電撃PlayStation

【BitSummit】楽しければ言語の壁は無問題。海外インディー作品! 会場で気になった作品を紹介 2日目2/3【電撃PS】

まさん
公開日時

 2019年6月1日(土)と6月2日(日)の2日間にかけて、京都勧業館・みやこめっせで開催された日本最大のインディゲームイベント『BitSummit 7 Spirits』。このイベントでは、国内のゲームから海外の人気作まで、国際色豊かな作品が遊べました。

 大手のブースはもちろん、小さな個人ブースまでまったく見逃せないラインナップとなった今回のイベント。引き続き、電撃PlayStation編集部のインディゲーム担当ライターのまさんが、会場内で気になった注目のタイトルを紹介していきます。

会場で気になった作品のピックアップ紹介

  • ▲今年は、例年よりも多様性のある作品の選定が特徴的でした。国内のゲームを推すだけにとどまらず、アジアや南米など各国の専用ブースも見どころ満載! メキシコブースには、自分が個人的に好きな作品『Pato Box』がありました。買って遊んでね。

 Bitsummitといえば日本のインディゲームですが、今年は目移りしてしまうくらい海外の作品も興味深いものばかり。すべてチェックすることはできなかったのですが、触れたなかでインパクトが強かった作品を取り上げていきたいと思います。

『TRICK ART DUNGEON』



目の錯覚から道が開ける! 発想の勝利なパズルダンジョン

 今回、とくに存在感を放っていたのがアジア。中国、台湾、韓国の作品が専用ブースに設けられ、日本のゲームとは違った魅力を見せていました。そんななか、韓国のブースからちょっとはずれたところにあったのがこの作品。タイトル通りトリックアートをテーマにしたパズルゲームです。

 不思議な世界に迷い込んだ子どもの冒険をローポリゴン風のグラフィックで描き、見た目から怪しい雰囲気で、思わず引き付けられてしまったんですよ。遊んでみると、非常に独特なルールながら、仕掛けが新しくてうなってしまいました。確かにトリックアート。仕掛けを動かし、視点を変えることで謎が解けていくのがとてもユニークなんです。

  • ▲エジプト神話に出てくるアヌビスのような怪物が出現。さらに、このままだと通路が途切れているので先に進めません。
  • ▲視点が90度変わると、じつは壁に描かれていた絵だったということに! 途切れていたはずの通路もくっついて先に進めるようになりました。

 錯視を使って通路や橋をつなぎ、現実では絶対ありえないような視点から移動する。頭を柔軟にしないと先へ進めないゲームですがパズルとして新しく、とても興味深い作品でした。Bitsummit終了後にGoogle playの有料(iOS版は審査終了次第)で販売を開始したようなので、ぜひ遊んでみてください!

 ちなみに、韓国系のゲームはほかにも先ほどお話しした韓国ブースに4本。釜山インディコネクトフェスティバル組織委員会という韓国のゲームイベントから出展されているだけあって、きちんと遊べる作品がそろっていました。

  • ▲生き返るために選択を繰り返す述べるアドベンチャー『7DAS』。選択次第で最初に出会う仲間が変わるようです。ちゃんと日本語で遊べます。

 時間の関係上すべてを深く遊び込むことはできなかったのですが、各国の専用ブースは国ごとの特色が出ていて、すごく多国籍のお祭りという感じがしました。来年は3日やって欲しい……回り切れない……。

 

『CHRONO SWORD』



戦士の技を学んで強くなる! 時間旅行がテーマの2D系ソウルライク作品

 韓国ブースの手前にあったのが、21c Ducksの『CHRONO SWORD』。じつは、インディゲームでは最近『ダークソウル』に影響を受けたアクションがビックリするほど出ていて、本当にストアが『ダークソウル』っぽいものだらけだったりします。3Dでそのまんまなものも多いのですが、本作はソウルライクながらも2Dという違うアプローチをした作品。

 主人公の女性を操作して、斜め見降ろしの視点で戦っていくアクションアドベンチャーになっています。美しくも細かいアニメーション。一撃の重さ。攻撃、回避、防御を駆使して戦うゲーム性など、ソウルライクと2Dアクションがうまく融合している印象ですね。


 道中で拾える戦士たちの「戦闘技術」を習得することで、新たなアクションを習得。位置や状況に応じて派生アクションが発動し、ボタン連打でもカッコ良く戦えたりします。発売はまだまだ先のようですが、なかなか楽しみな1本です。

『STAR RENEGADARS』



的確な対応と戦略で惑星を救え! 情け容赦ない戦いにシビれるSF物

 アジアが続いたので、ここで一気にお国を変えましょう。本作は、カナダのトロントからやってきたローグライクSF・RPGです。まず、ひと目見てグラフィックにほれました。緻密なドット絵がヌルヌル動いている! 

