感想:アニメ『ウマ娘』第3期12話で描かれるジャパンカップの激闘。ほとばしるシュヴァルグランの想いに感情移入が止まらない!

タダツグ
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 ファン待望のアニメシリーズ第3期『ウマ娘 プリティーダービー Season 3』第12話“キタサンブラック”が放送されましたので、視聴しての感想をお届けします。

【注意】この記事では『ウマ娘 プリティーダービー Season 3』の物語に関する記述が多々あります。そのため本編をご覧になってから読むことを強くオススメします。

アニメ『ウマ娘 プリティーダービー Season 3』第12話“キタサンブラック”感想

 僕のことを何度泣かせる気だ、このアニメ『ウマ娘』は……。最近は毎度、本当に毎回、必ず泣かされてしまうので、導入の書き方にちょっと困ってます。いや、僕のボキャブラリーが貧相なだけですが。とにかくすごいアニメです。なんか、すごくすごいアニメ!(語彙力G)

 ちょっと茶化したような書き方になりましたが、実際のところ、本当に語彙力が死ぬほど心を動かされました。例によって、今回もこれまで以上にネタバレ要素が多い記事になると思います。お読みいただける方は重ねてご注意くださいね。

 今回のサブタイトルは“キタサンブラック”。当然、キタちゃんの心情表現にスポットが当たる回になる……放送前はそう思っていました。はい、読みが甘かったです。

 物語はキタちゃんの記者会見からスタート。導入からして「これは!」となりましたが、案の定、キタちゃんは自分自身の口から年内でトゥインクル・シリーズを引退することを発表しました。

 前回の“天皇賞(秋)”で、走り終えた瞬間に精魂尽き果てたキタちゃんの姿を見ているこちらとしては、引退宣言も仕方ないと思いつつ。やっぱりショックでしたね。当然、会見を見ているほかのウマ娘たちも動揺を隠せないようでした。

 とりわけ大きく心を動かされていたのは、まさかのシュヴァルグラン。……いや。“まさかの”という書き方はおかしいかもしれません。シュヴァルちゃんはサトノクラウンともども、同期組の3人娘としてキタちゃんとさまざまなレースをともに走って来た間柄ですから。

 健闘はしながらもずっとキタちゃんの背中に追いつけず、悔しい想いをしてきた彼女だけに、その心中が穏やかではないのは、当然のことといえる気もします。

 心ここにあらずなシュヴァルちゃんが、姉であるヴィルシーナ、そして妹のヴィブロスに心情を隠すことなく吐露するシーンには、胸が詰まりそうになりましたよ。クラちゃんやサトノダイヤモンド、そしていまだ故障から復帰できないドゥラメンテもキタちゃんの引退にはかなりのショックを受けており、あらためて“キタサンブラック”というウマ娘がどれだけ周りに影響を与えていたかがわかります。

 というか、こんな形でわからせてくれちゃう演出の妙……なんとも心憎い。周りのウマ娘たちの視点を介してキタちゃんの姿を眺めたことで、より彼女のことが好きになってしまった気がしますね。

 それゆえに、見ていて拳に力が入ったジャパンカップ。当初、僕はキタちゃんの応援に集中していました。ジャパンカップ、そしてラストランの有マ記念に勝利して有終の美を飾ってほしい。最後まで強いままの背中であってほしい。そんな想いで。

 ただ、レース中盤からは別のウマ娘に目が吸い寄せられて離せなくなりました。そのウマ娘の名は……もう皆さんお気づきですね。そう、シュヴァルグランです。正確には上でも書いたように、彼女の目を介すことで、キタちゃんの背中を追いかけることになりました。

 このレースは絶対に自分自身の目でご覧いただきたいので、ネタバレ抜きでどこまで書いていいものやら。

 見せ場はいくつもありますが、とりわけシュヴァルグランの想いがほとばしりまくったラストスパートの演出が素晴らしかったです。もう少しだけ踏み込むと、キタちゃんの背中を追いかけるシュヴァルちゃんが口にする「キタサンブラック、ボクはキミがキライだ」という言葉、その裏にある真意がビンビンに感じられて震えてしまいましてね……。キタちゃんの背中から目線を切って下を向き、全力でスパートを開始する演出には鳥肌が立ちましたよ。マジで最高ッ! 僕はもう、最後は大号泣しちゃってました……。

 要所で流れる挿入歌「光の後ろ姿(歌:シュヴァルグラン)」もズル過ぎる。どう考えても泣きますわ、こんなの! タイトルからして泣いちゃう。そしてゲーム版『ウマ娘』のガチャまで引きたくなっちゃうッ!!(笑)

