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【Mecha BREAK】マシュマーク先行プレミアム体験会レポート。最大60人参加のチーム戦メカバトロワは最高。プロデューサーインタビューも紹介【メカブレイク】

あんまさ
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 Amazing Seasun Gamesが贈るSFメカアクション『Mecha BREAK(メカブレイク)』の先行体験会が、3月23日に東京で行われました。本作は4月26日にクローズドβテストが予定されており、そこに向けて新たに実装される“マシュマークモード”の体験会を兼ねたイベントになります。

 この体験会の様子と本作の開発者の1人であるクリス・クオックス氏のインタビューを含めた、『Mecha BREAK』の魅力をお届けします。

高田馬場にメディア・プロゲーマー・インフルエンサーが集結【Mecha BREAK】

 本体験会は“ASH WINDER Esports ARENA 高田馬場店”で開催。ゲームメディアだけでなく、インフルエンサーやゲーム系のストリーマー、FPSのプロゲーマーと名のある方も集まっており、大会のような雰囲気を感じてしまうほどの熱気を感じました。

 中央のゲーミングエリアの外壁には展示コーナーが設置されており、開発の資料やラフ画像、開発者であるクリス・クオック氏のコレクション画像が飾られていました。

 司会進行は、ゲーム大会や番組でMCや実況アナウンサーを務めるOooDaさん。体験会の様子をリアルタイムで伝えていただいており、公式の大会さながらの雰囲気を味わせていただきました。

 会場には本作の開発に携わった『Mecha BREAK』エグゼクティブプロデューサーのクリス・クオック氏。グローバル・パブリッシング総責任者のケリー・ジン氏。『Mecha BREAK』グローバル・パブリッシング・ディレクターのジュリー・リ氏も駆けつけていました。

 さまざまなゲームの体験会に参加させていただいたことがあるのですが、今回の『Mecha BREAK』の体験会に関しては、参加者の様子を含めてみても、メーカーが本作かける本気度というものが会場を通じて感じられました。

体験プレイで理解できた『Mecha BREAK』の面白さと操作性【Mecha BREAK】

 まずは『Mecha BREAK』の概要について紹介します。本作のジャンルはマルチ対戦アクションシューティングで、プレイヤーは重量や戦闘スタイルが異なるMB(Mecha BREAK)を操縦。立体的な移動を駆使した機動アクションに加え、メカ特有の豪快な攻撃アクションを堪能しながら戦闘を楽しめるところが魅力です。

 基本は3人か6人のチーム編成で対戦を行います。6VS6では機体同士のぶつかり合いが楽しめるルールがあるほか、“マシュマーク”と呼ばれる6人×10チームで行われるバトロワのようなルールが用意されています。

 本イベントでは、参加者による6VS6の拠点制圧戦と、マシュマークの体験プレイを行うことができました。

 最初の30分に設けられた自由体験のコーナーでCPU戦を数プレイ。操作可能なデバイスはキーボード&マウスかゲームパッドで、自分はキーボード&マウスでプレイをしました。会場を見ると、ゲームパッドを持参していた方も多く見られたのが印象的です。

 ちなみにクローズドαテストをプレイした知人に話を伺ってみたのですが、どちらのデバイスでも難なくプレイできると聞いたので、最初は自分が操作しやすいほうを選ぶのがいいのかなといった感想です。

 初めて『Mecha BREAK』をプレイしてみての感想ですが、「こんな対戦ロボゲーが出るのをずっと待っていた!」と叫びたくなるほど、ロボゲー好きとしても対戦ゲー好きとしても刺さりました。

 まずはなんといっても機体のモデリング。変形機構のある軽量級の機体から、全身弾薬庫のような重量級の機体まで、早く操作してみたいと思えるようなメカデザインがそそります。機体を変更する際に、機体が後方の格納庫に収納されて、新たな機体が地面からせり上がってくる演出も満点です!

