年末年始はPS4でこれを遊べ! “HOLIDAY SALE”対象タイトルから厳選作品のレビューを全文掲載!(前編)

電撃PlayStation
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 現在PlayStation Storeでは、2019年12月20日~2020年1月5日の期間限定で“HOLIDAY SALE(ホリデーセール)”が開催されています。PS4の800タイトル以上の傑作ゲームが、最大85%OFFの驚きのセール価格で購入できるこのセール。年末年始にじっくり名作ゲームを遊びたい人には絶好の購入チャンスです。

 今回は、セール対象タイトルの中から、電撃PlayStation本誌のコーナー"レビューエクストラゴールド"に掲載されたオススメタイトルをピックアップ! 今回は2019年上半期に発売された誌面のレビューをお届けします。どれを買うべきか迷っている方は、ぜひ参考にしましょう。

“HOLIDAY SALE(ホリデーセール)”
対象タイトルレビュー・前編

THE LAST REMNANT Remasterd
¥4,378⇒¥3,064(30%OFF)

強敵ゴロゴロ、バトル三昧! トガりまくった名作の“完全版”

●PS4 ●RPG ●スクウェア・エニックス

 昨年12月6日、ついにPS4でリマスター版がリリースされた『ラスト レムナント』。知ってる人は知っているまごうことなき名作なのですが、要素を簡潔に説明するのが難しい作品だけに、プレイしたことのない方にとっては“どんなゲームかわからない”という面もあるのかなと思ったりもするのです。というわけで、せっかくの機会ですし、ここで『ラスト レムナント』の魅力を大いに語らせてもらおうかと。というか、個人的にはゲーム史に残るレベルでトガった作品だと思っているので、埋もれてほしくないんですよね。みんなやって! そんで数年後とかに「いろんなRPGやってるけど、あれほど“攻略”にのめり込めたゲームってあんまりないなあ」って思い出して!

 本作の舞台となるのは、レムナントと呼ばれる形も特性もさまざまな未知の存在が、各地に点在している世界です。レムナントはときに砂漠にオアシスを出現させ、魔物を封じて土地に安寧をもたらし、氾濫する大河を治め……その土地の人々にとってなくてはならない存在となっていました。しかし人々はやがてレムナントの恩恵を享受することに慣れ、畏怖を忘れ、道具のようにレムナントを使役することが当たり前となっていきます。物語が動き出すのはそんな時代。強力なレムナントと契約した諸侯が領地を治め、一応の平和は保たれているものの、まだ見ぬレムナントを得ようと各勢力が裏で表で小競り合いを繰り返す……。そういった状況下で、主人公の少年・ラッシュは、何者かに連れ去られた妹を探すため、小国アスラムの領主ダヴィッドらの協力を得て各地をめぐり、やがて“レムナント”という大いなる存在の謎に迫っていくことになるのです。

 ちなみにレムナントの名前は“ブリムスラーブス”“ラバーソウル”“グゥエイン”“月下美人”などなど『サガ』シリーズ由来の名称。それもそのはず。『ラスト レムナント』は河津秋敏さんをはじめとする『サガ』を手掛けたクリエイターたちによる作品なだけに、その血脈がそこかしこに感じられる作りになっているんですね。浪漫を感じる。もしあなたが同じく『サガ』ファンで本作を未プレイなら、とってももったいないことをしていると言えるかも。

 さて、魅力的なのは世界観や物語だけではありません。バトルの楽しさこそが『ラスト レムナント』の真骨頂と言っても過言ではないでしょう。本作のバトルの何が魅力かって、何も考えずテキトーに戦っているだけだと、プレイし始めて数時間くらいのストーリーバトルにすら勝てないってところ。……誤解されそうなのでちゃんと説明しますね。『ラスト レムナント』は、敵味方ともに複数人で構成された小隊(ユニオン)単位での戦いとなるのが特徴で、多くのRPGと違い“キャラ”でなく“小隊”に命令を出すんです。そして、小隊をいくつ作るか、誰をどこに入れるか、戦い方は? 陣形は? 技・術は何を使う? などなどプレイヤーが工夫できる要素がかなり多くあります。もちろん最初はそれらを意識せずとも進められるんですが……物語序盤に強敵が配されていて、それと戦ったプレイヤーは「あれ。これ工夫しなきゃだめじゃね?」って気づくんですよ。

 本作の戦闘はターン制で、各ユニオンに出せるコマンドは毎ターン異なるのですが、小隊の編成しだいでそのコマンドの傾向がけっこう変わるんですね。なので自然と“他小隊の戦闘不能を回復できるようなキャラを1人ずつ入れておこう”などと考えるようになるわけです。そうして考えて試行錯誤した結果、強敵に勝利したときに大きな達成感を味わえる。そして“工夫できること”に気づいたら、今度はもっとうまく戦うために、小隊にどんなキャラを入れるか、どんなタイプに育てるかという育成要素が気になるようになってきます。

 本作は、そんな“気づき”を与える流れがとても自然で秀逸。加えて、仲間にできるキャラは物語の進行に直接かかわらないような人物でも非常に個性豊かで、何度も話しかけると彼らのバックボーンを知ることができたり、育成しだいで能力がガラリと変わったりするので、1人1人に対しての思い入れも深くなるというものです。個人的には“武器が杖で術法を習得するので術士タイプかと思いきや、物理攻撃重視で育てると無類の強さを発揮する貴族の人妻・バイオレット”などがお気に入り。

 ちなみに本作にはいくら味方を強くしてもまだ“挑戦”できる超強敵がゴロゴロしているため、育てたたぶんだけちゃんとその結果を試せます。もちろん、レアモンスターを狩るなどのお題をクリアするギルドアドベンチャーで報酬を得たり、サブクエストで世界の謎に迫ったりといった要素も大量。つまるところ本作には、好みのキャラを育成したうえで、考え、工夫し、トライ&エラーを繰り返して難関を突破するという“RPG”の根源的な醍醐味と、やり込みの要素がこれでもかと詰まっているんです。物語を追いつつも、自然とそれらの連鎖にのめり込んでしまい……気づいたらやめ時を見失うほどハマっている。それが『ラスト レムナント』。RPG好きなら間違いなく没入できる作品なので、この機会にぜひ!(まぐ)

√LetterルートレターLast Answer
¥4,980⇒2,490(50%OFF)

実写化しても衰えないマックスの前向きな行動力がうらやましい!

●PS4/PS Vita ●アドベンチャー ●角川ゲームス

 正直に言ってしまうと、前作の『ルートレター』は賛否両論がある作品でした。消息が途絶えたペンフレンドを捜すために島根県へやってきた主人公・マックスの強烈すぎる性格は、それだけインパクトがあったのです。相手の弱みを握って徹底的に追い詰め、真相を引き出そうとする執念。相手が怒っていることに対しても、どこかズレた反応をする天然さ。『ルートレター』は、アグレッシブで前向きな行動力を持つマックスの印象が強すぎて人を選ぶ部分がありましたが、それは裏を返すとほかにない魅力でもあったのです。実際、私のように好きな人は好きすぎる。そんなアドベンチャーだったんですよ。

 だから、本作の実写化には本当に驚いたのです。前作をそのまま収録したうえに、実写版の“ドラマモード”を実装。追加シナリオまでついてくるなんて、そりゃ驚くに決まっているでしょう!? 自分は『ルートレター』が好きすぎるほうの人間ですが、当然驚きましたよ。遊んでみたら、さらに驚きました。だって、実写化が完璧なんだもん。イラストがそのまま飛び出してきたようなメインキャストはもちろん、見た目は違うはずなのに、衣装のこだわりやポーズの徹底でオリジナル版のイメージを崩していないモブキャラクターに至るまで、完璧すぎる実写化だったのです。前作の空気感をそのままに実写化するリメイクというのは、最近だとほぼありませんし、そもそも映画やドラマならともかく、ゲームだとめずらしいパターンかもしれません。それだけ、自信があったのでしょうし、実際に島根へ行きたくなるくらい、とても満足できる実写化でした。

