『グリッドマン ユニバース』は恋あり、友情あり、バトルあり。個人的2023年最推し映画にアクセスフラッシュ!【サブスクアニメ道】
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- タダツグ
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令和も5年目へと突入した現在、さまざまなサブスクリプション動画サービスにより、最新のアニメから往年のアニメまで多くの作品が定額制で見放題になっています。
しかし、なかにはあまりに数が多すぎて「どれを見たらいいのかわからんッ!」とお嘆きの方もおられるのではないかと。そんな方に“サブスクで視聴できるオススメアニメ”をレコメンドするというのが、この“サブスクアニメ道”の企画コンセプトです。
今回オススメするのは『グリッドマン ユニバース』。2023年3月に公開されたばかりの劇場用アニメです。この11月からAmazon Prime Videoで独占見放題になっており、もうホントにオススメなので、たくさんの方に観ていただきたい作品!
できるだけクリティカルなネタバレはなしで書いていくつもりですが。企画の構成上、どうしても難しい部分はあると思うので、少しのネタバレも気になるという方はご注意ください。
劇場版『グリッドマンユニバース』:頑張る元気が湧いてくる最高のヒーロームービーにしてアオハル作品!
まず第一に。今から紹介する『グリッドマン ユニバース』はTVアニメ『SSSS.GRIDMAN(グリッドマン)』と、同じくTVアニメ『SSSS.DYNAZENON(ダイナゼノン)』という2作品に登場したキャラクターたちが一堂に会する、超豪華なクロスオーバー作品となっています。
構成上、前述のTVアニメ2作品をご覧になったうえで、満を持して劇場版をご視聴いただくのが至高。お忙しい方にはなかなかハードルが高い気もしますが……いずれの作品もヒーローものとして、そして青春ものとして素晴らしいクオリティに仕上がっていますので、冬休みなどを利用してぜひご覧いただきたい。強くそう感じています。
ここからは主に『グリッドマン ユニバース』を主体に、僕が本作品群をオススメする理由を全力で書いていきますね。
円谷プロダクションとTRIGGER! エンタメ業界の最強タッグによって生み出された夢の作品
今回紹介する3つの作品群は、円谷プロダクションによる特撮テレビドラマ『電光超人グリッドマン』を原作とし、アニメーション制作会社TRIGGERが世に送り出したメディアミックスプロジェクトです。
プロジェクト名は映画タイトルにもなっている『GRIDMAN UNIVERSE(グリッドマンユニバース)』。特撮作品の雄と気鋭のアニメ制作会社がタッグを組んで世に送り出した新世紀エンタテイメント作品として、『SSSS.GRIDMAN』、『SSSS.DYNAZENON』の両TVアニメは、ともに高い人気を博しました(その証拠というわけではありませんが、両作品とも劇場総集編まで制作されています)。
主人公たちが巨大ヒーローへ変身(解釈としては融合に近い)したり、巨大ロボットに乗り込んだりしながら、謎の怪獣とバトルを繰り広げるという構成は特撮作品を強く意識したもの。しかもそれにとどまらず、現代日本に生きる高校生たち(ひいては社会人)の“リアル”にもしっかりスポットを当て、恋愛要素、友情要素も絡めた濃密な人間ドラマを真正面から描いたことも、人気の秘訣だと思います。
劇場版『グリッドマン ユニバース』はその集大成。TVアニメ2作品では語り切れなかった世界の謎に迫るメタ視点の謎解きを中心に据えつつ、決着していなかった主人公の恋の行方や、離れ離れになってしまった恩人との再会など、人間関係描写にも引き続き力が注がれています。個人的に、この人間ドラマこそが本作品群の、そして『グリッドマン ユニバース』の最大の魅力だと感じていますね。
ただの高校生男子が頑張る姿に感動──“誰もが主人公になれる”というアツいメッセージ
ここからはちょっとネタバレ要素が濃くなります(※気になる方はご注意)。ドラマの軸として恋愛や友情といったアオハル要素が強く盛り込まれているのは先に述べたとおりです。これらの要素だけですでに大好物なのですが、その根底に“可能性の肯定”を感じられるのが、僕は本当に本当に大好きで。
