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ネタバレあり感想:『キングダム』アニメ第5期10話は思いもよらぬ方向へ急展開! 桓騎の非道な行いにガチギレした信と羌瘣がまさかの行動に……

タダツグ
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 ファン待望のTVアニメ『キングダム』第5シリーズの第10話“矜持の咆哮”が放送されましたので、視聴しての感想をお届けします。

【注意】この記事ではアニメ『キングダム』の物語に関する記述が多々あります。そのため本編をご覧になってから読むことを強くオススメします。

TVアニメ『キングダム』第5シリーズ 第10話“矜持の咆哮”感想

 第9話で趙の総大将である慶舎(けいしゃ)を討ち取った信。これで黒羊宮の戦いは決着したかと思いきや、紀彗(きすい)や金毛(きんもう)の抵抗で、いまだ一進一退の攻防が続いています。

 正直、慶舎の死を隠すために強硬策を選んだ趙軍のほうが押し気味なレベルにも見えましたよね。用心深かった慶舎と違って、紀彗はかなり力技の攻め方。急に敵の戦術が一変したわけですから、対峙する桓騎軍が虚を突かれるのは致し方ないってものです。

 紀彗率いる騎馬兵が断崖を駆け下りて攻め込んでくるシーンなんて、あまりにもチート過ぎて変な笑いが出ましたよ。圧倒的じゃないか、離眼(りがん)の兵は。こんな相手に一歩も引かない桓騎(かんき)軍の黒桜(こくおう)や摩論(まろん)にも素直に脱帽です。

 そしてそんな彼らに告げられる桓騎からの命令には、変な笑いどころか鼻水が出そうになりました。ここまでの四日間の戦いを全否定するその内容、お頭はいったい何を考えているのか? 黒桜たちもよくこんな命令に従うな……。

 ……などと思っていたら、案の定、一同そろって超不機嫌になってて「そりゃあそうだよなあ」と苦笑しました。いや、納得できないですよねあの命令。雷土(らいど)が珍しく桓騎に噛みつくのも当然というものです。

 ただ、詰め寄る雷土たちを鼻で笑い、桓騎が口にした「長くやってるせいでお前ら最近考え方が軍に染まってきてないか?」という一言には、背筋がゾッとしましたね。雷土たちも図星を突かれたかのように焦っていましたが(汗)。

 思い返しても見れば、彼らはもともと野盗の一団。正規軍とはひと味違った狡猾さでここまで登って来た連中なわけで。軍属が長くなり、彼ら自身がその強みを忘れかけていたなか、それを束ねる桓騎だけは本質に陰りがないところに底知れぬ不気味さを感じます。

 結果、そこから桓騎軍はおぞましい拷問と略奪、そして虐殺に明け暮れるというよもやの展開に。しかもターゲットは趙軍ではなく、黒羊に点在する民間人の集落。あろうことか集落そのものを焼き払い、そこに住まう住民たちを次々と殺しては、その死体をどこかへ運んでいく始末です。中央の丘を占拠した紀彗たちが着々と丘の砦化を進めていくなか、こんなことをやっている場合なのか? 謎だらけの奇行・蛮行に、頭のなかがクエスチョンマークだらけになりますよ!

 物語が一気に動いたのは、彼らの凶行を信や羌瘣(きょうかい)が見つけたこと。桓騎たちは、羌瘣が負傷した際に助けてもらった混(こん)ばあさんの集落をも襲っていたわけで、駆け付けてそれを見た信が激高したシーンには少し胸がスッとしつつも、口の中には嫌な味が広がりました。

 ……このままだと飛信隊vs.桓騎軍って構図になりそうなのだが? というか、ブチギレ状態の信と羌瘣が取った行動もヤバすぎて、もうマジで収集がつかなさそうなのだが!? 終盤5分がめちゃくちゃ急展開過ぎて、ぶっちゃけついていくのがやっとでした。これは次回が気になって仕方ない!

 ということで例によって、この先はイチファンとしての注目ポイントを挙げていきます。さらにネタバレ成分多めになりますのでご注意ください。

注目ポイント1:対立する桓騎と信。ここに来て尾平と那貴の“兵交換”が大きな意味を持つことに?

 僕が最も気になっているのは、戦争が始まる前に行われた“兵の交換”が、この一触即発の局面でどう作用するのかって部分。飛信隊から桓騎軍には尾平(びへい)が、そして桓騎軍から飛信隊には那貴(なき)が、それぞれ武将交換という名目で出向状態になっています。

 慶舎を追い込んだ信を身体を張ってフォローするなど、那貴のほうはだいぶ飛信隊のカラーに染まってきている印象。一方で尾平は……こちらもまた、流されるような形で桓騎軍の影響を受けているのは間違いないんですよね。焼き討ちされた集落の片隅に落ちていた紫水晶の腕輪を、桓騎軍の兵士から渡されていましたから。もちろん尾平は拒絶しようとしてましたけど、最終的には“なあなあ”の形で受け取っちゃった形。

 これ、気になるんですよね。この紫水晶の腕輪って、混ばあさんが羌瘣のために作っておくと口にしていたお守りに酷似していて、こう……ね。心がざわざわします。正直めちゃくちゃ不穏というか、絶対何かひと悶着あるよこれ! 尾平のこの行動がどんな結末へと繋がっていくのか目が離せません。

注目ポイント2:ブチギレ状態の羌瘣! それにしたって味方殺しは……

 前述のストーリー振り返りの際はあえてボカしましたが。桓騎たちの虐殺を目の当たりにした羌瘣は、激昂して桓騎軍の兵士たち数人を止める間もなく斬り捨ててしまいました。いつもは冷静ながら心に熱いものを秘めている羌瘣だけに、虐殺された混ばあさんの死体を見つけて剣を抜かないわけがない。その行動は人として正しいと思います。

 されど! ここは“軍隊”なんですよね。規律を重んじるがゆえに、味方同士の殺し合いって相当な重罪に問われると思うんですけど……大丈夫なのか?

 その後、信と羌瘣は2人して桓騎の陣になだれ込み、虐殺行為を非難するわけですが。まったく動じない桓騎軍を目にして、マジで背中に嫌な汗が流れました。もはや敵陣だよここ! 空気がうすすぎて見てるだけで呼吸困難になりそう!!

 羌瘣から喉元に剣を突き付けられながら、少しも焦った様子を見せない桓騎は、本当に底が見えません。いったい彼は何を考えているのか? 次回以降に明かされるとは思うのですが、よほどの理由があったとしても、信や羌瘣が振り上げた拳を収める気はしないわけで。敵を目の前にして同士討ち状態の秦軍、このあとどう決着をつけるのかがマジで見ものといえそうです。
 
 今から次回が気になりまくりで、一週間待たなければならないことに悶絶しそう。なんとも罪作りなアニメだ……などと思いつつ、今回はひとまずこのへんで!

©原泰久/集英社・キングダム製作委員会

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