アーリーアクセスレビュー&攻略:『ALTF42』イカれた世界は理不尽な罠だらけ。超繊細なジャンプが求められる死にゲーは心が折れるけど何度もチャレンジしたくなる

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 PUMPKIMが開発、グラビティからリリース予定のPC(Steam)用3Dアクションゲーム『ALTF42』。

 『ALTF4』というゲームをご存知でしょうか。内容は障害物を乗り越えてゴールを目指すステージクリア型のゲームなのですが、その障害物の数々が思わず“ALT+F4”で強制終了したくなるほどの難しさで人気を博したタイトルです。

 一言で表すなら理不尽の極みみたいな罠の多さと、それに対するキャラの挙動の癖。そんな絶妙な操作感と突破できたときの達成感がやみつきになる『ALTF4』の続編『ALTF42』がどれだけパワーアップしたのか、5つのポイントに注目してその魅力をお届けしていきます。

※本記事はグラビティゲームアライズの提供でお送りします。

ポイント①:ルールは簡単。操作は激むず。道中は理不尽…!

 ゲーム自体はゴールを目指すだけと単純明快。ただ、そのシンプルさとは真逆の操作の精密さと道中の罠の理不尽さが本作の癖であり魅力と言えます。

 道中は跳ねる床板。振り子鉄球。狭い足場。ヤギが突進してくるなどなど。絶妙に癖のあるジャンプを駆使してこれらを突破しなければなりません。言葉だけだと簡単に思えますが、どれだけ罠をくぐり抜けても死んだらスタート地点から復活という点も心を折りに来るポイントです。

 ともかく罠が過密。というかステージのルートが劣悪、極悪で、まともな足場はほぼありません。一人しか乗れないような足場や角材を渡り歩き、やっとの思いで進んだと思ったら、奈落に落ちてステージ最初に戻される……。そんなゲームです。

 ちなみに途中セーブは道中に複数ありますが、セーブは一度しか機能しません。細かく言うと中間セーブでリトライし、再び死亡したらスタート地点に戻されます。薄情なゲームですよ! これ本当に!!

 なんなら中間セーブも自動ではなく、風船に乗って飛んでいくので、鶏を投げて風船を割って“SAVE”と書かれた木の板に触れる必要があります。何を言っているかわからないと思いますが、鶏を投げて取ります。ちなみに鶏は無限に投げられます。

ポイント②:こんなジャンプ性能でこの足場を飛べってか!?

 このゲームの癖として、強めの慣性が乗るフワッとした操作しにくいジャンプ挙動があげられます。これがまたほんのちょっとの足場を飛び石していくのにも苦労するほどの絶妙な操作感なのです。

 アクションゲームのジャンプにはいろいろな性質がありますが、本作は“ボタンの強弱でジャンプの高さが変わらない”というのと、“慣性が強く、空中制動があまり効かない”という2点が特徴的です。

 もう少し正確に言えば、移動しながらジャンプした際は慣性が強いため、空中制動があまり効かず、垂直ジャンプしてからの空中制動はしっかり調整可能。つまり飛び越える罠や足場、距離に対して、このあまりに繊細すぎるジャンプ精度を瞬時に使い分け、感覚でやっていかなければならない難しさがあるわけです。

 ただ、不思議なものでジャンプの性質さえ理解してしまえば、「この足場は慣性ジャンプだな」や「この足場は微調整しながら跳ぼう」といった見極めができ上がっていくところが面白いポイント。

 もちろん、だからといって罠の攻略が簡単になるわけでは一切ないのですけどね!

ポイント③:罠の強さ。自キャラの弱さ

 基本的には、いわゆる初見殺しのオンパレードなので一度見てしまえば避け方が理解できるところがこのゲームの良心じゃないかと。

 とはいえ、前述のジャンプ挙動の癖に加えて攻撃を受けるとすぐラグドール化してあらぬ方向に滑り落ちていく自キャラが邪魔をしてくれます。

 たとえば回転する刃に触れると足を取られ遠心力で滑っていくほど。まるでプロペラに絡まったタオルかのような軽さと抵抗力のなさ。

 振り子鉄球に当たれば当然吹っ飛んで奈落の底ですし、跳板を踏めば飛んでいき。高所から落下すれば体勢を崩してラグドール化。

 反対に言えば、キャラが軽いのでこれを利用して吹っ飛んでいくことも可能ですし、自らラグドール化する操作もあるので脱力することで罠を突破する手段もあるのも面白いところ。

 また、慣性の強さが当たりどころによってマチマチなので、罠に直撃しても助かることがあるのもポイント。意図しない吹っ飛び方をして死んだかなと思いきや、案外生き残ったりします。

ポイント④:攻略のカギはアイテムとカプセルマシーン!?

