『十三機兵防衛圏』を彩る“音”の秘密とは――ベイシスケイプインタビュー・完全版を掲載!【電撃PS】

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 十三人の主人公が繰り広げるドラマチックなストーリーや、“怪獣”たちとの絶望的な戦いを再現した奥深いシミュレーションバトルで、高い評価を受けているアトラス×ヴァニラウェアのSFドラマチックアドベンチャー『十三機兵防衛圏』

 その魅力を支えている要素の1つが、『伝説のオウガバトル』シリーズや『ファイナルファンタジーXII』、『戦場のヴァルキュリア』シリーズほか多数のゲーム作品の音楽を担当し、ヴァニラウェアとも組んで『オーディンスフィア』シリーズや『ドラゴンズクラウン』シリーズの音楽も手掛けた、崎元仁氏が率いる“ベイシスケイプ”による楽曲です。

 『十三機兵防衛圏』インタビュー特集の最終回となる今回は、本作の“音”にまつわるすべてを手掛けたベイシスケイプを代表して、サウンドディレクションならびに作曲を担当した崎元仁氏、効果音作成や音声整音からサウンド実装までを担当した金子昌晃氏のお二人に、話をうかがいました。

  • ▲崎元仁氏(左)…ベイシスケイプ代表にして作曲家。本作ではサウンドディレクションならびに、作曲を手掛けた。金子昌晃氏(右)…ベイシスケイプ所属のサウンドデザイナー。本作では、効果音作成や音声整音からサウンド実装までを担当した。

『十三機兵防衛圏』インタビュー

メインテーマは全体の方向性を固める重要なカギに

――『十三機兵防衛圏』のお話をヴァニラウェアさんからいただいたのは、どういった経緯だったのでしょうか。

崎元仁氏(以下、敬称略):最初にお話をうかがったのはとても昔で、もう7~8年前のことだったと思います。年賀状で『十三機兵防衛圏』のイメージをいただくよりも前ですね。当時は『ドラゴンズクラウン』を作っていた頃だと思いますが、そういった時期に現実逃避のように次の作品、次の次の作品の構想を話すのはよくあることで、「今までのファンタジー路線ではなくて、現代を舞台としたジュブナイル作品を作りたい」と盛り上がっていたのを憶えています。

  • ▲2013年のヴァニラウェアからの年賀状で、『十三機兵防衛圏』制作・構想が明かされました。

崎元:ですが、その着想をどうゲームへ落とし込むのかは想像がつきませんでした。そうこうしているうちに『十三機兵防衛圏』の開発が進み、アドベンチャーシーンやバトルシーンの内容が明らかになっていくにつれて、ようやくゲームとしての全貌が見えて来た感じですね。

――全貌が見えて来たのはいつ頃のことですか?

崎元:ここ1~2年です(笑)。ゲームの音楽を制作する際には、まず指針となるような曲を作り、大抵それはテーマ曲となりますが、本作でも2015年の東京ゲームショウに合わせて作った『Brat Overflow』がテーマ曲になっています。音響制作に本腰を入れたのは、それからまた間が少し空いてからになります。

――“造語のボーカル”が印象的な曲ですね。

崎元:造語はおおまかに“何系”と決めてから作りますが、今回は北欧系のイメージだったと思います。

  • ▲オープニング画面で流れる印象的な本作のテーマ曲『Brat Overflow』。造語による歌詞がエキゾチックな雰囲気を感じさせてくれます。

――今回、崎元さんを含め5名の方が作曲に携わっていらっしゃいますが、作曲の振り分けなどはどう行っているのでしょうか?

崎元:みんなの顔を見ながら「今日はバトルの気分じゃない」と言っている人に、あえてバトル曲をお願いするなんてことが多いです(笑)。得手不得手があるとしたら、どちらかというと不得意なものを担当させるのが当社の方針です。

――逆にですか!?