そう。劇場版『グリッドマン ユニバース』では、主人公である響裕太(グリッドマンと融合できる唯一の存在)が、“めちゃくちゃ主人公している”んですよ。
……日本語がおかしいか? でも、これ以上の言葉は思いつかない(苦笑)。じつは裕太は、『SSSS.GRIDMAN』の最終回で記憶の一部を失ってしまい、自分がグリッドマンと融合して戦っていたことすら覚えていません。そしてグリッドマンが世界から去った今、彼は何の変哲もない普通の高校生に戻っているわけです。
しかし彼は、街に再び怪獣が現れ、頭のなかにグリッドマンの声が聞こえてきたとき、グリッドマンとの融合を果たそうと一瞬で飛び出していきました。ただの高校生である自分に何ができるのか? 自問自答もありつつ、その行動原理は単純明快で“仲間や片想い相手が窮地に陥っているから”。私利私欲ではなく、ただただ自分の大切なものを守るために戦おうとする行動原理。完全に“自分の意志を貫く主人公”なんですよね。
ここでポイントとなるのは、裕太はたとえグリッドマンというヒーローと融合なんてできなくても、その生き方を貫いたであろうこと。正直なところ覚悟が決まり過ぎていて、テキストにしただけでは視聴者から手が届かない存在に思える方もいるかもしれません。
ただ、実際に見ていてそんなことを考える余地は……少なくとも僕にはありませんでした。ひとえに、裕太がとことんガムシャラだからだと思うんですけど。何度転んでも立ち上がる。最後まで絶対に諦めない。すべては大切なものを守るために。行動原理がすこぶる単純なぶん、スッと感情移入できてしまうんですよ。そうして裕太の想いにどんどんシンクロしていくので、違和感はまったくありませんでした。
……むしろ、ヒロインであり裕太の片想い相手でもある宝多立花の「少しはためらったりしろよ」という生々しすぎるセリフで、ハッと我に返った部分もあったくらいでして……。このセリフの意図するところなどに触れ始めると、また別の青春要素を長文で語りたくなってしまうので、今回は割愛しますけど(苦笑)。
とにもかくにも。“ただの高校生がこんなに頑張っているんだから、俺も頑張らないと!”……なんて、単純な僕なんかは裕太から何度も勇気をもらったわけです。等身大の高校生が頑張る姿を描くことで“誰もが主人公になれる”という可能性を明確に肯定している気がしました。めちゃくちゃ眩しいし、見ていて元気になれる。そんな映画。何度でも観られるし、何度でも感動して泣いてしまう。そんな素敵な映画です。
見どころはもちろん他にもたくさんあるのですが。正直、フラットな気持ちでご覧いただきたい作品でもあるので、ここでみなまで書くことは辞めておきます。まだ未見の方は絶対に後悔しないと思うので、ぜひ(TVアニメ版込みで)ご覧いただければと思います。
ちなみに。最後に自分が本当に好きなシーンを3つだけまとめておきますので、映画をご覧になったあとでもう一度読んでいただけないでしょうか。つまりガチのガチでのネタバレってことなんですけど、僕もオタクの1人として、愛を語りたいという衝動から目を背けられないものでして(笑)。もし誰かに共感してもらえたとしたら、こんなにうれしいことはないです。
お気に入りシーンその1:六花がブランコに乗る、夜の公園にて……
個人的に1番のお気に入りシーンかもしれない、裕太と六花の買い出しデートシーン。ラストの文化祭後夜祭で裕太が六花を呼び出すシーンにもドキドキしますが、正直ここはそれ以上かもしれません。なんといっても、ブランコに乗って空を見上げる六花が幻想的でキュートすぎる! これ、絶対裕太からの告白を待ってるじゃん!! そう確信してしまう表情がたまりません。
裕太、いけよ、いってくれ! バトルシーンでもないのに思わず手を握りしめてしまう珠玉の名シーン。ちなみに応援上映が開催されたときに僕も参加したのですが、観客席からめちゃくちゃアツい声が色々と飛び交ったシーンでもあります(笑)。
お気に入りシーンその2:世のなかには人として守らなければならないものが3つある。約束と、愛と……
こちらは『SSSS.DYNAZENON』の主人公であるガウマ(あえてレックスではなくガウマと書く!)が、劇中でずっと口にしていた言葉。結局TVアニメ版では、約束と愛に続く3つめが明かされることはありませんでしたが、この『グリッドマン ユニバース』にしてついにそのすべてが語られることに!
