【BitSummit】学生作品、フリーゲーム…個人的にほしい逸品! 会場で気になった作品を紹介 2日目1/3【電撃PS】

まさん
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 2019年6月1日(土)と6月2日(日)の2日間にかけて、京都勧業館・みやこめっせで開催されている日本最大のインディゲームイベント『BitSummit 7 Spirits』。

 1日目に引き続き、電撃PlayStation編集部のインディゲーム担当ライターのまさんが、2日目の会場内で気になった注目のタイトルを紹介します。

会場で気になった作品のピックアップ紹介

  • ▲会場の外には、初回から現在までに行われた歴代ビットサミットのポスターが飾ってありました。取材をはじめてもう7年……時が経つのは早いですね……。

 さてさて、2日目1発目となる今回のテーマは“商業じゃないもの”。趣味で作られたフリーゲームから学生たちが集まって作られた作品まで、バリエーション豊かなタイトルを取り上げていきますよ!

『30minutes Night Flight』


ハイクオリティ”趣味”作品! 幻想的な雰囲気のダンジョンRPG

 まず、最初のタイトルはかわいらしい絵柄で注目を集めていた17というサークルの作品。もともとゲーム畑ではない人たちが、趣味で作っているという『RPGツクールMV』製のRPGです。グラフィックだけでも注目を集めていたのですが、これがなかなかよくできているのです。

 ゲームは、ローグライクのように1歩ずつ移動しながらアイテムを拾い、拾ったアイテムを使って戦っていく……だけのゲームではありません。倒した敵(パペット)を仲間にして、彼らのスキルを使いながら戦うことが重要になっています。

 同じ種類のパペットは仲間にならず、敵に倒されると復活もしません。その代わり、また戦闘で倒せば仲間になる仕組みです。使い捨てのようで使い捨てではない、ちょっと変わったシステムですね。

 それから特筆すべきなのがBGM。開発の方たちは音楽もウリですとおっしゃっていたのですが、体験できた範囲だけでもコミカルでちょっと怪しげな戦闘曲がすごく耳に残りました。

 なお、このゲームはお金を取らず、フリーゲームとしてSteamなどで配信したいとのこと。日本ではフリーゲームの文化が盛んですが、こういうゲームがタダで遊べちゃうのはスゴいですよ!

『わ~きんぐでっど』


ゾンビを採用してハイスコアをゲット……何を言ってるのかよくわからない!!

 毎年、東京ゲームショウやビットサミットで密かに注目しているのが学生ブース。商業作品ではないのでメディアはスルーしがちなのですが、じつはこれがなかなかに侮れないんですよ。

 というわけで、2本目は京都コンピュータ学院&京都造形芸術大学キャラクターデザイン学科が作ったゾンビ落ち物パズル……ではありませんでした。周囲にいた女性たちにルールを聞くと、ちょっと変わった……いや、かなり変わったゲームだったのです。

 このゲームは、新入社員の合格通知を当てて良いゾンビを採用するという内容。悪いゾンビに不合格通知を当てると落ちたショックで暴れ出し、ゾンビたちの位置が動きます。それを利用して、うまく合格通知を採用したいゾンビに当てながら高得点を目指すそうです。なるほど。なるほどなるほど。

 可哀そうに、まだ若くて美しいのに……。ボクは説明を聞いて、開発したお姉さんたちがおかしくなってしまったのだと思いました。ビットサミットは長時間、ずっと立っていると頭が壊れてしまうのも仕方がないというものです。え、違うの? そういうルールなの? どういうこと!?

 実際に遊んでみると、確かにお姉さんたちが言ったルール以外に説明の仕様がない……。でも、これが結構おもしろいんですよ。あっちこっちにランダムで飛び跳ねる不合格ゾンビが合格ゾンビを蹴り上げたりするので、そこにすかさず採用通知を落とす。謎過ぎるゲームですが、なかなか高得点を狙おうとすると難しい! 一番点数の高い黄色いゾンビが上に跳ね上がるのを待って……と、真剣に遊んでしまいました。

 結果は昇給。これは合格点に到達してクリアできた証だとか。いやー、変なゲームだけど好きですね。でも、ゾンビを採用するような会社って、絶対に飲食店とかやっちゃダメなタイプなのでは……?

