『即死チート』6話感想。初めてラブコメっぽい展開がやって来た!アオイに殺されていたドラゴンの正体はもしかして…?(ネタバレあり)

米澤崇史
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 2024年2月8日(木)に放送されたTVアニメ『即死チートが最強すぎて、異世界のやつらがまるで相手にならないんですが。』第6話“助けられといて文句を言うほど野暮じゃないですよ”の感想記事をお届けします。

【注意】キービジュアルより先のテキストでは、『即死チートが最強すぎて、異世界のやつらがまるで相手にならないんですが。』6話の物語に関する記述が多々あります。そのため本編をご覧になってから読むことを強くオススメします。

チートを無効化するアオイの能力は夜霧に通用するのか

 成行きのまま、聖王の騎士となるための試練を受ける羽目になってしまった夜霧たちでしたが、塔に入った瞬間見事に罠に掛かってしまうライニール、相変わらず不幸すぎる。

 ただ、下手すると即死していてもおかしくない位置に槍が当たっているにも関わらず、迷惑をかけたことを謝った上で自力で石を取り出せるのは規格外のタフさにも思えます。密かに、耐久力系のチートももらってるんじゃないかという説を推したいです。

 試練の参加者として元聖王の騎士・テレサも登場しましたが、戦い方がどうみても騎士ではなく暗殺者のそれで、むしろ刺客を剥奪されるまでは騎士だったことが驚きです。メイド・暗殺者・殺しが大好きなサイコパスと、少なくとも普通の作品なら1話かけて戦う強敵並の豊富な属性を持ったキャラクターでしたが……やはり夜霧にサクッと殺されてしまいました。

 これまで夜霧が戦ってきた多くのギフト所有者や賢者たちとは、比べるのも酷なレベルの実力差がありましたね。

 0時のログボで詫び石をライニールがもらうシーンでは、“サービス開始20周年記念”とか“一回限定のUR確定ガチャ”とか、あまりにも普段見慣れた言葉が並びまくっていて笑ってしまいました。その一方で、ライニールは死んでも決まったポイントからやり直せる能力をもっていること、そしてこの試練の中だけでもすでに15回死に戻りをしているということも明らかになっていました。

 夜霧やリックたちと行動している時はなんとか死なずに済んでいるようですが、それ以外の助けが入らないところではボコボコ死にまくっていたということでしょうね……。

 なお、アニメでは説明がなかったのですが、原作ではこの時にライニールが呼び出した女神は、ライニールの能力を通して作り出した仮の肉体を遠隔操作しているという設定になっています。よく見るとアニメでも、女神が消える際に目の光が消え、人形のように力が抜けてから肉体が消失するという演出がされているので、アニメで言及されていない部分も、しっかり原作での設定をふまえているようです。

 新しい賢者であるアオイも初登場。アオイは神から授けられた異能力を無効化する能力、つまりは”チートを無効化するというチート”を持っているようで、賢者としてスカウトされるレベルであるリクトに圧勝しています。

 夜霧を追いかける以上対決は避けられないでしょうが、問題はこの能力が夜霧に通用するかどうか。夜霧の即死能力はクラスメートたちが与えられたギフトとは別種の力ですから、戦いになった場合はアオイ側が厳しそうな印象を受けますね。

 そのアオイと共に、花川が見事なスライディング土下座と共に久々の再登場を果たしたのは嬉しかったです。

 森に取り残されたあと、リクトに助けられていいように使われていたようですが、花川のチートは回復系で攻撃手段には乏しいので、誰か強力な味方がいないと活かせないんですよね。1話では、花川は自分の欲望のまま知千佳に従属の首輪を使おうとしていましたが、東田や福原といった味方がいなくなった今考えると、花川がやるべきだったのは、自分の変わりに身体を張って戦ってくれそうな人物に首輪をつけさせることだっんじゃないかと思います。

知千佳のヒロイン力が瞬く間に急上昇

 後半からの見どころは、なんといっても寝起きの知千佳と照れ顔の夜霧のやりとりでしょう。

 髪をほどいてちょっと寝ぼけている時の知千佳の表情には、スタッフのこだわりを感じました。普段の2つ結びにしている時も活発なイメージでぴったりではあるのですが、こちらはちょっとおしとやかなヒロインオーラが漂ってます。

 さらに、夜霧が能力で人を殺す罪を自分も同じように背負う覚悟がとっくにできていると宣言するのは、夜霧にとってはこれ以上ない殺し文句。とびきりの笑顔を前にどきまぎする夜霧の姿はあまりにも新鮮でした。5話でも描かれていた、朝霧と暮らしていた、幼かった頃を彷彿とさせるかわいさです。

 思えば知千佳は、夜霧が能力を使った時に驚きこそすれ、非難をしたことってまったくと言っていいほどないんですよね。しかも夜霧の能力を知った後も、花川のように怯えたりもせず、普通の人間と同じように接し続けているわけですから、ある意味知千佳のチートはその鉄壁のメンタルと言えるのかも。

 夜霧達とは別行動していたリックやライニールのシーンも描写されていましたが、知り合いのフレデリカと無事合流できていた様子。最初に登場した時は、ライニールを理不尽に虐めているだけのようにも見えたフレデリカでしたが、ポイントが足りないライニールの面倒を見てあげているあたり、なんだかんだ根は悪い娘ではなさそうな感じがします。

 また、新たにマサキとその弟子たちも登場していましたが、やはり本作はハーレムパーティにはとことん厳しい(ハーレムを作ろうとするのが大抵ロクな奴じゃないのもありますが)。とくにエマはめちゃくちゃ人気が出そうなビジュアルで、1分未満で退場してしまったのはあまりに勿体ないと感じてしまいました。

 弟子たちを殺された怒りか、自分の敗北を認めたくなかったからか、約束を破ってマサキは殺されてしまいましたが、どういうチート能力をもっているかがまったく描かれないままの退場となったのは、少しかわいそうだったかも。

 さらっと進むところなので初見だと気づきにくいのですが、後半の途中でアオイに首を飛ばされたドラゴン、おそらくは夜霧たちを剣王の試練まで連れていったアティラみたいなんですよね。

 黄金のドラゴンという見た目も完全に一致していますし、アオイは夜霧たちを追いかけているという状況で、戦っている場所も4話で夜霧たちが通った谷と同じに見えます。他にドラゴンがいないのも、前回夜霧が全滅させてしまっていたからで、アティラしか侵入者に対応できるドラゴンがいなかったと推測すると、いろいろ納得できるんです。

 今までいろんなキャラが死んでいった本作ですが、他のキャラほど自業自得感もなく、一時的とはいえ夜霧たちと一緒に行動をしたアティラが死んでしまった可能性が高いのが、今までで一番ショックかもしれません。

 リクトやマサキたち4人に、もしかするとアティラも? と非常に多くのキャラクターが退場となった6話。公式Xでは、これまでのエピソードで死んでいったキャラクターたちの遺影画像を定期的にアップされる企画を行っているのですが、6話に関してはかなりの数が並ぶことになりそうですね……。

 個人的には、本当にあのドラゴンがアティラだったかはまだ断言できない部分もあるので、この遺影にアティラが並ばないことを祈りながら次回を待ちたいと思います。



米澤崇史:ロボットアニメとRPG、ギャルゲーを愛するゲームライター。幼少期の勇者シリーズとSDガンダムとの出会いをきっかけに、ロボットアニメにのめり込む。今もっとも欲しいものは、プラモデルとフィギュアを飾るための専用のスペース。

©藤孝剛志/アース・スター エンターテイメント/即死チート製作委員会

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