 そもそも、前作の『ルートレター』は島根県を観光する側面と、我が強い主人公が真相を探っていくミステリーの要素が強い作品でした。ホラーのように浮かび上がる新たな謎。突如として出現するUFOの話。ルートによっては素敵な話からホラー、SFまでバラエティに富んだ分岐があり、ひと言では表現できないシナリオの魔力がありました。今回は、実写化したことで前作にあった無秩序さや主人公の前向きな行動力が際立ち、より楽しくなっています。

 主人公の声優に山寺宏一さんが起用されているのもベストチョイス。ともすれば、冷たい印象を受けがちだったマックスというキャラクターに、どこかとぼけた天然さが強調されて、あまり憎めない人物のように感じられるのです。これは、山寺さんの言い回し自体が柔らかいこと。相手を追い詰めるひと言をひねり出してぶつける“マックスモード”での決め台詞も明るく言っていることが、印象を大きく変えているのではないでしょうか。イラスト版をプレイしても大きくイメージが変わってくるので、初めて遊ぶ人も前作ではなく、こちらを遊ぶことをオススメします。追加シナリオもありますから。

 そうそう、本作の追加要素である“解明編”の話もしなくてはいけませんね。前作でもルート分岐でエンディングが変化したのですが、真のエンディングである“縁結びルート”以外は、あくまでもオマケという印象がありました。しかし、今回は“すれ違いルート”以外のエンディングもボリュームアップ。後日譚である“解明編”が追加されて、謎や伏線はすべて回収されました。“呪いの手紙ルート”はホラーとしてより恐ろしく、サイコなシナリオであった“姫が森の姫ルート”はどこか切なく、ハッピーエンドであった“縁結びルート”は完璧なまでのハッピーエンドに。UFO物だった“政府の陰謀ルート”はまったく違うSFになりました。なんでだよ! 最後だけなんか違うぞ!! まあ、陰謀ルートはギャグシナリオでしたからね。こういうのもアリってことで。

 もちろん、追加シナリオといってもボリューム的にはそこまで多くありません。あくまでもエンディングから続く補足という感じなのですが、それまでとは違うマックスモードの使い方やオチに向けた伏線の回収など、どれも納得がいくように話が作られています。これのおかげで、読後感も前作よりスッキリ。“解明編”を目当てに遊んでも後悔しない“うまいオチのつけ方をしたシナリオ”になっているのではないでしょうか。こればかりは、本作の目玉なのであまり詳しくは言えませんが……。

 そろそろ字数が尽きそうなのでまとめに入りますが、本作は箕星太朗さんの繊細なタッチで描かれたイラストが美しい“オリジナルモード”も、実写版キャストへのこだわりを感じる“ドラマモード”も、どちらも『ルートレター』としての魅力が詰まった素敵な作品となっています。初めて遊ぶ人はイラストのある“オリジナル”のほうから触れて、実写との違いを楽しむことをオススメしますが、前作に触れた人はぜひ“ドラマモード”から遊んでみてください。あらためてマックスの強烈さと、島根県の美しさ、本作が持つ独自の魅力を感じられると思います。自分は、実写化でメチャクチャ楽しめたので次回作にもドラマモードは入れてほしいですね。

 ちなみに安田社長のツイッターによれば、次回作は島根県全域が舞台となり、マックスも登場する予定だとか。もう、楽しみしかない! 次回作が出たら、またここで語らせてもらいますからね!!(まさん)

CONCEPTION PLUS 俺の子供を産んでくれ!
¥6,578⇒¥3,289(50%OFF)

タイトル名にだまされちゃダメ! やり込み要素が詰まった傑作RPG!!

●PS4 ●RPG ●スパイク・チュンソフト
※デジタルデラックス版(DL版)¥8,778⇒¥4,389(50%OFF)

 『コンセプション プラス』は、星の力を持った13人の巫女と“愛好の儀”を行って、産みだした星の子たちとともに冒険を行うRPG。2012年4月にPSP用ソフトとして発売されたオリジナル版をベースに、グラフィックの強化や新キャラクターの追加といった新要素を施した作品です。

 いやぁ、あらためてすごいタイトル名です。『俺の子供を産んでくれ!』。でも、ヒロインと仲よくなって子供を産んでもらい、その子供たちと冒険に出ていくRPGなので、しっかり内容を表しているんですけどね。もしかしたら、このインパクトのあるタイトルからプレイするのを敬遠してしいる人もいるかもしれません。それは本当にもったいない! 本作はヒロインと交流するギャルゲーとしてもRPGとしてもよくできているので、ぜひみなさんにプレイしてもらいたい1本。ここでは、その魅力を語っていきましょう。

 まず、誤解がないように伝えたいのは、本作のメインは、あくまでRPG部分ということ! 迷宮に潜って星の子を鍛えたり強い装備を回収したりして、街に戻って女の子と交流しつつ“愛好の儀”を行い、より能力値の高い子供を作る。そして、また迷宮で星の子を鍛えていく……。そういったチマチマした育成が楽しく、気付けば数時間が経過しているなんてこともあるゲームです。

 レベル上限に達した星の子は“独り立ち”させるのが有効で、独り立ちさせると街のレベルが発展してショップに新しいアイテムなどが並ぶなどの特典がありますが、タイミングは任意なので自分の好きなタイミングでパーティの入れ替えをすることができるのがポイント。そのため、強い子と弱い子を混ぜたパーティが基本となり、一気に戦力ダウンすることはないため安心。産まれてくる星の子のパラメータは主人公のレベルやヒロインとの絆で変わってきますが、条件を満たしていると上位の職業に就くこともできるようになるため、戦略性が上がっておもしろいです。

 探索部分もレベル差がある敵は、ぶつかるだけで経験値と資金がもらえるシステムなどが搭載されており、サクサクと進めることができます。さらに本作ではオリジナル版から戦闘バランスも調整されており、遊びやすくもなっています。攻撃の命中率などが上がり、展開がスピーディになっているので、ぜひ比べてみてもらいたいですね。

 ここまでRPGとしての魅力を語りましたが、ギャルゲーとしての魅力も十分! 新キャラクターのアーフィーを含めると13人もヒロインがおり、魔術師や踊り子、富豪の娘など多彩なヒロインがいるので、きっとお気に入りのヒロインが見つかるハズ。また、ヒロインの人数が多いからと言って薄味ということはなく、それぞれ好感度5段階ぶんの会話が用意されているのでボリュームはたっぷり。本作には攻略の時間制限はないので、気の向くままにヒロインたちと交流することが可能です。全員と仲よくなった状態で終盤のセーブデータを残せば複数のエンディングを見るのも簡単なので、そういった点も親切ですね。

 どのヒロインもかわいいですが、とくに注目なのは主人公の幼なじみである粉月マヒル。もともとのオリジナル版では主人公をののしるツンデレヒロインでしたが、ユーザーからの反響を受けてマイルドな性格に変更(笑)。正当派のヒロインに生まれ変わっています。彼女のセリフはほぼ変更されているので、オリジナル版をプレイした人も新鮮に楽しめると思います。また、新ヒロインのアーフィーは星の子を育てる“育て屋”で働いている女の子。主人公に対しては優しいのに、子供たちに対しては超スパルタなので最初はビックリするかも。そこには意外な真実も隠されているので、ぜひ彼女とも交流してみてもらいたいですね。

