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感想:アニメ『16bitセンセーション ANOTHER LAYER』13話。ありがとう! 美少女ゲームは不滅だ!! 第1話の伏線が回収される芸の細かさにもにんまり

カワチ
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 TVアニメ『16bitセンセーション ANOTHER LAYER』の第13話“わたしの大切なもの”の感想をお届けします。

【注意】キービジュアルより先のテキストでは、『16bitセンセーション ANOTHER LAYER』第13話の物語に関する記述が多々あります。そのため本編をご覧になってから読むことをオススメします。

カタルシス感じるラストをぜひ観てほしい!

 コミックを原作としながらも、アニメオリジナルの秋里コノハを主人公に、さまざまな時代にタイムリープするストーリーにアレンジされた『16bitセンセーション ANOTHER LAYER』。第10話以降、コノハたちが作った『ラスト・ワルツ』が世界的な成功を収めたことで歴史が改変。2023年の秋葉原が大きく様変わりしてしまうことになりました。

 コノハが大好きな美少女ゲームは、アメリカナイズされた萌えとは極端に異なるキャラクタービジュアルになり、日本のメーカーもほとんどがアメリカの企業に。さらに、大手のラネットゲームズ・ジャパンは人々をケースのなかでCI(サイバネテック・インテリジェンス)としてゲーム制作の道具にしているという状況。

 そんななか、前回の第12話のクライマックスは突如としてUFOが出現し、そのなかから守が1985年の秋葉原で出会ったエコー2が現れるという展開でしたね。予想外の展開にいったいどんな最終回になるのか……この1週間ワクワクしながら待っていました!

 エコー2に導かれてUFOの光のなかから現れたのはエコー1。てっきりシリアスな方向のストーリーになるかと思っていましたが、コノハのファンを名乗るエコー1が彼女にサインをお願いするというまさかの流れ(笑)。

 個人的な感想ですが、真面目になりすぎないところが『16bitセンセーション』らしくてよかったです。コノハの性格や大げさなリアクションも相まってホッとする作品になっているところが素晴らしい。何度も観直したくなるタイプのアニメです。

 サインをもらったエコー1は「これは、これからあなたが完成させるゲームです」と告げます。パッケージを開けると七色の粒子が飛び出し、彼は「これは人間の想像力です」と説明。抽象的なシーンであるため、筆者の想像になんりますが、エコー1やエコー2はAIによる作業の効率化によって想像力が失われてしまった将来を知っている未来人なのではないかと思いました。明確な答えが示されたわけではないですが……。エコー1たちについては、アニメを観終わったユーザーたちで「こういうことだったのではないか」と盛り上がることができるいいポイントになっているのではないかな~と。

 エコー1たちがコノハたちの前から去り、舞台はふたたび秋葉原ドームへ。ここからは最終回にふさわしい激アツな展開。エコー1に渡されたゲーム制作の手伝いにアルコールソフトのメンバーがヘリコプターで駆けつけます。守が事前に連絡してくれていたそうですが、メイ子、かおり、てんちょー、キョンシーの登場は分かっていてもアツかったです。

 また、原作とアニメで大きく設定が変わる冬夜に関しては自分の行動に責任を感じて同行することを断ります。コノハが冬夜とゲームを作る約束を覚えており、いつか一緒にゲームを作ることを伝えるシーンで救われましたね。個人的にはいちばん原作から変わったキャラクターということで彼女に注目していましたし、コノハとの尊い関係にすごく惹かれていました。ふたりが手放しに幸せになれたわけではないですが、「いつか、こういう未来になってほしい」と描かれない部分を想像できてよかったですね。

 作業場に着いたあとは、双子のシナリオライターであるキキララや広報の橋本さんも合流。アルコールソフトのコアメンバーが登場しただけでもうれしかったですが、できれば彼女たちにも出てほしいと思っていたのでうれしいサプライズでした。

 そして、ついに歴史を変える美少女ゲーム『わたしの大切なもの』が完成! コノハは1999年に戻ることに。ここからは本当にアニメを観てほしいのですが、ここまでの記憶が無くなってしまうことを悲しむコノハに、可能性の“熱”があれば忘れることはないと伝える守が印象的。

 この言葉は作品のテーマにもつながっていると思いますが、筆者自身もこれまでたくさんの美少女ゲームに支えられて生きてきたことを改めて思い出しました。人生がツラいときやつまづいたときに救われたことはたくさんあり、今でもその思い出を大切にしているので、これからもクリエイターの熱が詰まった美少女ゲームが発売され続けてくれるとうれしいなと感じました。

 クライマックスに関しては詳しく書くのはやめておきますが、1999年に飛んだコノハが目にしたのが巨大な“でじこ”だったり、現代に戻ったコノハが勤めていた会社に行ってみると“人妻カフェ”になっていて、ここで1話の人妻の話の伏線が回収されるのか……と感心しました(笑)。

 “モノづくり”の大切さを教えてくれるとともに、改めて自分がコノハと同じように美少女ゲームのことが大好きだったことを思い起こさせてくれるいいアニメでした。Blu-ray&DVDの特典も豪華なのでそちらも楽しみに待ちたいと思います。それでは~!


カワチ:RPGとビジュアルノベルが好きなゲーマーで、誰にも気付かれないようなマニアックな小ネタを記事に織り込むのが好き。深みのあるゲームが好きかと思えば、本当は肌色が多ければなんでもいいビンビン♂ライター。


©若木民喜/みつみ美里・甘露樹(アクアプラス)/16bitセンセーションAL PROJECT

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