ゲーム『ゴブスレNF』先行レビュー:原作愛にあふれるゲームシステムと重厚なオリジナルストーリーに注目!【ゴブリンスレイヤー -ANOTHER ADVENTURER- NIGHTMARE FEAST】

Ak
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 ブシロードより2024年2月29日発売予定のNintendo Switch/PC(Steam)用ソフト『ゴブリンスレイヤー -ANOTHER ADVENTURER- NIGHTMARE FEAST』の先行レビューをお届けします。

 なお、このレビューではSwitch版を使用。開発中のデータなので、製品版とは一部仕様やバランスが異なる場合があります。

ストーリー&キャラクター:『ゴブスレ』らしい重厚なオリジナルストーリーが展開!【ゴブスレNFレビュー】

 本作は、『ゴブリンスレイヤー』の世界観をもとにした王道シミュレーションRPG。

 原作と世界観は共通ですが、完全オリジナルのストーリーが展開します。原作の物語の一部分をゲームで再現したものではないので、原作を知っていても知らなくても新鮮な気持ちでストーリーを楽しめます。

 プレイヤー(あなた)の分身となるのは、“ギルドマスター”と呼ばれる貴族の少女。品行方正で礼儀正しく、正統派主人公といった性格のキャラクターで、その点は原作主人公のゴブリンスレイヤーとは異なるところですね(笑)。

 ゲームシステム的な意味でもプレイヤーの分身であり、バトル時に盤面がシミュレーションRPGのように見えていることなども彼女の能力となっています。

 ストーリー上の重要人物でもある吸血鬼の少女“殲血姫”。彼女との邂逅から、主人公は多くの仲間と出会うことになります。主人公であるギルドマスターとは相棒のような関係性で、二人の掛け合いが楽しい!

 ちなみに序盤こそミステリアスな雰囲気が漂う殲血姫ですが、割とあっという間に仲間に馴染みます(笑)。表面上こそ尊大ですが根っこが善人なので、人気が出そうなキャラクターですね。

 そのほかのキャラクターたちも、“拳闘従士”や“隣領公女”といったように、固有名詞ではなく職業や役割(ロール)で呼ばれます。

 原作にも“蜥蜴僧侶”はいましたが、まさか“白熊僧侶”まで登場するとは衝撃的!(笑)

 ちなみに本作の原案・シリーズ構成は原作の蝸牛くも氏が担当。原作のテーブルトークRPGのような独特の雰囲気の文章もしっかり再現されています。この点、原作小説の読者にはうれしいポイントですね。

 メインストーリーがフルボイスなのも超豪華! 死者蘇生を可能にすると言われる“小箱”を軸に描かれる謎多きストーリーは先の展開が気になります。

原作キャラクター:ゴブリンスレイヤーたちはストーリーを進めると加入!【ゴブスレNFレビュー】

 ゲームオリジナルキャラクターだけでなく、ゴブリンスレイヤーたちもストーリーを進めるとパーティーに加入します。

 加入のきっかけは、もちろんゴブリン関連の依頼。

 ストーリーを4章まで進めて彼らとともにとあるクエストに挑むと、以降は自由にパーティーに加入させられます。

 いわゆるゲストキャラのような扱いではなく、育成も可能です。

 ゴブリンスレイヤー、女神官、妖精弓手、鉱人道士、蜥蜴僧侶の5人を自由にパーティに組み込めます。

 ただしゴブリンスレイヤー一党は、アクセサリー以外の装備変更ができない(ゴブリンスレイヤーのみ)、等級昇格ができないなどの制限もあります。

 このあたりは、ゴブリンスレイヤーの装備へのこだわりや原作での等級など、原作を大事にしたがゆえの制限ですね。

 とはいえ、ゴブリンスレイヤー一党は通常等級昇格で習得できる技能(スキル)もレベルアップで習得できるようになっているので、それほどほかのキャラクターと比べて制限を感じることもありません。