 本作が素晴らしいのはRPG部分やギャルゲー部分が大ボリュームでやりごたえがあるのはもちろんですが、これらが密接に絡み合っているところだと思います。強い星の子を作るためにはヒロインたちとの交流が大事ですし、愛好の儀をするためには迷宮を探索する必要があります。さらに街を発展させるためには星の子を育てなければいけないので、プレイヤーはすべての要素を自然にやり込んでいくことに。値段以上に満足感の得られる作品になっているので、ぜひプレイしてみてください!(カワチ)

ACECOMBAT 7: SKIES UNKOWN
¥8,360⇒¥4,103(50%OFF)

空を舞う体験が、どんなに楽しいかを教えてくれる

●PS4 ●フライトシューティング ●バンダイナムコエンターテインメント 
※デラックスエディション¥11,110⇒¥6,699(39%OFF)

 自分が『エースコンバット』シリーズと出会ったのは、『エースコンバット2』が発売されたとき。小学校を卒業してそこそこくらいだった自分にはかなり難しく思え、最後までプレイできずにやめてしまいました(その時は『エースコンバット』シリーズという認識はしておらず、確か着陸がうまくいかず、あきらめてしまっていました)。

 それからしばらく経ち、何かのきっかけでたまたま手に取ったのが、シリーズ屈指の名作といわれたタイトル『エースコンバット5 ジ・アンサング・ウォー』(以下、『5』)でした。ローランド・エメリッヒ監督の映画『インデペンデンス・デイ』などの影響もあって、戦闘機のドッグファイトに興奮を覚えていた当時の自分としては、迫力のドッグファイトを自分で体験できる快感と、壮大で加速度的な盛り上がりを見せる物語を持った『5』に夢中になったのを覚えています。

 そこから約15年。待ちに待った最新作が登場するとなれば、やらずにはいられないでしょう! しかも、PS4版は予約特典として『5』の移植版が付いてくる。運命を感じるというと言い過ぎですが、『エースコンバット』のおもしろさを教えてくれた『5』をまたプレイできるというだけで、予約をためらわないほどの魅力がありました。

 さて、肝心のゲーム内容ですが、本作のテーマが“空の革新”というだけあって、空……とくに雲の表現がズバ抜けています。過去作では、雲はあってもビジュアルとしてしか意味がないただの背景だったのが、本作では実際に雲の中に入れるように。まさに“物質”として存在するようになりました。雲の中にいるとミサイルの誘導性能が低下して、攻撃を回避しやすくなるといったゲーム的な要素もありますが、何より感動したのは視界の悪さ。臨場感を味わうためにコックピット視点でプレイすることが多いのですが、本当に何も見えません。大空での戦いであればそれほど大きな問題にはなりませんが、地上近くでの戦いでこの視界の悪さは死活問題。操作をミスすると地面とキス(墜落)してしまう可能性も高いため、普段より機体の傾きや地表からの高度を示すUIを見る機会が増えたんです。一見すると手間が増えたように感じるかもしれませんが、この“計器を確認する”という手間が、より一層“パイロットとしての没入感”を高めてくれるのです。

 おまけに、雲の中は気温が低く、長く滞在するとキャノピーに霜がつき始め、機体の性能が低下したりということも。雷雲であれば雷に打たれることもあり、一時的にUIにノイズが走ってしまうといったこともあります。こういった細かい演出が、没入感を高めつつ、ゲーム的にもいいスパイスになっており、非常によく練られた要素だと感じます。

 『エースコンバット』シリーズのもう1つの魅力といえば、王道の映画を見ているかのように熱中して目が離せなくなるストーリーです。とくに本作では、シナリオを映画『この世界の片隅に』を手がけた片渕須直監督が担当。じつは片渕監督は、『エースコンバット04 シャッタードスカイ』や『5』のシナリオも担当しており、それらと共通の世界観のもとに物語が進んでいく本作は、その集大成ともいえる展開になっていきます(一応補足しておくと、過去作未体験でもストーリーの理解にはぜんぜん問題ありません)。

 シリーズ恒例の、名もなき一般のパイロットが戦場で頭角を現し、だんだんと空軍のシンボルとして成長していく姿は、わかっていても胸が熱くなりますね! これもシリーズ共通ですが、戦闘中は敵味方問わず無線での会話が聞こえてくるため、敵がコチラを意識して会話をしているのですが、めちゃくちゃ敵側に恐れられていたりして、“自分はエースパイロットなんだ”という実感を沸かせてくれるんです。ムービーなどを使わずにここまで高揚感を感じる作りは、何度味わっても本当にすごい! 

 また、有人機と無人機との戦いも本作のテーマの1つになっているのですが、まさしく現実でも無人機が実戦で投入されてきた時代です。SFではありがちではありますが、人が搭乗することによる制限から解放された無人機に、有人機は勝つことができるのか。そして、このまますべて無人機に置き換わらせていいのかという問題は胸に響きます。

 最後に紹介したいのが、VRミッション(PS4版に収録されるPlayStation VR《別売》対応の“VRモード”では、VR専用の新規ミッションがプレイできます。その他のモードはPlayStation VRに対応しておりません)の存在。PlayStation VRが必要になりますが、持っている方はぜひプレイしてみてください。VRが仮想現実を疑似体験できるツールだということを実感できます。発進時は本当に自分の身体にG(重力)が発生し、後ろに引っ張られるような感覚に陥りますし、飛んでいるときは浮遊感すら感じられます。身体中の感覚がだまされているのが実感できるのは、VRならでは。同時に、あまりにもリアルさが増すために、空を飛ぶ気持ちよさに加え、怖さも感じます。

 VR娯楽も、慣れてしまえば普通のゲームのように遊べるようになるのかもしれません。しかし、この初めて体験したときの驚きは大切にしたい。そう思える時間でした。フライトシューティングとVRはかなり相性がいいですし、ぜひ次回作もVRモードの搭載を期待して待ちたいですね。(hororo)

キングダム ハーツⅢ
¥9,680⇒¥4,840(50%OFF)

平成最後に現れた最高峰のRPG

●PS4 ●RPG ●スクウェア・エニックス 
※KH インテグラムマスターピース¥17,160⇒8,580(50%OFF)

 突然ですが、2019年に“平成”が終わって“令和”になりましたね。30年間親しまれてきた元号が変わるにあたり、さまざまな界隈で“平成最後の○○”というキャッチフレーズを見かけるようになりました。その流れに合わせて表現すると、2019年1月に発売された『キングダム ハーツⅢ(以下、KHⅢ)』は、まさに平成最後に誕生した最高のRPGといえるかと。

 もはや説明するまでもない、スクウェア・エニックスの看板タイトル『KH』。そのシリーズ最新作である『KHⅢ』は、1作目からずっと続いてきた“ダークシーカー(闇の探究者)編”の最終章と銘打たれました。実際にプレイしてみると、従来にも増してストーリーの魅力が厚い作品だったと個人的に感じています。そもそも本作で、“すべての元凶であるマスター・ゼアノートとの因縁に決着がつく”ということは前々から伝えられていました。ある意味、物語のオチ部分は最初からわかっていたんですよね。そうなると、重要なのはオチに至るまでの経緯をいかにドラマチックに描くかなのですが、この点がとても素晴らしくまとめられていて感服しました。

 シリーズファンとして物語のなかで一番気になっていたのが、過去作でせつない結末を迎えたキャラクター(ロクサス、ナミネ、シオンやテラ、ヴェントゥス、アクアなど)の救済。とくにロクサス、ナミネ、シオンたちは誕生経緯が特殊なので、「復活させるにしても具体的にどうするの?」という疑問が常につきまとうことに。このあたりの問題をいわゆる“ご都合主義”な展開で片付けず、過去作の設定や伏線を生かしてきちんと解決したのがとても好印象でした。ネタバレを避けたいので詳細は伏せますが、上記のキャラに関してはファンが思い描いていた理想の形になったではないでしょうか? 