そのチョイスには「おいおい」とツッコミを入れたくもなりましたが(笑)。ずっと心に引っ掛かっていましたし、何よりガウマにとってとても大切な存在との邂逅が果たされた瞬間でもあったので、万感の想いを察してグッときました。今年の冬は誰かとカニを食べたいと思います。“普通”じゃなくて“おいしい”カニを、蓬と夢芽みたいにね……。
お気に入りシーンその3:バトル物のお約束。主題歌が流れ始めてからの無敵感!
やっぱりこれは外せませんよ。強大なボスと戦うにあたり、かつての敵と力を合わせることになったグリッドマンの雄姿。映画中にバトルシーンは複数あれど、やっぱりここが最高です。グリッドマンの心の中に在る“可能性”を具現化する「インスタンス・アブリアクション!」……からの、待ってましたな主題歌メドレー! これに燃えない人間はいませんよね。
ちなみに、本シリーズの主題歌を担当されているのはオーイシマサヨシさんです。メドレー部分ではまず『SSSS.DYNAZENON』の主題歌『インパーフェクト』が流れるのですが、その始まり方からして神演出でした。これまでダイナレックスとして戦ってきたところを、ダイナゼノン組が全員集合したことで、満を持してダイナゼノンに変形するところとか、目から汗が止まりませんでしたよ。
応援上映で「合体竜神!」→「はーい、皆さんご一緒に!」→「ダイナゼノン! バトルゴー!!」を絶叫できた瞬間は、イチファンとして宝物のような体験でした。
そこから『SSSS.GRIDMAN』の主題歌『UNION』が流れ、グリッドマンとダイナゼノンが合体してローグカイゼルグリッドマンとなり、ボス敵を圧倒。ホッとしたのも束の間、敵も合体してさらなる窮地に立たされるも、劇場版の主題歌『uni-verse』が流れて……というラストまでの流れも最高でした。
裕太の「信じるんだ、グリッドマンをッ!!」というセリフに心が燃えたし、ラストでグリッドマンが己の弱さを受け入れつつ、だからこそ手に入れた仲間との絆で勝利を勝ち取るシーンにはマジで号泣……。ほんと泣いてばかりです、このラストバトルは。
ほかにも最後の告白シーンとか、内海が裕太に思い出のビー玉を渡すシーンとか、ピンク髪の少女の登場シーン探しとか、巨大化する二代目さんとか、蓬とガウマの夜の語らいとか、魔法少女なアカネとか、彼女に髪をくしゃくしゃされるアンチくんとか、「とおっ!」とノリノリでヒーローしていたアレクシス・ケリヴとか、グリッドマンユニバースのなかで裕太がビー玉を見つけるシーンとか、まだまだ語りたい描写はたくさんありますけれども!
ここまで読んでくれた読者の方(たぶん『グリッドマン ユニバース』をご覧になられた方)には、それぞれで想う大好きなシーンがあると思いますので。時間があるときにもう一度、なんなら何度でもお気に入りシーンを反芻して、ぜひニヤニヤしてもらえたらいいなと思います。何度でもお気に入りシーンをリフレインできるのが、劇場とは違うサブスク視聴のいいところですからね!
ということで、今回は自分にとって本当に大切な作品をピックアップさせていただきました。劇場で20回以上観た作品は、さすがに本作が初めて(笑)。それくらい大好きな作品です。駄文&長文に最後までお付き合いいただき、本当にありがとうございました。感謝しつつ、それでは本当にこのへんで!
©円谷プロ ©2023 TRIGGER・雨宮哲/「劇場版グリッドマンユニバース」製作委員会
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