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ネタバレあり感想:『キングダム』アニメ第5期9話で信が趙軍の総大将・慶舎と一騎打ち! かの大将軍・王騎を彷彿とさせる漢っぷりから羌瘣との逃亡劇まで鳥肌モノの展開だらけ

タダツグ
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 ファン待望のTVアニメ『キングダム』第5シリーズの第9話“凶”が放送されましたので、視聴しての感想をお届けします。

【注意】この記事ではアニメ『キングダム』の物語に関する記述が多々あります。そのため本編をご覧になってから読むことを強くオススメします。

TVアニメ『キングダム』第5シリーズ 第9話“凶”感想

 アニメ第5シリーズ最大級の胸アツ回でした。力のこもった作画、テンポのよさが素晴らしい演出、キャスト陣の迫力の演技とすべてがハイクオリティで、もはや神回認定しちゃいます。それほどの出来栄えだった第9話、オンエア後に続けて録画で観直してしまうほど最高でした。鳥肌モノの余韻に浸りつつ、この原稿を書いています。

 最大のスポットは、やはり趙軍総大将・慶舎(けいしゃ)と信の一騎打ちです。サブタイトルにもなっている“凶”の卦が、いったいどちらに向いたというのか? ここで結末まで書いてしまうのはあまりに無粋ではあるものの、まぁ、僕のテンションを見れば一目瞭然な気はしますね……(汗)。

 とはいえ今回は結末もさておき、そこに至るまでの過程が本当に胸アツでしたので、未見の方は一刻も早くご覧いただきたいところ。この感情を共有したいッ!

 少なくとも、信が手にしたこの結果はただの運や偶然ではなく、これまで彼が……そして飛信隊が、多くの戦場を潜り抜けて培い成長してきたからこそ手にしたものだといえるでしょう。こういう若者の成長ぶりを見せてもらえることに、おじさんは弱いんだ(涙)。

 戦闘中、信が口にした「ヤロォども、へばってんじゃねえぞ。苦しいんなら俺の背を見て戦え。俺の背だけを見て追いかけて来い! 続け飛信隊!!」のシーンは本当に涙が出ました。信がいまだに王騎(おうき)のことを尊敬していることが存分に伝わってきましたし、彼がその領域へ着実に近づいていることもよくわかる名シーン。めちゃくちゃ主人公してて本当にカッコよかったし、演じる声優の森田成一さんの名演技も光ってました。

 飛信隊の活躍で、この戦いは一気に秦軍優勢に! と思いきや……なヒキもキャッチーでしたね。いまだ心が折れない紀彗(きすい)の、この一戦にかける想いも相当なものですよ。この黒羊宮の戦い、まだまだ荒れそうで見ているこちらとしても気が引き締まる思いです。この先の展開も楽しみですね! 

 ということで、この先はさらにネタバレ全開で、イチファンとしての注目ポイントを挙げていきます。よろしければぜひ最後までお付き合いを!

注目ポイント1:いつの間にこれ程の成長を……。信と慶舎の一騎打ちは本当に見どころだらけ

 はい。ここまでしつこいくらいに念押ししたので、もうしっかり書かせてもらいますね。敵の総大将とド派手な一騎打ちを繰り広げた信が、渾身の一撃で慶舎を討った瞬間は、本当に感無量でした。上にも書いたとおり、この戦いには我々視聴者に“信が大きく成長した”ことを見せつけてくれる構成。素晴らしかったぜえ……。

 討たれる瞬間に慶舎が「いつの間にこれ程の成長を……」と、口にしていましたが、我々からすれば満を持してって感じ。桓騎(かんき)の包囲網すらかい潜った慶舎を逃がすことなく追い詰めたこの急襲作戦、そもそも立案者は他ならぬ信なんですよね。河了貂(かりょうてん)すら思いつかなかったこの策を思いついてしまうところに、彼が“本能型の武将”として一皮むけたことが伝わってきます。

