電撃オンライン

ネタバレあり感想:アニメ『葬送のフリーレン』最終話(28話)でヒンメルたちの冒険が繋がっていることを再認識…フリーレンの成長も感じられて続きが待ち遠しい

ハチ
公開日時

 アニメ『葬送のフリーレン』28話“また会ったときに恥ずかしいからね”の感想をお届けします。

【注意】キービジュアルより先のテキストでは『葬送のフリーレン』28話“また会ったときに恥ずかしいからね”の物語に関する記述が多々あります。

デンケンの憧れはフリーレンだった⁉

 合格者はフェルン、デンケン、ユーベル、ラント、ヴィアベル、メトーデでしたね。

 驚いたのはラント。まさか試験会場に来ていなかったとは、まったく気が付きませんでした。ユーベルも偽物とわからないほど精巧な分身を2体も作り続けているわけですから、相当な実力者だったのでしょう。ユーベルとの絡みが好きすぎるので、これからも一緒に戦う姿が見たいなぁ。

 デンケンは「勇者一行のフリーレンに憧れて魔法使いになった」と語り、ヴィアベルも「ヒンメルの冒険譚が俺をここまで連れてきた」と話していましたね。2人の過去の話を聞いて“こうやって、フリーレンたちの冒険や想いは誰かに影響を与えて、未来へ繋がっているんだ”ということを実感しました。

 フリーレンがヒンメルに「世界は変わっている」と言ったのは、ヒンメルがしてきた小さな人助けは人の心をほんの少しだけ動かして、その心の動きは人から人へと伝わって、世界を少しずつ優しくしているということなのかな。そういった変化がフリーレンの視点を通して描けるのも、本作の魅力ですよね。

 ゼーリエは冷たい印象だったのですが、じつは弟子のことをすごく想っているということがわかりましたね。歴史に名を残すことはなくても、ゼーリエの心には弟子ひとりひとりがしっかりと刻まれているのでしょう。自分の気持ちを伝えるのが苦手な不器用さんということがわかり、可愛く見えてきました(笑)。

 弟子であるレルネンのひとりぼっちにさせたくないという想いにもグッと来ましたね。そのように想ってくれる弟子がいたという思い出がゼーリエの心にあるのなら、ゼーリエが本当にひとりぼっちになることはないのではないでしょうか。けれど、一緒にいられるうちに、お互いの気持ちを素直に伝えられるといいな!

 久しぶりにシュタルクも登場して嬉しかったです。シュタルクは村の人とすごく仲良くなっていて、改めて人から愛される才能を持っているなと感じました。正直、どんな魔法より、この才能がほしいです(笑)。

 そうそう、試験に合格すると好きな魔法を授けてくれるとのことだったので、どんな魔法をもらうのかすごく楽しみでした! フェルンのもらった魔法とは……服の汚れをキレイにする魔法

 ……え? もっとこう、戦いに使えそうなものじゃないの⁉ と、思ったのですが、フェルンは平和な時代の魔法使いなのでこれでいいのかもしれませんね。汚れにも色々ありますし、便利そう……。

 そしてヒンメルの「涙の別れなんて僕たちには似合わない。また会ったときに恥ずかしいからね」という言葉。ヒンメルはいつだって「また出会う」つもりでいるんですね。実際、もうヒンメルはいないけれど、思い出を通して会うことはできますから。

 フリーレンはヒンメルたちとの冒険の中で、必要ない、と置いてきてしまったものを、同じ道を辿ることで拾い集めているような感じでした。当時は些細なものだと思っていた言葉や思い出だけど、人間のことを理解しようとしている今のフリーレンにとっては違うものなのだろうな、と捉えています。成長したなぁ。

フリーレンの冒険を通じて自分も成長した気がする

 最終回はなんだか、アニメを観た、というよりも小説を読んだような気分になりました。物語が終わる寂しさと切なさ、満足感、そして自分がちょっと成長したような感覚があります。

 『葬送のフリーレン』ではキャラクターの気持ちの描写が詩的というか、はっきりと語られていないところもあったので、気持ちを自分なりに考える必要があるように感じていました。ひとりひとり感じ方は違うので、観る人によって解釈が変わってくるのがこの作品の魅力のひとつではないでしょうか。

 ということで、アニメは終了となりましたが、これから展示会やオーケストラコンサートもあるので、まだまだ『葬送のフリーレン』から目が離せません! 続きもぜひアニメで放送してほしいですし、期待して待っていようと思います! そのあいだに原作を読もうかな……。


ハチ: 原作未読のため、毎回ドキドキしながら鑑賞中! フリーレンにどんどん人間味が出てきて、なんだか子供の成長を見守る親のような気持ちになっている今日この頃。得意な魔法は“すぐ感動して泣く”と“たくさん食べる”。


【STAFF】

原作:山田鐘人・アベツカサ「葬送のフリーレン」(小学館「週刊少年サンデー」連載中)
監督:斎藤圭一郎
シリーズ構成:鈴木智尋
キャラクターデザイン・総作画監督:長澤礼子
音楽:Evan Call
コンセプトアート:吉岡誠子
魔物デザイン:原科大樹
アクションディレクター:岩澤 亨
デザインワークス:簑島綾香、山﨑絵美、とだま。、長坂慶太、亀澤蘭、松村佳子、高瀬丸
美術監督:高木佐和子
美術設定:杉山晋史
色彩設計:大野春恵
3DCGディレクター:廣住茂徳
撮影監督:伏原あかね
編集:木村佳史子
音響監督:はたしょう二
アニメーション制作:マッドハウス

CAST
フリーレン:種﨑敦美 
フェルン:市ノ瀬加那 
シュタルク:小林千晃
カンネ:和氣 あず未 
ラヴィーネ:鈴代 紗弓 
ヴィアベル:谷山 紀章 
ユーベル:長谷川 育美
デンケン:斉藤 次郎  
ラント:小松 昌平 
リヒター:花輪 英司 
ラオフェン:石上 静香 
エーレ:伊藤かな恵
メトーデ:上田麗奈
エーデル:黒沢ともよ
ゼンゼ:照井 春佳 
ゲナウ:新垣 樽助 
ゼーリエ:伊瀬茉莉也
ヒンメル:岡本信彦 
ハイター:東地宏樹
アイゼン:上田燿司

© 山田鐘人・アベツカサ/小学館/「葬送のフリーレン」製作委員会

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります

関連する記事一覧はこちら