 色々と拝見してみたところ、メカゲーではよくあるアセンブルのようなものは見受けられませんでした。機体ごとにそれ相応の性能(役割)が定められており、射撃特化、近接攻撃特化、狙撃、味方を回復する支援系などなど、ヒーローシューターのようなキャラクター(機体)選択が重要そうに感じました。

 ただ、武装ごとに“部品”と呼ばれるアイテムを装備できる項目があったり、機体のカラーリングを変更できる“塗装”といった項目があったりと、カスタマイズ要素は豊富にありそうです。

 個人的にすごくカッコイイ! と感じたのが出撃前の演出です。パイロットが機体に乗り込み、そのままカタパルトまで搬送され、コクピット内を1人称視点で見まわし、3人称視点でパイロットの様子を伝えてくれます。その際、コクピット内の左側のパネルに、戦闘に参加するプレイヤーの名前が表示されているのが印象的でした。

 バーニアを吹かした状態から合図と同時にワイヤーを切り離し、そのままの勢いで艦から出撃するシーンは感動すら覚えます。こういったカタパルトからメカが出撃するシーンって、どのタイトルにおいても最高なんですよね。

 次に各機体の武装についてですが、どの機体でも使用できる武装が基本的に5種ほどあります。キーボード&マウスであれば左クリックと右クリックの基本攻撃に加え、使用後にクールタイムが発生する武装1~3は1キー、2キー、3キーに対応。体験プレイ時は武装1~3のクールタイムが終わり次第ガンガン使っていき、マウスの左右のクリックを適切なタイミングで使うということを意識するだけでも
楽しかったですね。

 なお、武装1~3は僚機HPの回復やステルス機能の発動、特殊なドローン射出といった攻撃以外の機能を持つものもありました。

 移動操作と視点操作に関しては、FPSゲーやTPSゲーではおなじみのAWSDキーによる移動に、視点移動はマウス操作というシンプルなもの。これに加えて、ShiftキーのブーストとSpaceキーのジャンプ、Altキーの急降下を駆使して移動と回避を行います。どれもオプションでマウスのサイドボタンに設定することもできました。

 自分は初プレイでチュートリアルといったものも行わなかったのですが、似たような操作感のメカゲーのプレイ経験があったため、操作自体はすぐに慣れました。FPSやTPSをよくプレイしている方であれば、難なく遊べるであろうといった感触です。

 とにかく簡単な操作でも、機体がビュンビュン動くのが特徴です。めちゃめちゃ動き回るPVのロボゲーをプレイしてみて、実はそこまで機敏には動けないといった拍子抜けを喰らうことはありますが、本作ではPVのように機体を縦横無尽に動かせます。とくに変形機構を持つ“ファルコン”を使ってみたときの爽快感は半端なかったですね! 重量級の機体でも、ブーストを駆使すれば機敏で立体的な動きが可能でした。

 UI関連で注目したのは、画面中央付近にある3つのゲージです。画面中央の左下にある白いゲージが自機のシールドの値で、緑色のゲージが自機のHPを表示。画面中央の右下にある青いゲージがEN(エネルギー)量を表示しています。

 敵の攻撃によってシールドがすべて削られると、HPゲージが減少していき、これが0になると自機が撃破されます。シールドは時間が経過すると徐々に回復するようなので、1度シールドが減ったら戦線から離脱することも視野に入れなければならないようでした。

 ENはブーストを使用した移動や格闘攻撃などを行うとゲージが消耗していきます。ブーストが使える回数は体感的にも多かったのですが、自然回復するスピードはかなり遅いようでした。EN切れを起こすと移動が制限され、使えなくなる武装が出てくるため、こちらも一連の行動を終えたら安全な場所に一時離脱することが重要そうです。

 ここまでスピード感があると「敵に照準を合わせるのが難しくないか?」と自分も思いましたが、戦闘中に視点を敵機に合わせるとオートロックオンを行い、そのまま何かしらの武装を使えば格闘や弾が追従する仕様です。