 また、主人公サイドのキャラクターや 機関メンバーにも細かく見せ場が用意されており、最終決戦までの道のりを盛り上げてくれます。終盤は胸が熱くなるシーンばかりで、エンディングまで見届けたときの充実感はゲーム人生史上最高でした!

 本作の魅力といえば爽快なアクションバトルもはずせなく、その立役者となるのが“シチュエーションコマンド”。このシステムは『KHⅡ』の“リアクションコマン”と『KH バース バイ スリープ』の“コマンドスタイル”をミックスしたようなもので、△ボタン1つで多彩なアクションを繰り出せます。発動条件を満たしたコマンドはウィンドウの上にどんどん積み重なっていき、どれをどのタイミングで使うか考えながら戦うのがおもしろかったですね。

“シチュエーションコマンド”の特徴は、コマンドを使うかどうかをプレイヤーが選べることで、強力なコマンドが使用可能になってもあえて使わずに戦うこともできます。“コマンドスタイル”のときはスタイルチェンジの条件を満たすと自動で変身演出が入り、これが若干バトルのテンポを損なわせる要因でもあったので、“シチュエーションコマンド”ではうまく改良されたといえます。△ボタン連打でド派手な技を連発するもよし、あえてそれを封印して武器コンボだけで戦うもよし。シリーズ恒例のカンタン操作で行える爽快なバトルに、自由度の高い“シチュエーションコマンド”が加わったことで、よりバトルが奥深くなったと感じました。

 プレイヤーが実際に歩き回るフィールドも『KHⅢ』で進化を遂げていて、こちらも注目すべき要素です。多くの世界のフィールドが圧倒的なスケール感を誇り、横にも縦にもとにかく広い! イメージとしては、過去作で1つのワールドを構成していた複数のエリアがつながり、エリアチェンジなしで冒険できるようなものです(※エリアチェンジ自体は『KHⅢ』にもあります)。このあたりは現行のパワーが存分に発揮されたポイントで、従来とは比べものにならないほどフィールドの広がりを感じられますね。

 そんなフィールド内には、宝箱や“幸運のマーク”などの収集要素が散りばめられていて、それらを見つけるだけでも一大探索となります。単にフィールドが広大なだけだと探索がたいへんですが、マーカーのある地点へ高速移動する“アスレチックフロー”や、移動をスムーズにする各種アクションがあるなどフォローもバッチリなのが◎。個人的に、『パイレーツ・オブ・カリビアン』を舞台にした“ザ・カリビアン”と、『ベイマックス』を舞台にした“サンフランソウキョウ”のワールドの作り込みに衝撃を感じたので、興味がわいた人はその目と手で体感してみてください。

 ナンバリング前作の『KHⅡ』が非常に完成度の高いRPGでしたが、『KHⅢ』はその特徴を継承しつつ、あらゆる面がPS4でグレードアップされています。過去作とお話がつながっているゆえ、『KHⅢ』だけをプレイして物語の全容やキャラクターの関係をつかむのはなかなか難しいですが、シリーズを追い続けた人なら極上の体験を味わえるでしょう。今なら過去作がまとめて収録されたPS4作品があるので、未プレイの人はこの機会にぜひ遊んでみてください。その果てに待つ『KHⅢ』は、あなたにとってきっと最高のRPGになるはずです。(スズタク)

Metro Exodus(メトロ エクソダス) ¥8,580⇒¥4,290(50%OFF)

シリーズの根本を見つめつつ大きな進化を遂げた最新作

●PS4 ●FPS ●スパイク・チュンソフト 
※DL版ゴールドエディション¥12,100⇒¥6,050(50%OFF)

 『メトロ エクソダス』は、ドミトリー・グルホフスキーの小説の世界をもとに制作された、核戦争後のロシアを描くストーリー重視のFPSです。核戦争後の世界を描くゲーム作品は、『Fallout』シリーズが有名ですが、こちらはストーリーに沿ってゲームを進めていく構成が特徴。ただし、世界の描写や登場人物の会話はぼう大で、オープンワールド作品に引けをとらないボリュームがあります。

 この『メトロ』シリーズ、これまでは小説の物語をゲーム化した1作目『メトロ2033』と、小説の世界をもとにその後の物語を描いた『メトロ ラストライト』の2作品があって、いずれもモスクワを舞台としていました。核の影響で地上は汚染された死の世界と化しているため、主人公アルチョムは、基本的に地下鉄の路線沿いに目的地へ向かい、崩落などで進めない場合にガスマスクを着けて地上を移動する、という感じのマップ構成。人の生きる活気に満ちているが常に暗い地下と、明るくても生きた人を寄せ付けない死の世界である地上、という2つの世界のコントラストが印象的でした。

 そして、シリーズ3作目となる『メトロ エクソダス』は、従来の舞台であるモスクワを文字どおり脱出し、安住の地を求めて旅するという、これまでとはまったく異なるアプローチで物語が描かれているのが特徴です。

 従来作の舞台であるモスクワは、核攻撃で破壊されたうえにその後の寒冷化で常に凍り付いた世界でしたが、今作では機関車“オーロラ号”に乗ってロシアの各地をめぐります。最初は雪解け水でぬかるんだヴォルガ川からはじまり、砂漠化したカスピ海や核攻撃による破壊をまぬがれた司令部など、訪れる場所のバリエーションはなかなかに多彩。そこで主人公が見るものは、戦争でこれまでの秩序が破壊されたのち、生き続けるために過酷な選択を強いられた人々の姿でした。彼らの生活や社会体制は、外の世界から来た者から見れば奇抜でしかありませんが、どういう経緯で今の状況に至ったのかについての描写はしっかりとしていて、エリアを調べると出てくる書類や日記などのアイテムからその原因となった出来事を垣間見ることができます。

 また、主人公がたどるロシア各地は、オープンワールドとはいかないまでも、かなり探索しがいのある広さのエリアが用意されている点も今作の魅力の1つです。エリア内にはストーリーには直接影響しないものの、調べると弾薬や治療キットを作る素材や装備のアップグレードに必要なアイテムが見つかる場所がいくつもあり、マップを探索するのがかなり楽しいです。さらに、気候や地形だけではなく、ゲームプレイにも影響する要素がきっちり盛り込まれているあたりも見逃せないところ。エリアの気候風土によって異なる敵が出現するのはもちろん、水上をボートで移動したり、自動車で砂漠を渡ったりと、さまざまな趣向が凝らされています。

 そして、過去2作に比べてかなり洗練されているのが戦闘とサバイバル要素。今作では、難易度が上がるほど弾薬などのリソース管理が厳しくなるため、ムダな戦闘を避けられるステルス行動が重要となります。前作までは、完全な隠密状態でエリアを突破するのは困難でしたが、今作はマップ構成や敵の配置が練り込まれている感じで、明かりを消して暗闇に身を隠せば敵に見つからずに目的地へ進みやすくなりました。

 さらに時間がリアルタイムで変化するので、人間の敵がいる場所を攻めるなら夜間の方がステルス行動しやすいが、道中でミュータント化した動物に遭遇する危険が増す、という要素があるのも悩ましいところです。マップによっては、暗闇に身をひそめるのではなく、光が苦手なミュータントから身を守るために行く先を明るく照らして安全を確保することが求められる場合もあり、なかなかにプレイヤーを楽しませてくれます。

 ちなみに、難易度は“ノーマル”から“イージー”、そしてより簡単な“ストーリー”まで下げられるので、ストーリーや雰囲気だけ楽しみたい人でも問題なし。

 ここまで書くと「じゃあ、『メトロ エクソダス』は、前2作とは全然違うゲームなの?」と感じる人がいるかもしれませんが、ここまでシステムが一新されても「やはり本作は『メトロ』シリーズだ」と私は思いました。オープニングや各章の冒頭に主人公のモノローグとして流れるナレーションに始まり、作りがしっかりした戦前のものと、パイプなどで自作した無骨なアイテムが入り交じる独特の装備体系は、『メトロ』そのもの。何より、ゲームシステムや舞台は変われど、“線路を伝って未知の世界を進む”という基本的な部分をしっかり守って作られているあたりは、作り手がシリーズのなんたるかを理解しているように感じました。

 小説を読むようにじっくりとプレイできる、独特の雰囲気がとっても素敵な『メトロ エクソダス』。他作品とはちょっと異なるおもむきのポストアポカリプス世界を堪能できます。ストーリーの随所に過去作の話は出てきますが、大筋は従来の流れを破る新展開なので、過去作を知らなくても遊べます。未体験の人は、ぜひこの機会に核戦争後のロシアを旅してみてください。(柏又)

SEKIRO: SHADOWS DIE TWICE
¥8,360⇒5,434(35%OFF)

“困難に挑み、克服する達成感”の新境地は“死”すら心地よい

●PS4 ●アクション・アドベンチャー ●フロム・ソフトウェア(開発:フロム・ソフトウェア/ACTIVISION Publishing,Inc.)