 理不尽な罠と独特なジャンプで難しさを演出している本作ですが、消耗品のお助けアイテムもあります。たとえば1度だけ空中ジャンプが可能になったり、周辺の動きがスローになったりなど、ルートやギミックを無視して進めるほど強力なものが用意されています。

 アイテムは道中に置かれた包箱を取得することで入手できるほか、スタート地点のショップでの購入。そしてショップ横にあるカプセルマシーンからも入手できます。

 実は道中にはコインが置かれており、ショップでの購入はこのコインと交換で購入可能です。カプセルマシーンはアイテムを投入して回せる仕組みとなっており、道中攻略で使えるものが入手できることもあります。

 たとえば騎士に欠かせない盾は敵の攻撃を防ぐ!……ではなく、投げつけて壁に刺さることで足場にできます。これを利用すれば低いジャンプ力を補うだけでなく、一部のギミックを無視して通り抜けられますし、狭い足場を広げる使い方としても有用でした。

 “SAVE”と書かれた看板は使用した場所で中間セーブが行えるスグレモノ。中間セーブはステージ内にいくつかありますが、前述の通り一度しか機能しないので初めて挑むギミックの前や、中間セーブを使い切ったあとに使用することでスタート地点に戻されることを防ぐ保険的な使い方もできます。

 ただ、これらのアイテムの使い所が難しいのは消耗品なところと死亡するとスタート地点に戻されるゲーム性にあります。

 アイテムを使用して難所を突破しても、その先で死亡してスタート地点に戻されたらアイテムなしで難所に挑むことに……。この戻されるというバランスが厄介でもあり絶妙な塩梅で、いつアイテムを使うのかの駆け引きがゲームを簡単にしておらず素晴らしいなと感じました。

 ある意味で救済なのは、スタート地点に戻される度に道中のコインが復活すること。

 スタート地点には必ずショップがあるので、リトライしまくっても地道にコインを集めていけば技術の向上や攻略のコツを掴むとともにショップでの購入機会も増えていくのじゃないかと。

ポイント⑤:ファンキーな妖精が出たり、中世の雰囲気を出しといてパトカーが出てきたりする世界観が妙に癖になる

 ストーリーは王様が鶏になっちゃったので戻しに行こう的な話なのですが、戻すためには法外な値段を要求されます。それもサングラスをかけたファンキーな妖精に……。

 ちなみに「そんな金払えるワケないだろ!」と鶏を投げつけると魔法使いに雷を落とされて死にます。

 王様を治しにいくだけの道中に何故か振り子鉄球があるし、パトカーは突っ込んでくるし。ターザンと名乗る半裸の男に勝負は挑まれるし、城の煙突は転がってくるし、ストーリーの安直さとステージギミックの温度差がありすぎてツッコミどころしかありません。

 世界観にもそのうち慣れてくるかなと思えば、象が無意味に吊るされていたり、自転車でジェットコースター的なギミックをやらされたりとステージが進むにつれてカオスさが増していきます。これは……ツッコミの勉強にもなる!?

 そんなゲームですが隠し部屋的なものも存在しており、そこにはコスチュームがありました。装備してみるとファンシーな馬の頭で、何故かずっと横を向いています。

 走るとお尻の尻尾から虹が出てくるおまけ付き! やったぁ! ……それだけで特に攻略が簡単になるとかNPCの誰かがツッコんでくれるとか、そういうのはありません。「おまけを見付けたね、おめでとう!」とか「気分転換にいかがでしょ?」みたいな感じのノリで置かれていたのだと思います。

 理不尽な罠や道中と繊細なコントロールを要求するゲーム性ですが、BGMは真逆の牧歌的なのんびりとした曲調のものがずっと流れています。まるで子ども向けアニメで流れているかのような優しい雰囲気。

 しかも、ご丁寧にステージの各所に音楽隊の方々がスタンバイしていてBGMを流してくれています。

 ちなみにギミックをクリアできない怒りを彼らにぶつけようと彼らに鶏を投げつけるとBGMが変わる小ネタもあります。まるで投げつけることを想定しているかのような作りで、プレイヤー心理を見透かされている気さえします。

 プレイし始めの頃はジャンプの挙動にわずらわしさを覚えましたが、性質が分かれば使い分けでギミックを突破していく面白さに変化していました。

 とはいえ、極端に狭い足場や繊細なジャンプ操作を要求される難しさはクリアまで一生つきまとうので、経験した部分をアイテムでどう簡略化していくかも攻略として面白い部分だったと思います。

 全体的におバカなノリも愛されている部分なので、世界観無視のパトカーをはじめ、ツッコミところを探すことも面白いかなと!

 風邪引いたときに見るようなノリと勢いを作り上げた本作の魅力、そしてゲームの難しさ、突破したときの達成感は、本当にいい意味でヤバいので、ぜひプレイして感じてみてください!

『ALTF42』製品概要

タイトル名:ALTF42
対応機種:STEAM
発売予定日:2024年4月
ジャンル:アクションアドベンチャー
価格:
アーリーアクセス版470円(税込)
※アーリーアクセスを購入したユーザーは、追加料金を支払うことなく製品版までのアップデートを受けることができます。
開発元:PUMPKIM Co., Ltd.
発売元:Gravity Co., Ltd.

※画面と映像は開発中のものです。
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