電撃オンライン

感想:アニメ『16bitセンセーション ANOTHER LAYER』10話。すべてがアメリカナイズされた世界線…。それでも日本で頑張るアリスソフトすごすぎ

カワチ
公開日時

 TVアニメ『16bitセンセーション ANOTHER LAYER』の第10話“精一杯やってみる!”の感想をお届けします。

【注意】キービジュアルより先のテキストでは、『16bitセンセーション ANOTHER LAYER』第10話の物語に関する記述が多々あります。そのため本編をご覧になってから読むことをオススメします。

美少女コンテンツが消えた世界でコノハは…

 『ラスト・ワルツ』が世界的な成功を収めたことで歴史が改変され、2023年の秋葉原が大きく様変わりしてしまうことに。産業として成功した美少女ゲームは別の形で成功し、グローバルな存在になっていました。

 コノハが大好きだった美少女は存在しないか、アメリカナイズされた萌えとは極端に異なるキャラクタービジュアルになっていました。

 アメリカナイズされたゲームとして、『FATE GEARS OF ORDER』というどこかで聞いたことのある名前の作品が出てきましたが、そのナレーションを担当しているのが川澄綾子さんで笑えましたね。いつもは下田かおり役としてクレジットされている川澄さんですが、今回の10話はセイバーとクレジットされていておもしろかったです。

 守はアルコールソフトがアメリカの会社になっていることを説明。エルフ、アクアプラス、TYPE-MOON、ニトロプラスもアメリカの会社になり、千代田区連合のちよれん(なつかしい!)が、ロサンゼルス連合のロスれんになったと言います。日本に残っている大手はアリスソフトぐらいだとサラリと語りますが、アリスソフトすごくないですか!?

 リアルタイムで視聴していたときも驚きましたが、その後にSNSを確認したらしっかりアリスソフトがトレンドになっていましたね。「なぜアリスソフトだけ?」という意見以上に「分かる気がする」という感想が多かったところに、このメーカーがいかに信頼され愛されているのかが分かりました。

 その後は変わってしまった秋葉原を探索するコノハ。“萌え”に変わって“Cuu”という言葉が流行っているこの世界では『ラスト・ワルツ』以降、彼女の知っているゲームはひとつも発売されていませんでした。ただ、コノハが悲しむ一方で秋葉原のひとたちは楽しそうでしたね。この世界で生きている人は萌えと美少女にあふれた美少女を知らないので、この世界で生まれたコンテンツを純粋に楽しんでいるのでしょう。

 自分たちの国で生まれたカルチャーが世界規模の産業になっていることを誇りに思っていましたし、コノハにとって生きづらい世界であっても、この世界に生きている人たちにとってはそうではないのかもしれません。

 また、街頭ビジョンの速報で成長した姿の冬夜も登場。シューティングスターズ社の代表である彼女は大手と経営統合をして、さらに会社を軌道に乗らせている模様。やり手の社長として頑張っているようですが、その映像を観たコノハの顔は寂しそうでしたね。

 守以外のアルコールソフトのメンバーがアメリカに行ってしまい、会社のビルも解体中。本来の歴史では生まれるはずであった自分が好きなコンテンツが消えてしまったことで涙を流すコノハ。

 コノハは自分の好きな作品のノウハウを集めて『ラスト・ワルツ』を作ったので、その作品が生まれなくなってしまった原因を自分が作ってしまったと考えて泣いてしまう彼女の気持ちも分かります……。

 自分を責める彼女に守は『ラスト・ワルツ』が成功したおかげでアルコールソフトは存続することができ、秋葉原も発展していると語ります。

 その後に守がコノハを連れて行った場所はPC98が山のように積まれている倉庫。守はどんなことをしても衰退してしまうPC98を嘆きます。ここまでシリアスな展開が続いていただけにギャグ調のBGMに切り替わるこのシーンはなんだかホッとしました。

 守はPC98が衰退したことを例に取り、必ずしもコノハのせいで秋葉原から萌えと美少女ゲームが衰退したとは限らないと説明。この世界はみんなで選んだ未来だといい、この世界で成功してがんばっているメイ子の写真をコノハに見せます。

 てっきり秋葉原から美少女を取り戻す展開になるのかと思っていましたが、、今後は『ラスト・ワルツ』の成功後の世界を変えるというひねりをくわえたストーリーになりそう。最後のキーとなるアイテムは1999年発売の『こみっくパーティー』。いよいよクライマックスに向けて盛り上がってきましたね!


カワチ:RPGとビジュアルノベルが好きなゲーマーで、誰にも気付かれないようなマニアックな小ネタを記事に織り込むのが好き。深みのあるゲームが好きかと思えば、本当は肌色が多ければなんでもいいビンビン♂ライター。


©若木民喜/みつみ美里・甘露樹(アクアプラス)/16bitセンセーションAL PROJECT

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります

関連する記事一覧はこちら