『星になれ ヴェーダの騎士たち』発表会レポート。HYBEがゲーム事業に本格参入する理由は“総合的なエンタメ要素がすべて詰まっているから”
- 文
- カワチ
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HYBE JAPANは2月26日に新作ゲーム『星になれ ヴェーダの騎士たち』に関する事業説明会を実施しました。ここではその模様をレポートしていきます。
HYBEがゲーム事業に本格参入!
今回の説明会では、HYBE IM代表取締役のチョン・ウヨン氏が来日。同社の事業についての紹介が行われました。HYBE自体は総合的なエンターテインメントをビジネスとして展開していますが、チョン氏はゲームというジャンルにはそのすべての要素が詰まっていると思い、HYBE IMを通じて企業としての永続性と競争力を強化することを目的にゲーム事業に参入することになったことを説明。
初のゲームパブリッシングとして新作RPGの『星になれ ヴェーダの騎士たち』をリリースすることになったそうです。以下で発表会の流れをレポートしていきます。
HYBE IMは、BTSやSEVENTEENなどの世界的アーティストが所属するレーベルを擁するエンターテインメントライフスタイルプラットフォーム企業・HYBEのゲーム事業部門。HYBE自体は、大きく分けてレーベル、ソリューション、プラットフォームという3つの事業で展開していますが、HYBE IMは、その中のソリューション部門に属している企業になるとのこと。
HYBE IMには、ゲームのみならず、映画やアニメ、音楽業界出身のメンバーが集結しているそうです。それに加えて、HYBEが擁する世界的アーティストのIPを活用したゲームの開発を行うことができるところも特徴。それらを活用して、新しいテクノロジーと音楽のシナジーから生まれる新たな分野を開拓していこうとしていることが語られました。
K-POPで有名なHYBEがゲーム事業に乗り出すことに疑問を感じる人もいるのではないかと語るチョン氏。
HYBEの創業者であるパン・シヒョク氏は“総合的なエンターテインメントビジネスを営んでいるHYBEから見たとき、ゲームはエンターテインメントと関連したすべての要素が含まれている魅力的なコンテンツであり、HYBE IMを通じて総合エンターテインメント企業としての永続性と競争力を強化していく”と語ったことを伝えました。
さらに、チョン氏は夢を語るという意味では音楽とゲームに差はないと付け加えました。
上記の強みをフルに活かしながら、HYBE IMは新しいテクノロジーと音楽を融合させた“Tech-tainment”という新たな分野を開拓しており、2024年にはゲームパブリッシング事業に本格参入すると経緯を説明しました。
次に、HYBE IM初のパブリッシングタイトル『星になれ ヴェーダの騎士たち』を動画で紹介。HYBEの強みである音楽面でのアプローチや、所属アーティストとのコラボも積極的に試みていくと今後の展開についても説明しました。
そのほか、チョン氏は新作アクションRPG『ダンジョンストーカーズ』のパブリッシング契約を締結したことも発表しました。
最後にHYBE IMは、ゲームポートフォリオの強化およびパブリッシング事業を本格派しており、最高レベルの外部開発スタジオに戦略的に投資することで、ポートフォリオの拡大を図っていることを説明。自社開発だけでなく、パブリッシングまでバリューチェーンを確保して夢を語れる総合ゲーム会社として成長していきたいと語りました。
また、チョン氏への質疑応答の内容はこちら。
――HYBEは、グローバルで人気のアーティストが多数所属するレーベルを抱えていることが強みですが、音楽をはじめとしたエンターテインメント事業とゲーム事業のシナジーについて方針や具体的に決まっていることはありますか?
チョン氏:現在、サービス中の『BTS Island:インザソム』や『Rhythm Hive』のように直接アーティストと繋がっているゲームのみならず、さまざまなゲームでコラボを実施することを検討しています。また、HYBEがグローバルエンターテインメント企業として成長してきた過程の中で得られたノウハウをゲーム事業の現場に適応させるために努力しています。
――日本のゲーム市場に参入した意図と展望を教えてください。
チョン氏:日本のゲームマーケットに進出することは全世界にあるゲーム会社の目標であり、夢なのではないかと考えています。
――コンソール機への参入も検討していますか?
