【男性目線の『アイナナ』レポ】帰ってきたモンジェネおじさんが語る『アイドリッシュセブン』の魅力。第14回

原常樹
公開日時

 みなさん、こんにちは! 自称“モンジェネおじさん”ことフリーライターの原 常樹です。
 すっかり『アイドリッシュセブン』にハマってしまったひとりの男性マネージャーが「アイナナはここが素晴らしい!」ととりとめもなく語りつつ、【男性のマネージャー】、また【男性に布教しようとしているマネージャー】を応援するというのがこの連載のコンセプトです。

 突然ですが、今、心の中でもうひとりの自分が語りかけてきています。

 「アンタ、モンジェネおじさんを自称しているのかい? 贅沢な名だね! 今からお前の名は“しくじりおじさん”だよ」と。

 ええ……弁解のしようもございません……。
 おじさん、盛大にやらかしてしまいました。

 この原稿を書いているのは12月9日。
 勘のいい方ならピンと来たことでしょう。
 そう、本日は『妖万華鏡 空虚咎送り』の最終日。そして、今はその終了後のメンテナンス明け。
 はい……おじさん、今回なんと物語を完走し損ねてしまいました……。

 MEZZO"が主役だったのに、MEZZO"が主役だったのに……。
 オーディションでも壮五くんと百ちゃんが来てくれたのに……おじさんの不注意ですまねぇ……すまねぇ……。


 第5章までは普通にストーリー開放待ちの状態で余裕をもって進めていたんですが、連載に合わせて腰を据えてスクリーンショットを取りながら遊ぼう~なんて調子に乗っていたところ、突然の年末進行に襲われ(※ライターは印刷所が休みになる都合上、ここに仕事が集中します)気がついたときには手遅れ。ご近所に響き渡るような慟哭を上げることになりました。
 以前にイベント『星巡りの観測者』のときに太白さんに「常設じゃないから勘違いするんじゃないぞー!」と警告をした記憶がありますが、思いっきり後頭部にブーメランを喰らうことになるとは。大々的に展開されている劇中劇にイベントだと長期間開催されているような錯覚に陥ってしまうものですが、慢心、ダメ、ゼッタイ。
 物語のラストが気になって気になって仕方ないのですが、これもおじさんに科せられた咎だと思って噛みしめることにします。


 と、やらかした状態なので詳しい感想は控えたいのですが、途中までの段階でもストーリー(&アイドルたちの配役)は非常に興味深いものがありました。陸くんと天くんの関係性だったり、あの人を“悪役”にしたことだったり……。手に汗握る展開の連続でした。
 あと、今回のイベントで個人的におもしろく感じたのが「エンジョイSE」

 エンジョイSEというのはみなさんもご存知のとおり、特定のアイドルを編成しているときにイベントの最中にノーツを演奏したときの音が特別なものに変わる機能です(設定でオン/オフも可能)。そして、今回はイベントの内容に見事にマッチした、刀と刀がぶつかり合う“剣戟音”。これがいい味を出してくれていたんですよ!

 今回のイベントの目玉のひとつがMEZZO"の新曲「カレイドスコープ」。この劇中劇を象徴する存在でもあり、オープニングを飾る存在で、今のMEZZO"だからこそ歌える和風ロックというイメージでした。すれ違いざまに一太刀入れられたかのような、でもそれが心地いいような、疾走感あふれる旋律の魅力はわざわざここで語るまでもありません。
 しかし、そこに剣閃が飛び交うエンジョイSEが加わることで、さらなる臨場感が増していく。よくアニメのオープニングテーマなどで「絵に合わせて効果音が流れる」という演出がありますが、まさにあんな感じでイメージをブーストされてしまう。つまりはエンジョイSEが劇中劇に深みを出すギミックにもなっていたわけですね。