 敵を囲むように逆三角形のマークがついたときが合図で、この状態で武装を使用するのがポイント。ゲームパッドのスティック操作でも、照準を合わせる難易度はかなり優しめだと感じます。

 視点を敵に向けるとロックオンを即座にしてくれるのですが、ロックオンが可能となる射程もあるようです。武装によってはロックオンを行う前に、敵にAIMを合わせて射撃を行い、半ば強引に当てるなんてこともできました。

 自宅で使用しているPCよりも、会場のPCの方がマシンスペックが明らかに高いことも要因として考えられますが、とにかくスピード感とグラフィックの演出がえげつなかったです。やってる最中に「早く対人戦をさせてくれ!」とワクワクが止まりませんでした。

 30分ほどの自由体験会後は、体験会に参加した方々でチーム対抗戦が行われました。すでにチーム分けがなされており、電撃オンラインは“スワンナプーム”チームでの出場です。味方はSavion Sさん、GamWith-Freedom山中さん、ゲコ動画さん、オンドレヤスさん、長田ザクさん。実は同チームに以前から交流のある方が数名いたので、機体選択の相談や情報交換、試合中の報連相をボイスチャットを使用して円滑にできたのはとてもよかったです。

 さて、話は試合のほうに戻りますが、今回のルールは6VS6の拠点制圧戦。制限時間内で敵より多くのポイントを獲得するか、先に1000ポイントを獲得したチームが勝利となるルールです。敵を撃破するとポイントが加算されるだけでなく、マップ内にある3ヵ所の拠点を制圧(占領)することで、自チームのポイントが徐々に加算されていきます。

 こういった制圧戦もさまざまなゲームに取り入れられているので、メカゲー&対人ゲーが好きな人ほどすぐに順応できることは間違いないでしょう。

 試合自体は味方の活躍もあり、我ら“スワンナプーム”チームの勝利。試合終了後、会場のメインモニターのほうでは、全プレイヤーの総ダメージ数や占領数、各種スコアなどが確認できました。自分の成績はあまりいいものとは言えませんでしたが、今後は全機体を触ってみて、肌に合う愛機を見つけて再挑戦したいと奮い立ちましたね。

 自分たちの対戦のあとには、ほかの参加者たちによるチーム戦が行われました。どちらの試合でも、勝利してMVPに輝いたプレイヤーには特別なデザインアートが贈呈されました。

これこそ待ち焦がれていたロボゲーのバトロワ!? “マシュマークモード”の体験レポート【Mecha BREAK】

 6VS6の対抗戦のあとに続いて行われたのは、新モード“マシュマーク”の紹介と体験会です。残念ながらマシュマークモード自体がまだ調整中であり、プレイ中の動画やスクリーンショットの使用が禁止されているため、プレイ画像は掲載できません。ここでは、プレイ時の感想をお届けしようと思います。

 まずはマシュマークモードの概要ですが、このモードでは6人×10チームによる大規模戦が楽しめます。マップの広さ16㎞×16㎞=256平方kmと広大で、プレイヤー以外にも無人機や砲台が点在し、大型メカのようなボスが出現することもあります。

 マシュマークモードの最終目標は、戦闘で得た戦利品を収集&搬送を行いつつ、最後の1チームになるまで行き抜くこと。さながら、メカによる高速戦闘で行うバトロワゲーといったところでしょう。

 今回の体験会では、さきほどの6VS6の対抗戦を行ったチームによる32人に加えて運営チームの方が参加。60人でマシュマークモードをプレイしました。

 3VS3や6VS6のモードとは違い、マシュマークモードで撃破されてしまうとすぐには再出撃ができません。戦闘などで入手できる専用のアイテムを所持して、それをマップ内に点在しているビーコンのような機械のある場所で使用すると、チーム内の撃破された誰かしらを復活させることができます。

 ちなみに、実際の体験会ではそのアイテムがどういったものか、復活させられるポイントが戦場のどこにあるのかがわからずで、味方を復活させるチャンスを相当逃してしまっているように思えました。このあたりも、ゲームの理解度が深まってボイスチャットによる連携を行えれば、円滑に味方を復活させられるのではないでしょうか。

