『KINGDOM HEARTS Missing-Link(キングダム ハーツ ミッシングリンク)』CBTレポート。位置ゲー初体験で現実世界とアストラル界のリンクにエモさ感じる
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- スズタク
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スクウェア・エニックスが2024年にサービス開始を予定しているiOS/Android向けアプリ、『KINGDOM HEARTS Missing-Link(キングダム ハーツ ミッシングリンク)』。そのCBT(クローズドβテスト)のレポートを掲載します。
本作は、“キングダム ハーツ(KH)”シリーズの最新アプリ。スマートフォンのGPSによる位置情報を利用したゲームで、現実世界の地形や移動とリンクしたアクションRPGが楽しめます。また、『KHIII』に登場したスカラ・アド・カエルムを舞台に、シリーズの空白の物語が描かれる点も見どころ。
正式サービスに先駆けて2023年11月29日~12月8日にiOS版のCBTが行われたので、位置情報ゲーム初体験のライターによるプレイレポートをお届けします。なお、Android版のCBTは2024年1月実施予定です(募集はすでに終了)。
【もくじ】
●キーブレード使いの“漂着者”となって“KH”の世界を冒険
●キーブレードとピースを駆使して本格アクションバトル!
●自分の住む地域が、なじみの場所が、訪れる先がアストラル界とつながる!!
●スマートフォンアプリならではの新しいつながりや楽しさが待っている
※今回体験できたのはCBTであり、記事の内容は正式サービス版と異なる可能性があります。
キーブレード使いの“漂着者”となって“KH”の世界を冒険
“KH”シリーズの主人公といえばソラですが、本作の主役はプレイヤー自身。ゲームを始めると、キャラクターメイキングで自分好みのアバターを作成できます。
メイキングが終わると、チュートリアルを兼ねたプロローグへ。おなじみの“めざめの園”で目を覚ましたプレイヤーは、導かれるままスカラ・アド・カエルムの海岸に流れ着き、そこで赤毛の青年・レムスと邂逅。
記憶喪失であるプレイヤーはレムスの所属する結社に身を寄せ、結社のナビゲーター・フレイヤの指示のもと、“アストラル界”でのミッションに赴く……というのが大まかな流れです。
今回のCBTはあくまでゲーム体験が主な目的で、ストーリーはごく一部しか収録されていませんでしたが、ゲームの導入としては十分。『KHIII』に近いグラフィック、イベントシーンはボイスつき、気になる新キャラクターやワードなど、正式サービス後のストーリーに期待が持てる内容でした。
“めざめの園から物語が始まる”、“初めて訪れるワールドでロゴが表示される”といった“KH”らしいポイントもバッチリ押さえられており、シリーズファンとしてはうれしいところ。本作がまぎれもなく“KH”シリーズ新作であることが、よく感じられました。
キーブレードとピースを駆使して本格アクションバトル!
本作のバトルは、コンソール版の“KH”さながらのアクションで展開。スワイプでキャラクター移動、ボタンタップでキーブレードによる攻撃が行えます。ドッジロールによる回避、エアリカバリーによる受け身なども可能で、想像以上に従来作品に近い手触りが味わえました。
また、バトルで重要となるのが“ピース”の存在。キャラクターを模したフィギュアのようなものであるピースは、デッキにセットすることで戦闘中に使用でき、さまざまなアクションアビリティを繰り出せます。アクションアビリティ使用にはMPが必要なぶん、範囲攻撃や回復など強力な効果を秘めています。
ピースにはパッシブアビリティもあり、デッキにセットすることで最大HPや魔法攻撃力などのステータスを常時アップ可能。強力なピースを装備すれば、より手ごわい敵とも渡り合えるようになります。
ピースはアストラル界の探索やドロー(ゲーム内ガチャ)で手に入り、キャラクターの育成には欠かせないもの。ピース自体を強化することも可能で、ピースを集めることは『KHML』の大きな楽しみのひとつとなりそうです。
本格的なアクションが楽しめる本作ではありますが、オートバトルに任せることも可能。やり方はカンタンで、戦闘画面に表示されるAUTOボタンをタップするだけ。アビリティも設定に合わせて自動で発動してくれるので、アクションが苦手な人でもサクサク進められます。
装備するキーブレードによって近接攻撃と遠隔攻撃を使い分けられる、コンボだけでなくパワーをためて繰り出すチャージアタックがある、6種類の属性による優劣相性が存在するなど、アクションRPGとしての作り込みも決して手を抜いていない印象。オートバトルでカジュアルに遊ぶもよし、手動操作で徹底的に動きを突き詰めるもよしです。
今回のプレイで個人的に印象に残っているのは、ラージボディがしっかり正面からの物理攻撃を無効化していたこと。シリーズおなじみのハートレスであり、丸々としたお腹でキーブレードを弾くことで有名な敵ですが、まさか本作でもそのイヤらしい特徴を持っていたとは!
よく考えたら2Dではなく3Dのゲームなので当然の再現なのかもしれませんが、プレイ中は妙な感動がありました。それと同時に、「『KHML』ならシリーズのお約束も守ってくれるだろう」という信頼感が芽生えた瞬間でもあります。
自分の住む地域が、なじみの場所が、訪れる先がアストラル界とつながる!!
