アンデルセンと“おほしさま”とエレナ【グリムノーツ最終考察13_2】
- 文
- そみん
- 公開日時
スクウェア・エニックスのiOS/Android用アプリ『グリムノーツ Repage(リ・ページ)』の物語がいよいよ完結します。
その物語をより楽しめるよう、ストーリーの流れをまとめつつ、物語の背景を読み解く考察記事をお届けします。
※本記事内には物語のネタバレを含む表現がありますので、ご注意ください。
グリムノーツメンバーが見たアンデルセンの性格
シャルル・ペローによると、グリムノーツとして旅していた時代のアンデルセンは空気が読めず、協調性にとぼしかったようだ。
そんな彼と気が合ったのは、語り部の兄弟(ヤーコプとヴィルヘルム)くらいだったという。
なお、アンデルセンは突如姿を消してグリムノーツから離れたが、シャルル・ペローが最後に会った際には「究極の語り部とはなにか?」ということを模索していたという。
おそらくはそのころからすでにアンデルセンは、創造主がこの世界に召喚されてコネクトされた意味や、意味消失現象を食い止めるために作られた“世界の在り方”に勘づいていたのではないだろうか。
アンデルセンと“おほしさま”とエレナ
『リ・ページ』の7想区(アンデルセン童話の想区)の冒頭では、かつてグリムノーツと旅した際のエレナとアンデルセンの思い出が語られている。
(ちなみにエレナは、アンデルセンのことを“ハンス”と呼んでいた)
アンデルセンがエレナに物語ったのは、“もみの木”にまつわる“おほしさま”の話。
物語を語るアンデルセンを見て、エレナは(わたしより年上なのに…なんだろう、まるで、わたしより子どもみたい…)という気持ちを抱いている。
大きくなることを求めた“もみの木”は、自分自身の力ではない“おほしさま”を得ることでクリスマスツリーとなり、人々からもてはやされたが、聖夜は終わると“おほしさまを”はじめとした飾りを外され、屋根裏に押し込まれることに。
やがて老木となった“もみの木”はナタをいれられて薪(たきぎ)として燃やされ、彼の最後の宝物=テッペンに戴ていた金箔の貼られたおほしさまは…放り投げられ、子供に踏みつけにされてしまった。
「これで全ておしまい。もみの木もおしまい。おほしさまもおしまい」「おしまい、おしまい、おしまい!」。そんな物語の結末を知ったエレナは号泣してしまう。
それを見たヤーコプは「あれか…あれは、エレナには少し、早すぎたのだろう。彼女は、感受性が豊かだからな」とこぼすが、ヴィルヘルムはエレナに優しく質問をしながら語り掛ける。
「もみの木はね、かわいそうなんかじゃないんだ。彼は恵まれていた、幸福だった。たくさんの友達がいた、子どもたちや動物に囲まれていた、毎日鳥が宿り、さえずりを聞かせてくれていた」
「太陽も風も雲も、彼を思ってくれていた。シラカバのお姫様だって、直ぐ側にいた」
「でも…でも…」
「そう、その全てに、彼は気づけなかった」
「エレナ…覚えておいてくれ。希望を抱くことは大切だ。成長をしたいと願うことは当たり前のことだ。
「だが「きっと」と願うことは、「もっと」と欲することと、同意になってしまうことがある」
「今の幸せに気づけないものが、未来の幸せを夢想したとしても、それに手を伸ばし、掴んだとしても、それを、幸せと気付くことができないんだ。」
「そしてまた、「もっと」と、次を求めてしまう」
「どれだけの幸せに包まれていたとしても、それを幸せと感じることができなければ、不幸と変わらない…」
「エレナ?この物語に涙したのなら、決して忘れないで欲しい」
「君はちゃんと、自分のおほしさまをみつけなさい」
「おほしさま…?」
「金箔でできた、作り物の星じゃない。天の真ん中に輝く、揺るぐことのない不動の星」
「これこそが揺るがぬ、自分の幸せだと、胸を張れるものを、見つけなさい」
「たとえそれを掴むことができなくとも、そこを目指したという事実が、それこそが、人間の幸福なんだ」と。
だが、皮肉なことにモリガンとして成長したエレナは、自分自身が輝く“おほしさま”にはなれず、他の星の光でしか輝くことができない“お月さま”に憑依されることになってしまった。
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グリムノーツ Repage
- メーカー: スクウェア・エニックス
- 対応端末: iOS
- ジャンル: RPG
- 配信日: 2016年1月21日
- 価格: 基本無料/アイテム課金
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- メーカー: スクウェア・エニックス
- 対応端末: Android
- ジャンル: RPG
- 配信日: 2016年1月21日
- 価格: 基本無料/アイテム課金