『キングダム』アニメ第5期6話感想。明かされる羌瘣の安否と桓騎の予想外の行動。顔芸のあとに激ギレする河了貂にシンクロすること間違いなし(ネタバレあり)

タダツグ
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 ファン待望のTVアニメ『キングダム』第5シリーズの第6話“黒羊の大一番”が放送されましたので、視聴しての感想をお届けします。

【注意】この記事ではアニメ『キングダム』の物語に関する記述が多々あります。そのため本編をご覧になってから読むことを強くオススメします。

TVアニメ『キングダム』第5シリーズ 第6話“黒羊の大一番”感想

 秦軍と趙軍が互いに譲らず、一進一退の攻防が続く“黒羊丘の戦い”も3日目に突入。戦場は膠着状態の様相を呈していたものの、河了貂(かりょうてん)の策によって機先を制した飛信隊が趙の将軍・紀彗(きすい)の軍に迫ったことで、風雲急を告げることに! 

 2日目の桓騎軍の猛攻を見事に凌いでみせた紀彗。その首元に刃の切っ先を向けた河了貂の奇襲策は鳥肌モノでしたね。紀彗の軍師的なポジションである劉冬(りゅうとう)をして「キレ者」といわしめるあたり、河了貂がいよいよ軍師として一皮むけてきた感があります。渕さんが大活躍した渡河作戦といい、策がハマりまくりで気持ちよすぎ!

 そんな飛信隊の動きを見て、すぐさま紀彗への攻撃準備を整える桓騎軍の将軍・黒桜(こくおう)もお見事でした。野盗あがりならではの機微というか、臨機応変なしなやかさが素敵な女傑。不敵な笑いもサマになっていて、思わずグッときましたね。

 河了貂と黒桜の機転により、中央丘占拠の足掛かりを得た桓騎(かんき)。これまで様々な奇策で勝利を重ねてきた彼は、この状況を見てどんな一手を打つのか? 固唾を飲んで見守っていたわけですが……そんな桓騎が口にした言葉は、まさかの「オギコを呼べ」。

 ……オ、オギコ? ここでオギコ? 戦力というよりは召使いって感じの彼を呼ぶってどゆこと!? これには僕もクエスチョンマークだらけに。命じられた桓騎軍の下っ端兵も困惑したのか、返事が上ずっていたところには笑ってしまいましたけどね。素晴らしい演技(笑)。視聴者と下っ端がシンクロした瞬間でした。

 ここで「ああ、そうか。オギコを伝令役として使うのね~」と思った僕は、完全に浅はか。桓騎が選択した行動はあまりに予想外すぎて、唖然とするしかありませんでしたよ。まさかまさか、ってヤツ。未見の方は色々な意味でお楽しみに。

 おかげで一度は秦軍大幅有利になった戦場が、またまた混迷を極める形になりそうな雰囲気。どう考えても悪手に思えますが……どうなんだ? 来週以降の展開が気になるところです。

注目ポイント1:桓騎の策に河了貂が見せた顔芸。まさかのブチギレ状態に信さえドン引き

 ここからは例によって個人的な注目ポイントを。今回一番印象に残ったのは、桓騎に“すっぽかされた”形になった河了貂でした。思わずアホの子みたいな顔芸を見せて落馬したシーンには、つい吹き出してしまいましたね。コテコテなリアクションすぎるぜ河了貂(笑)。

 ブチギレ状態で桓騎の側近である那貴(なき)に詰め寄る河了貂ですが、その気持ちは痛いほどわかるってものでしょう。せっかくの名采配がフイになったわけですからね。

 いつもなら一番にキレる信が、今回は河了貂を抑えるフォロー役に回っていたのも印象的。もちろん信も思うトコロはあるでしょうが、今回は完全に河了貂のターン。皆さんも、自分より怒っている人間が側にいると、一周回って冷静になったりしませんか? 信の表情がまさにそれで、なんかリアルだなあと変に感心してしまいました(笑)。『キングダム』のこういう生々しさ、結構好きなポイントです。

 あと、河了貂たちが桓騎の動きを待っていたときの“間”も良かったです。ジリジリと日が暮れていく様をあえて時間をかけて描いたところは、アニメならではの演出で感心しきり。

 ちなみに、桓騎にブチギレてたのは河了貂だけではなく。なぜか敵の大将である慶舎(けいしゃ)も怒りの表情をしていた点は、見逃せないところだと思います。どうやら慶舎、最大の好機に桓騎がどう動くのかを観察したがっていたようですからね。当てが外れたどころか、ちょっとバカにされているとさえ思っていそう。

 もしかすると、彼の感情を逆なでするのが桓騎の狙いなのか? 那貴が口にした「今回はすっぽかしたほうが“得”って思ったんだろう」という推測も、あながち間違いではないかもしれません。マジで来週以降が楽しみ!

注目ポイント2:敵将・紀彗の過去になにが? 治療中の羌瘣に語られる真実

 この黒羊宮の戦いにおいて、大将である慶舎に引けを取らないほどの存在感を見せる紀彗。彼が戦場に姿を見せただけで、敵兵が異常なほどに戦意高揚する描写には、不思議な違和感を覚えている視聴者さんもいることでしょう。

 彼がまとう不思議なオーラは、かつての王騎(おうき)が見せてくれた“大将軍としての風格”とは明らかに異質でしたが、その理由の一端が今回、ついに明かされることになりました。

 語り手は、劉冬との戦いで深手を負った羌瘣(きょうかい)が運び込まれた集落の長である老婆・混バア。どうやら紀彗、かつて自らの目の前で離眼(りがん)の大人たちを殺されているとのことですが……。彼がまとう不思議なオーラは、その悲劇を経たことによるものなのか? こちらの詳細はどうやら来週語られることになりそうです。絶対重たいやつやん、こんなの……めちゃくちゃ気になるッ!

 ここで話は少し逸れますが、少しずつ回復し始めている羌瘣には安堵のため息でしたね。いまだ動けないとはいえ、混バアの話を聞けるくらいには復調してきていて、本当に何よりですよ。彼女は僕の一番の推しキャラなので、早く回復して信のそばまで戻ってきてほしいところ。

 羌瘣が負傷して運び込まれた集落で、紀彗の秘められた過去が語られるというのもなかなかに運命的ですよね。もしかするとここから、紀彗を攻略するカギが見つかったりするのかも? まだまだどう転ぶかわからない黒羊宮の戦い、先が気になるところですが……。ひとまず、今回はこのへんで!

©原泰久/集英社・キングダム製作委員会

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