『陰の実力者になりたくて! 2nd season』9話感想。シドとローズ、勘違いがさらなる勘違いを生む展開が最高! Web版限定ストーリーも絡ませる構成もお見事

カワチ
公開日時

 アニメ『陰の実力者になりたくて! 2nd season』の第9話“鍵”の感想をお届けします。

【注意】キービジュアルより先のテキストでは、『陰の実力者になりたくて! 2nd season』第9話の物語に関する記述が多々あります。そのため本編をご覧になってから読むことをオススメします。

『陰の実力者になりたくて! 2nd season』9話で再認識。やはりシドが登場するとおもしろい!

 陰の実力者に憧れた少年がシド・カゲノーとして異世界に転生するストーリーを描いた『陰の実力者になりたくて!』の第2期シリーズ。前回の第8話はかなりぶっ飛んだアニオリ回でゲラゲラ笑わせてくれましたが、今回は前回お休みだった主人公・シドが登場し、『陰実』らしい勘違いとすれ違いにあふれた素晴らしい回になっていましたね。

 今回のストーリーは自分探しの旅をしていたシドがオリアナ王国にたどり着くという展開。自分探しの旅と言えば聞こえがいいいですが、七陰たちから逃げてきただけなんですけどね(笑)。

 オリアナ王国についておさらいすると、国王がドエム・ケツハットという男によって傀儡にされており、そのことを知った娘のローズが父をドエムの支配から開放するために王を刺して逃亡しています。(なお、その後にローズは悪魔憑きを発現させてシャドウガーデンのメンバー・666番になりますが、シドはそのことは知りません)

 国王を失ったオリアナ王国は国が二派に分かれて政情が不安定になっています。そういった事情がなにも分かっていないシドは、ローズが国王である父を殺したのは彼女が王になりたかったからだと勝手に解釈します。ローズの視点だとめちゃくちゃシリアスなのに、シドはめちゃくちゃ軽い。このギャップは、じつに『陰実』らしくていいですね!

 一方の666番ことローズは、調査チームのリーダー・559番のもとオリアナ王国の遺跡調査にあたっていたのですが、そこでディアボロス教団幹部に連行される母のレイナ王妃を発見。

 666番たちが様子を見ていたところ、王妃が謎の装置に手をかざすと指輪が出現。559番は指輪を回収するために王妃めがけて斬りかかりますが、ローズは母を守るため、彼女と刃を交えます。ここのアクションシーンは見応えがあるので、ぜひアニメでチェックしてみてくださいね。顔面を殴られるローズが痛々しかったなぁ……。

 シドは、無法都市でシドに救われたマリーの営む酒場に。もちろん、シドは覚えていないのですが、彼はまたしてもならずものたちに絡まれる彼女のことを救うことに。ここでは久しぶりになるシドの“モブ式奥義”が発動するので、必見です。あいからず山下誠一郎さんのテンション高くて気持ち悪い芝居が最高でした!

 その後にシドは自分探しの旅をしていたことを振り返るのですが、ここで描かれるエピソードは“小説家になろう”に掲載されているWeb版オンリーのもの。じつは偽札編以降、Web版と書籍版で大きく物語が変わっていくのですが、ここでWeb版のストーリーを補完するとは思いませんでした。ここはうれしいサプライズでしたね。

 終盤は教団との戦いでピンチになっている559番のもとにシャドウが合流。そこでローズがドエムと結婚する新聞を発見したシドが「絶対に許さん」と怒りを露わに。ローズが王になることを諦めたのかと勘違いして怒るシドですが、559番はこの言葉をシャドウガーデンへの裏切りへの怒りと勘違いして……。なんか、みんな誤解しすぎですね(笑)。

 次回はさらにすれ違いと勘違いが炸裂しそうで今から楽しみですね!


カワチ:RPGとビジュアルノベルが好きなゲーマーで、誰にも気付かれないようなマニアックな小ネタを記事に織り込むのが好き。深みのあるゲームが好きかと思えば、本当は肌色が多ければなんでもいいビンビン♂ライター。


©逢沢大介・KADOKAWA刊/シャドウガーデン

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります

関連する記事一覧はこちら