映画『青春ブタ野郎はランドセルガールの夢を見ない』瀬戸麻沙美さんが感じる咲太の好きなところは?

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 2023年12月1日(金)より公開中の劇場アニメ『青春ブタ野郎はランドセルガールの夢を見ない』について、12月2日に行われた公開記念舞台挨拶の公式レポートをお届けします。

『青春ブタ野郎はランドセルガールの夢を見ない』12月2日実施公開記念舞台挨拶レポート

 2023年12月1日(金)より、全国104館で上映が始まった劇場アニメ『青春ブタ野郎はランドセルガールの夢を見ない』。

 『青ブタ』《高校生編》完結を飾る本作公開を記念し、12月2日(土)には、109シネマズ湘南、109シネマズ二子玉川、新宿バルト9の東京・神奈川2ヶ所で、計5回の公開記念舞台挨拶が行われました。

 そのラストを飾った、新宿バルト9での模様をオフィシャルレポートでお届けします!

『青春ブタ野郎はランドセルガールの夢を見ない』公開記念舞台挨拶概要

日時
2023年12月2日(日)19:15開始

会場
新宿バルト9 シアター9

登壇者
石川界人、瀬戸麻沙美、久保ユリカ、東山奈央/MC 天津向

ヒロイン・桜島麻衣誕生日に行われた舞台挨拶

 上映前のイベントに登壇したのは、梓川咲太役・石川界人さん、桜島麻衣役・瀬戸麻沙美さん、梓川花楓役・久保ユリカさん、古賀朋絵役・東山奈央さんの4名。

 この日はヒロイン・桜島麻衣のお誕生日とアナウンスされると、劇場内には大きな拍手が響きました。

 そこから話が、第1週目来場者特典である原作・鴨志田一先生書き下ろし小説に移ると、キャスト陣は一足先に読んでいるとのこと。

 東山さんは「個人的に『ここの絡みがやっと見られたな!』という、嬉しいことがありました」と声を弾ませていました。

アフレコは前作公開中。「みんなを救ってきた咲太を救うのは……?」

 改めて今作の台本やアフレコの感想を聞かれたキャスト陣。

 石川さんは「今までの咲太のことを改めて振り返りながら、なぜ咲太がここまで思春期症候群に巻き込まれるのか、考えるきっかけになりました」とコメント。

 瀬戸さんは二部作目となる今作は、前作『おでかけシスター』で花楓が自分の道を見つけ進んでいこうというところから、今度は咲太の物語が描かれているといい、「咲太が思春期症候群を発症したとき、今までみんなに手を差し伸べてきた咲太を救うものは何なんだろう? そして咲太はどう向き合っていくんだろう? と、すごく楽しみでした。同時に、自分は麻衣さんをどう演じていこうか、丁寧に向き合った思い出があります」と振り返ります。

 一方登壇時の挨拶から感慨深げな面持ちで、「とにかく覚悟して待っていてください」と客席に告げていた久保さん。

  この日5回目の舞台挨拶ということもあり、「もうネタバレしてもいいかも……!? という気持ちが湧いてきちゃって……」と、溢れる感情を抑え込むのに必死。「ごめんなさい!」と謝るキュートなお茶目さに、笑いが起こっていました。

 実は今作の収録は、『おでかけシスター』上映中に行われたのだそう。久保さんはファンの熱がリアルタイムで伝わってくるなか収録に臨めたといい、「前作で一歩踏み出した花楓が、今作ではすごいスピードで成長していきます。そんな花楓と同じ温度感でお芝居できたのが嬉しかったですし、その熱量がみなさんにも伝わったら嬉しいです」と語ります。

 今作について、「成長物語でもありつつ、ミステリー要素も多分にあると感じた」という東山さん。

 台本の情景描写がすごく丁寧だったと明かしながら、「完成版を観てみると、台本のト書きでは収まりきらないほどの空気感や仕草、目線の動き、音楽との絡み合いなどが、絶妙な構成になっていて。セクション間で一体どうコンセンサスを取ったら、こんな1本に仕上がるんだろう? 本当にスゴい! と思いました。もっとスタッフさんのお話も聞いてみたいです!」と、一ファンとして目を輝かせていました。

演じる役柄ならではの視点から挙がった、咲太の魅力

 次に、主人公・咲太の魅力を聞かれた女性陣。

 「咲太はヒーロー」という東山さんは、今作でもリスペクトできる点がたくさんあったそうで、なかでも「時に自分のことを削り過ぎてしまうくらい、優しくて、相手の立場になって考えられるところが素敵。なかなかできることじゃないですし、こういう咲太だから周りに人が集まってくるんだろうなと。もう少し自分のことを考えてもいいんだよ……と言いたくなる部分もありますが、そこも含めて本当に素敵な男の子です」と、魅力を語ります。

