物語に関する記述が多々あります。そのため本編をご覧になってから読むことを強くオススメします。
アニメ『ウマ娘 プリティーダービー Season 3』第8話“ずっとあったもの”感想
激動の有マ記念の興奮がひと段落し、迎えた年末。敗北にド凹み中のキタサンブラックがナイスネイチャに悩みを聞いてもらうという“お約束”から、8話はスタートします。お正月にはサトノダイヤモンドと初詣に向かうものの、キタちゃんの顔はどこか冴えなくて。やっぱりあの負けを引きずってしまったかあ~と心配になってしまいました。
わりと深刻なレベルで悩んでいるキタちゃん。G1レース2勝を果たし、次なる目標を凱旋門賞に定めて前に進んで行こうとしているダイヤちゃんとは結構対象的な感じです。この2人、なまじ同室で仲がいいものだから、一旦空気が重くなっちゃうと見ているこちらもツラいものがありました。いや、ホントに重かった(汗)。
でも、勝負の世界に生きている以上は慣れ合うわけにもいかないですよね。そりゃあこういう雰囲気になる瞬間もあるよなって妙に納得してしまいました。この生々しい空気感こそキタちゃんが諦めていない証拠とも思えます。負けてなお「楽しかったし、ダイヤちゃんは強いんだから仕方ない」って納得してしまうのが、一番怖かったところですから。
とはいえ、このままだといつか心が折れちゃいそう……なんてレベルまで追い込まれているように見えたキタちゃん。そんな彼女の支えになってくれたのは、今なお目標であり憧れでもあるトウカイテイオー、ライバルの1人であるドゥラメンテ、そしてキタちゃんがロードワーク中によく交流している商店街の皆さんでした。
記事の見出しにも書きましたけど。今回、じつはレースがないんですよね。なんなら練習で走るシーンもほとんどなくて。エピソードのほとんどが、敗北に打ちのめされたキタちゃんの心の葛藤と、挫折から立ち直るまでの心の動きにスポットが当てられ、彼女がもう一度前を向く経過が1話丸々かけて丁寧に描かれていきます。
個人的に、キタちゃんはちゃんと強く成長しているものの、過去シリーズの主人公(第1期のスペシャルウィーク、第2期のトウカイテイオー、RTTTのナリタトップロード)たちに比べるとどこか未完成なんだよな……と思っていたのですが。今回のエピソードは、そこに鋭く迫る内容で震えました。メンタルのあり方というか、心の持ち様って大切だということに気づかせてくれる内容。
まだ8話を未見の方もいるでしょうし、あまり多くは語りませんが。たくさんの人々との触れ合いを通じて自分に足りなかったものに気づいていくキタちゃんが、あらためて自分の原風景を思い出し、今一度そこへ向けて走り出そうとする姿には目を奪われましたよ。やっぱりこの娘は強い! そして、そんなキタちゃんだからこそ、応援したくなります。……少し羨ましさもありつつですけどね。
正直、憧れや夢を追いかけるって怖いしツラいってことは、我々視聴者も多かれ少なかれわかっている部分じゃないですか。そこから目を背けたり、自分には無理だと言い聞かせてしまったりしたほうがラクだということも、たぶん見ている誰もが知っていることだと思うんです。これまでの人生経験として。
だからこそ、そんな分岐点で頑張ろうと踏ん張れるキタちゃんが眩しいんだろうな、と。彼女が持っている心の強さって、じつは僕たちが誰しも持ち得るものであり、しかしながら持ち続けるのが困難なものだと思うだけに、本当に眩しく感じました。少なくとも僕にとっては……。
ぶっちゃけたところ、この8話って内容としてはめちゃくちゃ地味だと思っています。上にも書いたとおり、レースシーンや疾走シーンはほとんどありませんからね。それでも、見終えたときの満足感はめちゃくちゃ高かったです。熱い昂揚感こそないものの、胸にじんわりと染み込み、こみ上げてくる熱さは確かに存在していました。まだご覧になっていない方はぜひお楽しみに。
それにつけても、この手の人情回をしっかり感動できる形に仕上げられるというのは、1つの作品としてかなりの強みですね。次からのキタちゃんの走りがどう変わってくるものか、今から本当に楽しみです。
ということで、ここからはイチ『ウマ娘』ファン視点で、8話を鑑賞していて「おっ!」と思ったところをご紹介しましょう!