崎元:そうすると、手慣れた人間よりおもしろい曲が出来上がることが多いんです。仮にうまくいかなくてもその経験は勉強になりますし、慣れない制約に対して独自のアプローチは必ずあるもので、そういった試行錯誤が他人の心を動かすこともあると思います。新しいことに挑戦して、四苦八苦することは大切ですね。

――本作では、どのような楽曲の方向性にしようと決められたのでしょうか?

崎元:今回はイベントシーンでの音数を少なくして、いわゆる“劇伴”寄りに作っていますが、音源ではなく音符で特徴を出すようにしています。その点で今までのヴァニラウェアさんの作品と比べると、作曲チームの意思統一に長めに時間を費やしました。最初のうちはその許容範囲を確認しながら作曲を進めて、あとはもうみんな、自由に曲を作ってもらっています。そのほうがみんな、おもしろい楽曲が作れますから。

――今回は前回『ドラゴンズクラウン』の壮大なファンタジーから一転した、洗練されたテクノといった印象でした。

崎元:もともと僕はテクノ音楽出身の人間なんです。これは僕の認識ですが、テクノは音楽理論に頼ることができず、野生の感性だけで作っていく音楽だと思っています。そんななかで、今回はあえて“作曲家が作ったテクノを目指す”と方針を決めました。たとえば、旋律がきちんと立っているか、コード展開や構成が成立しているか、ということを意識しつつ、テクノのアグレッシブな感じもきちんと残すという、そんなことを試みています。

新しいことに挑戦していく姿勢を持つ2社が生んだ『十三機兵防衛圏』

――ヴァニラウェアさんからはどのような形で楽曲が発注されるのでしょうか。

崎元:基本は、開発がある程度進んだ段階で曲目リストや効果音リストが送られてきますが、ヴァニラウェアさんからは割合と自由にさせていただいてますので、曲目リストをモックアップとして使って、こちらから提案したり勝手に入れたりしつつ、それでヴァニラウェアさんの顔色をうかがう、そんな流れが多いです(笑)。

――そんななかで「これだけは気を付けてほしい」という明確なリクエストはありましたか?

崎元:当初の段階で“ジュブナイル”であることは強調されていました。十代の多感な時期を表現したいと。曲でジュブナイルと言われて具体的に思い浮かぶことが少なかったのですが、試行錯誤を繰り返して、今の形に落ちつきました。ゲームの開発の初期段階では、神谷さんが構想と一緒に絵を送ってくれて、それに僕たちも楽曲を作って投げてみて、お互いに反応しあってどんどん変化していくというやり取りをできたと思います。

  • ▲十三人の主人公たちが織り成す“ジュヴナイル”作品である『十三機兵防衛圏』。楽曲の製作においても、その要素が求められたとのこと。

――作品を制作するうえで、理想的な形のように思います。

崎元:そうですね。でもこれは、余裕のある開発でないとできないという難点も抱えています。試行錯誤を繰り返すゲームの開発は、最近少なくなりましたから。なので、今回のような環境を与えてもらえたことに本当に感謝しています。そういえば最初のテーマを決める段階では、アレンジの方向性や音の印象の違いをいくつか聞いてもらった記憶があります。神谷さんは気に入った時と気に入らなかった時の反応がとても判りやすいので(笑)、有り難いです。

――神谷さんとはお付き合いも長いと思いますが、阿吽の呼吸のような感じでしょうか。

崎元:そうですね。長年の付き合いからわかり合える部分もありますが、いつも何か新しいことに挑戦しているので、基本的に予定調和は成立しません。そんな状況を逆に生かしていくのが、僕たちの仕事の重要なパートの1つだと思っていて、その同士として神谷さんは凄く信頼できる仲間だと思っています。

感情の起伏をテクノで表現したバトルパート

――崩壊編の楽曲は途中に転調などの演出がありますが、それはヴァニラウェアさんからの提案だったのでしょうか?