 次に久保さんは、「妹目線から言わせていただくと、花楓にとっては最高のお兄ちゃん。花楓のお兄ちゃんが咲太で良かった」と断言。

 続けて「咲太って花楓の前では、“ちゃんとお兄ちゃん”をしていて、涙は見せないんですよね。見せる必要がないと思っているし、花楓もそれは知らないけれど、そもそもお兄ちゃんが感情を見せる見せない関係なく、花楓は咲太の優しさを受け取れている。花楓にしっかり伝わる形で、咲太がそれを表現してくれているのを見ると、やっぱりいいお兄ちゃんだなというのに尽きます」と褒め、最後には「私目線では、最近はちょっと可愛いなと思います(笑)」と付け加えていました。

 対して瀬戸さんは、「咲太の好きなところは、タフなところと、若いのにちょっと達観してしまっているけれど、達観しきれてはいないところ。そして一番は、繊細な部分を麻衣にしかみせないところですね」と、麻衣役ならではの切り口。

 「麻衣にしか見せない表情がちゃんとあるところが好きです」と、今作でも注目したくなるポイントを挙げてくれました。

 一方、各ヒロインの魅力を改めて聞かれた石川さん。

 朋絵は「気の置けない仲であり、親友でいてくれる存在」、花楓は「咲太の自尊心を保たせ、理想の姿でいさせてくれる存在」、そして麻衣は「咲太が目指そうとしている“優しい人”を、まさに体現している存在」と評します。

 そこから続け様に、個人的なポイントを列挙。「朋絵は素直なところが良いですよね。『バリムカ?!』とか、思ったことをそのままぶつけてきてくれるのが可愛い! 花楓は本当に努力家。そのうえで、これだけ辛い想いをしているのに、ちゃんと前に進もうと決意しているところが可愛い! 麻衣さんは誠実ですよね、何にも嘘がない。ちょっと照れ隠しで素直になれないところもまた可愛い!!」と、まるで漫談のように見事な早口で語り上げ、客席から拍手が送られていました

思春期症候群が体感できる一作。「誰かを愛せる人になりたいと素直に思えた」

 お馴染みの『青ブタ』ポーズでフォトセッションを行った4人は、早くも最後の挨拶へ。

 東山さんは《高校生編》完結となる今作を、ひとまずの集大成としつつ、「『青ブタ』のこれまでの長い歩みがあったからこそ感じられる、物語やキャラクターたちの想いの厚みがあると思います」としみじみした表情。

 また舞台挨拶前にスタッフと話したというキービジュアルについて、「『空の色がすごく綺麗ですよね』と。夕焼けだけど不思議な雰囲気で、向こう側で何かが起こっていることを感じさせられます。でも怖くはなくて、温かさを滲ませている。そんな作品になっていると思いますので、いろんなものを受け取って帰っていただけたら嬉しいです」と、想いを語りました。

 続いて「絶対大丈夫なことを1個だけ、ネタバレしていいですか!?」と切り出した久保さん。

 「国見が階段を登ってくるシーンがあるんですけど……めっちゃ爽やかでいいですよ!」と明かし、「何の話!?」「話したいこと、ほんとにそれでいいの?」とツッコまれ、会場には再び笑いの渦が。

 改めて仕切り直し、「これまでも鑑賞前に過去シリーズを観てほしいですとお話してきましたが、今作は観終わったあと、もう一度観直してほしい流れになっていますし、きっと観ずにはいられなくなると思います。前作『おでかけシスター』も配信やBlu-ray&DVDで触れられる機会がたくさんありますので、ぜひ」と述べます。

 さらに久保さんは「まだ『青ブタ』に触れていないという幸運な方が周りにいたら、みなさんから勧めてほしいと思える作品になっています。感想も呟いていただけたら励みになりますので、これからも応援してください!」と、客席に想いを届けていました。

 舞台挨拶を巡る合間、たくさんの感想を目にして嬉しかった、と笑顔が溢れていた瀬戸さん。

 作り手側のメッセージをダイレクトに受け取るタイプだそうで、「『ゆめみる少女』を観たときは、優しい人になりたい! と思ったし、『おでかけシスター』を観たときは、私も頑張るぞ! と思って。そして今作では、“愛”という言葉を使うと軽い感じがしてしまうかもしれないけれど、私もこの人たちのように、誰かを愛せる人になりたいと素直に思えました。みなさんの心に残る物語になっていたら嬉しいです」と語りかけます。

 最後に、改めてファンへ感謝を述べた石川さん。「咲太はTVシリーズから、麻衣さん、朋絵、双葉、豊浜、花楓……いろんな人を助けてきましたが、どれも思春期症候群に巻き込まれる形で、発症する側ではありませんでした。胸の傷も牧之原さんのものですし」と前置きしたうえで、「今回ついに、咲太自身が思春期症候群を発症します。これによって、当事者たちにどんな現象が起こっていたのか、どんな焦燥感や気持ちの歪みを抱えていたのか、体感していただけると思います」とコメント。

 また今作は「解釈していただく幅が、非常に広い」とし、それぞれの楽しみ方で受け取りつつ、「どんな形であれ、キャラクターたちのことを大好きになれる作品だと思いますので、どうか“最後まで”席を立たずにご覧いただけたら嬉しいです」と告げ、この日の舞台挨拶を締め括りました。

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©2022 鴨志田 一/KADOKAWA/青ブタ Project

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