 想像以上。すべてのエンディングを見届けた今、最初に出てきた言葉がそれでした。自分は『DARKSOULS』シリーズや『Bloodborne』、いわゆる“ソウルズボーン”と呼ばれる、近年のフロム・ソフトウェアのタイトルは、どれもすべてのエンディングを見る程度にはプレイしてきました。そのため、本作のおもしろさについては非常に期待していたのですが、逆に“本作にどれだけ新鮮さを感じられるか”という点については、さほど期待していない気持ちがありました。

 しかし、手触りのよさ、美しく情緒的な日本の世界、そして難易度のレベルデザイン―どれも自分の想像力の貧困さを恥ずかしく思うぐらい新しく、そして素晴らしいクオリティでした。本作は“ソウルズボーン”と同様、“困難に挑み、それを克服したときの達成感”をテーマにしていながら、アプローチの手法はかなり異なっており、完全新作と呼ぶにふさわしい内容となっています。はじめて“ソウルズボーン”を遊んだときの、あの興奮を再び味わえたのです。すなわち、今回も相当死ねる、ということでもあります(笑)。

 あくまで参考ですが、私が本作を初クリアしたときは、インゲームタイムでおよそ50時間。これがあらためてゲームをプレイすると、大体クリアまで20時間ぐらいに短縮できました。要は死ななくなった、ということなのですが、これはトライアル&エラーによる成長の結果。ちなみに、私はあるボスを倒すまで、おそらく10時間ぐらいかかり、100回以上は死んだのですが、なのにメチャクチャおもしろかったんですよ。死んでいるのにおもしろい。これってそうそう体験できることじゃないと思うんです。逆に言うと“ソウルズボーン”では、まったく勝てないとちょっとウンザリしてたってことなんですが(笑)。

 本作のアクションの妙は“体幹”という概念。敵のHPをゼロにしなくても体幹を崩すことができれば、一撃必殺の“忍殺”を仕掛けることができます。この体幹をめぐる攻防がじつにおもしろい。体幹は敵に攻撃を当てるだけでなく、敵の攻撃をうまくいなすこと―たとえばタイミングよく敵の攻撃をガードして“弾く”、突き攻撃ならむき出しの刀身をステップで踏みつけて“見切る”など――でも、少しずつ削ることができます。

 つまり本作では、防御とは通常攻撃の一部でもあり、そのため攻防の駆け引きは今までの“ソウルズボーン”とはまったく異なり、かつハイスピードになっているのです。となると、反射神経命のゲームなんじゃないか、と心配されるかもしれません。でも、こればっかりはプレイして感じ取れることなのですが、敵の予備動作をしっかり見れば、意外と対応できてしまうんです。

 さらに本作は、ガチンコ勝負のほかにも、いろいろな手段が取れるようになっています。それが、義手忍具や流派技。義手忍具はいわゆるサブウェポンで、『ソウル』シリーズでいう魔法のようなもの、流派技は『ソウル』シリーズでいうと戦技のようなもの。どちらも敵に応じて使い分けるとかなり強力です。さまざまな攻撃方法が用意されており、かつ敵もかなり個性豊かなメンツがそろっているので、“シチュエーションがかぶっているな”と感じることは最後までほぼありませんでした。言い換えると、本作のアクション体験は多彩で奥深く、抜け道もあります。「今まで“ソウルズボーン”は白霊の力を借りてクリアしてきたから本作は無理そう……」と思っている方こそ、本作をプレイしてほしいです。アクションゲームに対する見方が変わるはず。

 ぶっちゃけ、我らが副編集長おしょうも、はじめはそう思っていたみたいです。しかし、最近話を聞いてみると「絶妙に抜け道が残されているから、なんとかがんばれる!」とポジティブな意見に変わっていたんです。このレベルデザインは、長年“困難に挑み、それを克服したときの達成感”を追求してきたフロム・ソフトウェアだからこそ生み出せた“奇跡”でしょう。

 もちろん、本作の魅力はアクション体験だけではありません。1周目はアクション体験に目が向きがちだと思うのですが、2周目はきっとNPCたちに目が向くはず。“ソウルズボーン”と同じくフロム・ソフトウェアの宮崎英高氏がディレクターを務めているだけあり、当然本作でも、“世界に秘匿されたおぞましい何か”があるのですが、今回は世界の成り立ちといった大きな物語よりは、個々人の人生やつながりといった小さな物語に想像力が向くように感じました。自分は今まで、登場人物同士の関係性については、あまり想像するタイプではなかったのですが、本作で新たに目覚めてしまうかもしれないなと思いました。たとえばクリアしてからオープニングを見ると「あれっ、この人物って、あの人じゃん。 そういえば身につけてるこれは……ということは?」と、考察(あるいは妄想)が止まらなくなってしまいましたよ! 

 ……えっ、もう語るスペースがない? 本作のすごさも、本作に対する自分の入れ込み度も、語り足りないよ! では、最後にひと言。『ソウルズボーン』が好きな人は、絶対に本作をプレイしてほしいです。「〇〇がないからちょっと……」という気持ちが、「この□□がスゲェ!」に、きっとなる!(あーや)

ブレードアークス リベリオン from シャイニング
¥6,589⇒¥3,294(50%OFF)

キャラクターの魅力MAXの超絶骨太格ゲー!

●PS4 ●対戦格闘 ●セガゲームス 

 昨今のeスポーツムーブに触発され、新作格ゲーがやりたくて仕方がない! と、苦しんでいたところ編集部の知人から紹介されたのが『ブレードアークス リベリオン』でございます。本作はセガの人気RPG『シャイニング』シリーズのキャラが共演する対戦格闘の第2弾。じつは自分『シャイニング』シリーズを未プレイなので、前作の時点ではスルーしていました……。けど、周りの人たちが「シリーズ未経験でも楽しめるよ!」とあと押ししてくれたので、今回は購入を決定。いやー……想像以上に楽しかったです! 

