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感想:アニメ『16bitセンセーション ANOTHER LAYER』8話はBパートの豹変っぷりに驚き。でも急なSFや哲学語りは生粋の美少女ゲームファンは嫌いじゃないのよ!

カワチ
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 TVアニメ『16bitセンセーション ANOTHER LAYER』の第8話“エコー”の感想をお届けします。

【注意】キービジュアルより先のテキストでは、『16bitセンセーション ANOTHER LAYER』第8話の物語に関する記述が多々あります。そのため本編をご覧になってから読むことをオススメします。

守が1985年にタイムリープ!

 前回の第7話ではコノハではなく守が美少女ゲームのパッケージを開き、彼がタイムリープするという衝撃の展開でした。自分は感想記事に「マジで予想できない展開」と書きましたが、今回の第8話は本当に先が読めない内容でしたね。Xのタイムラインもどよめいていました(笑)。以下でこまかく内容をチェックしていきましょう。

 前回、守が開封した美少女ゲームは『午後の天使たち』で、彼は1985年の過去にタイムリープすることになります。たどり着いたのはエコーソフトという会社で、社長の名前もアシスタントの名前も、さらには飼い犬の名前も“エコー”という不思議な人たちと出会います。守は社長をエコー1、アシスタントをエコー2、飼い犬をエコー3と呼ぶことに。

※記事掲載時、ゲーム名を『天使たちの午後』としておりましたが、正しくは『午後の天使たち』となります。

 彼らはオープニングムービーに登場しており、エコー2は第3話でも交響曲第9番を意味深に口ずさんでいたりしていましたが、やはりカギを握るキャラクターだったんですね~!

 Bパートから難解なストーリーになっていく第8話ですが、Aパートは彼らとの不思議な出会いがあるものの、通常通りの展開でしたね。守が本当に1985年なのか確かめるためにPC98の発売日を確かめたり、美少女ゲームの制作を手伝って欲しいというエコー1にPC98で作るなら参加するという条件を突きつけたりと、いつも通りの守でしたね。

 1985年ならではの“ラップスキャン”という技術も公開。グラフィックスキャナが高価だった時代、原画の上にサランラップを被せて油性のマジックで図案を写して、そのラップをパソコンのモニタに貼り付けて、グラフィックソフトでその図案をマウスでなぞって線画を取り込む技術だそうです。当時はこんな方法で代替していたのかと勉強になりますね。

 また、コミカルな動きをするエコー2もかわいかったです。さまざまなコスプレを披露して守に点数を付けてもらうエコー2ですが、このパートは大事な伏線になっています。ぜひ覚えておきましょう。

不思議なストーリーが展開するBパート

 Bパートは実際にアニメを見て衝撃の展開を体感してもらいたいところですが、気になる部分を紹介していきましょう。

 エコー1はおもしろいゲームのエネルギーを図る装置を持っていますが、彼の作るゲームにはそのエネルギーは存在しません。エコー1の制作したゲームの簡素なパッケージを見て、「想像はできる」という守に対して、自分には想像力がないというエコー1。

 これは筆者の想像なのですが、エコー1やエコー2はAIのようなものではないかと考えています。作品を作り出す技術はあっても、伝えたいメッセージがあるわけではないところに昨今で話題となっているAI作品を思い浮かべてしまいました。

 そう考えるとBパートでエコー2が守の行動が理解できなかったところもなんとなく分かるんですよね。人間の心は数値化できないので、エコー2が予想外の守の反応にエラーを起こしてしまったのではないかな……と。想像量と熱量が今後のストーリーでは重要になりそうです。

 Bパートはかなり不思議なストーリーであったものの、これからコノハや守が本来の目的である“10億円を稼ぐゲーム”を作っていくなか、とても大事な位置付けのストーリーになると思っています。このエコーたちとの出会いは守にとっては無駄ではなかったハズ!

 今回は衝撃の展開を楽しんで欲しいのでかなりボカして感想を書きました。ストーリーはもちろん、演出やセリフ回しなどもかなり独特で必見の内容になっています。個人的には中盤から哲学やSFのストーリーが混ざっていく90年代や2000年代の美少女ゲームが大好きなので、今回のストーリーは、そんな当時の作品たちを思い出させてくれてテンションが上りました。

 いろいろな意味で見逃せない第8話。全体のキーとなるストーリーになっているので、ぜひ各種配信サイトでチェックしてみてください!


カワチ:RPGとビジュアルノベルが好きなゲーマーで、誰にも気付かれないようなマニアックな小ネタを記事に織り込むのが好き。深みのあるゲームが好きかと思えば、本当は肌色が多ければなんでもいいビンビン♂ライター。


©若木民喜/みつみ美里・甘露樹(アクアプラス)/16bitセンセーションAL PROJECT

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