感想:『MFゴースト』1期最終回でカナタの秘めた才能の謎が明らかに! 芦ノ湖GPの予選はクライマックスへ

タダツグ
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 今なお熱狂的なファンを持つ名作『頭文字D』の後継作として、満を持して世に送り出された新作アニメ『MFゴースト』。第12話“うけつがれた感覚”が放送されましたので、視聴してみての感想をお届けします。

【注意】ここからは記事の構成上『MFゴースト』の物語に関する記述が多々含まれます。ネタバレが気になる方は本編をご覧になってから読むことを強くオススメします。

アニメ『MFゴースト』第12話“うけつがれた感覚”感想

 ああ……毎週楽しみに鑑賞していた『MFゴースト』が終わってしまった……。しかも「まさにここから物語が盛り上がる!」というとんでもないタイミングで。ティザームービーが公開されたSeason2のことも含め、ここらへんはあとで語っていきたいなって思います。まずはいつものごとく、第12話の感想を述べていきたい所存。皆さん、どうか最後までお付き合いくださいませ。

 スパイラル・ゼロの奥山によってチューンされ、おもに足回りが強化された新生ハチロク。その実力のお披露目の場となるMFG第2戦“芦ノ湖GT”は、予選が着々と進んで行きます。

 現在のポールポジションは、セブンティーン・コンプレックスの男こと沢渡光輝。彼が駆るアルピーヌ・A110がたたき出したコースレコードの壁は高く、相葉 瞬のニッサンGT-Rやヤジキタ兄妹の兄・八潮 翔のロータス・エキシージ、そして赤羽海人のフェラーリ・488GTBですら乗り越えることはかないませんでした。


 沢渡が異例の好タイムを残したことで、その後を走るドライバーたちがいつも以上にいきり立っていたのはとても生々しくてリアルでしたね。何もレースドライバーに限ったことではありませんが、プロのアスリートたるもの、負けん気が強くないと表彰台にはとても立てないでしょうから。守りに入る人間が誰もおらず、いつも以上にアクセルを踏み込んでいく人たちばかりだったのが印象的でした。

 ……なかには、イキりすぎて空回りした者もいましたけど(苦笑)。誰とは言いませんがセンパイ、あなたのことですよ。トライアル終了後、めちゃくちゃ凹んでて思わず笑っちゃいました(笑)。ある意味、直情的なところも彼の魅力というか。個人的に憎めないところではありますね。

 さて、では肝心のカナタはというと……。これがまた、不思議なほどに飄々としているというか、とても自然体でリラックスしていて、見ているこちらが面食らいます。ステイ先の西園寺家の面々やパートナーである緒方も、カナタの落ち着きぶりを不思議に思っている模様。そりゃあそうですよ……大舞台なんですから。

 ただ、カナタは師匠である藤原拓海から“レース中は感情的になるな”と教え込まれていることを考えたら、この落ち着きっぷりにも納得がいきます。決して冷めているわけではないんですよね。第1戦のラストシーンで、ジャクソン・テイラーのポルシェ・911カレラ GTSとのブレーキング対決中に見せたアグレッシブさも記憶に新しいところですし。

 カナタは静かに闘争心を燃やしつつ、ここぞのところでしっかり熱くなるタイプ。出走前から入れ込んでいたら、むしろ心配になるって話です。

 この拓海の教えは、サブタイトルどおりの“うけつがれた感覚”。そういう意味では、今回のタイトルはダブルミーニングともいえるかもしれません。というのも、カナタに“うけつがれた感覚”はこれだけじゃないんです。そう、今は亡き彼の母親であるキャサリンから与えられた、天性の才能についても、この12話でついにスポットが当たりました。

 この能力は、カナタのドライバーとしての強さを支える軸の1つといえますが、ここで詳細を語るのはやめておきます。まだ未見の方もおられるでしょうからね。

 ただ、伏線自体はこれまでの放送で何度となく張られていました。今回のエピソードで説明される前に、ちゃんと気づけていた方も少なくないかもしれません。

 ちなみにキャサリンの親友である真由子(※レンの母親)からは、その才能をクルマの運転以外にも発揮してほしいという趣旨の言葉が告げられましたが、これは一理あるなと。能力をうまく使えばさまざまな分野でトップへとたどり着けるポテンシャルを秘めていそうです。亡き母に想いを馳せ、彼女が愛した絵画のトレーニングにも興味を抱くカナタの横顔が印象的なシーン。

 さておき、天才ドライバーが駆る新たなハチロクは、芦ノ湖GTでどんな結果を残すのか。非常に気になるところ! ……なのですが、残念ながらハチロクがタイムアタックを開始したところでSeason1は終了という形になりました。こんなところでおあずけされるなんてッ! ヒキのキャッチーさはカンペキといえるかも。待たされるこちらとしてはツラいのですが(苦笑)。