  • ▲戦場には戦闘ビークルも存在。自分は搭乗できませんでしたが、滞空機能があることで、重量級の機体でも高所を素早く移動できるのは便利そうでした。

 大型の敵機は最初から戦場にいるのではなく、「●●秒後に出現!」といったアナウンスが流れて、出現時にはマップでそのボスの居場所を知らせてくれます。今回の体験会では2戦行ったのですが、2戦ともボスとなる巨大メカと遭遇することができました。こちらが中遠距離で攻撃していると、無数のミサイルを飛ばしてくるので、回避行動は必須といったところでしょうか。

 巨大メカに接近すると突進を仕掛けてくることもあり、こちらも格闘機体を使う際には間合いに注意する必要性がありそうです。

 また、ボスは前面に防御シールドのようなものを展開しており、ターゲティングされていない人が横から総攻撃しても、体感ですが討伐するまで3~5分ぐらいかかりましたね。編成や戦利品の装備次第ではもっと早く討伐できるとは思いますが、ボスと戦っている最中にほかのチームが現れる可能性もあるため、攻撃している時は違う意味でドキドキしていました。

  • ▲討伐時にはSやAランクのチップがボス機体から入手できまして、特定の機体のみを強化する専用のチップなんかもありました。

 マシュマークモードの重要なポイントとして、EICパルスストームの存在も欠かせません。こちらは安置収縮と言えばピンと来る方がいると思われますが、時間が経過していくとマップの各地に嵐が発生し、この嵐の範囲内にメカが入ると継続的なダメージを受けてしまいます。そのため、この嵐を避けて戦闘を進めつつ、物資を収集するといった流れです。

 試合後半になると複数の嵐が密集するように迫ってきて移動できる範囲が非常に狭くなり、そのなかに全チームのメカが集結するため四方八方から攻撃が飛び交うことになります。序盤の無人機との戦闘だけでなく、最終盤の大規模対人戦を見越した機体編成を考えることも重要になってくるのだと肌で感じましたね。

 ちなみにマシュマークモードの1戦目は、ほぼ味方全員が生存し、混戦状態でも声出しによる情報伝達をすることで、着実に敵機を撃破することに成功。結果、1戦目はスワンナプームチームが勝利することができました。参加者が多いゲーム性からか、チーム対抗戦のとき以上に達成感と勝利の喜びは格別なものでしたね。

 そして、個人的には忘れられない思い出となったマシュマーク体験会の2戦目。1戦目と同様に嵐によって移動できる場所がほぼなくなったのですが、その時になんと自分だけが生き残ってしまう事態が発生してしまいました。すでに行ける場所が高い山の上か洞窟かの2択を迫られていたのですが、自分の使っていた機体が重量級の機体だったため、機動力の関係から高所に移動するのがほぼ不可能と判断します。

 先に洞窟に入っていったメカが1機見えたので、後ろからその機体を追うようにして自分も洞窟に侵入。「後ろから撃墜してやる!」と意気揚々と追いかけるのですが、なんと洞窟の終着点には敵チーム6人が勢ぞろいして待ち受けているじゃーないですか! 

 思わず「誰か助けてー!」と叫びつつも、敵チームは容赦せずに弾幕を浴びせてきたため自機は撃沈。この瞬間は会場がとても盛り上がっていて、撮れ高としてはかなりあったように思えます(笑)。

 4月26日から開催されるクローズドβテストでは、より進化したマシュマークモードが体感できるということで今から楽しみです。

追及・探求・研磨・こだわり。10年かけてそのすべてを突き詰めてた本作のプロデューサー・クリス・クオック氏にインタビュー【Mecha BREAK】

 イベントの終盤では、『Mecha BREAK』を手掛けたAmazing Seasun GamesのCEOにして、本作のプロデューサーであるクリス・クオック氏へのメディア合同インタビューが行われました。