チョン氏:コンソール機でのローンチも検討していますが、現在はモバイル・PCでのクロスプラットフォームでの展開に集中しています。モバイルとPCの区分なく楽しめるよう、場所やデバイスに捉われず最上の体験を提供できるよう努力していいきます。
新作RPG『星になれ ヴェーダの騎士たち』を紹介
次にHYBE JAPAN ゲーム事業室の室長である中西啓太さんから、『星になれ ヴェーダの騎士たち』の開発状況や今後のプロモーションについての紹介が行われました。
中西さんは『星になれ ヴェーダの騎士たち』はFLINTが開発を手掛けており、HYBE IMがパブリッシング契約を締結していることを説明。HYBEの日本本社であるHYBE JAPANは、ほかの国と比べて市場が大きく、特殊な傾向にもある日本のゲーム市場に向けたパブリッシング全般を担っていることを紹介しました。
とはいえ、HYBE IMとHYBE JAPANは別個に動いているわけではなく、お互いを韓国チーム・日本チームと呼び合うことでワンチームとして、協力しながらリリースを進めているとのことです。
本作のプロジェクトですが、2022年のG-STARでパブリッシング締結の発表が行われたことから本格的に始動し、サービス開始に向けて急速に動き始めたそうです。
本作のストーリーは、堕落した狂気王・マグヌスによって殺されたプレイヤーが、突如現れた女神によって魂を助けてもらうことから始まるというもの。女神に魂を助けてもらい“ヴェーダの騎士”として蘇ったプレイヤーが、与えられた使命を果たすために冒険へ出るという内容になっています。
プレイヤーは女神によって与えられた特別な本の力を使うことが可能。本にはヴェーダの騎士の力を宿すことができ、その力をプレイヤー自身が自由に使えるという形です。
声優には、悠木碧さんや榎木淳弥さんらを起用。公式Xでは、キャラクターイラストや声優などの情報が順次公開されています。
開発状況は、2023年10月に行われた“ファーストグローバルβテスト”の結果を経て、改修を加えている状況。主な改善点についても紹介されました。
ひとつめは戦闘の爽快感で、グローバルβテストでは多くのユーザーからスピード感に関する意見が出たため、ダイナミックな戦闘と強烈な打撃感を高めるためにキャラクターの攻撃動作などが大幅に改修されました。操作性に関しては、ダッシュ・回避の反応速度や、回避したときの距離などを調整し、戦闘時の没入感を高めているそうです。
ふたつめはプレイの快適さ。アクションゲーム本来のおもしろさを体感できるよう手動の操作感の楽しさを維持しつつ、ダンジョン周回などの自動操作機能を調整しているとのこと。また、敵を倒した際に行うアイテムを拾う動作についても改修も進めているそうです。
そのほか、より刺激的で多様な戦闘スタイルを実現するためにマップ全体のレベルデザインを再構築。モンスターのAIを改善し、緊張感の高い戦闘を与えられるようアップデートしているとのこと。
続いて本作のコンセプトの紹介へ。本作はアクションゲームということもあり、プレイヤースキルはもちろん、ステージを繰り返して覚えていくなど、過去の自分を超えなければ勝ち進むことができないシステムになっているそうです。ソウルライクや懐かしいベルトスクロールアクションを彷彿とさせるバトルが特徴で、何度も死んで、繰り返し敵に立ち向かうことで、クリアを目指す流れになります。
本作のキーメッセージは“わたしよ、わたしを超えてゆけ。挑戦と進化を繰り返すアクションRPG”で、ゲームを通じて過去の自分を超えていく強さを持ったプレイをしてほしい、そしてその先にある今まで感じたことのない達成感を感じてほしいとの願いが込められているそうです。
続いて、本作のメインテーマである“絶望の女神”が発表。女神の使命のもとで戦う主人公の不屈の精神を歌詞に込めたロックテイストの書き下ろし楽曲となります。作曲およびプロデュースは、アニメ『鬼滅の刃』や『GOD EATER』シリーズの楽曲を手掛ける椎名豪氏が担当。作詞は、歌手としても活躍するバイリンガルのKanon氏が手掛けます。
さらに、本作のグローバルモデルにはアーティストの平手友梨奈さんを起用。平手さんは“絶望の女神”の歌唱のほか、テレビVCMにも出演します。
最後に、中西さんによる質疑応答の内容を紹介します。
――2023年下半期リリース予定からスケジュールを変更した理由は?
中西さん:βテストでたくさんの意見が集まり、よりサービスの品質を上げることにしました。ユーザーさんからの意見は積極的に取り入れています。
――日本のユーザー向けに意識した点やローカライズされている点があれば教えてください。
中西さん:グローバルローンチを予定しているので日本向けにシステムが変わっている点はありません。翻訳は違和感が出ないように強く意識しています。
――日本・韓国以外での展開を教えてください。
中西さん:中国を除く世界中で同時サービス開始の準備をしています。続報をお待ちください。
HYBE IMのパブリッシングタイトルの1作目として期待が高まる本作。3月5日より事前登録もはじまるので楽しみに待ちましょう。
『星になれヴェーダの騎士たち』公式アカウント
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