『陰の実力者になりたくて! 2nd season』11話感想。絶望しつつも自分が貫くべき道を進むローズと相変わらずマイペースなシド…2人のギャップがすごい!

カワチ
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 アニメ『陰の実力者になりたくて! 2nd season』の第11話“決断”の感想をお届けします。

【注意】キービジュアルより先のテキストでは、『陰の実力者になりたくて! 2nd season』第11話の物語に関する記述が多々あります。そのため本編をご覧になってから読むことをオススメします。

真実を知り、リバースしてしまうローズがかわいそう……【『陰の実力者になりたくて! 2nd season』11話感想】

 陰の実力者に憧れた少年がシド・カゲノーとして異世界に転生するストーリーを描いた『陰の実力者になりたくて!』の第2期シリーズ。第9話からはオリアナ王国を舞台に、シャドウガーデンのメンバー・666番になったローズの物語が描かれています。

 前回から登場したメイドのマーガレットがシドに甘え、嫉妬したイプシロンが彼女に対抗する展開からはじまる今回。スライム率0%とスライム率99%の対決というギャグからのスタートでしたが、その後の中身はとてもシリアスです。

 シドはローズに真実を教えるため、彼女に母・レイナとドエムの情事の現場を見せます。シドとしてはローズに覇道を進んで欲しいと思っており、彼女の“足かせ”を外すためにおこなった行為ですが、ローズはあまりのショックで錯乱し、気を失ってしまいます。なお、ちょっと白状しづらいですが、レイナの声を演じているのが皆口裕子さんなので、筆者は皆口さんの艶っぽい芝居に興奮してしまいました……。

 父親を殺してまで守った国の現実や愛していた母親の本当の姿を一気に知ってしまって、大きなショックを受けてしまう彼女の気持ちも分かります。嘔吐し、気絶するローズのシーンは迫力がありましたね。

 そんな彼女の姿を見て「なんか、ごめん」の一言で済ましてしまうシドは改めてすごいなと思いました。

 その後、目覚めたローズの耳に聞こえてきたのはシドのピアノ。これまで起こった出来事で混乱しているローズに「世界は明るすぎていろいろなものが見えすぎている」「大切なものだけを見据えていれいいんだ」と彼女の進むべき道を示します。

 壮大で盛り上がる展開になっていましたが、シドがわざわざ重いピアノを移動させて、この演出を用意したのかと思うと笑いが(笑)。チラッとだけ前回の会場からピアノが無くなっているカットが映り、移動させたことを示唆させているのも芸が細かいです。

 また、今回も第9話と同様にシドの回想シーンでWeb版限定ストーリーの場面が登場しましたね。コアなファンが気付くポイントをサラリと入れてくれるのはうれしいです。

 ローズの前からシドがいなくなり、そこにはひとつの指輪が。ローズはシドから送られたものだと勘違いしますが、その後のシーンでシドが落としただけのものと判明。この指輪がきっかけでローズはその後の一大決心をするので、あいかわらずシドには「なにやってんねん」と思いましたね。

 ただ、すれ違いや勘違いがあるとはいえ、起承転結がしっかり成り立っているのが『陰実』のすごいところ。シドの影響はありますが、ローズの一連の行動も筋が通っています。とても丁寧にプロットが練られており、「そこをそうやって繋げれば物語として自然なのか!」と驚かされますね。

 終盤にはディアボロス教団の中心となるナイツオブ・ラウンズの第九席“モードレッド卿”が登場。子安武人さんの迫真の芝居が光るキャラクターで、いよいよクライマックスに向けて最後の盛り上がりを迎えていることを感じさせます。いよいよ最終回となる次回の放送が早くも楽しみです!


カワチ:RPGとビジュアルノベルが好きなゲーマーで、誰にも気付かれないようなマニアックな小ネタを記事に織り込むのが好き。深みのあるゲームが好きかと思えば、本当は肌色が多ければなんでもいいビンビン♂ライター。


©逢沢大介・KADOKAWA刊/シャドウガーデン

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