  • ▲『Mecha BREAK』チーフ・プロデューサー、クリス・クオック氏(写真中央)。

――『Mecha BREAK』の開発に着手してから本日までの経歴を教えてください。

 実は、このゲームは“着実に取り組む”方針で長期で開発をしてきました。正式な制作開始は2021年11月からですが、実際には2015年から既にメカゲームの構想を始めており、一連の試行繰り返して4度もプロジェクトを立ち上げいます。2015年の段階で、SF分野で優れた作品を持つイギリスのチームに投資をしました。これが私とSF系作品との最初の縁となりましたが、プロジェクトの核心的な体験がチームの予想と合わなかったため、最終的にプロジェクトは終了しました。

 2016年から2017年にかけては、イギリスのチームと日本のメカ原案デザイナーと共同で開発を進めましたが、方向性の違いからその後の協力は難航。2018年には自らプロジェクトを立ち上げましたが、何度も挫折してプロジェクトの実現可能性を再評価することになりました。

 2021年になってようやく自分たちの方向性を見つけ、プロジェクトが正しい軌道に乗ることができました。この約10年間、何度もの見直しと再開はチーム全体にとって大きな試練と言えるでしょう。

 以前はSFメカの分野に触れたことがなく、この分野の知識やリソースが非常に不足していました。しかし、それでも私たちはメカへの情熱を持ち続け、経験がなければ専門家に学び、リソースがなければ共同開発を試み、理想の形に達しなければさらに多くの時間とリソースを投じて磨き続けました。『Mecha BREAK』は、そうした背景の下で生まれた作品です。

――メカデザインに関しては非常に強いこだわりを感じるのですが、『Mecha BREAK』ではどういった経緯でさまざまなデザインのメカが生まれたのでしょうか?  

 初期の段階の協力プロセスで得た貴重な認識の一つとして、メカの設計は美的デザインを重視しているのではなく、軍事的リアリティに基づいた工業デザインを目指しました。この認識に基づき、私たちは以前のデザインラインを一新し、工業デザインの要求に基づく製作基準を深く学び研究する必要があります。

 例えば、メカの装甲に彫られた線のデザインです。うまくやるためには、工業デザインにおける板金の切断方法を非常によく理解する必要があります。どの板金を開けてメンテナンスできるのか、板金同士がどのように組み合わさっているのかを知る必要があります。

 機体の骨格構造も同様で、機械的な骨格には板金が含まれておりません。人型の骨格と比較すると、メカの骨格の比率は異なります。これは最終的な組み立て時に、メカが様々な板金と武器を装備する必要があるためです。

 例えば伝統的な衣服モデルの設計では、柔らかい素材を扱い、技術を使って衣服を体にフィットさせます。しかし、メカの設計では柔らかい素材を扱うのではなく、硬質の基本骨格を中心に外部構造を構築します。これには、主骨格の下に多くの補助骨格を追加して、各板金をサポートする必要があります。腕においては、メカの板金は運動に適応するための十分な細かい骨格が必要であり、衣服の柔らかいしわの処理とは全く異なります。

 メカの設計では、単純な板金の重なりだけではユーザーの要求を満たすことができません。例えば、腕を動かすときには、上下の板金が合わせて移動できるようにするため、複雑なサブ骨格システムが必要です。これはただの一つの動作の簡単な例に過ぎませんが、重い板金の下でメカが滑らかで豊かな動きを実現するためには、多くの複雑なサブ骨格が必要となります。これも工業デザインを進める上で乗り越えるべき難題の一つです。

 総じて、工業技術の技術的難題は私たちのチームに大きなプレッシャーを与えましたが、私たちは常に一つの目標に向かっています。高精度、高品質のモデルを製作すること、これは譲れない点です。