 途中、さながら王騎のように味方の士気を爆上げしてしまうところも最高でした。この『キングダム』においては個人としての戦闘力はもちろん、味方を奮い立たせる指揮能力も強力じゃなければ将として二流ですからね。ここらへん、慶舎や紀彗も相当なものを持っていますが、今回は信がそれを上回るポテンシャルを発揮したと言えるでしょう。

 慶舎へと迫る道中で使っていた矛が壊れてしまい、最終的には剣で戦って見事斬り伏せたところも個人的な激アツポイント。彼にこの剣を託した漂(ひょう)、そして嬴政(えいせい)の期待にしっかり応えた形であり、往年のファンからしたら感涙ものではないでしょうか。

 個人的にはこの武器破壊、いよいよ信がネクストステップに進む契機なのかなって気もしています。何が言いたいかって、つまり信がいよいよ“あの矛”を振るう時が近づいているのではないかな、と。もう普通の武器では彼の力に耐えられないってことだと思うんですよね。

注目ポイント2:那貴も信に肩入れし始めている? 信の偉業は彼のサポートがあればこそ

 桓騎軍からお目付け役としてやってきた那貴(なき)が、信の漢っぷりに少しずつ魅せられ始めているのも見逃せないところですよ。今回、本陣を捨てて逃げようとする慶舎を那貴が無謀とも思える突撃で足止めしたことが、結果的に信の偉業に繋がったわけですが。これまでの那貴であれば、信のためにここまで身体を張った無茶はしなかったと思うんですよね。

 那貴自身「外で見てるのと中で感じるのはだいぶ違うな」と口にしていたのも好印象。これは彼が信の実力を認め、外から観察するのみならず内側から支えようとしたがゆえのセリフに他なりません。これまでどこか飄々としていてつかみどころがなかった那貴のことを、グッと好きになってしまった瞬間です。

注目ポイント3:信と羌瘣の距離も近づいた? 隊長と副長との関係性を超えた何かを感じる……

 はい。これは僕が羌瘣(きょうかい)のことを大好きだからこそ書かせてほしい部分。今回の戦いで、信がめちゃくちゃ羌瘣のことを気にしているのがバレバレすぎて、思わずニヤニヤしてしまいませんでした?(笑)

 羌瘣が飛信隊に復帰し、逃げる慶舎を信たちが安心して追えるよう、劉冬(りゅうとう)部隊の足止めをかって出た場面とか、めちゃめちゃ顕著。これまでの信なら背中を任せ、我先にと先陣を切って慶舎を追っていく場面ですよ。しかし、ここでの彼はわざわざ羌瘣の元まで戻ってきて、傷ついた彼女をいたわりつつ「今度は後ですぐに会うぞ」と再会の約束までしてしまうんですからねえ。あの信が、違った意味でも成長しているというか……これはもうロマンスの神様も大注目と言っていい展開でしょう。個人的にはずっと待っていた流れ!

 対する羌瘣も、戦場で緊張感を途切れさせることこそないものの、上記の信の約束に口元をほころばせていたあたり、どうしようもなくニヤニヤですわ。マジで応援したい2人なのです。

 劉冬を討つことに全力を費やし、敵の追手から逃げる余力すらなくなった羌瘣のピンチに駆けつけた信が、彼女を抱きしめるような形で無理矢理かっさらい、2人で同じ騎馬に乗って逃げるシーンとかたまらんものがありますよね……。今後、この2人の距離感がどうなっていくのかも気になりまくりです!

 それにしてもこの9話。たった20分ほどの間にめちゃくちゃ濃密なエピソードがガンガン盛り込まれていて、とても充実していました。イチファンとしてすごく贅沢な時間を過ごせましたよ……。

 しかも、黒羊宮の戦いはまだまだ正念場が続きそうなところもポイント。次なる相手は、慶舎を討たれてなお士気を下げることなく立ちはだかる紀彗と金毛(きんもう)。劉冬を討たれて怒髪天状態の馬呈(ばてい)も油断なりませんし、はたしてどうなることやら。次回も今から楽しみ過ぎますね。ということで、今回はこのへんで!

©原泰久/集英社・キングダム製作委員会

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