【ランモバ5周年インタビュー】“完全無課金でも楽しめるゲーム”の制作秘話や今後の目標、コラボ作品の選び方などを紹介【ラングリッサーモバイル】

電撃オンライン
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 1991年に誕生したシミュレーションRPG『ラングリッサー』。ZLONGAMEが配信するシリーズ初のスマートフォン向けタイトル『ラングリッサーモバイル』が2024年4月で5周年を迎えました。

 そんな本作について開発スタッフにインタビュー。これまでの5年間を振り返りながら、これからの目標をうかがいました。

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※本記事はZLONGAMEの提供でお送りします。

完結した物語の続編を描くには新たに聖剣を作るしかなかった

――『ラングリッサーモバイル』が4月に5周年を迎えました。まずは率直な感想をお聞かせください。

 「もう5周年か」という感慨深い気持ちです。5周年を迎えることができて、私たち開発チームのみならず、ユーザーの皆様にとっても、大きな節目となったのではないでしょうか。ここまでやってこれたのも、ひとえにユーザーの皆様の応援のおかげです。本当にありがとうございます。

――『ラングリッサー』シリーズの魅力を、あらためて教えていただけますでしょうか?

 『ラングリッサー』が生まれた1990年代はまさにシミュレーションRPGの最盛期です。数多くの名作が生まれ、私も『ラングリッサー』を始め、たくさんの作品を遊びました。

 多くのシミュレーションRPGをプレイした結果、『ラングリッサー』の一番の魅力だと思ったのが戦略とロマンです。ほかのシミュレーションRPGは、最大で5~6人ほどを編成するのが普通ですよね。それがつまらないわけではないんですが、迫力に欠けるというか、どこか物足りなさがありました。『ラングリッサー』だと英雄に兵士を編成して1つのユニットとすることで、迫力が生まれたんだと思います。

 それに『ラングリッサー』のキャラクターデザインがずばぬけて美しかったんですよ(笑)。キャラクターが美形なうえ、個性的な魅力にあふれている。ストーリーでは、戦争の残酷さや譲れない信念が緻密に描かれていました。剣と魔法の世界に留まらず、異星人の宇宙船で大陸から月にまで広がっていった壮大な物語はロマンと言うしかありません。

  • ▲『ラングリッサーモバイル』も複数の大陸を渡り歩く壮大な物語となっている。

――もともと『ラングリッサー』は魅力的なIPだったと思いますが、それを生かしつつ5周年を迎えることができた理由を教えてください。

 模索と融合を続けたことです。『ラングリッサー』と言えば、大量のユニットを指揮して戦うことが魅力のひとつ。これをスマートフォンで再現するのは難しく、開発時における第一の課題でした。リリース後に大規模な戦闘を再現するための期間限定イベントも試みましたが、クリアに1~2時間もかかる超大型ステージになってしまい、大変だったことを覚えています。

 『ラングリッサー』シリーズは、常にその時代のニーズを取り込み、独自の道を探索してきました。私たちもその精神を引き継いで、魅力を最大限に引き出せたらと考えています。

――『ラングリッサー』シリーズの世界設定をもとにオリジナルストーリーを描くおもしろさと難しさを教えてください。

 やっぱり、オリジナルストーリーを描こうとしたときに頭を抱えました。というのも、『ラングリッサーV』で聖剣ラングリッサーと魔剣アルハザードの物語が終わっていたからです。1本は月で粉々に砕かれて海に沈み、もう1本は200年ぶりに訪れた月の民に持ち去られています。

 ですが、シリーズの続編を描くとなったときに、聖剣ラングリッサーと魔剣アルハザードは、なくてはならないものですよね。大いに悩んだ結果、マシューたちが新たな聖剣を創り出し、魔剣が彗星とともに戻ってくるという物語になりました。

――シミュレーションRPGというジャンルは長期サービスを継続するうえで非常にバランス調整が難しいと思います。どういった部分を重視してバランスを取り続けているのでしょうか?

 大きく分けてふたつあります。ひとつめは、指揮官の皆様にシミュレーションRPGの醍醐味を存分に楽しんでもらうためにおもしろいイベントを考えること。ふたつめはシミュレーションRPGの枠にとらわれず、斬新な体験をお届けするために研究を重ねることです。

――5周年の間までで、印象に残っている開発エピソードを教えていただけますでしょうか?