今回も優しいネイチャ先生に癒されまくり! とはいえそろそろ……?【ウマ娘 プリティーダービー Season 3第8話】
例によって、この8話でも弱りきっていたキタちゃんを最初に慰めてくれたのはナイスネイチャでした。キタちゃんからは“ネイチャ先生”と尊敬されていますが、それをいっさい鼻にかけたりしないのがこの娘のいいところ。むしろ、G1に勝ててない私がG1を3勝しているキタちゃんにアドバイスしてもいいものか……と彼女なりに悩んだりするところが大好きです。この奥ゆかしさというか、よくも悪くも普通でフラットなところが、ネイチャさんの推せる部分。キタちゃんにとってはいいお姉さん的なポジションですよね。
ただ、キタちゃんは今回の葛藤を経て精神的にひと回り成長したこともあり、この奇妙な師弟関係はそろそろ卒業になるかもな……って予感もしています。ネイチャさんに頼る必要がなくなるのは喜ばしいことでもあり、少し寂しい気もしつつ。もちろんどうなるかはわかりませんけどね。
思うに、この第3期でネイチャさんのことがもっと好きになったという人は少なくないのでは。ご多分に漏れず僕もその1人でして、ゲーム版で12月に開催されるチャンピオンズミーティングでは、ネイチャさんを育成して代表の1人にしようと思っています。そろそろ因子周回から頑張らないと……って、これはまた別のお話(汗)。
少しずつ張り詰めていくシュヴァルグラン。姉であるヴィルシーナの3枚抜きピッチングが圧巻【ウマ娘 プリティーダービー Season 3第8話】
第3期冒頭から登場しており、常に好勝負を繰り広げておきながら、なかなか勝利をつかめないシュヴァルグラン。じつはキタちゃんに次いで注目しているウマ娘なので、彼女にスポットが当たるのを心待ちにしていたりします。精神的にかなり張り詰めた感じになっているのは間違いないので、うまく折り合いをつけられればいいなと思いつつ。もっと活躍できるポテンシャルは感じるんですけどね……。
ちなみに今回、シュヴァルグランは息抜きも兼ねてかストラックアウトに挑戦していました。彼女自身は9枚のボードに当てることすら出来ていませんでしたが、姉のヴィルシーネがたったの1球で3枚抜きを達成して、見ていた僕としては思わずビックリ。
……え、どこにどう当てたん? ボードに当たる直前になんかエグい変化でもしたのか、はたまたヤバいレベルのパワーで貫いたのか。なんにせよ、なかなか見られない現象なのではなかろうか、と。もしかしてヴィルシーナ、ピッチングのセンスもあるのかもしれません。少なくともピッチングフォームはとても滑らかだったように思います(笑)。
ちなみにゲーム版『ウマ娘 プリティーダービー』ではヴィルシーナ、シュヴァルグランに先んじて、末妹であるヴィルシーナがサポートカードで実装されていますが。この3姉妹は早いところ育成ウマ娘として登場してほしいなあって思っています。とくに、シュヴァルちゃんが実装されたらぜひお迎えしたいところ。
……と、話が若干逸れましたが。なんにせよ、次回はさすがにレースでキタちゃんが精神的に成長した姿を見たいなって思います。ダイヤちゃんとのリベンジマッチにも期待したいですね。それでは、今回はこのへんで!
©2023 アニメ「ウマ娘 プリティーダービー Season 3」製作委員会
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