崎元:いえ、こちらで勝手に入れ込ませていただいたというか(笑)。いろいろ試行錯誤した結果ではあります。

金子昌晃氏(以下、敬称略):ラストバトルはゲームの展開と曲の遷移が効果的にうまくハマりましたよね。

崎元:ラストバトルに関しては明確に意図していたところではなかったのですが(笑)、みなさんによろこんでいただけたならよかったなと安心しています。なかなかさじ加減が難しくて、昔からああいった演出は試しているのですが、“確実に効果があって、なおかつスムーズに展開する”というのが理想的な形で、ほかのバトル曲はそれをできていると思います。

――バトルのスタート時の演出もグッと来ます。

金子:じつは“BATTLE START”が表示されるタイミングは、曲のテンポと合わせているんです。一般的にはゲームの展開に曲を合わせる場面ですが、あそこだけ曲の展開にゲームを合わせてもらいました。

――とても煽情的で、ワクワクしました。

金子:あとは歌モノを戦闘曲として使ったのは、わかる人にはわかる特徴的な演出ですよね。

崎元:あの演出は神谷さんの提案です。『超時空要塞マクロス』のオマージュで、歌をバックに戦闘するということを試したいと。僕は「どうなるかな?」と心配ではあったんですが。結果的に合っていてよかったです。

――バトルでいえば、リアルタイムストラテジー(RTS)というジャンルは意識されましたか?

崎元:ジャンルというよりも、『十三機兵防衛圏』のバトルの画を見て作ったというほうが近いかもしれません。あの画面は、ワイヤーフレーム……線の集合のようなものですから、“完全に人間性を排除したテクノ”にしてしまうと、多分よくないと考えました。なので、人間味やドラマ性があるものにしようと思いました。

――楽曲でどのように人間味を表現するのでしょうか?

崎元:テクノミュージックというのは、僕のなかでは人間性を排除したようなイメージがあって、そこがかっこいい雰囲気を持っていると思うんです。ですが、音楽はもともと感情を司るものですから、感情の流れが重要になってきます。たとえば1曲のなかで喜怒哀楽を作る、起伏を作るといったイメージです。感情の流れを物語として曲のなかに入れ込めば、テクノであっても自然と生々しい人間味は表現できると思うんです。

――「〇番機兵、起動」のようなシステムメッセージのようなナビボイスがバトルの世界背景を彩っているように感じられましたが、どのような経緯で作られたのでしょうか。

金子:セリフを入れること自体は決まっていたのですが、読み方やエフェクトについては試行錯誤の結果、今のものに落ち着きました。あのような淡々としたセリフはアイコン的なお知らせ音になりがちですが、アドベンチャーパートの繁華街での鞍部の機兵召喚シーンから着想を得て、今の形に落ち着きました。バトルパートとアドベンチャーパートをつなぐ意味のあるものになったと思います。また、バトルパートのナビボイスは、BGM、セリフ、効果音とは別の“プレイヤーの頭の中に響いてくる音”のレイヤーとして表現したかったので、ほかの音声とは同列にならないように調整してあります。しっかり聞こえるための調整は大変でしたが、“自分が戦っている感”を感じていただけたのなら、成功かなと思います。

1985年の印象をゲームに色濃く示した『渚のバカンス』

――当初はアイドルソングをたくさん入れる案もあったそうですね。

崎元:最終的には十三人分の曲を作るなんて案もあったのですが、それはこれからのユーザーのみなさんの反応や展開次第ですね(笑)。

――1985年を連想させるアイドル曲を作るにあたって、気をつけた点はありますか?

崎元:僕は普通に曲を書いているだけで“昭和っぽい”と言われてしまうので、とくに苦労はなかったです(笑)。1985年というと、僕は当時15歳くらいかな? 当時はクラフトワーク(ドイツのテクノバンド)やYMO(イエロー・マジック・オーケストラ)などの曲を多く聴いていました。あの時代はいろんなところで歌謡曲が流れていて、歌といえばアイドルだった気がします。青春時代、特定のアイドルにドハマりした思い出はありませんが、身近なものではありました。

――誰か特定のアイドルを掘り起こして聴き直し、『渚のバカンス』を書かれたわけではなかったんですね。

崎元:神谷さんから“波”や“さわやか”などのキーワードをもらって曲を先に作ったと記憶しています。歌詞はベイシスケイプの作曲家の1人、渡邊里佳子が書きました。渡邊はもともとバンド用の曲なども書いている人間で、作詞にも明るいですね。

ヴァニラウェアとの信頼関係で構築された音入れ

――SEについては、どのような形でヴァニラウェアさんから発注されるのですか?