 ……実際問題、シュヴァルグランはこれ以上ないほど最高のタイミングでゲームに実装されたなって思います。ゲームの開発スタッフがファンの心に寄り添ってくれている証とでもいうか。僕は手持ちのジュエルが心もとなくて、今のところはギリ踏みとどまっているものの、我慢のダムは決壊寸前ッス(汗)。きっとすぐにお迎えしたくなったトレーナーさんも少なくないハズ……そう踏んでいますよ。

 って、話が少し横道に逸れましたね(苦笑)。とにかく! 泣いても笑っても、キタちゃんの雄姿を見られるのは次の有マ記念が最後になりそうです。僕自身、来週は正座待機でオンエアに臨む所存。もし忘年会とかに誘われても、お断りする覚悟でいきます。ファンの皆さんも(リアタイするかどうかはさておき)絶対にお見逃しなく!!

 ……では、ここからは気分を変えて。イチ『ウマ娘』ファン視点で、12話を鑑賞していて「おっ!」と思ったところをご紹介しましょう。

ついに名前が明かされたロイスアンドロイス! じつは意外と口達者でビックリ?

 チーム“カノープス”の新メンバーとして、3期冒頭からずっと顔を見せていながら、なぜか名前が明かされなかったメガネ姿のウマ娘。今回ようやく、本当にようやく、その名が明かされることになりました。ロイスアンドロイス、それが君の名かッ! ゲーム版『ウマ娘』に新実装されたサポートカードで、アニメにほんの少しだけ先駆けて名前が明かされるというサプライズ演出もハマっていたように思います。

 これまで頑なに口をつぐんでいたこともあり、無口なキャラなのかなって勝手に考えていましたが、それはただの思い込みでした。一度口を開けば、流暢にキタちゃんに対する持論を語り始めたりして、なんて言うんですかね。めちゃくちゃゴーイングマイウェイなウマ娘って印象に変わりましたよ(笑)。

 ゲーム版の公式サイトにも書かれていますが、ロイスアンドロイスは“セルフプロデュースの鬼”とのこと。なるほど……。ナイスネイチャやマチカネタンホイザとも折り合いは悪くなさそうだし、今となってはいかにも“カノープス”っぽいキャラな気もしています。正直言ってかわいい!

勝負は一勝一敗。キタサンブラックの引退を前にサトノダイヤモンドはどう動く?

 キタサンブラックにとってラストレースとなる有マ記念。もし叶うなら、最後は笑顔のキタちゃんが見たいなと思っているのは僕だけではないでしょう。そしてそのためには、やっぱり幼なじみであり親友であるサトノダイヤモンドの存在が不可欠な気がするんですよね。

 ただ、ダイヤちゃんはダイヤちゃんで、凱旋門賞で惨敗を喫したことにより、己の進む道に悩んでいる模様。結局、12話では有マ記念に出走する意志を見せることはありませんでした。

 それでも、彼女ならきっと悩みを乗り越え、三度キタちゃんと並び立ってくれるのではないかな、と。そうあってくれたらいいなって、願望を抱いてしまいます。エピソードには事欠かないというか、本当に目が離せないですね、次回の13話。

またお前か! バナナが好きすぎるビワハヤヒデはある意味清涼剤(笑)

 2週連続でオチに使っちゃってごめん、ハヤヒデ。というかズルいぞ(笑)。

 はい、今回もしっかり要所でハヤヒデがバナナをもぐもぐしている姿が描写されていて、思わずガン見してしまいました。皆さんはお気づきになりましたでしょうか。

 このバナナを食すハヤヒデの描写、僕はトレセン学園が実施した地域振興イベントの時から始まったものだと思っているのですが。ここまで毎回かぶせてくるとなると、もしかして今まで見逃していただけで、過去にもどこかで登場していたりするのではなかろうか……そんな気持ちにもなっています。疑心暗鬼ってわけではないですけど、遊び心にあふれるアニメスタッフだけに侮れない。

 じつは個人的に、来年1月からリリースされる『ウマ箱3』のBlu-rayは全巻購入予定なので、あらためて見返す際には注意してみようかなって思いました(笑)。

 さておき、毎度アニメが放送されるたびにつらつらと書いてきたこの感想コラムも、いよいよ次回が最終回になりそうです。きっと、また泣いてると思いますけど、よろしければぜひ最後までお付き合いいただければライター冥利に尽きます。どうぞよろしくお願いいたします。それでは、今回はこのへんで!

©2023 アニメ「ウマ娘 プリティーダービー Season 3」製作委員会

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