【おすすめDLゲーム】『フィンチ家の奇妙な屋敷でおきたこと』で一族の死にまつわる物語を追体験

sexy隊長
公開日時

 ダウンロード用ゲームから佳作・良作を紹介する“おすすめDLゲーム”連載。今回はPS4、PCにて配信中の『フィンチ家の奇妙な屋敷でおきたこと』をお届けします。

 本作は、ワシントン州のとある一族“フィンチ家”に関する奇妙な物語が展開。プレイヤーは一族の血を引くエディスとなり少しおかしな屋敷を探索し、フィンチ家にまつわる謎を考察しながら物語を追体験していくウォーキングシミュレーターゲームとなっています。

 本作『フィンチ家の奇妙な屋敷でおきたこと』の魅力を紹介していきます。

物語の結末はすべて死!?

 物語は船の上で“エディス・フィンチ”と書かれたノートを開くところから始まります。ノートには家系図のようなイラストが記載されており、一族の祖先の物語を追体験すると似顔絵が追加されていきます。

 ノートに記載されている先祖の物語をすべて追体験し、フィンチ家にまつわる謎を解き明かしてしていくのが本作の目的です。

 フィンチ家は遅かれ早かれ悲運な死に見舞われるという死の呪いにとらわれており、主人公が追体験する物語はすべて死を迎えて終わります。

 この死は止めることができません。あくまでも追体験するだけなので、その死の直前に何が起きていたのか? 何が原因だったのか? それらを体験することしかできません。

さまざまな死の追体験を味わえる

 この死の追体験は、不思議な体験からシンプルに怖い体験まで、さまざまなパターンがあります。

 死に直面している人が見えている景色が実際の景色とは異なっていたり、それに伴い世界観すら実際とは違ったりと、第三者視点で見るのではなく本人の一人称視点で見て追体感することになります。追体験といっても内容だけではなく視覚的にもさまざまな死の追体験が展開します。

 先祖の追体験をするには、屋敷に残された故人の手記や先祖が住んでいた部屋を探索し見つけだす必要があるのですが、ここにいろいろな謎解きギミックが発生します。

 部屋を見つけても鍵がかかっていて普通に入ることができません。タイトルにあるようにフィンチ家の屋敷は奇妙な構造になっており、部屋の入り口のドアとは別のドアが存在するのです。その別のドアを見つけて入ることになるのですが、この別のドアの開け方が秀逸!

 複雑な謎解きギミックはなくシンプルなギミックがドアに隠されているのですが、そのギミックを解く際の仕草がすごく人間的で、実際に自分が解いている感覚を味わえます。この部分は文章ではとても伝えにくいのですが、プレイすると「おぉ!」と声をあげるような要素となっているので、ぜひプレイして体感してもらいたいです。

▲一見普通の本に見えるが部分が実はギミックになっています。「自分の住む家にもこれが欲しい!」と思わせるようなギミックです。

洗練されたテキストを味わえるストーリー

 ウォーキングシミュレーターは闇雲に探索させられて、ストレスが溜まったり、親切すぎて探索している感がなかったりと、ゲームによっていろいろなタイプがありますが、本作はどちらでもでもありません。ストーリーのテキストを読んでいくだけで進むべき道がわかるようにデザインされています。個人的にはこちらに驚きました。

 「ストーリーを読んでいくだけで行き先がわかるのなら、親切なゲームなのでは?」と思われるかもしれませんが、ちょっと違います。

▲主人公が向いている方向にストーリーのテキストが表示され、その方向に進んでいくと次のテキストが表示されます。

 テキストはプレイヤーが進むべき道が合っている時に表示されるので、適当に探索している時に表示されたり、テキストだけ先行して表示されたりするようなことはありません。映画のナレーションのようにプレイヤーの動きに合わせて、絶妙なタイミングでテキストが表示されます。
 基本的にテキストを送るというコマンドはなく、進んでいくか何か動作をすると自動的にテキストが送られていくので、主人公の行動に集中しながらストーリーに没頭できるのも素晴らしい部分です。

  • ▲視界が悪く、どこへ向かっていいか分からない状況でもテキストを信じて進んでいくと道が開けます。

グラフィックの美しさと見せ方のおもしろさ

 本作の特徴の1つにグラフィックの美しさがあげられますが、それだけでは近年よくあるゲームと同じ特徴です。

 プレイヤーが主人公としての追体験で没頭できるようにさまざまな視点が表現されています。部屋の中をのぞく時はドアスコープで覗いている視点、カメラを見るとファインダ越しの視点など、本当にそれをしているような気分になります。

 他にも望遠鏡をのぞくことができるのですが、ただ遠くのものが見えるだけではなく望遠鏡で特定のものを見た時にストーリーのテキストが表示されます。カメラのファインダの視点の時は被写体にピントをあわせるとテキストが表示されるといった、視点を使ったおもしろい要素が他にも用意されており、より深い追体験が味わえると思いました。

物語は最後の最後まで謎に包まれている

 個性的な追体験を経て物語は進んでいきます。フィンチ家の死の呪いとはなんなのか? 本当にあるのか、それともないのか?

 謎を含んだまま終わる追体験などもあり、考察が好きなプレイヤーは“ドハマり”してしまう作品だと思います。ウォーキングシミュレーターという文学的なゲームジャンルに興味があるプレイヤーにもプレイしてもらいたいタイトルです。

(C) Annapurna Interactive, 2017

『フィンチ家の奇妙な屋敷でおきたこと』

  • メーカー:Annapurna Interactive
  • 対応端末:PS4
  • ジャンル:アドベンチャー
  • 配信日:2018年3月26日
  • 価格:2,200円
  • ※開発:Giant Sparrow

『What Remains of Edith Finch』

  • メーカー:Annapurna Interactive
  • 対応端末:PC(Steam)
  • ジャンル:アドベンチャー
  • 配信日:2017年4月25日
  • 価格:1,980円
  • ※開発:Giant Sparrow