金子:ヴァニラウェアさんから、それぞれのシーンの説明と必要そうな音のリストはいただきましたが、そこから膨らませて、ほぼほぼこちらで自由に制作し、実装までさせていただきました。

――本作では、環境音とBGM、そしてキャラクターボイスのマッチングが印象的でした。

金子:キャラクターのセリフを最優先にしたかったので、曲や効果音が先行しないよう会話を補完するようにほかの音を調整したのが、そういう印象に繋がったのかもしれません。

崎元:最初の段階では、もう少しゲーム音楽らしい感じにしようと思っていたのですが、入れ込んでみたらどうにも合わなくて……。今回の楽曲が劇伴寄りになっているのは、そういう理由もあります。逆にバトルシーンなどは旋律を強調して、曲も全面に出して、曲としてのおもしろさも押し出す形にしています。結果、アドベンチャーパートとバトルパートの対比ができてよかったかなと思っています。

――マップごとにサラウンドのような効果も感じられました。わかりやすいところをあげると、特務機構の部屋や沖野の隠れ家前など、空調音が移動によって変化しますよね。これも金子さんのご判断ですか?

金子:アドベンチャーパートはマップが存在しますが、限られた空間ですよね。制限された背景のなかで何も変化がないと、移動のおもしろ味がなくなってしまいます。なので、すべてのマップにいろいろと仕掛けを施しています。細かいところでいうと、網口のマンションは静かになりがちですが、窓に近付くと外の道路の音がするとか。鞍部の家も換気扇の音と外を行き交う車の音、テレビの音しかなく、このように静かなマップほど、気を付けないとつまらないマップになってしまうので大変でした。とりあえず動いているものを見つけて、どんどん音をつけていきましたね。

――ヴァニラウェアさんから与えられた開発環境の自由度が高くて驚きです。

金子:普通はあまりない環境ではありますね(笑)。ヴァニラウェアさんとはお付き合いも長いので“自由にできる環境”が整っているんです。やりたいことを見つけて音を作り、鳴らすところまで任せてもらっています。もちろん付けた結果を見てもらって、やり直すこともあり、そのやり取りのなかで新しい想像が膨らむことも多くあります。

崎元:ヴァニラウェアさんが音の開発環境をこちらに委ねてくださったお陰でできたことが、おおいにあります。他社さんのデータを触るというのはかなり危険なことなので、それを許容してくれているというのは、大きいところですよね。バグが出たりした時にどこの責任になるのかとか、そういった面もありますので、なかなか普通はできない判断だと思います。

金子:ヴァニラウェアのプログラマーさんが音の意味を理解しておられて、こちらの意向を取り入れてくださるのもありがたいですよね。

――そんな自由な環境のなか、“音”の方向性はどのように定められたのですか?

金子:本作では環境音はリアル路線、キャラクターに付けている音はケレン味路線と分けています。例えばキャラクターでいえば、物を拾ったり、方向転換する時であったりの音はあえて大きめに付けています。これはプレイヤーがキャラクターを操作しているという感覚を強くしたかったためで、“キャラクターがその世界で生きている”というよりは、“キャラクターを自分で動かしている”という感覚を持っていただきたかったんです。いっぽうで環境音は、エンディングのネタを汲んで、あえてリアルな音にしてみました。

――本作では“ファンタジー世界”ではなく“架空の現代”を舞台にしていますが、それにあたって試行錯誤された点はありますか?