 この構成、おそらくかなり早い段階から(それこそSeason1開始のタイミングから)決まっていたとしてもおかしくなさそうですよね。それくらい絶妙に、そして緻密にデザインされているからこそ実現できたキャッチーさに思えます。

 最終回直後に公開されたティザーPVでは“2024年放送”という情報だけでしたので、いつになるかは未知数のSeason2。自分としてはまた秋から冬にかけての放送になるのではないかと踏んでいます。作画やクルマの描写、サウンドへのこだわりなんかを含めると、『MFゴースト』はかなりカロリーが高い作品だと思うので……。

 十分に作り込んでからSeason2をスタートさせてほしいという想いの傍ら、早く見たいという衝動もあり……このジレンマたるや! 原作コミックは全冊所持しているので、ちょっと復習(この場合は予習になるのか?)しておきますかね。

『MFゴースト』第12話で印象に残ったセリフはこれ!

 さて、放送が終わる以上このコラム連載も一旦最終回となりますが。最後まで元気よく、印象に残ったセリフを書き記していこうと思います。まずはこちら!

「今はただのチャレンジャーですから。純粋にワクワクする気持ちしかないです。(片桐カナタ)」

 タイムトライアル前日から落ち着かない緒方に対し、平然とリラックスしているカナタ。緒方から緊張しないのかと問われた答えがこれです。大物!

 あらためて思い出すと、カナタの目的はMFGに勝利することではないんですよね。あくまで自分の存在を、どこかで見ているであろう父親に知ってもらうことを主目的とし、そのために得意とするドライビングテクニックでレースに挑戦しているわけですから。他のドライバーとは立ち位置が異なるぶん、勝利へのプレッシャーは少ないといえるかも。

 逆に言えば、カナタが勝負だけに集中する局面が来たら……そのときはどうなるかわからないですよね。彼のことだから、プレッシャーさえも楽しんでしまえるのかもしれません。いつかそういうタイミングが来るのかどうか? この先の展開が気になるところ。

「MFGには魔物が棲む。喰うか喰われるか。弱いヤツが喰われるのさ!(赤羽海人)」

 深紅のフェラーリ・488GTBを駆る赤羽海人が、芦ノ湖GTのコースを激走しながらつぶやいた言葉。なんだか意味深です。緒方いわく、どうやら芦ノ湖GTにも第1戦の舞台となった小田原パイクスピークの“濃霧”とはまったく異なる“デスエリア”が存在するようですからね。しかも、かなり手ごわいシロモノとのこと……一体どんな魔物が棲むのか?

 赤羽からすると、それにビビって身を引いた瞬間に負けだと己を鼓舞する意味もありそうです。イケメンが口にするとなんでもカッコいいなって思っちゃいました。

「近いよ……カナタの顔が……(西園寺レン)」

 ラストはヒロインであるレンちゃんのセリフ。これ、雨の中をカナタと2人で相合傘して帰宅することになったときの言葉です。初々しすぎてニヤニヤが止まらん(笑)。

 いいですよねえ、相合傘。カップルといえば……な定番描写の1つ。僕的にはかなりナイスなシチュエーションでした!

 思えばカナタは英国育ちということで、日本とは文化圏が全然違うんですよね。雨が降っても傘はささなかったり、日本のお菓子が珍しいうえに美味しいと夢中になったり。そういう異文化育ちな一面もレンにとっては新鮮で、ますます心がときめいちゃうのかもしれません。この乙女心、応援したい! 

 とはいえSeason1の段階では、2人の距離感はまだまだ微妙に思えます。カナタはレンのことを大切に想っている反面、恋愛感情を抱いている描写はありませんからね……。この近くて遠い距離を近づけるには、劇的な何かが必要かも。Season2には、そこらへんのアオハル要素も期待しちゃうところ!

 ということで、次なるシーズンへ想いを馳せつつの感想記事も、そろそろこのへんで終了です。1人の『頭文字D』ファンとして、そして原作コミックのファンとして、とても楽しめたこのアニメ。おかげで日曜日の夜が楽しみな3カ月を過ごせました。

 願わくばSeason2も、この素晴らしいクオリティをしっかり継承して作ってもらえればうれしいです。そしてそのときはまたこのコラムで読者の皆さんにお会い出来たら、僕としても最高ですね。実現する日を夢見つつ……。ここまで読んでいただいてありがとうございました! それでは、今回はこのへんで!!

TVアニメ『MFゴースト』2nd Season超ティザーPV

©しげの秀一・講談社/MFゴースト製作委員会

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