『即死チート』4話感想。洗脳、分身、不死となんでもありのチートの塊・賢者レインに対して夜霧達はどう立ち向かうのか(ネタバレあり)

米澤崇史
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 2024年1月25日(木)に放送されたTVアニメ『即死チートが最強すぎて、異世界のやつらがまるで相手にならないんですが。』第4話“この映像をお前が見ているということは”の感想記事をお届けします。

【注意】キービジュアルより先のテキストでは、『即死チートが最強すぎて、異世界のやつらがまるで相手にならないんですが。』4話の物語に関する記述が多々あります。そのため本編をご覧になってから読むことを強くオススメします。

変身シーンの途中で殺されるマサユキのお粗末さ

 第3話のラストでは、ハナブサの街中がゾンビ化し、異世界ファンタジーではなくパニックホラーのような有様でしたが、4話では街中を巻き込んだデスゲームのような展開にまで発展していました。

 一般人をけしかけることで、騒動の原因であるマサユキ自身の殺意は夜霧には向かわない。3話までの展開を踏まえて即死チートへの対策として有効な手段ではあるでしょう。

 ただ、すでに死んでいるアンデッドに即死が通用しないと思いこんだうえ、自分の居場所を明かしてしまっていたのが余りにも迂闊でした。3話で氷や人形といった無機物すら殺せていたのですから、いくら一度死んでいようと生物のように動いて活動するアンデッドを殺せないはずがありません。

 その上、マサユキは夜霧の能力を目の当たりにしていたのも関わらず、やたら時間のかかる変身シーンを挟んで何もできず殺される始末。今まで戦ってきた敵の中でもトップクラスの残念なやつだった感があります(笑)。

 マサユキの死はレインにとっても想定内だったようで、間髪入れずに街の住民を洗脳して夜霧たちを襲わせます。操られていようと、襲いかかられたら躊躇いなく即死させる夜霧がドライすぎる。

 一方、ハナブサの街の管理者であるリョウタは、住民が殺されることに心を痛めている様子。知千佳もほとんど死に反応しなくなっている現状を考えると、日本から召喚されたキャラクターの中で一番良識をもっているのはリョウタかもしれません。

チート能力持ち同士が互いの知恵を絞って戦いあう面白さ

 後半の賢者レインとの戦いは、本作の魅力ともいえる部分がふんだんにつまっていました。

 夜霧の即死チートが“殺意”に対して発動することを見抜いていたレインは、クラヤミをハナブサへと誘導して夜霧たちを襲わせます。さらに同時に生み出した自分の分身たちに、夜霧個人ではなくハナブサの街全体を対象とした広範囲攻撃を仕掛けさせるという、夜霧の能力の弱点をついた戦法を取ってきました。

 即死チートには、即死させる以外の手加減がほぼできないことに加えて、夜霧自身が視認できない、遠く離れた敵に対しては殺意を向けられないと能力が発動できないという弱点もあります。その弱点をただでさえ洗脳に不死、分身とまさになんでもありなチートの塊のレインがついてくるわけですから、厄介この上ありません。

 対して夜霧たちが取ったのは、レインの分身の進路上に先回りし、その殺意を夜霧が受けることでレインを殺すというもの。知千佳の手を借りて攻撃を防ぐ展開は、初めて二人が一緒に協力して戦っている感があってよかったです。

 ただ、ハナブサの街を遠くから見ていたレインも、実は別の場所に存在する本体の複製。そのため本来レインの敗北はありえないことでした。しかし夜霧の即死の効果は、つながりが一切なかったはずのレイン本体の方にまで及んでおり、賢者であるレインですらも想定できなかったほど、夜霧の能力が規格外であったことが改めて明らかになりました。

 今回のレインのように「こんなのどうやって勝つんだ」と思えるようなチートの塊相手に、“即死”という能力1本でどうやって対抗していくのかは、本作の大きな見どころの一つ。4話はそれがふんだんに盛り込まれていて、今までのなかでも特に見ごたえのあるエピソードになっていたと思います。

 ラストには、本体が殺された場合に備えてレインがさらなる別個体を用意していたことや、一部のクラスメートがなにかしらの理由で夜霧を監視していたことも判明。当面の脅威こそ去りましたが、まだまだ新しい展開で視聴者を楽しませてくれそうです。



米澤崇史:ロボットアニメとRPG、ギャルゲーを愛するゲームライター。幼少期の勇者シリーズとSDガンダムとの出会いをきっかけに、ロボットアニメにのめり込む。今もっとも欲しいものは、プラモデルとフィギュアを飾るための専用のスペース。

©藤孝剛志/アース・スター エンターテイメント/即死チート製作委員会

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