――『Mecha BREAK』では多彩なデザインの機体を用意しておりますが、これら機体にコンセプトなどを設定しているのであれば教えてください。

 このプロジェクトがはじまった8年前に、開発の初期段階でメカのコンセプトを決めようと模索しました。デザイナーの先生の方々にもメカデザインの相談をしてみたのですが、さまざまなデザインの特徴を統合しようとしたとき、メカデザインの統一性がなくなっていて大変困難な仕事になっていました。

 そこで、異なる数多くのデザインや設計の統一性を取るために、まずは世界観を確立するところからはじめました。これにより、先生方に『Mecha BREAK』の世界に関する同一したルールの合意を得てから、デザインに取り組んでもらっています

 これは現実の世界の自動車メーカーを例にお話ししますが、それぞれのメーカーごとに代表する車のデザインランゲージがあることでしょう。VWやベンツなどのデザインランゲージは10年以上継続しています。メカも自動車も工業製品です。工業製品だからこそ、すべてのメカに違う金型を設定したりすると、世界観も合わないし、金型を作るたびに開発コストも高くなるはずです。これに基づいて、本作ではメカを作る製造メーカーを9社作りました。
 
 そして本作の世界観を作る際に、まずは世界の陣営を4つに分けることにしました。そのなかで、各陣営には1~3社の製造メーカーが所属しております。そうすることで、メーカーや陣営ごとのメカの特徴を固めたうえで、各陣営のメカデザインの統一性が出るようにしました。ある陣営では装甲が角ばっているメカばかりそろっていることもあれば、丸みのある装甲が特徴的なメカがそろっている陣営もあります。

 また陣営は異なっていても、パイロットのマインドコントールシステムやコクピットといった要素は、世界共通のルールとして遵守しています。全機体で胸の部分はエンジンに相当するような設計をしていますし、腰の部分は細くてシールドで守るような部品がついていません。重量級のメカでも腰の部分が細く、どのメカでもそのポイントが統一されていると、見比べていただければわかると思います。

  • ▲軽量攻撃機 ファルコン。
  • ▲重量格闘機 赤霄。

――本作の世界観の設定であったり、パイロットの背景設定といった部分を教えてください。

 私たちは『Mecha BREAK』を、人類が生命の価値について再考する物語として作りたいと考えています。まず世界観設定において、私たちは時間軸を現代の科学技術からそう遠くない未来に設定しました。

 同時に、設定にはEIC芯石――エネルギーと知能を融合したユニークな資源概念を導入しました。これにより、炭素基生命とシリコン基生命の共生テーマ、そしてそれに伴う各陣営間の衝突と対立が引き出されました。言うまでもなく、EIC芯石がもたらすすべての技術進化と人間とメカの位置付けは、私たちの世界観の概念を構成しています。

 そしてEIC芯石の存在により、人間の脳が直接機体の演算に参加し、ほかの乗り物を遥かに超える強大な戦力を機体に与え、通常の数倍の性能を発揮することが可能になります。これがいわゆる「自己の限界を突破する」ことです。EICの登場により、異なるメカのパイロットが自身の生命について異なる思考をすることになり、後続のストーリー展開設計においても、この点を中心に世界観と各パイロットのキャラクター設定を深め、プレイヤーに宇宙の壮大な背景の下での壮麗な叙事詩を提供する予定です。

――クリス氏は日本のロボアニメやゲームの影響を大きく受けて本作の開発に至ったとお聞きしておりますが、今までどういった作品に触れてきたのでしょうか?

  私たちのチーム全員が熱狂的なメカゲームプレイヤーであり、常に高品質なメカPVPゲームを渇望しています。チームメンバーの長年のメカへの幻想や、後に開発を通じて学んだ精密な工業デザインの美学が、私たちを一歩一歩目標に近づけてくれました。これが私たちが『Mecha BREAK』に与えた位置づけであり、高品質のスピード感、火力感、パワー感を表現できる戦術的PvPメカゲームです。

