レビュー:『カードゲーム貞子 呪いのカウントダウン』は近づいてくる貞子に恐怖しながら遊べるホラーカードゲーム
- 文
- カワチ
- 公開日時
KADOKAWAが販売・運営するアナログゲームブランド“カドアナ”より、『カードゲーム貞子 呪いのカウントダウン』が12月21日に発売されます。ここでは本作を先行プレイしたレビューをお届けします。
『貞子』らしさが詰まったカードゲーム!
「見た者が必ず一定期間ののち死に至る」という“呪いのビデオ”の恐怖を描く鈴木光司の小説『リング』から生まれた怨霊の“貞子”を題材にしたカードゲーム。
最近は始球式に登場するなど、国民的キャラクターになりつつあるので知っている人は多いでしょう。
むしろ映画の『リング』を知らずに貞子だけを知っている人も増えてきたと思いますが、Jホラーの傑作なので観て欲しいですね。
原作の『リング』は呪いのビデオにテロップで死ぬことが書かれていましたが、映画版は映像化にあたってそのあたりの設定や演出をうまく改変しています。
今では有名すぎるほど有名になった貞子が井戸から出てくるシーンについても、こういった怪異が直接襲ってくるタイプのホラー自体が当時はとても珍しくて怖かったですし、誰かに呪いを押し付けるという設定もJホラーならではの嫌~な部分が描かれていてよかったですね。
今回の『カードゲーム貞子 呪いのカウントダウン』については、プレイヤーは貞子に呪われてしまった一般人となり、数日後に死んでしまう呪いから生き延びる方法を探すという、原作になぞらえたものになっています。
基本ルールはババ抜きとなっており、分かりやすいです。各プレイヤーは“噂”と“手がかり”の2種類のカードを時計回りに交換していき、“噂”と“手がかり”のペアを揃えてカードを捨てていき、手札を空にできれば、あがりとなります。
ここから独自のルールを加えて緊張感や戦略性、パーティゲームとしての盛り上がりを加えたのが、このゲームになります。
本作にはババ抜きのババにあたる呪いカードが存在。持っていると、あがりにならないのに加えて、手札の噂カードをほかのプレイヤーから見えるようにすべて裏返さなければいけません。
ただし、ほかのプレイヤーが噂カードを引くと、その相手に呪いを強制的に押し付けることができます。
そのため、カードを引くプレイヤーは呪いを引くのを承知で欲しい噂カードを手に入れるか、それとも裏返しになっている呪いカードと手がかりカードから手がかりカードが出ることを祈って引くことになります。
早くあがったほうが得点が高いので、あえて呪いカードを引くことも重要。ゲームをプレイしていると、貞子の呪いが連鎖していく様子を体感することができるようになっています。
呪いのカード2枚が1人の手札に揃うと“呪いのカウントダウン”がスタート。
この呪いのカウントダウンが進むたびに中央に重ねられた貞子カードがめくられていき、最後の1枚がめくれるまっでにあがれなかったプレイヤーは全員が敗北になってしまいます。
自分があがることはできなそうなので、カウントダウンを早めてほかのプレイヤーを道連れにしようとするようなプレイヤーも出てきます。
邪魔をする人が出てくると一気に展開が早くなるので緊張感があります。「あ、こいつ。自爆しようとしているな」となんとなく分かったときの空気感や、「もうどうなってもいい!」と声に出して場を乱すプレイヤーが現れたときのハチャメチャな感じは最高です。
基本のルールがババ抜きなので、序盤から呪いが揃っていきなりカウントダウンがはじまることもありますし、逆に全員が慎重なプレイをしていると終盤まで貞子が登場しないことも。1回のプレイは10分かからずに終わりますし、何度も遊びたくなるような魅力を持っている作品になっています。
上級ルールとして、呪いカードを捨てたときに特殊な効果が発動するものも。呪いカードに、カードを引く順番が逆回りになる“運命の逆回転”や貞子のカウントダウンが2つ進む“禁断行動”などが書かれており、このルールを実行することによって、より複雑な戦略や予想しない展開が待っています。
通常のババ抜きよりもパーティゲーム的な要素が多い一作。カウントダウンがはじまったときは、ぜひ『リング』おなじみの主題歌を歌いながらカードをめくって欲しいですね!
レトロゲームがモチーフの謎解き『ボウケンクエスト』もプレイ!
また、『カードゲーム貞子 呪いのカウントダウン』をプレイしたあとは、12月21日発売予定のレトロゲームがモチーフの謎解き『ボウケンクエスト』も遊ばせていただきました。
ボウケン王国の新米勇者エリオットが、魔王城に囚われている姫を救う任務を命じられ、仲間を集めて冒険していくストーリー。
いちどしか遊べない謎解きなので詳細は伏せますが、序盤は謎解き初心者でも比較的簡単に解ける内容でありながら、だんだん歯ごたえのあるものになっていき、よくできているなと感心しました。
どこか温かみのあるレトロな世界観はゲーマーならニヤリとできますし、解けたときのスッキリ感も最高でした。
LINEアプリと連動する物語で、アプリ上でヒントを見ることもできる親切仕様。みんなで集まって謎を解いていくのもいいと思いますし、ひとりで黙々と遊ぶのも楽しいと思います。
謎解きに興味があるけどやったことがない人にもオススメできる作品ですので、ぜひ入門用の1本としてチェックしてもらいたいですね。
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