 そうそう、ちょっと話はずれますがギミックといえば“対戦カード”の演出もすごかったですね! 五番勝負のそれぞれの対決の前にズバッとカットインして、さらには「カレイドスコープ」のイベントライブが始まるというのはこれまでになかった演出。これから切り結ぶぞという緊張感が視覚的にも伝わってきます。
 さらにいえば、この演出は青春の大半をゲームセンターに捧げたアラフォーにとってはなじみが深いもの。そう、この“対戦カード”の構図や出方は往年の格闘ゲームで用いられてきた演出とそっくりなんですよね! いや、もう死ぬほど血が滾りましたよ……。

 もういっそのこと、そのまま格闘ゲームにしちゃってもいいんじゃないかなぁと! だとしたら三月くんはジャンプしまくる空中戦が得意そうだなぁとか、大和さんは飛ばせて落とすねちっこいタイプだろうなとか、そんな妄想も膨らみました。壮五くんは……まぁ、得物を手に一直線に突っ込む技が多いんだろうなぁ。

 と、話を戻して。
 ここまで「カレイドスコープ」とエンジョイSEとの相性の良さについて語ってきましたが、ほかにもエンジョイSEとの相性がピッタリなイベント曲が揃っていたのも見逃せないポイントだと僕は思います。

 まず、ŹOOĻの4人が己をさらけ出して熱唱する「ZONE OF OVERLAP」。刀が火花を散らす音がまるで工業音のようにリズミカルに入ることで、インダストリアル・ロックのような色合いが濃く出たおもしろい相性だと感じました。音色ひとつで、まるでリミックスされたかのように楽曲が色合いを変えるわけですから。

 個人的にもっともポイントが高かったのがTRIGGERの「Crescent rise」。もともと舞台『三日月狼』のテーマソングという設定なだけに刀の奏でる音色との相性が悪いわけはないのですが、今回のエンジョイSEでは「ZONE OF OVERLAP」と同じくインダストリアルミュージックという見方ができるようになったんじゃないかなと。

 この曲の魅力のひとつが“冒頭からバックヤードでリフレインし続ける重厚な旋律”であるのは言うまでもなく、プレイヤーはこの旋律をノーツという形で演奏することになります。ところが、エンジョイSEを入れているとその繰り返しが無機質に稼働し続ける工場の環境音のように聴こえてくる。そこにメトロノームのようにベルの音が加わり、さらにTRIGGERの荘厳な歌声が重なる──すると、不思議なことに近未来的でなおかつ荒涼な世界観が頭に浮かんでくるんですよ。
 メロディーがディストピア的なイメージを持ってきてくれたことで、それを打ち破るようなサビの爆発力もブーストされる。なんてカッコいいミックスなんだ……と頭の中で勝手にTRIGGERの別世界の物語を創造しながら酔いしれていました。
 同じ楽曲を聴いてまったく違う光景を思い浮かべたという方もいらっしゃるでしょうが、とにかく“違う世界”すらもイメージさせてしまうだけの可能性がエンジョイSEに秘められているのは事実だと思います。


  • ▲「Crescent rise」のサビのパワーはアイナナの曲の中でも随一。ただ、もともとノーツの速度が前半部分に合わせて遅めなので、サビに突入した瞬間にノーツの降ってくる速度が二倍ぐらいになる、いわゆる“ソフラン”だったら最高なのに~と欲が出てしまう。それだったら“おじさん的ミシュランガイド”では星4つでした(現状でも3つ星です)。

 歴代のエンジョイSEは今回のようなカッコいいものもあれば、脱力必至のシュールで笑えるSEもありました。これがライブを周回するときの気分転換としても非常に有用なんですが、惜しむらくはイベントが終わるとそのままシステムごと封印されてしまうということ……。可能ならば、エンジョイSEも自由に設定できたらほしいところ。
 そして、お願いついでにもうひとつ。どうか『妖万華鏡 空虚咎送り』が復刻されてほしいなと……。そう願ってやみません……。

 ということで、今回の連載はここまで! また次回お会いしましょう。

(C)アイドリッシュセブン

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アイドリッシュセブン

  • メーカー: バンダイナムコオンライン
  • 対応端末: iOS
  • ジャンル: アクションADV
  • 配信日: 2015年8月20日
  • 価格: 基本無料/アイテム課金

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