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ネタばれあり感想:『ダンジョン飯』アニメ13話。原作を読んでいても泣いてしまう。第1期ラストは、本音を語ったチルチャックの感情あふれる言葉がいい…

カワチ
公開日時

 TVアニメ『ダンジョン飯』の第13話“炎竜3”の感想をお届けします。

【注意】キービジュアルより先のテキストでは、『ダンジョン飯』第13話の物語に関する記述が多々あります。そのため本編をご覧になってから読むことをオススメします。

第1シーズンラストは波乱の展開! アニメ『ダンジョン飯』13話感想

 九井諒子さんの人気コミック『ダンジョン飯』をアニメ化した本作。ドラゴンに食べられた妹のファリンが消化される前に助けるため、主人公のライオス一行がダンジョンを探索する作品です。

 炎竜(レッドドラゴン)との戦いを描く“炎竜編”も今回でラスト。『ダンジョン飯』は2クールのアニメですが、今回は1シーズンめの最後を飾る展開ということもあり、先が気になるものになっていました。

 また、次回からはオープニングやエンディングも変わるということで、BUMP OF CHICKENの“Sleep Walking Orchestra”や緑黄色社会の“Party!!”が聴けるのも今回で最後でした。

 すごく寂しいですが、第2シーズンはオープニング主題歌をsumika、エンディング主題歌をリーガルリリーが手がけるということで、どんな曲なのか今から楽しみ。最新PVでも流れていますが、しっかり聴いてみたいです!

 さて、前回のラストはファリンの蘇生に成功して、あとはダンジョンから脱出するだけ……というハッピーエンドな雰囲気のなか、狂乱の魔術師・シスルが登場するという終わり方でしたが、今回は冒頭から不穏な雰囲気でした。

 仲間たちが眠りに落ちているなか、ふと目を覚まし、3階の窓から飛び降りて外に向かうファリンは明らかに異質でしたね。霊媒体質の彼女を幽霊たちが心配そうに引き留めようとしますが、その場面もおどろおどろしい雰囲気がありましたね。

 ケン助が倒れたことで目を覚ましたライオスはいなくなったファリンを炎竜の亡骸の前で発見。そこにファリンとともにいたのは絵画の遭遇したエルフで、このエルフこそが狂乱の魔術師であることを知ることになります。

 また、炎竜が浅い階層にいたのはデルガル・メリニを捜索していたためであったことも明らかに。このデルガル・メリニは物語の冒頭にダンジョンの奥に黄金の都があることを伝えて塵となって消えた男。ついにいろいろな伏線がひとつに収束していきます。

 溶けていく炎竜と、もだえ苦しむファリン。彼女は「デルガル様……お探ししなくては」と意味不明なことをつぶやきます。デルガルを探すのが炎竜の仕事だったので、その炎竜の血肉で復活したファリンも同じ目的に目覚めてしまったわけですね。

 ファリンを心配して近寄るライオスですが、彼女に吹き飛ばされてしまうことに。ファリンは原作でモーニングスターを振り回している描写があったので、もともと怪力だったと思いますが、この力は明らかに異常です、

 その後、シスルは古代魔術を詠唱して炎竜の血肉からワイバーンを生み出します。普通に戦っても勝てないことを悟ったマルシルは古代魔術の構成式を書き換えてワイバーンを血肉に戻すことで対抗。しかし圧倒的な物量の前に劣勢になっていくマルシルが狂ったように笑う姿は、彼女がギリギリであることが伝わってきました。

 なんとかシスルと話し合おうとするマルシルですが、地面に穴が空いてパーティ全員が落下してしまいました。

 ここで興味深いのはシスルと幽霊たちの会話。シスルは「不安がるな」と幽霊たちをなだめますが、デルガル王は死の存在しないダンジョンからの解放を求めて地上へ出たんですよね。

 そのため、シスルと幽霊たちでは価値観が違うことが分かります。また、幽霊たちは王のことだけでなく、ファリンの心配をしていた可能性もありますね。

 と、いうのも次のライオスたちのシーンで、迫りくる壁に潰されそうになるマルシルを幽霊たちが壁の穴のなかに引きずり込んで助けるんですよね。このことからも幽霊たちはシスルからの解放を求めていると思われます。

 危機を逃れたライオスたちが出会ったのはオークの一団で、その一団を率いていたのはゾン族長の妹であるリドでした。満身創痍のライオスとマルシルはカエルなどのいろいろな生き物を潰して作った“オークの調合薬”をリドの口移しで飲まされることに。

 緑色の不気味な液体は、まさにゲテモノ料理といったところ。モンスター食にも慣れてきたマルシルもこの薬はトラウマになっていそうでした。

 そして、普段あれだけ美味しそうにモンスターを調理するセンシを尊敬しました(笑)。

 そして、このあとのチルチャックのシーンが本当にアツい! リドとの会話でウソをついてでもいちど地上に戻とうとしていることを打ち明けるチルチャックですが、体を引きずってでもファリンを探そうとするライオスに対して、「俺はお前たちを失いたくない!」と涙ながらに本音を語ります。

 そんな真摯な言葉だからこそ、センシもチルチャックを助けるような発言をして、頑なだったライオスの心を動かすことができました。原作で展開自体は知っているシーンではあるものの、チルチャック役の泊明日菜さんの芝居が素晴らしく、思わず見入ってしまいました。

 ファリンの救出に失敗するというショッキングな結末になった第1シーズン。イヅツミをはじめとした第2シーズンの声優陣も発表されましたし、激化するストーリーがどのようにアニメ化されるのか楽しみですね!


カワチ:RPGとビジュアルノベルが好きなゲーマーで、誰にも気付かれないようなマニアックな小ネタを記事に織り込むのが好き。深みのあるゲームが好きかと思えば、本当は肌色が多ければなんでもいいビンビン♂ライター。


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©九井諒子・KADOKAWA刊/「ダンジョン飯」製作委員会

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