『ロボコップ: ローグ シティ』レビュー:映画の再現度がすばらしいロールプレイングFPS。デトロイトシティでサイボーグ警官になりきれるのが最高

電撃オンライン
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※『RoboCop: Rogue City(ロボコップ: ローグ シティ)』は、CERO Z(18歳以上のみ対象)のソフトです。
※18歳未満の方は購入できません。

 3gooより11月30日発売のPS5用ソフト『RoboCop: Rogue City(ロボコップ: ローグ シティ)』。本作は1980年代の映画『ロボコップ』の世界を再現したロールプレイングFPSです。プレイヤーは殉職した警官アレックス・マーフィの脳を使って開発されたサイボーグ警官ロボコップとなって近未来のデトロイトシティで犯罪に立ち向かいます。

 今回は、ゲームをストーリーの中盤まで進めた時点でのレビューをお届けします。

『RoboCop: Rogue City(ロボコップ: ローグ シティ)』60秒トレーラー

ロボコップの質感からロケーションまで映画の再現度がすばらしい!【ロボコップ: ローグ シティ】

 プレイを始めてまず感じるのが映像のクオリティです。ロボコップといえば、つやつやとした光沢のあるボディが印象的ですが、ゲーム中でも周りの光がボディに写り込んでいい感じになっているのがわかります。とくに夜間にパトカーから降りた時にパトランプの光りを浴びる感じがきれいです。

 舞台となるデトロイトは、映画が作られた1980年代の街並みがしっかりと感じられ、とても好印象。VHSテープだったビデオのレンタルショップや薄暗いなかにゲーム筐体が並べられたゲームセンターなど、いかにも80年代といった感じのロケーションが再現されています。

 また、ミッションで立ち寄る場所にはデトロイトの街のほかに、初代ロボコップの舞台となった製鉄所に似た場所も存在しており、なかなか興味深い場所もあるようです。

 ちなみに筆者は記事をかくにあたって映画の1作目を改めて観賞したのですが、ゲームでのデトロイト市警の間取りが原作に忠実に作られていることに感心しました。

 さらに、ゲームは基本的に主観視点でプレイするのですが、歩くたびに特有の“ドシンドシン”という足音がするのでロボコップを操作している感があるのはいいですね。あと、ゲームのいいポイントかどうかは悩むのですが、あまり早く動けない(左スティック押し込みでちょっと早くなる)あたりもロボコップ感があります。

寄り道要素が豊富で遊び応えのあるミッション構成がいい感じ【ロボコップ: ローグ シティ】

 メインストーリーは1本道で、主人公は物語に沿ってデトロイト各地へパトカーで出動、移動先で目的を達成するという流れになっています。

 ただし、移動先のマップは、オープンワールドというほど広くはないですが、探索のしがいがある構成となっていて、いくつかのサイドミッションがあったり、ギャングの隠し物資を探したりとメイン目標を終わらせるまである程度自由に行動できます。

 とくに、市街地にある“奉仕と保護”というミッションでは、駐車禁止の場所に停めている車に反則切符をきったり、ゴミのポイ捨てや落書きなどの軽犯罪を取り締まったりすることも。凶悪犯罪ではなく、街をパトロールして雑多な任務にあたるのは日常感があって楽しいですね。

 なお、これらの寄り道要素はメイン目標を終えて警察署に帰還した際に評価されてボーナス経験値を獲得できるので、なるべくクリアしておきたいところです。

銃だけではなく近接でも豪快に戦えるアクションが楽しい!【ロボコップ: ローグ シティ】

 ロボコップといえば、チタン製のボディで銃撃を弾きつつ専用の拳銃“オート9”で敵を撃ち抜くガンアクションがまず思い浮かびますが、映画を見ていると敵をつかんで持ち上げる豪快な近接戦闘シーンが結構あることがわかります。

 ゲームではL2ボタンでズームすると“ロボコップ・ビジョン”が起動。視界にいる敵をターゲットして強調表示してくれます。

 ただし、銃器はエイムアシストがほぼないので当てるにはFPSの腕前が必要になります。敵の耐久度は高めなのでヘッドショットを積極的に狙いたいところです。

 ただし、後述するスキルを習得すれば戦いはかなり楽になります。銃撃戦なら“スローモーション”を使えば、周囲の動きがゆっくりになるいわゆるバレットタイム状態になるのでその間に落ち着いて狙いをつけられます。

 また、ロボコップのパワーを生かした近接攻撃はかなり強力。パンチはたいていの敵を一撃で倒せますし、つかんで投げ飛ばしても即死させることも可能です。なお、つかんだ敵を別の敵にぶつけると転倒させられるので、その間にパンチでとどめを刺したり、さらにつかんで投げ飛ばすこともできます。

 ゲームのロボコップに前方へ突進できる“ダッシュ”や短時間ダメージを80%カットする“シールド”スキルを習得できるので、屋内のような狭い場所なら近接攻撃メインで敵をなぎ倒す豪快な戦い方もできるのです。