『スラッジウィッチ』


強化してコマンドを使って大ダメージ! STG+コマンドRPG!?

 会場でプレイして個人的に気に入ったのが、ゲームを作りたい専門学校生が集まって出来た同人サークル・チームヨタバイトによる本作。紫色を多く取り入れた独特のグラフィックと、独自のルールが光る作品です。

 というか、最初は独特過ぎて向こうも説明しづらかったらしく、遊び始めた当初はよくわからなかったんですよ。やけに敵が硬いシューティングだと思っていたら、そうじゃなかったのです。このゲームで重要なのはコマンドだったのです。

 このゲームでは一定のタイミングでゲージがたまり、ゲージがたまったときだけコマンド選択画面を呼び出せます。コマンド選択画面中は時間が止まり、その間にMPを使ってスキルを使用したり、パッシブスキルを強化したりといったパワーアップが可能になります。

 強化に必要なMPはザコを攻撃していくとたまるのですが、最初は雑魚も全然倒せなかった主人公が強化するとどんどん強くなっていくんですよ。これがたまらない!

 しょぼいダメージだった主人公が、攻撃力アップスキルとパッシブスキルの効果でガリガリとボスの体力を削っていくのは爽快感があります。ボスの魔女は、ザコを倒していくと出現するので出現したときを狙ってコマンドを選択。ガガガガッと撃っていく感じですね。合計3体の魔女を倒すとゲームクリアなのですが、最後まで楽しめました。

 というわけで、あまりに楽しかったのでその場にいた開発メンバーにお話をうかがってみることにしました。

──この作品は、どういった経緯で制作されたのでしょうか?

開発:もともとはゲームを作っている学生たちで集まって、1つのゲームを作ろうという話でチームを組んだのがきっかけでした。Twitterで告知して、そこに賛同して集まったのが今のメンバーになります。

 学校内でも募集していて、学年を問わず先輩後輩で一緒に作ろうということで作ったのがこのゲームですね。基本的には、ボクたち以外の1つ上の先輩方。今は卒業学年の4年生なのですが、その先輩方と一緒に作った作品になっています。

──卒業制作のような作品なのですか?

開発:いえ、どちらかというと、サブで動いていた作品です。ボクらは学校でも制作があるので、とくに卒業制作を目標にしたわけではなかったですね。

──たとえば、フリーゲームのサイトなどで配信する予定などはあるのでしょうか?

開発:とくに考えてはいないです。まだ、ほかのメンバーと話し合ってはいないのですが、配信はするかもしれないですね。まだ、確定ではないです。

『ネトオフ』



ネトゲと現実、両方のパートで物語が進む現代的なクリックRPG

 ラストは、カラメルカラムのポップなRPGをご紹介。『ALTER EGO』というゲームを出している会社で、スマホのインディゲーム好きの間で話題を呼んでいたチームです。今回は、ポップな感じのゲームでビットサミットに参戦。

 タップで物語を進めたり戦闘を行うスマホ向けのRPGなのですが、特徴的なのがいわゆるメニュー画面的なパートは現実。戦闘を行うパートはネトゲの中という設定。


 モノクロで描かれた現実世界は頭身などもリアルなキャラに。ネトゲの世界はポップなデザインと、見た目からガラっと変わるようになっています。当然ながら、ネトゲなので中身が男性の女子キャラなどがいたり、リアルとネットで全然違うんですよ。

 彼らが現実でオフ会をして、ネットで共闘して、2つのパートで物語が進んでいく。単純にキャラクターも立っているので、先が見たくなるゲームになっていました。

 また、戦闘中に仲間たちとチャットを行うシステムがあるなど、ネトゲパートのほうもある意味リアル。ちなみに、基本無料で配信予定とのことですが、課金する要素を考えていなかったという衝撃の発言も。確かにキャラをガチャで増やすようなゲームでもないですし、買い切りのゲームみたいな印象も受けました。良さげなゲームなので、ぜひうまい形のマネタイズ方法を見つけてリリースしてもらいたいですね。



 というわけで、だんだん自由になってきたレポート2日目はいったんここまで。まだまだ続くので、会場に行けなかった人も、自分が遊びきれなかった作品が気になる人も要チェックですよ!

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