大河ドラマ『どうする家康』45話感想。いつまでも続く戦でとうとう家康も弱気に!? 励ましたのは意外なあの人

びえ
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 毎週日曜20時からNHKで放送の大河ドラマ『どうする家康』。第45回“二人のプリンス”のレビューをお届けします。

次世代を担う2人のプリンス! 世間の注目を集めたのは…!?

 前回は、ついに徳川幕府が開かれ、少しずつ時代の流れが次の世代へと移っていく様子が描かれました。

 今回は、そんな次世代を担う存在として、2人の人物にスポットライトが当てられます。

 まず1人目は、豊臣秀頼です。彼のもとには、関ヶ原で敗れて牢人となった武士たちが集まっており、今や無視できないほどの規模になっていました。その裏には、何やら茶々の思惑もありそうです。

 危機感を抱いた家康は秀頼を二条城に呼び、豊臣家を武家ではなく公家という扱いにすることで、なんとか衝突を回避しようとします。ところが、秀頼はその家康の狙いを上手くかわし、世間の批判が徳川家に向くように仕立て上げてしまいました。

 豊臣家は礼を尽くしたのに、徳川家はそれに無礼で返したという評判が広まり、大坂には以前にも増して豊臣家を支持する牢人たちが集まってしまうという結果に。

 なかなかやり手の秀頼に、家康は一杯食わされてしまいました。人の心を上手く操るところは、秀吉にそっくりですね。

 さて、もう1人の次世代の担い手として、徳川秀忠を忘れてはいけません。征夷大将軍となった秀忠ですが、秀頼に対しては思うところがあるようで……。才能あふれる秀頼と、どうしても自分を比べてしまうのかもしれません。

終わらない戦にとうとう家康の本音がポロリ。それでも前を向く姿に励まされる

 そんななか、家康は久しぶりに今川氏真と再会しました。今となっては、昔の家康のことを知っている人もずいぶん少なくなってしまいましたね。旧知の仲の相手だからこそ、話せることもあるのでしょう。

 いつになく弱気になっている家康の姿は、なんだか昔に戻ってしまったようです。どれだけ手を尽くしても、なかなか戦が無くならないことに、少し疲れてしまったのかもしれません。

 そんな家康の本音を、優しく受け止めてくれる氏真の姿に、思わずもらい泣きをしそうになりました。大人になればなるほど、弱みを見せられる相手が少なくなってしまうのはよくあることですが、だからこそ氏真の存在は、家康にとっての救いだったように思います。

 一方で、豊臣家の威光を復活させるために着々と事業を進めていた秀頼は、その一環として方広寺の大仏の再建を行っていました。

 ますます秀頼の評判は高まり、それと比較して、秀忠はどんどん世間から見放されてしまう事態に。秀忠には、もう少し自分に自信を持ってもらいたいところですが、コンプレックスというのは克服が難しいものですから、仕方ないかもしれませんね。

 そんな秀忠を、家康は励まします。かつての家康も同じように自分に自信が持てず、けれど自分が弱いことを素直に認められる人間だったと。しかし、家康はそこから変わらざるを得ませんでした。

 そのおかげでここまで来られたとも言えますが、やはり何か大切なものを失ってしまったという自覚があったのでしょうね。なんだか切ないと感じてしまいます。

 だからこそ、秀忠の姿がまぶしいと感じる家康の気持ちも、分かるような気がしました。そして、かつて今川義元から受け継いだ王道と覇道の教えを秀忠へ伝えるところは、つい胸が熱くなりました。

 こうして大切なものが次の世代へ受け継がれていく、どうかそれがいつまでも続いていくようにと願わずにはいられません。

 せっかくの良い雰囲気なのですが、一方の豊臣家のほうでは、なにやら不穏な空気が……。方広寺の鐘に刻まれた文言が、新たな問題として浮かび上がります。

 またもや戦の気配が迫ってきました。頼むからこれでもう最後の戦にしてくれ! と心から願いつつ、次回も楽しみに待ちましょう。

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