 メインストーリーの主軸となるのはオリジナルキャラクターですが、要所要所でゴブリンスレイヤーたちもストーリーに関わってきます。

 もはや原作・アニメではお馴染みとなったゴブリンスレイヤーの無茶な行動やデリカシーのない言動に、オリジナルキャラクターたちがドン引きしているのが新鮮です(笑)。

バトルシステム:基本は王道シミュレーションながら原作らしい要素も満載【ゴブスレNFレビュー】

 本作の基本的なバトルシステムは王道シミュレーションRPG。

 地形や属性相性などの要素も存在し、オーソドックスながらも戦略的なバトルが楽しめます。複雑な要素はないので、シミュレーションRPG経験者であればすぐに馴染めると思います。

 フィールドに仕掛け(トラップ)を設置することも可能で、原作さながらの待ち伏せしての戦闘も楽しめます。

 APを消費する武技、MPを消費する呪文などの攻撃手段も存在。いわゆる武技は物理、呪文は魔法のようなものですね。

 APとMPも原作らしく使用回数と同じような概念となっており、一律で1ずつ消費して武技または呪文を使用可能。パラメータがシンプルなので、残り使用回数を把握しやすいのがいい感じです。

 原作を再現したシステムのなかでも何より特徴的なのが、“《宿命》と《偶然》の骰子(サイコロ)”というシステム。

 いわゆるダイスロールで、原作のテーブルトークRPGっぽい雰囲気を再現したシステムになっています。

 “HP30%以下の味方に回復アイテムを使う”、“無属性の呪文を受ける”などの特定条件下でダイスロールが発生。

 ダイスロールに成功すると与ダメージ増加や被ダメージ半減などの恩恵を受けられます。

 発動する効果は事前に設定しておくことができます。状況や敵の種類に合わせて効果をセットしておくことで戦闘が有利に!

 ちなみに、“《宿命》と《偶然》の骰子”の種類は等級を昇格させると増えていきます。

 自分でカスタマイズできるランダム要素があることで、戦闘に変化と戦略性が生まれていますね。

 バトルの難易度は比較的骨太ですが、味方がやられてもいわゆる“ロスト(キャラクターの喪失)”はなく、戦闘不能キャラのみ取得経験値半分になるなどの軽めのデメリットしかないので、そこまでシビアなゲームバランスではないです。

 バトルによっては特定キャラクターの戦闘不能がゲームオーバーの条件になっていますが、それさえ注意して突出しすぎなければ大丈夫! 

 ちなみに筆者の最初のゲームオーバーは、ゴブリンスレイヤー単騎でゴブリンに突っ込んでやられたとき。ゴブリンスレイヤーがゴブリンに特効があるからといって慢心してしまいました(笑)。

 ゲーム中ではいつでも難易度変更が可能となっているので、原作・アニメファンだけどシミュレーションRPGは苦手という人でも安心です。

育成要素:原作キャラクター以外のキャラクターも組み込んで自分だけの一党を形成できる!【ゴブスレNFレビュー】

 キャラクターはレベルアップと等級昇格(ランクアップ)によって育成が可能。育成要素は比較的シンプルです。

 序盤はそこまでキャラクターごとの差異は感じにくいですが、育成で技能を習得させていくとキャラクターごとの個性が際立っていき、戦略にも幅が出てきます。

 キャラクターの等級は原作と同様に十段階に分かれており、基本的に最初は“白磁”からスタート。

 原作では等級審査を受けなくては等級昇格できませんでしたが、本作ではクエストクリアでランクポイントをためていくことで等級昇格が可能です。等級昇格すると新たな技能を獲得できます。

 またゲームオリジナルキャラクターや原作キャラクター以外にも、“冒険者”を雇って仲間にすることができます。

 一度雇った冒険者はずっと仲間になるので、自分だけの一党を組むことも可能。

 冒険者の種族やクラスはさまざまで、その組み合わせによって習得する技能やステータスが異なります。

 基本的にはゲームオリジナルキャラクターや原作キャラクターだけでも出撃枠はほぼ埋まってしまうので、数人の冒険者を雇っておけば問題なくストーリーは進められます。

 種族やクラスの組み合わせはもちろん、気に入った名前の冒険者が出現したら雇うというのもアリ。“全てを見通す眼”や“高潔なる希求”など、やたらカッコいい名前の冒険者が多いので、名前厳選は楽しいです。

 完全オリジナルストーリー、そして王道ながら原作再現度の高いゲームシステムで、誰でも遊びやすい作品に仕上がっている本作。原作ファン以外でも、王道シミュレーションRPGを遊びたい人はぜひ触ってみてください!

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