【おすすめDLゲーム】レトロカートゥーン冒険ACT『Cuphead』は1930年代作品への愛とリスペクトばかり
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- sexy隊長
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ダウンロード用ゲームから佳作・良作を紹介する“おすすめDLゲーム”連載。今回はSwitch/Xbox One/PC(Steam)でリリースされている『Cuphead』をお届けします。
シングルプレイでも協力プレイでも楽しめる、カートゥーン風2Dアクションゲーム。見た目のポップさとは裏腹に、高難易度のアクションが話題となり世界各国で高評価を得ています。
2017年9月にPC版とXbox One版がリリースされ、2年以上経ってもなお人気の本作『Cuphead』の魅力を存分に紹介していきます。
なお、プレイ画面はNintendo Switchのものになります。
ちょっぴりダークなストーリー
本作の主人公は、インクウェル島という魔法の島で暮らしている「カップヘッド」と「マグマン」という兄弟。
家から遠く離れた、ガラの悪い場所にある「デビルのカジノ」。そこでお金に目がくらんだ2人はタマシイをかけた大勝負に挑み負けてしまいます。
そこで命乞いをした兄弟は、タマシイを支払う代わりに「明日の夜12時までにカジノから逃げ出した債務者全員のタマシイを取り立てろ」との提案を受け、債務者達のタマシイを集める冒険の旅に出るというのが本作のストーリーになります。
苦手な人でもタマシイに火がつく絶妙なゲームバランス
操作はジャンプ・ダッシュ・攻撃の3種類のみなので、ゲーム初心者でも気軽にプレイできます。
本作は、横スクロールステージはなく債務者といきなり戦うボス戦と、ボスが出てこない横スクロールだけのステージ“ラン&ガン”の2つがステージ構成となっています。従来のアクションゲームだと横スクロールを進めていき、最後にボスと戦うというスタイルが多いですが、本作はステージを切り分けられて作られています。
“ラン&ガン”のステージは少なめで、全体の75%がボス戦になっているのも本作の特徴です。
上記では、“操作がシンプルなので、ゲーム初心者でも気軽にプレイできる”と書きましたが、はっきり言って、『Cuphead』はトップレベルに難しいゲーム。いわゆる“やられて覚えるゲーム”で、アクションゲームが得意な人ですら頭を抱えてしまうぐらい高難易度となっています。
高難易度のゲームにもかかわらず高評価な理由は、理不尽な死に方が極めて少ないからです!
このようなゲームをプレイしていると、どうしても避けられない攻撃やステージギミックによってやられてしまうという理不尽なことが多々ありますが、本作に登場する攻撃やギミックはキチンと避けられます。
そのため失敗の理由が、プレイヤーの不注意やイージーミスが大半を占めることに……プレイすればするほど、敵の動きや攻撃、どこに注意しながらプレイすればいいのかという、クリアまでの導線が見えるようになってくるのが、本当におもしろく快感です。
アクションゲームが苦手な人でも、技術が向上するようなゲームバランスになっているので、アクションが苦手だからという理由で食わず嫌いせずにプレイしてほしいです。「アクションがおもしろい! もう少しで倒せそう……」というゲーマータマシイに火がつくと思います!
簡単になりすぎないアイテムたち
“ラン&ガン”のステージなどで手に入るコインを使用し、ショップでは攻撃やHPを強化する武器やアイテムを購入できます。
アイテムは必ずしも強化してくれるわけではなく、HPが増えるけど攻撃力が下がる、攻撃力は上がるけど射程は短くなる、といった感じで一長一短の特性があります。
ボスごとに武器を変えたり、“ラン&ガン”でHPを多めにしたりということもできます。攻略できないと悩んだ時には武器を変えることで、あっさりクリアできる場合もあるので、本作のおもしろい要素の1つになっていると思います。
しかも、1ステージで手に入るコインは最大で5枚と入手枚数が決まっています。どこかのステージで周回プレイをしてコインを集めて、すべての武器を装備して最強の主人公……みたいなプレイはできません。それどころか、序盤は装備の付け替えすらままならなく、「どの装備を買おうかな……」と真剣に悩んでしまいます。
“ラン&ガン”はプレイしなくてもいい!?
“ラン&ガン”でプレイできる横スクロールステージは、基本的に高難易度です。HP3しかないうえに、道中にコンティニューポイントはありません。死んだらステージ最初からになります。
しかし、“ラン&ガン”はクリアしなくてもゲームの進行に何も問題がありません! クリアどころかプレイしなくても問題ないのです。
債務者(ボス)のタマシイを集めるストーリーなので、そこさえクリアすればいいシステムになっていますが、“ラン&ガン”をクリアしないと基本的にコインが手に入らないので、武器やアイテムも入手が困難になるという悩ましさがあります。
でも、このステージはちょっと無理だわ! 苦手だわ! と思ったら、諦めて先へ進むという選択肢を選べるのはストレス的な意味も含めてかなりおもしろいシステムだと感じました。
1930年代への愛とリスペクトがハンパない! ギネスとビルボード・チャートも賑わす!
ゲームを始めて驚いたのが、ゲームなのかアニメーションなのか分からなくなるカートゥーングラフィックです。
『Cuphead』のビジュアルと音楽は、1930年代のカートゥーンにインスピレーションを得た作品になっています。特にビジュアルは、手描きのセル画を使用したり、背景は水彩画を使用したりと、当時のアニメーション制作過程を忠実に再現するこだわりよう!
ゲーム中に使用されているセル画数は45000枚以上もあり、“ゲーム制作に使われたもっとも多い手描きセル画の枚数”としてギネスにも記録されています。
本作はビジュアルだけではなく音楽にもこだわりがあるようで、作品中に流れる音楽は録り下ろしのジャズ楽曲を使用しています。ゲーム中に流れる音楽はレコードで流したかのようなノイズや、古いスピーカー特有のこもった音なども再現されているので、グラフィックと相まって昔のカートゥーンアニメを観ているような気持ちを覚えます。
本作のサウンドトラック『カップヘッド/CUPHEAD 2枚組レコードセット』は、アメリカビルボードのジャズ・チャートで1位を獲得するという快挙を成し遂げました。ゲームミュージックのサウンドトラックがアメリカビルボードのジャズ・チャートにて首位を記録したのは初ということで、本作の音楽がいかに評価されているか、わかるかと。
高難易度のゲームなので、繰り返し同じボスと戦うことがあるのですが、グラフィックや音楽のおかげで苦痛ではありませんでした。特にボスがオーバーなリアクションをしてくれるので負けても楽しめます!
おもしろさと悔しさをずっと味わえる
本作は協力プレイも可能ですが、協力プレイだと難易度が下がるということはあまりなく、ソロでも協力プレイでも変わらない楽しさを味わえるのも本作の特徴だと思います。
本作の魅力は、ゲームが得意な人でも苦手な人でも、ソロプレイでも協力プレイでも同じように、誰でもおもしろさと悔しさを味わえるゲームだというところです。
最初は高い難易度に絶望すると思います。しかし、着実に進めるように作られているゲームバランス、クリアできないステージは無理しなくてもいいシステム。万人が遊べるように配慮されており、なおかつクオリティの高いグラフィックに音楽が展開します。
「難しくてもう嫌だ!」と匙(さじ)を投げる前に、『Cuphead』の世界に入り込んで没頭していると思います。
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