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アニメ『ダンジョン飯』9話感想。体力を戻すには焼肉、では魔力なら? あいかわらずアグレッシブなライオス一行に笑いつつ、本作の死生観が分かる大事な場面も

カワチ
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 TVアニメ『ダンジョン飯』の第9話“テンタクルス/シチュー”の感想をお届けします。

【注意】キービジュアルより先のテキストでは、『ダンジョン飯』第9話の物語に関する記述が多々あります。そのため本編をご覧になってから読むことをオススメします。

慣れない料理に挑戦するマルシルがかわいい!

 九井諒子さんの人気コミック『ダンジョン飯』をアニメ化した本作。ドラゴンに食べられた妹のファリンが消化される前に助けるため、主人公のライオス一行がダンジョンを探索する作品です。

 ウンディーネ戦でマルシルが負傷し、第4階層で足止めを食らっているライオス一行。前回はマルシルのために水棲馬(ケルピー)の焼き肉を作って食べていたところ、その匂いに別のパーティが気付く展開で幕を下ろしました。

 今回はそのキャラクターがかつての仲間であるナマリであったことが判明。彼女を演じているのは三木晶さんで、『ダンジョン飯』の公式Xをフォローしている人なら“リアルタイム放送時に、その回のモンスター食にちなんだ美味しそうな料理の写真をアップしている方”と説明すれば伝わるのではないでしょうか?

 ナマリは仕事や金銭に関してはドライなところがありますが、それは彼女自身の生い立ちが関係しているため。実際は情に厚く、真心のある人柄です。

 そんな複雑のキャラクターであるナマリを三木さんは見事に演じていましたね。原作コミックのころから好きなキャラクターでしたが、かわいいナマリを観て、さらに好きになりました。

 ファリンがレッドドラゴンに食べられたあと、ライオスのパーティを抜けたナマリはダンジョンの異常の調査をするタンス夫妻に雇われていました。

 タンス夫妻は外見こそドワーフに似ていますが、ノームという種族。エルフと同じように魔法を得意としていますが、精霊を自然現象だと考えて魔法を使うエルフと精霊に対して神性を見出しているノームでは魔法の使い方も異なります。

 どちらがどのように優れているのかは『ダンジョン飯 ワールドガイド 冒険者バイブル』に詳しく記載されているので、ぜひチェックしてみてくださいね。


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 今回のストーリーは、ライオス一行がはじめて別の冒険者たちときちんと交流する姿が描かれることになりましたが、改めてモンスターを食べるライオスたちの異質さに気付かされる回でしたね。

 視聴者の視点で本作を見ていると、「次はどんなモンスターを食べるのか」「このモンスターがはどんな美味しそうな料理になるのか」といった楽しみが大きくなってくるので、ここでいちどスタンダードな冒険者たちの視点が入るのはうまい構成だなと思いました。

 最初はケルピーの焼き肉に手をつけなかったタンス夫妻やナマリが、いっしょにシチューを食べて笑いあうところまでを描く展開もドラマがあってよかった……。

 また、今回のストーリーでライオスたちの冒険するダンジョンの異質さも判明しましたね。迷宮の外では死んだものが生き返ることがないものの。迷宮のなかでは蘇生できることが普通。タンスの解釈によると、死んだ者が生き返っているわけではなく、死自体が禁じられているそうです。

 タンスの盾にされてウンディーネの攻撃で死亡したナマリもタンスの蘇生によってすぐ復活しますが、ここでは蘇生術を嫌うセンシに注目。自然の摂理を重んじるセンシらしいシーンですが、彼の心に秘めた闇や思いは物語の後半で描かれることに。

 あとになって「ここはそういうことだったのか!」と分かる部分が多いのが『ダンジョン飯』のおもしろいところなので、このシーンはぜひ覚えておきたいですね。

 第8話は前半がテンタクルス、後半がウンディーネとの戦い。こまかい部分はアニメで観てもらうとして、注目してもらいたいポイントを紹介します。

 テンタクルス戦はセンシとナマリに協力してもらって見事に撃退するシーンもいいのですが、なんといってもテンタクルスに顔を刺されて腫れてしまったライオスの顔が必見。原作でもおもしろいシーンですが、アニメ版はライオス役の熊谷健太郎さんが、ちゃんと顔を腫れている人の芝居をしながらしゃべるのでコミカルさがあって、より笑わせてくれました。

 ウンディーネ戦もバトルはもちろんシチューを作るという展開が最高。道がウンディーネに阻まれているため、地上に戻ろうとするタンスたちに対して、ライオスは疲弊したマルシルも連れて行ってもらうことを提案しようとするのですが、そのことにショックを受けるマルシルがかわいい。

 必死に元気になったことをアピールする彼女は健気でしたし、魔力を取り戻すためにウンディーネを飲むことを提案するところは爆笑しました。

 また、いつもはノリノリのライオスに対してマルシルが冷ややかな目を向けるのがお約束ですが、今回はマルシルが乗り気でライオスが「精霊にはあんまり興味が」と冷静だったのがおもしろかったですね。

 調理方法をいろいろと考えた結果、ウンディーネを鍋と蓋で挟みこみ、火にかけて焼き殺すことに。その後、ウンディーネで煮込んだテンタクルスとケルピーのシチューを作るという流れ。

 いつもはセンシが料理を作っていますが、今回はマルシルが頑張って作っていて、思わず応援したくなりましたね。ライオスたちだけでなく、ナマリたちに「一緒にご飯食べてかない?」と照れながら誘う彼女がかわいかったです。アニメ版は千本木彩花さんの芝居によってマルシルのかわいさがマシマシになっていて最高です!

 第10話は原作通りであればタンス夫妻が迷宮の調査を依頼された理由がより詳しく明かされるハズ。また、“あのスーツ”も登場するでしょうし、今から来週が楽しみです!


カワチ:RPGとビジュアルノベルが好きなゲーマーで、誰にも気付かれないようなマニアックな小ネタを記事に織り込むのが好き。深みのあるゲームが好きかと思えば、本当は肌色が多ければなんでもいいビンビン♂ライター。


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©九井諒子・KADOKAWA刊/「ダンジョン飯」製作委員会

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