 我々は、“完全無課金でも楽しめるゲーム”をモットーにして『ラングリッサーモバイル』を開発しています。

 リリース前の2018年に開発陣でクローズドβテストを行いました。行ったのは、課金要素をすべて省き、ステージのクリア報酬だけで育成を行って1か月後に戦うというものです。

 戦うまでは、育成の判断基準が戦力の高さくらいだったので、参加した全員がSRキャラの育成も行っていたんですよ。戦いになったときには、SRも含めた編成を使用していて思いがけない戦略が飛び出していました。いざ戦うときには、上司や部下といった立場は関係ないですから(笑)。

――本気で競って勝利を目指したからこそ、思いがけない戦略も生まれたのだと思います。

 昔の話ですが、このときのことが印象に残っていますし、あのころの初心を忘れたことは一度もありません。実際にRのキャラだけでクリアを目指しているユーザーもいて、“完全無課金でも楽しめるゲーム”をモットーにした『ラングリッサーモバイル』を遊んでいただけているのはうれしいです。

――5周年を迎えるにあたり、ユーザーさんからはどのようなご意見が多いでしょうか?

 アリーナにマップや新機能を追加してほしいという意見は多くいただいています。ほかには、日課系の利便性の改善や英雄のデザインに関しての意見も多くいただいていますね。

――これまでにシリーズのキャラクターが実装されてきましたが、人気があるキャラクターを教えてください。

 新しめのキャラクターだと覚醒者、グレンシール、光闇の剣は人気です。登場から時間がたっていますが、ルクレチア、リアナ、ヴェダムといったキャラの人気も根強いですね。

――最初の『空の軌跡』から直近では『スレイヤーズ』までさまざまなコラボが実施されてきました。コラボタイトルはどのように決めているのでしょうか。

 ユーザーの皆様に親しまれていそうな作品を中心にコラボさせていただいています。ただ、職権乱用になってしまいますが、青春時代の1980~90年代にハマった作品を選んだこともありました。「名作とコラボする!」という情熱で動いているとでも言うのでしょうか。

 その中でも特に印象に残ってるのが、『空の軌跡』とのコラボですね。男性キャラのヨシュアですが、女装スキンをデザインしたり、男なのに“プリンセス同盟”に加入させたり。大きな反響があって、こういう遊び心も受け入れてもらえるんだなって、内心ほっとしました(笑)。

――自分たちの好きな作品をコラボ先に選んでいることもあるのですね(笑)。それでもコラボはユーザーが楽しめるようになっていました。コラボだけではなく、さまざまな要素が追加されてきましたが、ユーザーからはどの要素の反響が大きいでしょうか?

 “無尽海路”など戦略性のあるコンテンツは、大きな反響がありました。逆に競争性のあるコンテンツの反響はいまいちでしたね。『ラングリッサーモバイル』を楽しんでくれているユーザーの皆様の多くは戦略性を求めているということでしょうか。

――本当にシミュレーションRPGが好きな人が『ラングリッサーモバイル』を遊んでいるのだと思います。5周年を迎えたあとはどのような進化を遂げますか?

 秘境イベント“ミラーコンフリクト”のように、今後も新しい遊び方のイベントやコラボを企画しています。新レアリティキャラなども登場しますので、楽しみにしていてください。

――それは楽しみです。そうなると今後の展開や5周年以降のロードマップが気になるのですが……。

 現時点で詳しいことはあまり話せないのですが、シミュレーションRPGというゲームにおいて、「育成のエンドコンテンツとはなんなのか?」ということを課題として考えています。数値の上限を上げればいいというわけでもないですし、複雑にするというのも違う。このあたりで新たな試みを模索している段階です。

――どのようなものになるか非常に気になります。最後に『ラングリッサーモバイル』のユーザーに向けてメッセージをお願いします。

 皆様のおかげでここまで運営することができました。私どもにとって、ユーザーの皆様は『ラングリッサーモバイル』という作品で共に旅をして思い出を作った大切な仲間であり、かけがえのない存在です。

 5周年はゲームの中でも大きな節目。マシューとゼルダの冒険は最終章を迎えましたが、ローランとプリシアの冒険は幕を開けたばかり。これからも新たな世界トイヴァールで聖剣と魔剣の伝説を紡いでいきます。

 そして、今後も新しいキャラクター、システムやコラボなど豊富なコンテンツをたくさんお届けします。どうぞお楽しみに!


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