 子供の頃、毎日『ガンダム』のアニメを見ていました。当時最も印象に残っているのは宇宙世紀の『機動戦士Zガンダム』と『機動戦士ZZガンダム』です。ガンダムの進化の歴史に非常に詳しく、これまでの作品をずっと追い続けています。メカゲームの方は少し大きくなってから触れ初めて、中学時代に『スーパーロボット大戦2』に出会いました。そこからほぼ全ての『スーパーロボット大戦』シリーズをプレイし、35周年記念の最新作に至るまで触れています。

 大学生になったときには、PS2を入手して『アーマード・コア』をプレイ。これが私が触れた最初の対戦型PVEメカゲームで、その時からメカゲームを作る夢を心の中に抱いていました。この情熱と愛情は、のちに『Mecha BREAK』の開発にも注がれおり、チームメンバーもほとんどが私と似たような経験を持っております。これらの著名作品からの影響により、メカの精密さ、動き、デザインへの深い認識とこだわりを持っています。

 新しいメカを制作する際には、メカの魅力に対する自己理解を十分に抽出して具現化します。大きな概念設計から装甲の関節数の配置に至るまで、チーム内での数え切れずアイデアのぶつかり合いと丁寧な磨きを通じて、最終的にゲームに落とし込まれます。ちょうどこの数年、中国のSF市場は以前抑制されていた状態から解放されつつあり、現在国全体でSF分野の奨励と育成が行われています。

 特に映画やテレビドラマ分野では、『三体』『流浪地球』などのSF作品IPが近年出現し、多くの人々のSFへの入門となっています。国内でより多くの人々がSFを理解して接触することは、機会となり得ているでしょう幸いにも私たちのチームはこの10年間の研鑽を経て、国内で一定のメカデザインの技術力を持つようになりました。私たちは世界に高品質なSFメカ作品を提供するための十分な自信を持っています。

――本作のコアセールスポイントを教えてください。

 チーム全員が一致してメカにおける最も魅力的な三つの要素とは、「広大な空に全力で突き進む“スピード感”」、「様々なビーム砲や火器の轟音が戦場全体を覆う“火力感”」、「白兵戦でのライトセーバーの衝突によってもたらされる振動の“パワー感”」であると考えています。私たちがキャッチコピーで述べた「チカラ!スピード!一斉砲火!」のように、これらがまさに私たちが「Mecha BREAK」このゲームを通じてプレイヤーに伝えたいメカの魅力です。

――“マシュマークモード”について、開発の認識をお聞きしたいです。

 これは、チーム全体が超大規模マップおよび、マルチプレイヤーモードにおける一つの挑戦と試みであります。高品質PVPメカゲームの探求の道で、『Mecha BREAK』がプレイヤーに革新と感動をもたらすことを望んでいます。

 今回のオフラインイベントもマシュマークモードの初公開であり、さらにプレイヤーからのフィードバックを受けて調整を行いたいと考えています。同時に、公式はもっと大規模なクローズドベータを準備していますので、最新の募集情報にご注目ください。

――ゲームバランスはどのように調整されていますか?

 各メカには独自の戦術的位置付けがあります。以前のテスト状況から見ると、プレイヤーは自身のメカへの理解と各種メカのチーム構成を基に、自分に合ったプレイスタイルを見つけることができます。

 マシュマークモードでは、いくつかの異なる機能を導入予定です。マシュマークモード中は、多くの拠点や一部の乗り物、さらにはボスを設計しています。プレイヤー対プレイヤーの直接対決のプレッシャーを適度に緩和するために、いくつかのPvE要素の挑戦を加えました。

 そして、プレイヤーはこのPvEチャレンジを通じて、ゲーム内の成長を達成したあと、徐々に他のプレイヤーと対峙します。目的は、最終的なチーム戦に臨む前に、プレイヤーが各自の小隊での選択を通じて、相応の成長を遂げることです。私たちもプレイヤーからのフィードバックを楽しみにしています。

 また、全てのモードにおいて、メカの性能に変更はありませんが、マシュマークではシングルゲーム内で戦闘能力を強化できるゲーム内アイテムが存在します。これにより、一つのメカに慣れたプレイヤーは、異なるモードを存分に楽しむことができます。私たちはプレイヤーにバランスのとれたメカを提供する自信がありますし、プレイヤーからのフィードバックにも密接に注意を払います。

――対戦ゲームにおいて、課金によって戦闘を優位にできるかどうかは気になるポイントかと思われますが、『Mecha BREAK』ではそれらの要素をどのようにしていく予定なのでしょうか?