 それだけで遊びたくなったのですが、動かしてみるとじつはローグライクで二度ビックリ。RPGの全体マップにしか見えないマップですが、キャラを動かしてみるとターン性で敵も動きます。適当にウロウロしていると味方の基地が砲撃されてしまったりするので、的確に行動するというローグライクな感じが新鮮です。

 そして何より戦闘が楽しい。画面下のタイムラインに沿って行動するシステムなのですが、敵が強いんですよ。本作ではHPとシールドHPがあるのですが、シールドが破壊されると即死するくらい敵の攻撃が強いので、うまくシールドを維持しつつ倒す必要があります。カウンターや相手の行動を呼んで防御したり、戦闘の1戦1戦が手に汗握るボス戦。
 
 遊んだ範囲では、戦闘自体がそれほど頻繁に発生しないからこそ、ガッツリ戦略を練らせるようになっていると感じました。個人的に発売されたら買いたいですね。リリースは2020年なので、まだまだ先ですが……。

『VIRGO VERSUS THE ZODIAC』



個人的に待ってた作品がBitsummitに! 見た目はかわいく歯ごたえたっぷりのRPG

 DEGICAブースにあったこの作品は、ブラジルのクリエイターが制作した8ビット風のカワイイRPGです。ドット絵の愛くるしさで、小さい子どもたちもモニターにくぎ付けになっていたのが印象的でしたね。

 本作は主人公のヴァーゴが、十二星座を支配する王たちに戦いを挑むという物語になっており、会場ではしし座の「レオ」で起きる戦いを体験できました。ファミコンのRPGのようなフィールド移動。少女向けアニメのような戦闘画面。華やかで素敵なゲームです。

 しかし、見た目はキュートでもバトルは全然甘くない! 本作のバトルはガチガチのQTEバトル。攻撃を選択したあとに、特定のタイミングでゲージを止めたり、ボタンを押してQTEを成功させることで大ダメージを与えられるというシステムになっています。とくに重要なのが防御のQTE。敵の攻撃に対してQTEを成功させるとカウンター攻撃のターンが発動。

 このように単純な手数が増えるだけではなく、カウンターのターン専用の特殊攻撃が繰り出せます。相手のHPを吸収したり、カウンターを駆使して戦うことがカギを握るようですね。仲間も増えたところで敵の猛攻に勝てず力尽きてしまいましたが、なかなか手に汗握るバトルが楽しめそうです。というか、体験できる範囲ではQTEをしっかり成功させないとボコボコになりました。製品版では回復アイテムを入手しやすいといいな……。

 なお、前々から気になっていたゲームでもあったので、今回は開発を担当したNanaさんと、Anglermanさんにお話をうかがってみました。

──QTEを使ったバトルが特徴的ですが、どういった部分から着想を得られたのでしょうか?

Nana:『マリオ&ルイージRPG』を遊んだときに似たようなシステムがあったのですが、そこまで細かくはなかったんです。もっと細かいバトルにしたくて、今回のシステムを作っています。

──展示されていたバージョンはしし座のレオとコロシアムで戦っていく内容でしたが、製品版ではもっといろいろなところを冒険するRPGになっていくのでしょうか?

Anglerman:はい、そうです。ほかのキャラも全員星座です。敵は星座の数だけ存在していますが、舞台となるのは8種類の違うエリアで、そこをヴァ―ゴが旅することになります。エリアによっては、星座のテーマがデザインとなっている場所もあります。

──現在の完成度的にはどれくらいですか?

Nana:英語版で65%くらいです。日本語ローカライズは、そのあとになります(補足:パブリッシャーのDegicaさんによると今年の秋を目標にしているとのこと)。

──日本のユーザーに見て欲しい部分やアピールしたいポイントを教えてください。

Nana:主人公は、少し変わった性格で、プレイヤーの選択しだいで彼女の行動が変わっていくところを見て欲しいです。もちろん、戦闘もおもしろいので、楽しみにしてください!

 ちなみに、自分はクラウドファンディングで見たときから日本語化が楽しみだったのですが、Degicaさんによると最初のバージョンを遊んですぐに日本語化したいと接触したそうです。最初のバージョンは『RPGツクールMV』で作られていて、今は『Game Maker Studio2』で制作されているとのことでした。

 ほかにも、まだまだ海外のゲームは盛りだくさん! 自分が2人いないと遊びきれません。アレもやりたかった。コレもやりたかった……。


  • ▲中国のゲームショーからも、さまざまなタイトルが出展。自分が遊んだ『HAAK』は、電気を飛ばして攻撃したりハッキングしたりしながら進んでいくメトロイドヴァニアと呼ばれるジャンルのゲームでした。

  • ▲変なモンスターたちと一緒にガーデンを育てていく『Monster Garden』。海外アニメを見ているようなテキストが独特で、行動次第で仲間になるモンスターも変化します。すごく変わったゲームとしか言いようのないオリジナリティのある世界観でした。

 いろいろなタイトルが楽しめたBitsummit。来年はおそらくもっと大規模になることが予想されます。ぜひ、遊びに来てください! と、なんだか締めの言葉みたいですが、あと1本レポートがあるのでお楽しみに!!

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