金子:ファンタジー世界の場合は、現実に存在しない音を作ることが多いので、すんなり受け取っていただける部分はあると思います。いっぽうでリアルな世界の、現実に存在するような音を作る場合は、現実の音との比較から違和感につながることが多いんです。今回はとくにそういう違和感を出したくなかったので、細かく作り込んでいます。これはちょっとしたネタなんですが、救急車やパトカーの音はリアルに作っているのですが、これが大変で……1985年当時の資料を調べて、当時の音を作っています。聴き比べると、今と昔とではまったく音が違うんですよ。

――サンプリングかと思っていましたが、作られたんですか!?

金子:あれは資料を聴いて再現しているんです。パトカーはとくに年代によって音が違っています。本作のサイレンは『西部警察』時代のサイレンなんですよ。パトカーマニアな人だったら、気付いてもらえるかも知れません。あの音を作っていた当時は、やたらサイレンに詳しくなりましたね(笑)。

崎元:大変だったんだね(笑)。

金子:関ヶ原のシーンで登場する公衆電話の音も、プッシュ回線を利用すればちゃんと同じ音が鳴ります(笑)。

――SEといえば、カーソルの移動などのいわゆるシステム音がとても気持ちがよかったのですが、どのように決められたのですか?

金子:システム音はゲーム中に一番聴く音なので、試行錯誤を繰り返していて、最初から最後まで調整し続けていました。これもちょっとした小ネタなんですが、PS4の基本システム音とピッチなどを合わせているんですよ。

崎元:じつは金子は、PS2の起動音を手掛けておりまして……。

――そうなんですか!?

金子:昔の話ですよ。システム音をPS4の基本システム音と合わせる意味は全然ないんですけど、やりたくなっちゃって(笑)。また、最近のゲームではさりげないシステム音も多くありますが、昔ながらのボタンを押したらしっかり反応があるような音が好きなので、本作では耳障りになり過ぎないように、その中間を狙っています。

――“ちょっと昔ながらっぽい音”といえば、バトルパートの敵を撃破したときの爆発音は爽快感があって、プレイしていて気持ちがいいです。

金子:そう思っていただけたのであればうれしいです(笑)。爽快感の話でいうと、例えば100体の敵を倒したら1体倒したときの100倍音が鳴ればいいかというと、そうではないですよね。倒した敵の数によって適切な音が鳴るように調節する作業は、音を作ることとはまた別の話になりますが、大変でした。音が鳴って“うるさい”ではなくて“気持ちいい”にする必要がありますから。それを自動化させる仕組みを作るのは、難易度が高かったですね。好きでやってたんですが(笑)。

――敵のヒット音と爆発音ではまた違いがありますね。

金子:ヒット音に比べて爆発音は、色でたとえると、色数を減らしたような8bit的な音にして、ノイジーな花火のような音にしているんです。ヒット音と組み合わさっても音がにじまず鮮やかに映えるように、結果として全体的な爽快感につながるように調整しました。手探りの結果ですね。

音によって、プレイヤーとキャラクターをつなぐ

――東雲の淀んだ意識のエフェクトなども、いろいろ考えられた結果なのでしょうか?

金子:ボイスのエフェクトに関してはコンセプトというか、やりたいことの方向性は明確にあって、実現方法を試行錯誤しました。東雲のエフェクト以外にもいろいろと仕込みがあります。一例ですが、スタジオで声優さんの声を収録する時は、マイクを近付けて録りますよね。その声が、数メートル離れたところにいるキャラクターから聴こえたら違和感がありませんか? “遠くにいるはずなのに声が近い”という違和感があると、プレイの没入感が損なわれます。だから、今回は会話のセリフすべてに“距離感”を付けました。逆に“クラウドシンク”などの心の声は近い距離の声、つまり“エフェクトがかかっていない素の声”にしてあります。

――すっかりだまされました! 心の声のほうに効果をつけているのだとばかり思っていましたが、逆だったんですね。

金子:だまされていただけたのなら「よっしゃ!」って感じですね(笑)。本作は“考えること”が重要なゲームなので、キャラクターとプレイヤーの感覚を近づけたかったんです。だから、プレイヤーの頭の中で声が鳴っているような効果を演出しています。通常の会話は周囲に反響しますが、心の声はフラットのまま聞こえるようにしてあります。

――フルボイスが生きていると感じましたが、そんな細かい演出が仕込まれていたとは、驚きました。

自分の手でプレイするからこそ楽しいタイトルに

――本作のなかで、お気に入りのシーンやキャラクターはありますか?

