感想:『姫様“拷問”の時間です』3話。魔王様は俺らだった!? ニチアサリアタイ勢という事実に親近感を覚える(ネタバレあり)

米澤崇史
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 2024年1月22日に放送されたTVアニメ『姫様“拷問”の時間です』第3話の感想記事をお届けします。

【注意】キービジュアルより先のテキストでは、『姫様“拷問”の時間です』3話の物語に関する記述が多々あります。そのため本編をご覧になってから読むことを強くオススメします。

陥落までの最短記録を更新し続ける姫様【姫様“拷問”の時間です 第3話感想①】

 第3話でまず行われたのは、拷問官・陽鬼と陰鬼から誘われ、遊園地への外出許可を得るために秘密を明かす必要があるという変則的な拷問。これまでのシーンでも、姫様が友達というものに対して及び腰になっている様子が見え隠れしていましたが、過去に酷い裏切りを受けていたというトラウマが原因だったことも明らかになりました。

 けどそこからの遊園地のシーンでは、過去のトラウマを払拭できたようなとびきりの笑顔を見ることができたのが良かったですね。陽鬼と陰鬼の拷問は、本人たちも拷問であることをほぼ忘れているんじゃないかと思えるほど微笑ましいものが多く、ほっこりした気分にさせてくれます。

 貴重な囚人服以外の姫様の姿も見ることができたのも大変な眼福。しかし、姫様を送り届けるだけではなく、サイズぴったりのよそ行き用の服まで用意しているとは(魔法で作ったのかもしれませんが)、トーチャーはアフターケアまで万全すぎます。

 魔王の娘・マオマオちゃんの拷問では、拷問を受ける前から姫様が話す気満々になっているという、過去史上最短の陥落ではないでしょうか(肝心の拷問は、姫様にはまったく引っかからなかったようですが)。

 その上今回は、国王軍で使われている秘密の作戦信号という、今までの中でもかなりヤバげな秘密を最速で吐いてしまっていました。

 幸い、魔王のマオマオちゃんの親バカのおかげで、ずっと額縁に飾られることになりましたが、信号の内容は“なかよくかしこくまえむきに”。姫様が偽の信号を教えた可能性もありますが、国王軍側も相当残念な人たちの空気が漂ってきました。

有能だけどいろいろ不憫な“聖白騎士”ルーシュ【姫様“拷問”の時間です 第3話感想②】

 後半では、久々の視聴者への拷問となる“飯テロ”なエピソードも。今回の小籠包は、ちょうど小腹が空いてきた夜中のタイミングとまさにベストマッチで、レンゲの上でスープに浸かった小籠包は、作画の気合の入りっぷりもあわさってまさに悪魔的なビジュアル……!

 姫様が口を開けて拷問に陥落かかっている時の表情が、“バカ顔”とこれ以上ないほど的確に表現されていたのも笑いました。でも、「このバカ顔を守りたい」と思わせてくれる、とてもいい表情です。今後は、あの口をフニャフニャにした姫様の表情を“バカ顔”と呼ばせていただこうと思います。

 そして3話の主役といっても過言ではないのが、姫様を救出にやって来た国王軍の騎士、ルーシュ・ブリタン。

 “聖白騎士”という異名と白銀の甲冑、ルーシュという名前に小野大輔さんのイケボという、誰もがイケメンな中の人を想像させる前提条件が揃っていましたが、その兜の下は……。

 兜を脱ぐ瞬間のセクシーな吐息に腹筋をやられつつ、中の人が大分想像と違っても「結婚するなら親しみやすい人の方が」とすぐフォローしてくれる姫様の優しさで胸が痛くなります。

 結局は、詠唱に夢中になりすぎたが故のセクハラ未遂によって……な展開となってしまったものの、魔王城から脱出すること自体には躊躇いがないのは、さすが姫様だなと。

 おそらく国王軍に戻るより、このまま捕まっていた方が楽しく過ごせそうだと誰もが感じていると思いますが、やはり拷問にさえあっていなければ、気高い騎士としての矜持はまだ残っているようです。

 一方のルーシュは、魔王城全員を眠らせる大規模魔法や転移魔法を使えるほどですから、めちゃくちゃ優秀な騎士なのは間違いないですが、あまりにも詠唱の時間が長すぎました。

 3話ではエピソードの合間合間にルーシュの詠唱シーンが挟まっていましたが、おそらく2話のラストに登場して以降、ずっと魔王城への魔法の詠唱を続けていたのでしょう。もしルーシュが少し早く転移魔法の詠唱を完了させていれば、アニメは3話にして最終回を迎えていたかもしれません。

 また3話は、個人的に原作からイチオシキャラだった魔王様の魅力に溢れていたのが嬉しかったですね。

 ニチアサリアルタイム勢ということも判明してさらに好感度が上がりましたが、玄田哲章さんの力強いボイスで面白かわいい発言をしてくれるアニメでは、原作以上に魅力的なキャラクターになっていると思います。今後の魔王様の活躍にも期待したいですね。



米澤崇史:ロボットアニメとRPG、ギャルゲーを愛するゲームライター。幼少期の勇者シリーズとSDガンダムとの出会いをきっかけに、ロボットアニメにのめり込む。今もっとも欲しいものは、プラモデルとフィギュアを飾るための専用のスペース。

©春原ロビンソン・ひらけい/集英社・国王軍第三騎士団

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