感想:アニメ『ウマ娘』第3期9話は尊さが限界突破! キタサンブラックとサトノダイヤモンドが天皇賞(春)で再戦
- 文
- タダツグ
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ファン待望のアニメシリーズ第3期『ウマ娘 プリティーダービー Season 3』第9話“迫る熱に押されて”が放送されましたので、視聴しての感想をお届けします。
【注意】この記事では『ウマ娘 プリティーダービー Season 3』の物語に関する記述が多々あります。そのため本編をご覧になってから読むことを強くオススメします。
アニメ『ウマ娘 プリティーダービー Season 3』第9話“迫る熱に押されて”感想
『ウマ娘』というコンテンツが秘める、可愛さとカッコよさ。今回の第9話は、一見相反するこの2つの要素を見事なまでに両立させた、すさまじいクオリティの回だと感じたのは、きっと僕だけではないはずです。
大阪杯に勝利したことがナレーションで語られ、ついにGIレース4勝を挙げたキタサンブラック。天皇賞(春)で満を持してサトノダイヤモンドと再戦することになりました。
レースの開催直前、ダイヤちゃんを唐突に外へ連れ出したキタちゃん。どこへ向かうのかと思えば……まさかの“目的地を決めていない2人旅”でした。これは予想外すぎる!
目指す方向の意見が分かれるたび、どちらを優先するかじゃんけんで決める2人。かわいいがすぎるぞ? キタちゃんがひたすらじゃんけんで負け続けていたことには、なんらかの意図が隠されているようにも思いつつ……。
電車を乗り継ぎ、海を目指して進む旅路。劇中の季節は春ということで、行く先々でのどかな風景を楽しみ、名物のアイスなどを頬張ったりするキタちゃんたちの姿に癒されました。最初こそ「おいおい、レースはどうした?」とどこか落ち着かなかった自分ですが、いつしかゆったりとした気持ちで見守っていましたから、不思議なものです(笑)。
一緒に過ごせる時間が愛おしくてたまらないとでもいうかのように、ダイヤちゃんの腕を引いて先へ先へと進んで行くキタちゃん。心からの笑顔を見せてくれる彼女たちを見ていると、2人はライバルである以前に昔ながらの幼なじみであり、誰よりも信頼のおける友達だったよねって、今更のように思い出しました。2人がいちゃいちゃする姿がたまらなく愛おしく、もうね……“尊い”という2文字しか出てこなくなりましたよ。僕のボキャブラリーは死にました。
そうして心が緩みきったところで、キタちゃんに対し、突然の旅の真意を問うダイヤちゃん。彼女の目を見つめながらキタちゃんが告げた言葉と、それを受け止めたダイヤちゃんの姿には、ぶっちゃけこみ上げてくるものがありました。熱く、アツく燃えて萌えたとでもいうか。
この『ウマ娘』という作品、こういう演出がすごいと思うんですよね。大阪杯というGIレースの描写を最小限にしてでもキタサトの関係値、その原点を描くことを選んだこの勇気と決断力。結果、そのこだわりは見事に功を奏し、天皇賞(春)はめちゃくちゃ盛り上がることになりました。
常に過去最高を更新していくというか。最高に盛り上がった有マ記念をも超える勢いで、今回もめちゃくちゃ手に汗握りましたよ。ダイヤちゃんのことも大好きですが、僕はやっぱり最終的に、キタちゃんに肩入れしてしまいました。今回のキタちゃんはめちゃくちゃ主人公してて、かわいいしカッコよかった。この“かわいカッコいい”ギャップも含め、素晴らしい演出だらけの9話だったと思います。
勝負である以上、どうしても決着はついてしまうわけですが。今回は涙のにじんだ有マ記念のときとはひと味違った味わいだったことがとても印象的でした。ターフを駆け抜けた2人の間を爽やかな風が吹き抜けた、とでもいうか……(詩的)。心温まる旅を終えて再び激突し、お互いがお互いにとってどれだけ大切な存在であるかを確認し合った2人。やっぱり尊いよ……。彼女たちがここからどのような成長を遂げていくのか、ますます楽しみです。
ということで、ここからはイチ『ウマ娘』ファン視点で、9話を鑑賞していて「おっ!」と思ったところをご紹介しましょう!
特殊エンディング曲はキタちゃんとダイヤちゃんのデュエット曲『Ambitious World』
今回も特殊エンディングが採用されていましたね。そこで採用された曲がキタちゃんとダイヤちゃんが2人で歌う『Ambitious World』というのも、じつに心憎い演出でした。
この曲はゲーム『ウマ娘 プリティーダービー』の1周年を記念して公開されたスペシャルアニメーションでもエンディングを飾った神曲。それをこのタイミングでもってくるんだから、マジで狙ってるとしか言いようがなく。イチトレーナーとして心が震えないわけがなかった! まんまと掌の上で踊らされた感じもしますが、まったく嫌な気持ちはしていません。こういう演出はいくらあってもいいですからね! 最高!!
カメラ演出が圧巻! アニメならではのスピード感と躍動感に感涙
今回はレース演出も全般的に過去イチレベルでした。スタート前に、かつて天皇賞(春)で勝利したメジロマックイーンやサクラローレル、ゴールドシップらの映像が挿入された瞬間「おや、今回のレース演出はいつも以上に気合を感じるぞ?」と思ったものですが、この直感は間違っておらず。ウマ娘たちが走る際に蹴り上げられる土、レース中の張り詰めた表情と飛び散る汗、最終局面で強者のオーラを纏うキタサンブラックやサトノダイヤモンド、彼女たちに負けじと歯を食いしばるシュヴァルグランなど、レース描写がめちゃくちゃ力が入っていました。カメラアングルひとつとってもこだわりが感じられ、震えるしかなかったです。
春の房総半島の魅力にあふれた旅情描写……。千葉で育った人間として思わずニッコリ!
最後は思いっきりローカルネタですが。旅に出るにあたって、キタちゃんたちがさまざまな電車を乗り継いでいくのも個人的に印象深かったです。というのも、最初に乗り込んだ電車は京王線をモチーフにしていたと思うのですが。僕、モデルとなった京王線の沿線に15年以上住んでいましたもので、ちょっと感慨深いものがありました。結構新しめの車両がモデルになってそうだな……とか考えながら見るというのもなかなかにオツでしたよ。
その後は五井や大原など、今回の旅は房総半島が中心。これも、千葉で育った身としては見逃せないポイントでした。2人はちょこちょこ名所めぐりをしていましたが、これらすべてが実在する場所をモチーフにしているのかまではわかりませんでいたけど。ここらへん、もしかすると旅好きの人にこそ刺さる部分だった気もします。“青春18万切符”とかいう、笑えるアイテムも出てきましたし、こういう遊び心も含めてアニメ版のスタッフのこだわりには舌を巻きます。
……と、最後は話が若干逸れましたが。なんにせよ、ここからクライマックスへと向かっていくであろうTVアニメ『ウマ娘』を引き続き応援していきたいと思います。個人的には、ここまでずっと悔しい想いをしてきたシュヴァルグランに、そろそろスポットが当たってほしい気持ちも強いのですが、はてさて。
あとは、そろそろ12月のチャンピオンズミーティング(LONG)の育成にも本腰を入れていかなければならない時期……トレーナーの皆さん、頑張りましょう(笑)。
それでは、今回はこのへんで!
©2023 アニメ「ウマ娘 プリティーダービー Season 3」製作委員会
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