崎元:やはり、各キャラクターの機兵搭乗シーンはグッときますよね。これは金子が選曲しましたが、専用に作った曲ではないものが流れても、すごくハマっているなと思います。キャラクターでいえば、網口はなかなかよかったです。あとはやはり、ずっと見て来たキャラクターとして鞍部でしょうか。なんとなく、彼の視点でストーリーを見ることが多かったような気がします。

金子:鞍部編の歩道橋での機兵起動のシーンはいいですよね。私が好きなキャラクターは東雲です。いろいろな意味で(笑)。自分でもセリフ言いたくなっちゃいます。

――東雲といえば、彼女が薬を取り出す時の音がクセになりますよね。

金子:あんなにたくさん薬を飲むとは思わなかったんですが(笑)。あの音は某健康サプリの音をサンプリングしました。床に投げ捨てる音も某健康サプリの瓶を投げる音のサンプリングです。

崎元:わざわざ録ったの!? えこひいきしすぎでしょ!

一同:(笑)。

――最後に、本作でとくにプレイヤーのみなさんに注目してもらいたいところはありますか?

金子:音で演出しすぎると意図しない導線が張られてしまうので、過剰なことはしていない点でしょうか。

崎元:そこはかとなくわかるように、でも音とゲームがせめぎ合うよう、細かいさじ加減で成り立っていると思います。もちろん音的にさまざまな仕掛けを入れ込んでありますが、そこは重要ではなく、ゲームをプレイしていてどう感じるか、もっとのめり込めるように、ベイシスケイプの全員があの手この手を尽くしました。みなさんはこのゲームは一体どういったゲームなのか、発売までさっぱりわからなかったと思います。で、実際にリリースされて、プレイ動画を見ても依然よく判らずモヤモヤしますよね。なのでぜひ自分の手でプレイしてもらいたいです。そしてゲーム中のあらゆる情報に揉まれて、没入していただければうれしいです。

――ありがとうございました!

『十三機兵防衛圏』インタビュー

『十三機兵』『ドラクラ』のサントラCDが登場!

 ベイシスケイプが手掛けた『十三機兵防衛圏』のサウンドトラックCDが2月27日に登場! さらに、同じくヴァニラウェア×ベイシスケイプによるファンタジーアクションRPG『ドラゴンズクラウン・プロ』のサウンドトラックCDも同時発売されます。ともにebten専売商品で、木田恵美可氏(『ドラゴンズクラウン・プロ』)と平井有紀子氏(『十三機兵防衛圏』)描き下ろしのジャケット絵が使用されているので、お見逃しなく!!

十三機兵防衛圏 オリジナル・サウンドトラック(ebten専売商品)

●発売日:2月27日(同日デジタル配信)
●定価:¥4,000(+税)
●レーベル:ベイシスケイプレコーズ
●仕様:CD4枚組・全83曲(予定)

ドラゴンズクラウン・プロ オリジナル・サウンドトラック(ebten専売商品)

●発売日:2月27日(同日デジタル配信)
●定価:¥3,200(+税)
●レーベル:ベイシスケイプレコーズ
●仕様:CD3枚組・全57曲

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十三機兵防衛圏

  • メーカー: アトラス
  • 対応機種: PS4
  • ジャンル: ADV
  • 発売日: 2019年11月28日
  • 希望小売価格: 8,980円+税

十三機兵防衛圏 プレミアムボックス

  • メーカー: アトラス
  • 対応機種: PS4
  • ジャンル: ADV
  • 発売日: 2019年11月28日
  • 希望小売価格: 14,980円+税