 原作のロボコップは動きが鈍くて敵の攻撃は装甲で受けるのが前提なところがあったのですが、本作のアクションは原作のロボコップ感を大事にしつつもプレイヤーが楽しく戦えるようバランスを取っている印象を受けました。

やり込むほど強くなるRPG要素も見逃せない!【ロボコップ: ローグ シティ】

 本作にはロボコップを強化&能力をカスタマイズする2つの要素があります。

 1つ目がレベルアップによるスキル強化。主人公は目標の達成や敵の物資などのコレクティブなアイテムの入手などで経験値を獲得、1000経験値ごとに1スキルポイントを入手します。これを8項目のスキルに振り分けることでロボコップが強化されていくのです。

 スキルは項目ごとに決められた能力が強化されるほか、項目ごとに2、6、10ポイントで特殊な機能が開放されます。先に書いた戦闘でのスローモーションやダッシュ、シールドがこれにあたります。

 スキルは、戦闘以外にマップの探索やストーリー中の選択肢に影響するものもあるので、どこから強化するかかなり悩ましいポイント。

 2つ目の要素がメイン武器であるオート9のカスタマイズです。ストーリーを進めるとロボコップはオート9の回路基板を入手。これにチップをはめ込むことでオート9の各能力を強化できます。

 回路基板は一種のパズルになっていて、電源からパワーが流れるようにチップを配置する必要があります。

 回路には性能の向上のほか、射撃モードの切り替えや自動給弾などの機能を追加するものがあります。

 また、基板にはハズレ要素であるリミッターがあり、ここに電流を流してしまうとすべての性能がマイナスされてしまいます。

 回路基板を手に入れるまでのオート9は正直微妙な性能なのですが、回路基板でしっかりカスタマイズしたものはかなり強力で頼れる味方となります。

 チップはマップ探索で手に入りますが、いらないものは合成して新しいものを作り出せるのでやり込む人はかなりハマれそうです。

機械なのかそれとも人か? ロボコップの内面に踏み込むストーリーが深い【ロボコップ: ローグ シティ】

 ゲームのストーリーは映画『ロボコップ2』の後。映画にも登場した麻薬“ヌーク”を扱うギャング“トーチヘッド”がテレビ局を占領したことから事件は始まります。デトロイトで暴れるトーチヘッドやバイカーギャング“ストリート・バルチャーズ”とつながる謎の人物“デトロイトの新顔”の陰謀にロボコップが挑みます。

『RoboCop: Rogue City(ロボコップ: ローグ シティ)』映画紹介トレーラー

 原作知識としては上の動画を見ればだいたいのことは分かりますが、映画の1作目を事前に見ておくとより楽しめるかと思います。

 ストーリーのポイントは、事件を追うと同時にアレックス・マーフィの体を利用したサイボーグであるロボコップの内面に迫る内容であるところでしょう。一般市民や登場人物との会話ではロボコップの対応をプレイヤーが選ぶことで彼らとの関係が変化します。

 会話の選択肢ではロボコップが冷酷な法執行マシーンなのか、それとも法を柔軟に解釈する存在なのかを問われます。ストーリーは『ロボコップ2』の後なので、主人公はアレックス・マーフィの自我を取り戻しているのですが、彼の脳機能は部分的にコンピュータで代行されているため冷酷なマシーンとしての部分も依然として残されています。

 このあたりの曖昧な部分を“プレイヤーが選ばせる”ところが興味深いですね。戦闘マシーンとしての戦闘だけではなく、機械と人の境目がはっきりしない存在としてのロボコップになって遊べるゲームは珍しいのではないかと思います。

 筆者はまだエンディングを見ていないのですが、プレイヤーの選択が影響されるようなので結末が楽しみです。

『ロボコップ』ゲームとして最高の内容! 映画を見た後に遊びたい1本【ロボコップ: ローグ シティ】

 11月30日に日本語版が発売された『RoboCop: Rogue City(ロボコップ: ローグ シティ)』。アクションゲームとしては、動きの鈍い主人公がスキルを駆使して戦うシステムでロボコップという素材をしっかりと生かした特徴的なデザインになっています。

 スキルポイントを割り振って機能が強化されるほど戦闘の幅が広がるのでRPGとしての成長要素もばっちり感じられます。

 原作再現度も高くて原作の知識がある人ほど楽しめるのでは、と筆者は感じました。そんな自分のお気に入りは警備ロボED-209との共闘シーン。肩を並べて撃破数を争うそうに戦った後、実は……。みたいにオチまで楽しめるところが最高でした。

 『ロボコップ』をあつかったゲームとしては最高の出来だと思うのでぜひプレイしてほしいですね。


ROBOCOP – ROBOCOP 3 © 1987-1992 Orion Pictures Corporation. ROBOCOP: ROGUE CITY © 2023 Metro-Goldwyn-Mayer
Studios Inc. ROBOCOP & ROBOCOP: ROGUE CITY are trademarks of Orion Pictures Corporation. All Rights Reserved.
ROBOCOP: ROGUE CITY published by Nacon and developed by Teyon. © 2023 Nacon. All Rights Reserved. Published and
distributed by 3goo K.K. in Japan.

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