 現在、商業化に関する内容は、テストの結果とフィードバックに基づいて機能開発と調整を行っている段階であり、まだ確定的な結論を出すことができません。

 『Mecha BREAK』は公平な競技ゲームとして、根本的な原則としてp2w(pay to win)のモードにはしない方針です。ゲーム内でプレイヤー間に存在する唯一の違いは、プレイヤースキルそのものであるべきです。私たちは公平かつ公正な原則に基づき、負担のないゲーム環境を提供し、すべてのプレイヤーがメカの楽しさを存分に味わえるように努めます。

――本作は対戦ゲームということで、e-sportや競技シーンといった展開を予定してはいるのでしょうか?

 もちろんです。ただし、当初から大々的にe-sportといった分野に進出することはしません。まずはゲームの中で、自分でカスタマイズしたルールで戦える機能を追加する予定です。例えばプレイヤーごとに主催した試合や大会を開催できるように呼び掛けて、それに関連した奨励品を出すところからスタートしていこうと施策しています。

――TGA(The Game Awards)2023で本作のトレーラーが公開されて大きな注目を浴びたと思われますが、その後のユーザーさんからの反応はいかがなものだったのでしょうか?

 TGAは私たちが初めて国際舞台に登場した機会で、全世界のメカファンから注目を集めました。その後のαテストでは、これらのメカファンからの検証に備えて準備を進めました。結果として得られたフィードバックは満足のいくもので、多くの海外プレイヤーから私たちがメカを真剣に作っており、メカとそのユーザーを理解していると評価され、チーム全体に大きな自信を与えました。

 実際、海外市場にはすでに一定のSFベースがあり、著名で人気のあるメカ作品も多く存在します。このテストでは、私たちは老舗の有名メカゲームと比較されることもありましたが、特に日本のプレイヤーからは、『Mecha BREAK』がこのテストで示したパフォーマンスを高く評価されました。私たちは、さまざまな地域のプレイヤーからのフィードバックと提案をしっかりと消化し、次回のテストが開始される際に、より良い体験をプレイヤーに提供できるよう努力します。

――リリース日が気になるところですが、ずばり発表されるのはいつでしょうか?

 現時点では具体的な日付をお知らせすることはできませんが、今年中を目指しています。不定期のテストを通じてプレイヤーからのフィードバックを受け、準備が整った時にプレイヤーに高品質なメカPVPゲームを提供する約束を果たします。

――最後に、『Mecha BREAK』を心待ちにしている日本のプレイヤーへのメッセージをお願いします。

 『Mecha BREAK』へのご支持と愛情を賜り、誠にありがとうございます。このご支持を力に変えて、今後の開発と制作に全力を尽くし、早期に質の高い『Mecha BREAK』を皆様のもとにお届けできるよう努めます。

 以上がクリス氏へのインタビューになります。とにかく“メカゲーム”にかける情熱が途方もないことを感じました。メカのデザインへの探求だけでなく、対戦ゲームとしての面白さを追求しているという点は、言葉だけでも心に響きましたね。

 そんな注目作の『Mecha BREAK』ですが、現在クローズβテストの募集がされています。実施されるのはSteam版のみで、期間は2024年4月26日(金)から4月30日(火)まで。Steamではすでに本作をウィッシュリストに追加することも可能で、追加しておくとリリース日が通知されます。

 ぜひともSteamのウィッシュリスト登録して、クローズドβテストでいち早く『Mecha BREAK』の激しくスピーディなメカバトルを体験しましょう!

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