位置情報ゲームである『KHML』の最大の醍醐味が、現実世界とリンクした“アストラル界”の冒険。スマートフォンを持って外出すると、位置情報に基づいてアバターがアストラル界のマップを移動します。
マップにはさまざまなスポットがあり、アクセスしてバトルをしたり宝箱をゲットしたりするのが主な目的となります。
アストラル界を移動する手段は2つあり、1つは位置情報を用いたGPS移動。GPS移動時は“ハンズフリーモード”を利用でき、エンカウントバトルや回復などのアクセスを自動で行えます。スマートフォンを使った“ながら歩き”や“ながら運転”を防止するうえでも、ハンズフリーモードは効果的な機能ですね。
ハンズフリーモード中は、画面ロックによって消費電力を抑えつつゲームを進行できるのもありがたいポイント。外出する際はとりあえずGPS移動→ハンズフリーモード→画面ロックと操作しておけば、スマートフォンに気を取られることなく自動で報酬を集めてくれるのでいいことずくめです。
なお、画面ロック中は徒歩による移動だけでなく、電車や車などの高速移動時もハンズフリーモードが有効となります。
もう1つの移動手段はパッド移動で、こちらはキャラクターを動かしてマップ上を自由に移動できます。「パッド移動があるならGPS移動は必要ないのでは?」と思うかもしれませんが、パッド移動中はエンカウントバトルや各スポットへのアクセスに“AP”が必要になります。せっかくお宝のスポットに行き着いても、APが足りなければ意味がありません。
APはGPS移動モードで獲得できるので、外出するときはGPS移動、帰宅したらパッド移動に切り替えれば常に自由な探索が可能になります。このあたりの作りは巧みですね。
また、パッド移動時はピンチ操作でアバターとの距離を調節できるのも特徴。通常は見下ろし型の視点で地形や建物も簡略化されていますが、アバターとの距離を近くすると建物のサイズもリアルになり、臨場感たっぷりのマップ移動が味わえます。
一大ブームを巻き起こし、今もなお人気ジャンルである位置情報ゲーム。これまで自分はこのジャンルを未プレイで、『KHML』で初めて経験したわけですが、熱中する人が続出するのも納得でした。
自分が普段住んでいる地域やなじみの場所が、実際の地名とともにゲーム内に登場する(地名表示は設定でオフも可能)。このリアルとフィクションの融合はたしかに新鮮な体験で、非常に今更ながらの感想ではありますが、時代の進化を感じます。
また、ハンズフリーモードによって“とりあえず移動していれば何かいいことがある”という手軽なおトク感を得られるのも、心をくすぐられるポイントですね。
エリアマップを縮小していくと、自分が住む都道府県から離れ、やがて日本地図や世界地図まで表示されます。世界の各地にも何かしらのスポットが存在し、『KHML』という1つのゲームが全世界をつなげていると思うと、これほどエモいこともない!
スマートフォンアプリならではの新しいつながりや楽しさが待っている
ここまでストーリーやシステムについて語ってきましたが、『KHML』の魅力はそれだけではありません。まず注目してもらいたいのが、本作の舞台であるスカラ・アド・カエルムについて。
このワールドが初めて登場した『KHIII』では、最終盤で訪れる戦場マップだったことから落ち着いて散策などできませんでしたが、本作ではその美しい街並みをじっくり眺められます。ショップやカフェといった施設、生活する人々やモーグリなども見られ、スカラ・アド・カエルムという都市本来の姿を確認できます。
『KHIII』では完成形の街並みでしたが、『KHML』のスカラ・アド・カエルムはまだ発展中という様相で、このあたりの成り立ちもシリーズファンとしては気になるところですね。
また、街中には自分以外のプレイヤーも生活しており、話しかけるとプロフィールカードを閲覧できます。ファッションやポーズを自由に変えてプロフィールカードを作成できるので、そのプレイヤーの個性がよく表れる!
本作には膨大なHPを持ったボスとの“レイドバトル”もあり、1人でもみんなでも挑めます。救援依頼を出すことで世界中の人とマッチングが可能で、プレイ人口の少ない地域でも協力プレイを楽しめるのがありがたいですね。
CBTではあまり深掘りできませんでしたが、アストラル界では“パーティー機能”によってプレイヤー同士でパーティーを組み、プライベートなレイドバトルを行うことも可能。友だち同士で遊べば、盛り上がること間違いなしです。
ゲームの性質上、SNSなどでの情報共有が重要になると思われるので、今までの“KH”アプリ以上に“ユーザー間のつながり”が感じられる作品となりそうです。
ちなみに、本記事で使われている画像を見てもわかるとおり、このゲームは縦向きと横向きの両方に対応しています。驚くべきは、プレイ中に端末の向きを変えるだけで、UIデザイン含め瞬時に適応される点。
縦横両方に対応しているアプリはほかにもありますが、オプション画面や再起動を経由せずに変更できるとは思いませんでした。これってなにげにスゴイ技術なのでは……?
iOS版のCBTではアプリの起動時間がかなり早く、ゲーム全体の動作が軽快だったのも記憶に焼きついています。スマートフォンアプリを遊ぶ際、個人的には安定性や動作の軽さを重要視するので、このあたりも好印象でした。なお、プレイに使用したのはiPhone XRです。
最後になりますが、あいかわらずBGMが素晴らしかったことも挙げておきます。シリーズコンポーザー・下村陽子さんの新曲かどうかは不明ですが、タイトル画面やスカラ・アド・カエルムで流れる曲、戦闘曲などがとても心地よいメロディでした。
シリーズらしさを打ち出しつつ、スマートフォンアプリならではの体験を内包した『KHML』。自分のように「“KH”シリーズは好きだけど位置情報ゲームはやったことがない」という人には、ぜひ一歩踏み出して遊んでみてほしい作品です。
Android版のCBTは2024年1月実施予定なので、テスターに当選した人はこの記事も参考にしながらCBTを楽しんでください!
スズタク:RPGとアクションをこよなく愛するライター。近年、シミュレーションRPGのおもしろさに気づき始める。
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