 まずはやっぱりキャラクターが魅力的すぎ。イラストレーターのTonyさんが描くキャラたちは、本当にみんな最高っす。パッケージイラストのパイロンに惹かれて購入した人は確実にいるはず。しかも、キャラクターカラーを変更すると、Tonyさんの立ち絵イラストにも反映されるというね。こんな仕様がある格ゲーは、たくさんの格ゲーをプレイしてきたけど本作だけですよ! キャラクターが魅力的というだけで、練習や対戦のモチベーションが上がるのでこれはうれしすぎました(泣)。

 もちろん、対戦の部分もガチ! ていうか、キャラゲー寄りなのかなと思っていたんですけど、全然そんなことはありません。むしろ、こんな骨太な格ゲーは近年でもめずらしいぐらい。基本的には、地上戦重視のデザインで、技の差し合い合戦が中心となります。ジャンプもかなり強いのですが、軌道が緩やかなため対応されやすいです。リーチの長いキャラがやや有利な印象を受けましたが、リーチの長いけん制技は硬直も長いので一長一短。あと、本作はステップ動作の途中を通常攻撃でキャンセルできるので、リーチの短いキャラも攻撃を差し込みやすくなっていますねー。

 もう1つの大きな特徴は、とにかく一撃のダメージが大きいこと! 本作の基本的なコンボは“A(弱)→B(中)→C(強)→必殺技→超必殺技”なのですが、これで約3~4割ぐらい減るので、ジャンプ攻撃から決めれば2回ぐらいの攻撃で試合が終わります。シンプルな読み合いとシンプルなコンボで試合が成立しているので、すぐに対戦を楽しめました。

 また、本作はタッグバトルのため、試合中に控えのキャラをサポートとして呼び出すこともできます。サポートのアクションを使えば、相手の攻撃を中断させたり、コンボを伸ばしたりできるので、慣れてきたら戦略の幅がガッツリ広がりますよ! ただ、サポートゲージはたまりにくいので、そうひんぱんには使用できません。あくまでも読み合いのアクセントみたいな感じなので、そこまで試合がごちゃごちゃすることはないですね。

 本作には新要素としてキャラを強化する“スキル”と“アイテム”が実装されています。オンライン対戦でも反映されるから、ちょっとバランスが心配でしたが、勝ちに直結するほど効果の高いものはなかったので安心。1人用でスキルを充実させてからオンライン対戦に挑んで、24連敗した自分が言っているから間違いありません! いやー、試合形式が硬派すぎて腕の差が明確に出るのが辛いぜ。とはいえ、スキルをつければ絶対プラスにはなるので、ガチで行くなら集めるべき!

 ちなみに自分の使用キャラは、本作のパッケージ絵に抜擢されるぐらいの美人で、飛び道具や無敵技も兼ね備えているパイロン……ではなく、『シャイニング・レゾナンス リフレイン』の主人公であるユーマにしました。ごめんなさい。最初は美人すぎるパイロンでがんばろうと思ったのですが、難しすぎて心が折れました。いやー、初心者にリーチの短いキャラはきつかったね……。だって自分が飛び道具を撃つと、絶対にみんな飛んでくるんだもん(泣)。

 『ブレードアークス』有識者のみなさんから「初心者はリーチの長いキャラを使え!」と助言があったので、ユーマをひたすらに練習。そして、この原稿を書いている段階でついに初勝利!!! ああああ、ユーマありがとー! サポートのキリカありがとー! ジャンプBありがとー! 感動したので、原作の『シャイニング・レゾナンス リフレイン』を買ってきました。

 魅力的なキャラとともに成長する喜びを味わえる本作はガチで神ゲーだ! 『シャイニング』シリーズを知らなくても絶対に楽しめるので、格ゲー好きな人はぜひ一度プレイしてみてください!(AO)

スーパーロボット大戦T
¥9,460⇒¥6,050(36%OFF)

お気に入りのパイロット&機体で極上のクロスオーバーを満喫!

●PS4 ●シミュレーションRPG ●バンダイナムコエンターテインメント

 TVアニメなどに登場した人気ロボットが作品の枠を越えて共演するシミュレーションRPG『スーパーロボット大戦』シリーズ。その最新作『T』は、『魔法騎士レイアース』や『カウボーイビバップ』などが初参戦するのが特徴の1つです。個人的に前作『X』で新規参戦した『ふしぎの海のナディア』と並んで待ち望んでいた『レイアース』がついに参戦ということで、記事作成時にプレイした際は趣味全開で主人公・獅堂光と彼女が乗る炎神レイアースを強化し、クリアまで一気に進めてしまいました。

 そんな本作の魅力は、やはり多彩な作品の夢の共演=クロスオーバーでしょう。いろいろな作品の登場人物や世界が“そうくるか!”という関係でうまく融合していることが多く、遊んでいて楽しかったです。物語のネタバレになるので詳しく書けないのが残念。正直、まだ1度クリアしただけで、全ルートを体験したわけではないですが、モロモロ語りたくてしょうがないです。

 ちなみに、個人的に最もグッときたのは『ガンダム』のアムロ、『マジンガーZ』の甲児、『ゲッターロボ』の竜馬の3人が過去の戦争で共闘した“戦友”となっているところ。これは、本作に登場するのがTVアニメの10年後を舞台にした『劇場版 マジンガーZ / INFINITY』の甲児だというのを、うまく活用している印象です。例えば『Zガンダム』のカミーユと『ガンダムZZ』のジュドーが知り合いなのは、後者の時間軸なら原作でも同様なので特別な感じはしません。でも、アムロたちの場合、過去作なら初対面になる完全に別の作品の登場人物たちが、違和感なく知り合いとして登場するので、たまらなくスペシャルな感じ。

 また、世界のつながりでは、多くの作品が地球を舞台にしているなか、異世界・セフィーロが舞台の『レイアース』や、ほぼ全人類がデータ化していて完全に独立した世界が舞台の『楽園追放 -Expelled from Paradise』といった作品も、それぞれ別の作品とうまくからんで、こちらも違和感なく戦いに参加するのが素晴らしい! とくに『楽園追放』は、個人的には「その作品とからむの?」という組み合わせながら、見事に融合した物語が展開していそうで、クロスオーバーのだいご味を存分に味わえました。あ、なぜ“いそう”なのかというと、違うルートを進んでいたので2作品のからみを完全には体験していないからです。すみません。いや、合流後の展開からすると、きっと熱い展開が待っていたに違いありません。絶対!

 なお、物語と並ぶシリーズの魅力である戦闘も、演出やシステムが進化しているだけでなく難易度もいい感じで、非常に楽しめました。とくに合体攻撃など新たな武器が使えるようになる場面では、原作の展開を再現した専用の演出が用意されていることも多く盛り上がりも格別。それに興奮して「ハァハァ」とヤバイ声が出そうになったことも(笑)。

 また、システムも前々作『V』で追加された“EXアクション”をはじめ、ファンにはおなじみの要素をブラッシュアップしたものがメインで複雑なところはなく、初心者でも問題なく楽しめるかと。とくに“EXアクション”は、戦い方によっては強化した1機のユニットで“無双”することもできますが、“攻撃が必ずクリティカルになる”といった効果を複数のユニットで活用する戦い方も有効なので、自分の好みの戦法で進めてもまったく問題なし。私は序盤は主人公、加入後は光(海ちゃんと風ちゃんのサポートもアリ!)と『楽園追放』のアンジェラの3人を強化して戦うという、ハイブリッドな戦い方で進めました。好きなキャラクター&機体で自由に戦ってOKなのがシリーズのいいところですね。

 ちなみに、本作で個人的に気に入っているのが、パイロットを強化する際に使用する“スキルプログラム”を自由に開発・作成できるようになった点。これは、ルートに沿って開発していく必要があった前作などと違い、戦法的に不要なものは開発しなくてもいいので、開発・作成に必要なTacP(タックポイント)のムダ使いが減る=好きなキャラをより強化できるということ! 正直、強化の度合いは主人公のほうが上でしたが、それでも強化した光でガンガン敵機を撃墜していくのは超快感でした。炎神レイアースは、ユニットの性能的にそれほど回避能力が高いわけではありませんが、しっかり強化していると強敵の攻撃をヒラヒラかわしつつ強力な反撃をたたき込む(ときには一撃で撃墜!)といったことも不可能ではありません。実際可能!(笑)

