漫画『俺だけレベルアップな件(俺レベ)』1巻感想。現実とファンタジーが混じった世界観と最後の引きが気になりすぎる!

電撃オンライン
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 漫画『俺だけレベルアップな件(俺レベ)』第1巻のレビュー記事をお届けします。

 ※物語本編の致命的なネタバレはありませんが、第1巻の展開に言及している部分もあるのでご注意ください。

■『俺だけレベルアップな件』1巻

■『俺だけレベルアップな件』14巻(最新刊)

1月からアニメも放送予定となっている『俺だけレベルアップな件(俺レベ)』漫画版1巻ではスリリングな導入に注目!

 漫画『俺だけレベルアップな件』は、日本ではピッコマで連載中で、単行本は14巻まで発売中。1月からはテレビアニメも放送予定となっている注目作品です。

 タイトルから受けるイメージからすると、いわゆる“俺TUEEE”系に属する作品だと思っている人も多いでしょう。実際、自分もそう思っていました。もちろん、後々はそういう展開になるのでしょうが……実は第1巻の段階ではそういった要素はなく、弱い主人公が仲間とともには過酷な戦いに挑む展開が描かれます。

 カタルシスこそ少ないですが、物語のイントロダクションとしてはかなりスリリング! とくにラストの展開は劇的で、続きが気になること間違いなしですね。

現実とゲームが入り混じったような独特の世界観が魅力的

 作中の世界観は、“ハンター”と呼ばれる冒険者のような職業が一般的に認知されています。ハンターはS~Eまでランク付けされており、ダンジョンに挑んでモンスターを倒して報酬を持ち帰る……とまあ、この辺はラノベや漫画では定番となっている設定ですね。作中用語も分かりやすく、すぐに世界観に入り込めると思います。

 本作で独特なのは、その設定の元に描かれる世界がかなり現実的なところ。街並みや服装はもちろん、車やらコーヒーやらの文化レベルも現代の現実世界そのものです。ちょうど現実世界にゲームの世界が入り込んだようなリアリティで、このバランスは本作独特のものですね。

 ハンターも必ずしも英雄的なポジションではなく、下級ではかなり世知辛い生活を送っています。生きるか死ぬかの割に実入りがそこまでいいわけでもないようで、日雇い労働者のような立ち位置。ダンジョンの入口の建設現場っぽさといいパーティの年齢層といい、まさに肉体労働者という感じ! 一応、一攫千金のチャンスはあるようですが、なかなかシビアです。

主人公が(最初は)とにかく弱い! 周囲の人々の親切が温かくもけっこう辛い

 そんなハンターとして活動する主人公の水篠旬。母親の病院代を稼ぐためにイヤイヤ仕事を続けるE級ハンターです。

 特殊な技能もなく、“最弱兵器”という不名誉なあだ名が付くほどとにかく弱い! 表紙とは体格もまるで別人で、「誰?」って感じになります(笑)。性格も人格もとにかく普通で、1巻時点だと一般人そのものですね。

 馴染みのヒーラー女性だけは親切にしてくれてますが、交友関係も乏しそうです。周囲から軽んじられてはいるものの、迫害されているわけではないのが妙にリアリティがありますね。周囲の人たちは主人公が弱いことは知っているので、たびたび気遣ってくれますが、それが逆に辛そうでもあります。

 世界観こそ殺伐としていて人死にも出ますが、各キャラクターの好感度は高いのも読みやすいですね。

まだまだ導入ながらとにかく最後の引きがすごい!

 能力が低く弱い主人公ですが、それでも1巻時点でちゃんと見せ場はあります。能力的には頼りない主人公ですが、機転を利かせて危機的状況に陥ったパーティを一時的に救うことに!

 1巻時点では真向から戦う手段に乏しいパーティが理不尽感のあるダンジョンギミックに挑むことになるので、デスゲーム的なロジカルな楽しさがありますね。

 とにかく1巻の引きがすごいので、読めば続きが読みたくなること間違いなし! アニメ化前に、ぜひ漫画で予習をしておきましょう。

■『俺だけレベルアップな件』1巻

■『俺だけレベルアップな件』14巻(最新刊)

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