レイナを育てたヴィルヘルム・グリム【グリムノーツ最終考察＃3_1】

　スクウェア・エニックスのiOS/Android用アプリ『グリムノーツ Repage（リ・ページ）』の物語がいよいよ完結します。

　その物語をより楽しめるよう、ストーリーの流れをまとめつつ、物語の背景を読み解く考察記事をお届けします。

※本記事内には物語のネタバレを含む表現がありますので、ご注意ください。

ヴィルヘルム・グリム（声優：木村良平）について

　グリム兄弟の次男であるヴィルヘルム・グリムは、かつて赤ん坊だったレイナを保護し、追手から守りながら育てた人物である。

　レイナの力を用いて、白雪姫の想区を模倣する形で“箱庭の王国”を作り、レイナが“調律”の力を使いこなせるようにうながした“おじいさま”こそ、実はヴィルヘルム・グリムだった。

　そんな彼がなぜ命を落としたのかは、15想区（白雪姫の想区）で語られている。幼いレイナが自分のなかのイマジン（マキナ・プリンス）の力を暴走させてしまった際、“調律”のために力を使ったことで、ヴィルヘルムの肉体は消滅してしまったのである。
（なお、なぜヴィルヘルムの肉体（空白のホムンクルス）がヤーコプなどと比べて激しく老化していたのは、それだけ力を酷使していたからである）

　そしてその魂は、レイナが持つ“箱庭の王国”にひそかに宿っていた。いわば番人として、レイナのイマジン（マキナ＝プリンス）を通じて、レイナの“調律”の力を制御し、導くために。

　なお、21想区（万象の想区）ではルートヴィッヒらの力を借りて、夢の中でレイナに激励の言葉をかける場面があったが、その際は青年の姿だったため、老人姿のヴィルヘルムしか知らないレイナは、誰だかわかっていないようだった。
（「とても懐かしい感じがする…」と、その絆の強さを感じさせる言葉はあったが）

　その後、モリガンとの最終決戦の際には“箱庭の王国”から出て、あらためてレイナに青年時代の姿を見せることになった。これは、モリガンがレイナのイマジン（マキナ＝プリンス）を消滅させたため、ヴィルヘルムが番人としての役目から解放されたことも一因となっている。

　そして、レイナがモリガンに勝利したことを見届けたのち、消滅した。レイナは「ずっとそばにいたんだから、また『箱庭の王国』のなかに戻ってきてくれても…！」と願ったが、ヴィルヘルムは「レイナ、いまの君はもう自分が歩く先がどこにあるか知ってるはずだよ」と、“箱庭の王国”に戻ることはなかった。

　その後、『リ・ページ』の15想区（グリムノーツの想区）ではドロテア・フィーマンの力で蘇ることになるが、ドロテア・フィーマンは力を使い果たし、ヴィルヘルムの胸の中で消滅してしまった。

かつてエレナが見たヴィルヘルムの記憶

　『リ・ページ』の4想区（眠れる森の美女の想区）では、かつてエレナが旅の途中で見たヴィルヘルム・グリムとシャルル・ペローの交わした会話が描かれている。

　そこではシャルル・ペローが「だからこそ許せない。吾輩が残した物語を、勝手に書き換えた貴様らのことがな！」とグリム兄弟（ヤーコプとヴィルヘルム）に激怒する一方、ヴィルヘルムは「でも、物語は時代によって変わるもの。そもそもあなただって、昔話を脚色していたじゃないですか」と、シャルル・ペローがシンデレラや赤ずきんなどの物語を脚色したことを返している。

　ちなみにそんななか、ヤーコプは自分が呼び出した長靴をはいた猫のイマジンの長靴を見て感心していた。

　長靴をはいた猫を生み出したのはシャルル・ペローだが、ヤーコプも『長靴をはいた猫』を編纂しようとしたことがあったので、彼も長靴をはいた猫のイマジンを呼び出せたようだ。

　これについてシャルル・ペローは、「ふざけるなよ！　それは吾輩の猫だぞ！　吾輩のイマジンだぞ、返せ！」と立腹していた。

　ちなみに、この議論の続きは7想区（アンデルセン童話の想区）で描かれている。

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