 まあ、いろいろ語ってきましたが、じつは私が最も言いたい&オススメしたいのが、ファンはもちろん初めてシリーズを体験する人も、とにかく期間限定版“プレミアムアニメソング&サウンドエディション”でプレイしましょうということ! もう、ヤバイです。通常版と違い、武器の追加をはじめとするイベントの際に原作のテーマ曲などが流れるので、盛り上がりの度合いがケタ違い!! ロボットモノに限らず、アニメのクライマックスでテーマ曲などが流れて気持ちが高まったことがある人は多いと思いますが、まさにそれと同じ感覚を味わえますよ!(L)

EARTH DEFENSE FORCE: IRON RAIN
¥7,944⇒¥5,560(30%OFF)

似て非なる『EDF』の新たなシリーズが生まれた

●PS4 ●アクション ●ディースリー・パブリッシャー 
※DL版デラックスエディション¥8,963⇒6,274(30%OFF)
 DL版アルティメットエディショ¥11,000⇒¥7,700(30%OFF)

 本作は『地球防衛軍』シリーズの系譜に連なりつつも、メインタイトルに異なる名前の『EARTH DEFENCE FORCE』のタイトルが冠されています。『地球防衛軍』といえば、宇宙からの侵略者が送り込んできた巨大なアリやクモ、戦闘マシーンの大群と戦うTPSアクションです。そして新作が出るごとに、常に僕らの期待しているなじみ深い『地球防衛軍』がそこにありました。

 では、タイトルが変わった本作はどうなのだろう。そう思っていざプレイしてみたところ、手触りはいつもの『地球防衛軍』なのですが、でもどこかが違う。なんていうか、海外に留学していた息子が2年ぶりに帰国した、そんなイメージです。

 まず大きく変わっていたのが、カスタマイズの自由度の高さ。本作では“兵科”の代わりに、異なった能力を持つ戦闘用強化外骨格“PAギア”を身にまとい、さらに武器を2つまでと、アイテムをPAギアごとに決まったキャパシティの量まで装備できます。このとき、どのPAギアでもすべての武器が装備できるのです! そのため、飛行可能なPAギアのジェットリフターでロケットランチャーを装備して、空中から敵の群れをまとめて爆撃するといった、かつてない戦い方ができるようになりました。

 また、武器も拾うのではなく、リストから開発するシステムになったので、必要なお金と素材さえあれば、欲しい武器を狙って手に入れられるのです。おかげで、ミッションに失敗しても、クリアしやすいPAギアを選択して、すぐに強い武器で出撃できるのがうれしいところ。ほかにも、遠くから敵を攻撃しないとつらいミッションに出会っても、すぐにスナイパーライフルを開発して再出撃ができるなど、トライ&エラーがやりやすくなっています。

 カスタマイズといえば、本作ではアバターのカスタマイズも可能になりました。ヘルメットや洋服の変更はもちろん、顔や声や性別なども変更できます。マルチプレイで自慢のカスタマイズを見せ合えるなど、新たな魅力が生まれたと思います。

 次にアクション面もかなり変わっていました。キャラクターはPAギアを変更しているだけなので、どのPAギアを装備してもダッシュやジャンプといった共通アクションが使えます。そのため、通常の歩行スピードが遅いヘビーストライカーでも、小気味よいアクションが楽しめます。ほかにも細かい部分ですが、ダッシュ中にジャンプすることで即攻撃ができるようになったりと、アクションゲームとしてのレスポンスもかなりいいです。

 そして何より、PAギアごとに異なる特殊能力“エナジームーブ”がじつに爽快! 個人的には、プロールライダーで腰からワイヤーを射出後に引き寄せて、空中を立体的に移動できる“E-ニードル”を使ったアクションがかなり好みです。過去のシリーズにない完全に新しいこのアクションは、今までのシリーズのファンにもぜひ体験してもらいたい! このエナジームーブのおかげで、同じ武器を使っていても、PAギアごとに戦い方が大きく変わってきます。

 そして自分が一番驚いた変化が、ドラマ性です。本作の主人公は1人の名も無き戦士ではなく、クローサーという名前とキャラ設定が用意されているのです。そしてクローサーが所属する組織“アースディフェンスフォース(EDF)”の仲間たちにも、それぞれ名前とキャラ設定があります。

 さらに、EDFと敵対するもう1つの地球防衛組織“カインドレッド・レベリオン(KR)”とそのメンバーにも重厚なドラマや設定が用意されているのです。そんな彼らの物語が、ミッションをクリアするごとに進んでいきます。いつもの戦闘中のNPC同士の会話すらも物語にかかわってくるので、ドラマ性が非常に濃くなっています。そしてその物語の流れも、海外のアクション映画を思わせる雰囲気でたまりません。しかも本作のミッションは50以上と、長すぎず短すぎずで、30時間はプレイしたものの、まるで2時間映画を見ているかのようなテンポで進んでいきます。思わず、物語の続きが気になって、コントローラから手が離せませんでした。

 そして、シリーズのお約束ともいえるマルチプレイも、さらなるパワーアップを遂げました。世界中の隊員と協力して戦うオンラインマルチプレイも、6人まで同時にプレイできるように。さらに、EDFとKRに分かれて最大4人対4人で戦える対戦モード“マーセナリー”があります。巨大生物が落とすエナジージェムを奪い合うのが作戦目標なので、相手チームとだけではなく巨大生物とも戦わなければいけないため、フィールドはものすごく混乱します。そのため腕の差が極端には出ないので、TPSでの対戦が苦手、という人でも楽しめます。

 これだけ大きく変化して生まれた『EARTH DEFENCE FORCE』。とはいえ、頭にも書きましたが、手触りは『地球防衛軍』なので、シリーズファンのみなさんにもバッチリオススメできます。そして、本作からまったく新しいEDFが始まったので、今までプレイしたことがないという人にも、「始めるならば今!」と自信をもってオススメしたいです。(うま)

Days Gone(Value Selection)
¥4,290⇒¥2,574(40%OFF)

イカれた世界だからこそ納得の凄惨なドラマ演出――

●PS4 ●オープンワールドサバイバルアクション ●SIE 
※デジタルデラックスエディショ¥5,300⇒¥3,234(40%OFF)

 2016のE3で公開された、圧倒的な数のフリーカー(感染者)の大群に追われる衝撃的なPVを見て以来、発売を待ちに待ち続けた『Days Gone(デイズ・ゴーン)』。先行体験会などを経て自分のなかで最高潮に達していた期待感を、連休中にクリアしてようやく落ち着かせることができました。というわけで、最終的にトロコンまで遊び尽くした視点から、その想いを詰め込んでお届けします。

 まず、なんと言っても期待値が高かった要素が、パンデミックが起きて世界が荒廃してから2年後で生き抜く人々を軸にしたドラマです。ここでポイントなのが、いかにパンデミックから逃れるかという視点ではなく、フリーカーが当たり前のように存在する世界でどう“サバイバル”するかに焦点を当てているという点。何億人もの人が死に、周りにはフリーカーだけでなく、野盗や野生動物なども徘徊し、心休まる場所はどこにもありません。そんな凄惨で“イカれた世界”だからこそ、血が流れることは日常茶飯事なわけです。

 実際にプレイすると、キレイごとでは生き抜けない世界の表現には、たしかに暴力的表現は必要不可欠だし、CERO:Z指定である意味を序盤から感じさせられました。ローカライズで表現をマイルドにしたり、ぼかしたりする作品もありますが、本作では極力その部分を残すように努力されたそうで、そこは拍手を贈りたいですね。

 ドラマもハリウッド映画的なお約束である相棒との友情、恋人とのロマンスなどの山場がたくさん用意され、先が気になりプレイが止まらなかったです。公称でメインシナリオは30時間ほどとありましたが、そんな器で収まらないボリューム感と満足感で、いい意味で裏切られましたよ。しかも、そのドラマを盛り上げるサウンドがまた素晴らしい! とくに相棒のブーザーとタンデムして南に向かうシーンで流れる劇中歌の“Soldier’s Eyes”(Jack Savoretti)は、2人の会話も相まって雰囲気が抜群!!

