感想:アニメ『16bitセンセーション ANOTHER LAYER』大槻涼樹さん脚本の9話は勇気を出してコノハを誘う冬夜がかわいくてドキドキ。タイムリープものとしても最高に盛り上がってきた!

カワチ
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 TVアニメ『16bitセンセーション ANOTHER LAYER』の第9話“またね!”の感想をお届けします。

【注意】キービジュアルより先のテキストでは、『16bitセンセーション ANOTHER LAYER』第9話の物語に関する記述が多々あります。そのため本編をご覧になってから読むことをオススメします。

ハッピーな流れからの急展開! だった『16bitセンセーション ANOTHER LAYER』第9話

 仲間たちが一致団結をして“10億円を稼ぐ”ことを目標に動き出した第9話。なんと今回の脚本は大槻涼樹さん! 筆者が大好きなアボガドパワーズの『終末の過ごし方 -The world is drawing to an W/end-』のシナリオを手掛けた方で、最近では『夢を確かめる』リニューアル版にコメントを寄せていましたが、当時好きだったクリエイターが現役でご活躍されている姿を見られるのはうれしいです。

 物語の前半では、今のソーシャルゲームのように、あえて作品内絵柄を統一せずに作家の個性を出していくなど、コノハの意見を取り入れながらゲーム『ラスト・ワルツ』を制作していくメンバーたち。

 美少女ゲームの原画家に追っかけが出てきていること、最近は追っかけではなくストーカーという言葉が使われるようになったことなど、時代の変化もしっかり描かれていましたね。アルコールソフトのメンバーが制作中のゲームのネットの反応を確認しているときに、その少年も書き込みをしているなど、いちど見ただけでは見逃すようなこまかいネタも仕込まれていましたね。ぜひ配信サイトでじっくり見直してみてくださいね。

 そんななか、ついに『ラスト・ワルツ』を完成させたアルコールソフトの社員一同。ちゃんと自分の作品といえるゲームを作ることができてコノハが感激するのはもちろん、印象的だったのはメイ子ですね。これまで美少女ゲームを作ることに後ろめたさを感じていたという彼女が、世界中の人にこのゲームをやってもらいたいと宣言するシーンはよかったです。

 オリジナルキャラクターのコノハが主人公になったアニメ版はメイ子の出番が少なめになっていますが、原作のように彼女自身も葛藤をしていて、しっかり自分を肯定して成長している姿が描かれたことがグッと来ました。

 完成記念の打ち上げのあと、コノハは秋葉原で冬夜と再会。新しく自分が作る会社で一緒に働いて欲しいと勇気を出してコノハを誘う冬夜はかわいかったですね。ひとりで美少女ゲームを買えずにコノハに付き添ってもらっていたことを考えると彼女自身も成長していることが感じられますし、それだけ冬夜がコノハのことを大切に思っていたということなのでしょう。

 この時代に留まり続けることができないコノハが誘いを断るところは切なかったですね。ただ、いつかの再会を約束するふたりはさわやかでしたし、冬夜はクライマックスにキーパーソンとして再登場するかもしれませんね。彼女の今後の活躍にも期待したいです。

 その後にコノハは打ち上げに参加していなかった守と合流。いつも通りに「守くんがいなければ、こんなにすごいゲーム作れなかったよ」と素直に感謝の言葉を伝えるコノハと、恥ずかしくてその言葉を遮ってしまう守の対比がありつつ、最終的には守もコノハに感謝の気持ちを伝えることに。ここは胸が温かくなるシーンでしたね……。

 そして、いつのまにか2023年に戻ってしまうコノハ。筆者はコノハというキャラクターが大好きなだけに、自分の時代である2023年で頑張ることを捨ててしまっている彼女を見るのがツラかったのですが、ついにここまでの経験を経て、この時代でも頑張ろうと前向きになる彼女を見ることができて感慨深かったです。

 アルコールソフトも『ラスト・ワルツ』も完成させ、コノハも自分の時代で頑張ることを決めて大団円の流れですが……最後にはショックな展開が。、最後に残ったソフト『こみっくパーティー』が最大のカギになってきそうですが、このままだとコノハは重大な選択を迫られそうですね。

 ノスタルジーなだけでは終わらない、多くの人が心を揺さぶられる展開が待っていそうで、今からワクワクです!


カワチ:RPGとビジュアルノベルが好きなゲーマーで、誰にも気付かれないようなマニアックな小ネタを記事に織り込むのが好き。深みのあるゲームが好きかと思えば、本当は肌色が多ければなんでもいいビンビン♂ライター。


©若木民喜/みつみ美里・甘露樹(アクアプラス)/16bitセンセーションAL PROJECT

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