感想:『姫様“拷問”の時間です』2話で飯テロ以外でも簡単に屈する姫様がチョロすぎる。あとエクスのツッコミがキレキレで気持ちいい(ネタバレあり)

米澤崇史
公開日時

 2024年1月15日に放送されたTVアニメ『姫様“拷問”の時間です』第2話の感想記事をお届けします。

【注意】キービジュアルより先のテキストでは、『姫様“拷問”の時間です』2話の物語に関する記述が多々あります。そのため本編をご覧になってから読むことを強くオススメします。

ゲームをやる時に友達がいないと不安になる姫様に共感【姫様“拷問”の時間です 第2話感想①】

 第1話では、魔王軍に捕らえられ、拷問官・トーチャーが行う数々の“飯テロ”拷問の前に屈してしまった姫様。すでに王国軍の重要情報はバラしてしまっていますが、魔王軍がその情報を活かすことができないため、引き続き拷問が行われることになります。

 第2話では、トーチャー以外の拷問官が多数登場。最初の陽鬼&陰鬼が仕掛けたのは、目の前で対戦ゲームを遊び続ける拷問で、1話の時点で“帰ってゲームしたい”願望が漏れ出ていた姫様にとってはハードルが高いことは明白。どこかで見覚えのある大乱闘ゲームに、速攻で興味津々になっていました。

 ちょっと面白かったのが、姫様にとって一番ハードルになっていたのが、一緒に遊ぶのに知らない人しかいないという点だったこと。確かに、完全に知らない人とだけ一緒にゲームを遊ぶのってハードル高いですけど、一人でも友達がいたらハードルがグッと下がるんですよね。

 あのシーンの一番のツッコミ所は、トーチャーがすでに姫様にとって友達枠として認識されている部分ではあるんですが、気持ち分かるなぁと勝手に姫様に共感している筆者がいました。

 ゲーム内のアクション作画の気合の入りっぷりもかなりのもの。1話でもバトルアニメにしか見えない姫様の戦闘シーンの作画に度肝を抜かれましたが、2話でもそれに匹敵するアクションシーンが見られるとは思っていませんでした。とくにトーチャーと陰鬼の放った攻撃を切り払って、爆煙の中から飛び出した姫様が反撃するシーンはかなり見応えがありましたね。

 白熊の赤ちゃんを使ったクロルによる拷問は、人(獣?)質を取られているようなものなので、ある意味今まで一番拷問らしい拷問と言えたかもしれませんね。

 今までの拷問の中でも、最速といっていい速さで姫様が陥落する破壊力でしたが、あまりにも厳しい拷問だったためクロル自身が耐えきれないという結果に。しかし最終的には、感動した姫様が進んで自白してしまうという、もう自分から秘密を話したがっているとしか思えないチョロさを発揮していました。

小林さんのツッコミにより、アニメで魅力がより高まったエクス【姫様“拷問”の時間です 第2話感想②】

 1話でも触れた要素ではあるのですが、エクス役の小林親弘さんのツッコミが本当にいい味を出していたのが2話の一番印象深いポイントでした。

 執事であるジモチとの思い出の回想では、幼少期の微笑ましい思い出っぽい雰囲気を出しながら、意外とケチなジモチへの「分けてやれよジジイ!」のツッコミには爆笑しました。姫様はこの時に数個ずつしかもらえなかったから、1個1個の絵柄を確認しながら大事に食べていたのだと思いますが、なんだかんだ言ってエクスも姫様に甘いという二人の関係性がよく分かる台詞にもなっています。

 温泉の拷問での姫様姫様コールや、アイキャッチでマッサージを受けている時の溶けてそうな声もよかったですし、アニメでは終始エクスのシーンで笑っている感覚があります。表情の変化や大きな動きがないキャラクターであるにも関わらず、アニメ化で魅力が大きく増しているのはすごいなと。

 また、アクションシーン以外の部分の作画が全体的にハイレベルなので、拷問の説得力が原作以上に上がっているなという印象もあります。

 小動物の動きをアニメで可愛く見せるのって結構難易度が高いと思うのですが、牢屋の隙間から頭を出すところとか、ボールで遊ぶところとか、ちゃんと可愛いんです。ここがしっかりしていなかったら、姫様だけが盛り上がって視聴者は置いてきぼりになっていただろうと想像できるので、アクションシーン以外でも作画のパワーが結構重要な作品なんだなと改めて実感しました。

 アニメオリジナル演出のゴリラのマーチをトーチャーが処刑(?)していくシーンは、本作の中でも屈指のヤバい絵面でインパクト抜群。

 斧でぶった切られた後に流れ出るチョコレートは完全に別のものにしか見えませんし、全員に目隠しの布を被せている細かさ、完全にトーチャーの目がキマっていたり、妙にリアルな雰囲気があります。完全に姫様の妄想ではあるんですが、思わず泣き出してしまうのもちょっと納得できます。

 WEB連載のショート系の漫画をアニメ化すると、元々のエピソードを無理に引き伸ばしてテンポが悪くなるケースもたまに起こる印象なのですが、本作は30分の中にいろんなエピソードが盛り込まれていて、しっかりと原作のテンポの良さを残して映像化しているのも良いところです。

 一方で温泉でゴリラのマーチを売っているのをトーチャーが見つけて拷問に繋がるなど、原作の別々のエピソード同士をうまくつなげて一つのストーリーになるように仕立てていたり、構成も非常に巧みだと感じられました。

 Cパートでは、姫様の救出に来た王国側の騎士らしきキャラクターもちらりと登場。1・2話の拷問とは違った展開で、視聴者を楽しませてくれそうです。



米澤崇史:ロボットアニメとRPG、ギャルゲーを愛するゲームライター。幼少期の勇者シリーズとSDガンダムとの出会いをきっかけに、ロボットアニメにのめり込む。今もっとも欲しいものは、プラモデルとフィギュアを飾るための専用のスペース。

©春原ロビンソン・ひらけい/集英社・国王軍第三騎士団

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