『ロマサガ』づくしのオーケストラ! 聞きごたえ満点の“ロマンシング サガ オーケストラ祭(フェス)”をレポート!

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 昨年11月にPlayStation 4やNintendo Switchなどで配信された『ロマンシング サ・ガ3』や、iOS/Androidで好評配信中の『ロマンシング サガ リ・ユニバース』など、『ロマンシング サガ』シリーズが活気を見せているなか行われた“ロマンシング サガ オーケストラ祭(フェス)”。

 『ロマンシング サガ』シリーズのみにテーマを絞った本コンサートは、東京池袋にある東京芸術劇場にて、2月16日(日)昼夜2公演で開催された。ここでは、“ロマサガ”感で熱気に満ちた会場の様子をレポートしていこう。

 “サガ”シリーズのオーケストラコンサートは、これまでも何度か開催されたが、“ロマンシング サガ”シリーズにしぼったものは今回が初となる。

 コンサートは1部と2部で構成。まずは『ロマンシング サ・ガ』より“オーバチュア ~ オープニングタイトル”。オーケストラらしい、深みのある音色が奏でられ、まずは序章といった雰囲気。静かにスタートし、徐々に高まっていく……まさに“ロマサガ”の冒険を始めたような感覚を感じさせられた。

 オープニングを演奏したところで、司会・進行を務めるタレントの結さんと、“サガ”シリーズの作曲でおなじみのイトケンさんこと伊藤賢治氏が登壇。20代前半のころからかかわってきた“サガ”シリーズとの縁も、今年で30年!

 伊藤氏の作曲家生活も2020年3月で30周年を迎えるという年に開催された“ロマンシング サガ オーケストラ祭(フェス)”。節目となるこのとき、このタイミングに、オーケストラで奏でる“ロマンシング サガ”の魅力に、来場者したファンはもちろん、伊藤氏の期待も高まるばかりのようだった。

 続いての曲は“迷いの森 ~ 下水道 メドレー”へ。曲名から受ける印象とは大きく異なる“下水道”は、ファンも納得のライブ定番のダンジョン曲であり、迫力の音が奏でられた。ファンにとってはおなじみの“下水道”だが、オーケストラアレンジされるのは今回が初とのこと! 続く“バトル1 ~バトル2 メドレー”は、バトル曲なだけにカッコよく、いやがおうにも盛り上がりを感じさせられた。

 4曲目からは『ロマンシング サ・ガ2』の楽曲へ。せつなさを感じる“遥なる戦いの詩”、厳かなパレード曲のような“帝都アバロン ~ 皇帝出陣 メドレー”、そして七英雄との激しいバトルを盛り上げる“バトル1 ~ 七英雄バトル メドレー”。そして『ロマンシング サ・ガ3』へ!

 怪しげな雰囲気をかもし出す“プロローグ~死食の脅威”、フィールドを軽快に歩くかのような“フィールド ~ バトル1 メドレー”、そして『ロマンシング サガ3』でも印象深い“アビスゲート ~ 四魔貴族バトル1 ~ 四魔貴族バトル2 メドレー”。激しくもカッコよく、第1部の演奏を締めくくった。

 15分のインターバルのあと、第2部へ。『ロマンシング サガ ミンストレルソング』の楽曲から始まります。“オーバーチュア”は、まさに“ミンストレルソング”らしさを感じさせる曲。続く“巨人の里 ~ 邪聖の旋律 メドレー”では、ステージ上に備え付けられたパイプオルガンを使っての演奏に!

 独特の音色が奏でられ、演奏に深みを与えます。そして決戦の前、静かななかに奮い立つような闘志を感じる演奏から、一気にクライマックスへと向かう“最終試練 ~ 死への招待状 メドレー”。第2部も華やかで迫力のある楽曲の数々が、会場に響き渡ります。

 続いては、舞台『SaGa THE STAGE ~七英雄の帰還~』の楽曲へ。“クイーン誕生 ~ オープニングアウト”は、疾走感があるテンポのいい楽曲から、バイオリンとピアノの演奏が“はかなさ”を演出する展開へ! “テンプテーション -RS Version-”では、ヴァイオリンソリストの真部裕氏がゲスト奏者として加わり、ヴァイオリンの音色がオシャレな印象の楽曲を奏でます。そして“愛の歌 ~ 満ち足りた二人:ノエルとオアイーブ”は、優雅であり、美しさを感じさせらる楽曲。舞台ならではの楽曲の数々に、来場者も酔いしれているよう。

 コンサートもいよいよフィナーレへ。ラストを飾る楽曲は『ロマンシング サガ リ・ユニバース』より。迫力のある“侯国の旗のもとに”のあと、再びヴァイオリンソリストの真部氏が登場しての“頂を目指して ~ Grave Battle メドレー”。真部氏のヴァイオリンも加わっての生のオーケストラコンサートは、さらに臨場感を感じさせられるものに! 最後は“再生の絆~Re;univerSe~”。静けさのなかに荘厳さを感じる楽曲は、まさにラストを飾るにふさわしい盛り上がりを感じさせてくれました。

 盛大な拍手のなか、アンコールは『ロマンシング サ・ガ1、2、3』より、“最終決戦! -ラストバトルメドレー from ロマンシング サ・ガ1~3-”、そして『ロマンシング サ・ガ3』より“エンドタイトル”の2曲が演奏。激しく疾走感のある最終決戦のメドレー、そして伊藤氏自らがピアノとして参加しての“エンドタイトル”は、“ロマンシング サガ”らしさを満喫できる、かろやかで高まりのあるものとなり、今回のオーケストラコンサートのオーラスをかざった。

 アンコール前には“サガ”シリーズディレクターの河津秋敏氏もステージに! 河津氏からは、今年も舞台を行い、『ミンストレルソング』をベースにしたストーリーになるとの告知、そして新作も楽しみにしていてほしいとの言葉も! オーケストラでありながら、“ロマンシング サガ”らしさも十二分に感じさせられた“ロマンシング サガ オーケストラフ祭(フェス)”は、鳴りやまない拍手のなか、幕を閉じることとなった。

 コンサート終了後、河津氏、伊藤氏、そして『ロマンシング サガ リ・ユニバース』などを手掛ける市川雅統氏らから、ひと言ずつコメントをもらった。

市川雅統氏:「前回のオーケストラとはまた違ったアレンジ。メドレーが少なめで、そのぶんじっくりと楽曲を聞くことができたように思います。オーケストラの奥深さをあらためて感じることができたとともに、“ロマサガ”を体現できていたように思えます」。

河津秋敏氏:「今回は非常に聞きやすかったように思います。バトルが中心だったりすると緊張感を感じることもあるが、今回は柔らかい感じで、じっくり聞くことができました」。

伊藤賢治氏:「みっちりとしたプログラムで、個人的にはしゃべりたりなかったのが心残り(笑)。1つのオーケストラの形を残せたのではないかと思います」。また、アンコールの“再生の絆~Re;univerSe~”に、ピアノとして参加した伊藤氏。そのときの感想をうかがうと「こういった形での参加は久しぶりでした。それにしてもトリは緊張します(笑)。MCは結さんもいて気楽にできましたが、最後は気が抜けないプログラムに(笑)。オーケストラの皆さんが私に合わせてくれているという“ありがたさ”を感じつつ、演奏もしやすく、よかったです」とのコメントも。

 今年で30周年を迎えた“サガ”シリーズを盛り上げるイベントの1つとなった“ロマンシング サガ オーケストラフ祭(フェス)”。新たな舞台や新作など、“サガ”のさらなる展開にも期待が高まる。

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Photo by Shinjiro Yamada

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