“影法師”が与えた“みにくいアヒルの子”とインゲルへの救い【グリムノーツ最終考察13_5】

　スクウェア・エニックスのiOS/Android用アプリ『グリムノーツ Repage（リ・ページ）』の物語がいよいよ完結します。

　その物語をより楽しめるよう、ストーリーの流れをまとめつつ、物語の背景を読み解く考察記事をお届けします。

※本記事内には物語のネタバレを含む表現がありますので、ご注意ください。

“影法師”が与えた“みにくいアヒルの子”とインゲルへの救い

　『リ・ページ』の15想区（グリムノーツの想区）にて、“影法師”はデウス・アンデルセンを止めるべく、ドロテア・フィーマンを“グリムノーツの想区”に呼び入れた。

　その際、アンデルセンのイマジンである“みにくいアヒルの子”とインゲル（パンを踏んだ娘）を“希望の子”と呼び、助力を求めている。

　そこでの“影法師”の言葉は、まさに作者から登場人物へと語り掛けるもの。以下、その会話を転載する。

・みにくいアヒルの子
ちっ…

・インゲル
これで出番は終わりか…

・謎の影
いや…

・みにくいアヒルの子
お前…いや…あなたは…？

・謎の影
君たちにはまだ…
やってもらわねばならないことがある。

・インゲル
私たちが…？神に見捨てられた、
私みたいな女に、まだなにがあるっていうのよ？

・謎の影
インゲル…君は高慢の罪を犯し、
神の怒りに触れ、地獄に落とされた。

・インゲル
ええ、そうよ…そのまま永劫に苦しむのが、
私の運命…

・謎の影
違う。

君は地獄で苦しみの時を生きる。
だが、一人だけ、君に救いの手を
伸ばす者が現れるのだ。

・インゲル
私に…？私なんかに…？

・謎の影
君と同じ、インゲルの名を持つ少女だ。

君が地獄に落ちたところを、たまたま、
一人の牛飼いが見ていた。

誰もが「愚かなインゲル」と嘲笑う中、
彼女だけは、君の苦しみを思い、
悲しみの涙を流し、君のために祈った。

彼女はただ、君を哀れんだのではない。
人は誰しも、時に間違いを犯す。
人の思いに気付けない時もある。

同じインゲルの名を持つ少女は、
「自分だって同じことをしたかもしれない」と、
君の高慢すら、理解したのだ。

その祈りは天に通じ、君は解放される。
救済の機会を与えられる。

灰色の鳥となり、小鳥たちのために、
パンくずを拾い集めるのだ。

そのパンくずが、かつて踏んだパンと同じ
量になった時、君の罪は許される。

そして、美しき白い羽根と、
美しい鳴き声を得て、人々に、
献身と博愛の尊さを伝える存在となるのだ。

・インゲル
私が…私がそんな運命を…？

・みにくいアヒルの子
悪くないじゃないか…そうか、
僕と君は案外似ているのかもしれないな。

僕はね…周りと違う姿形で生まれて、
ずっと誰からも理解されなかった。

ずっと一人ぼっち…もう死んじゃおうかなって、
それで、白鳥たちに近づいた。

・インゲル
そうだったの…？

・みにくいアヒルの子
彼らは気性が荒くてねぇ…だから、
醜い僕が近づいたら、きっと殺される…
殺してくれる…そう思った。

そしたら自分が白鳥だと知った。
驚いたよ、世界が変わった。

「みにくいアヒルの子」なんていないんだ。
みんな、それぞれ、自分に相応しき場がある。
ただそれに気づかないだけなんだ。

・謎の影
そうだ…君たちは…絶望を味わう…
苦しみを味わう…だが最後に、
救いを、希望を見つける。

君たちは希望の子なのだ。
どんな闇の中にも、必ず光は差し込む、
そう願って、ぼくは君たちを創った。

だからその力を貸してほしい。
君たちの救いの力を貸してほしいんだ。

・みにくいアヒルの子
僕たちに…なにをしろと言うんだ？

・謎の影
この想区は、壁が覆っている。
“アンデルセン”の力の壁だ。

“イソップ”の力では、
その壁を越えることはできない。

でも、君たちなら…同じ、
“アンデルセン”の物語の存在である
君たちならば…！

ほんの少し…人一人が通り抜けられる
程度でも、隙間を作れるはずなんだ。

頼む…どうか、救いの光を、
彼らにも差し込ませてほしいんだ。

・インゲル
ふっ…地獄に落ちた私が、
誰かを救う、か…

・みにくいアヒルの子
だけど、悪くない…僕らの白き翼は、
光を浴びてこそ美しく輝く！

・謎の影
ありがとう…！

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