 そして、ドラマと同じくらい期待していたのが、フリーカーの大群との戦いです。大群と遭遇したときの恐怖感と、気づかれて襲われたときの恐怖感が想像以上にすごくて、ひさしぶりにゲーム中にリアルで声を上げてしまうほど。E3のPVを見たときの「これはヤバい。絶対おもしろい」という直感は正しかったなと、これについても大満足でした。ちなみに、スキルや武器がそろっていない序盤は“恐怖と絶望”が強いですが、戦力が充実する後半は大群をせん滅できるようになり、“爽快感”が前面に出てきます。このように、プレイヤーの感情が変化するバランスも見事だと思います。

 それ以外のシステムで気に入ったのは、移動手段の軸となるバイクでしょうか。泥道でのスリップ具合や、段差でのジャンプから着地など、オフロードでのバイク走行のおもしろさを疑似体験できるといっても過言ではないほど、走行感覚がすごくリアルに再現されているんですよ。慣れてくると出発時にクイックターンからブーストを効かせてトップスピードへ、という走りもマスターでき、すごく悦に浸れます(笑)。

 ちなみに、バイクは外見を細かく変更できて、カラーやペイントの数も尋常じゃありません。しかも、タイトル画面のバイクにそのカスタマイズが反映されるという、心憎い演出もあるという。いやー、開発陣の“バイク愛”に脱帽です! ただ、欲を言えばバイクの燃費が、もう少しよくなればいいなと。とくに序盤は燃料タンクが小さく、ファストトラベルするたびにガソリン探しに奔走していたので。まあ、ガソリンはすぐ見つかるし、満タンに給油できたときのなんとも言えない満足感は、サバイバル感もあって悪くないんですけどね。ディーコンが「やっとだ」と給油中につぶやくたびに、「わかる」と気持ちがシンクロしています(笑)。

 というわけで、UIが視認しづらいなどの不満は多少ありますが、平成最後の大型タイトルとして大満足だった本作。でも、まだこの世界の“謎”に迫り切れていないので、ぜひ続編なり拡張パッケージでのストーリー補完が欲しいですね。あとは火炎放射器とかロケットランチャーとか、もう少しおバカ系なノリの武器も使いたいなと。ゲーム中には登場しているし、今後のアップデートで追加されたらいいなと勝手に妄想中です!(編集O)

スターリンク バトル・フォー・アトラス
¥8,580⇒¥4,290(50%OFF)

フィギュアの手触りと冒険のワクワク感が子ども心を呼び起こす

●PS4 ●オープンワールドシューティング ●ユービーアイソフト 
※デジタル版デラックスエディション¥10,560⇒¥5,280(50%OFF)

 子どものころ、スペースオペラなどの題材で大宇宙を飛び回る宇宙船に心を躍らせ、さまざまな姿のエイリアンにロマンを感じた人は、自分だけではないでしょう。『スターリンク バトル・フォー・アトラス』は、そんな幼少期の“ワクワク感”を呼び覚ます作品でした。

 そもそも、コントローラーに接続したフィギュアをいじると、作中でプレイヤーが操作する機体が、フィギュアに合わせて姿や武装を変化させるというギミックだけでも、心がときめく人は多いのではないでしょうか? “レゴ”に代表されるブロックトイで、自分だけの宇宙船を作った人もいるかもしれません。それに似た、自分の手で作り出すという行為そのものの楽しさが、わかりやすい本作の魅力の1つです。

 もちろん、本作はフィギュアがない状態でも問題なく遊べますので、そこはご安心を。フィギュアとの連動は本作ならではの特徴ではありますが、ゲーム自体もプレイしていて非常におもしろい魅力にあふれています。

 その1つが、わかりやすく期待感を高める物語。“スターリンク・イニシアティブ”と呼称する宇宙調査団の主人公たちは、地球人を宇宙へと導いたエイリアンの故郷であるアトラス星系へと到達します。ゲーム冒頭から巨大な宇宙船が登場する演出は、スペースオペラを題材とする映画を彷彿(ほうふつ)とさせるものであり、主人公たちも詳しく知らないこの星系で、いったい何が起こるのかというワクワク感を与えてくれます。彼らは結果として、突如現れた謎の敵に母艦を攻撃され、指揮官を連れ去られてしまいます。そして指揮官奪還のための戦いを決意することになるのですが、敵があまりにも強大なため、アトラス星系に住むさまざまなエイリアンたちと同盟を結び、結集して立ち上がるという流れに。まさに王道的展開です。

 こう書くとまるで宇宙戦争もののように感じますが、本作のビジュアルはCGアニメ調であるため、戦争ものというより冒険活劇の印象を強く感じました。主人公たちはそれなりに歳を経た青年や大人ですが、CGアニメによくあるライトなノリ、どこか愛嬌のある姿の敵など、“子どもの頃に食い入るように見ていた冒険の世界”が形成されており、少年に戻ったかのように純粋な気持ちで楽しむことができます。お子さんがいらっしゃる家庭であれば、きっと親子で一緒に楽しめるでしょう。

 もう1つの魅力が、ゲームとしての手触りのよさ。先にも述べたとおり、本作から感じるイメージは大宇宙を舞台とした冒険ものです。オープンワールドで表現されたアトラス星系は、星から星へと飛び回る間も一切のロードがなく、宇宙から地表への大気圏突入や、その逆もシームレスで行えます。それぞれの惑星ではエイリアンたちが活動拠点を構えていたり、その惑星固有の生物が暮らしていたりと惑星ごとの特色もあり、“いろいろな場所を自由に訪れる”という冒険のだいご味を存分に味わうことができるのです。

 しかも、本作は操作するのが人間ではなくスターシップ(宇宙戦闘機)ですから、移動もラクラク!(購入したものに限られますが) 機体のパーツを組み替えるカスタマイズ要素も手軽に行えるため、「移動中はスピード重視、戦闘になったら防御重視のパーツに切り替える!」といったことも可能です。

 フィギュアを作るほどですから、機体のカスタマイズ要素にかけられたこだわりは並ではありません。各パーツにパラメータが割り振られていて、どのパーツを使ったかによって機体の性能が変化するため、原則として多くのパーツがついていたほうが機体性能は高くなります。なので、基本的には大型化した機体を乗り回していることが常なのですが、おもしろいのが小さい機体なら入れそうな空間がしばしば出てくること。また、武器に付加されている属性に耐性を持っている敵が出現するなど、機体のカスタマイズの重要性が高いのです。

 ちなみに、機体カスタマイズはフィギュアを使わない環境でも、それほど手間ではありません。いかに状況を判断して、ふさわしい装備や機体構成を考えるかがおもしろいポイントなので、さまざまなパーツを使えるようにしておくと、グッとおもしろさが際立ちます。正直な話、どれだけカスタマイズパーツを所持しているかでおもしろさの幅が大きく変わるといってもいいでしょう。「フィギュアはなくてもいい!」という方は、カスタマイズパーツ全部入りの『デラックスエディション』を強くオススメします!

 本作をプレイして、ひさしく忘れていた“子ども心”というものを認識しました。キャラクターの見せ方や会話のノリ、宇宙の広さと未知のものを見るワクワク感、スペースオペラファン垂涎の宇宙空間でのドッグファイトなど、心を震わせる要素がてんこ盛りなんです! フォトモードも搭載されているため、見た目にこだわりまくったお気に入りのスターシップの写真を撮りまくることもできるのも、個人的には推したいポイント。自分のように壮大なスペースオペラへの欲求を抱えている人は、ぜひ本作をプレイしてみてください。きっとかつて感じた胸の高鳴りを、今一度思い出せるハズです。(hororo)

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