AC『ガンダム 戦場の絆II』開発の経緯は!? 14年の伝説を受け継ぐ塚田夢人Pインタビュー!

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 2月8日(土)に行われたジャパンアミューズメントエキスポ2020(JAEPO2020)のバンダイナムコアミューズメントブースにて『機動戦士ガンダム 戦場の絆(以下、戦場の絆)』SPECIAL STAGEにて、アーケード向け対戦チームアクション『機動戦士ガンダム 戦場の絆II』の制作が発表されました。

 2006年に大型のドームスクリーン筐体を使用したアーケードゲームとして稼働した『戦場の絆』。モビルスーツのコクピットに乗り込んで、実際にガンダムやザクと相対するような臨場感を体験できる本作は、14年を経た今でも現役で稼働を続け、多くのプレイヤーから愛され続けている。そんなタイトルの正統続編を14年の時を経た今、なぜ制作することになったのだろうか? 『機動戦士ガンダム 戦場の絆II』のプロデューサーを務める塚田夢人氏に、制作の裏側や、続編にかける想いなどをうかがってみた。

『戦場の絆II』発表の反響、システムや筐体について

――JAEPO2020の会場にて『戦場の絆II』を発表されたわけですが、プレイヤーさんからの反応はいかがでしたか?

 会場では大きな拍手をいただき、14年にわたる『戦場の絆』というコンテンツに対するプレイヤーのみなさんの熱量を感じることができました。また、発表と同時に公式ツイッターアカウントのほうも開設させていただきましたが、ありがたいことに多くのリツイートや反響をいただいております。

 そうした声に応えられるように、僕たちもがんばらないといけないと、あらためて気持ちを引きしめたというのが率直な感想ですね。

――このタイミングで『戦場の絆II』を開発することになった経緯を教えてください。

 初代『戦場の絆』が現役で稼働を続けていますが、時代に合わせながらアップデートをしているものの、14年前の筐体やハードウェアでは、さまざまな事情で運営を継続することが難しくなってきていました。

  • ▲「あのガンダムに乗ることができる」をコンセプトに、2006年にアーケードゲームとして衝撃的なデビューを果たした『戦場の絆』。ドーム型のスクリーンに映し出される戦場の臨場感、2本のレバーとフットペダルを使った操作性が圧倒的な支持を受けた。

 しかし、いまだにプレイを続けてくれているプレイヤーさんも多く、まだまだ『戦場の絆』をがんばっていきたい。だったらここで腹を決め、これから5年、10年と『戦場の絆』を盛り上げていくためにも、ソフトとハードウェアの限界値を1回リフレッシュし、新しい『戦場の絆』をお届けしたいと考えました。

 新しい『戦場の絆』をお届けしようという構想自体は1~2年前ぐらいからスタートしており、そこから徐々に企画が進み、ようやくみなさんに発表することができました。

――『戦場の絆II』の制作において一番重視しているところ、コンセプトいった部分を教えてください。

 『戦場の絆』ならではの、友だちと一緒に楽しめることや、実際にガンダムを動かすといった追体験、またチームで戦術を練って勝利を目指していくチーム戦術対戦アクションというところは引き続き大事にしていきたいと考えています。

 それをより魅力的に遊んでもらうための新しいビジュアルや機能を追加していきたいと思っているので、『戦場の絆』の正統な続編といえる製品を目指しているところです。

  • ▲『戦場の絆』では、単なるモビルスーツ戦だけでなく、敵拠点を破壊し、一気に敵チームのコストゲージを減らして逆転するというのも醍醐味の1つ。『戦場の絆II』でも、この基本ルールは変わらないようだ。

――これまでの『戦場の絆』の操作感や雰囲気は残しつつ、よりクオリティの高いものを目指すといったところでしょうか?

 もともと自分も『戦場の絆』の1プレイヤーだったので、これぞ『戦場の絆』という部分は大事にしていきたいですし、プレイヤーさんたちにも「やっぱり『戦場の絆』だ!」と思ってもらえるようなものにしなければといけないと思っています。

――基本ルールやシステムは、前作を踏襲しているわけですよね?

 多人数対戦であり、拠点とチームとしてのコストを設定。いわゆる『戦場の絆』の勝敗を決める基本的な骨子は踏襲しています。

――プレイ人数に関しては、最大8対8だった『戦場の絆』に対して、『戦場の絆II』では最大6対6に変更されたようですが?

 正直にお答えしますと、8対8は人数が多すぎて、うまく連携を取ることが難しいという意見が多く、4対4、6対6に人気が集中している現状もかんがみて、『戦場の絆II』では最大6対6のルールを想定しています。ただ、もし8対8のルールでやりたいという意見が多かったら、どこかのタイミングで復活するかもしれませんね。

――コックピットに乗り込んで、モビルスーツのパイロットを体感できるといった形は踏襲されているのでしょうか?

 操作系統は、同じようなものになるようにしようと思っています。レバーとペダルで機体を操縦するというのが『戦場の絆』らしさである部分でもあると思いますので。

『戦場の絆II』の3つの新システム

――『戦場の絆II』では新システムがいくつか導入されているようですね。まずはシールドを使った新アクションについて詳しく教えてください。

 ビジュアルをリニューアルしていくなかで、シールドを持っているか持っていないかを意味のあるものにしたいと考えました。シールドを装備していることは機体の個性の1つ。その個性をうまく引き出したいというところから、シールドを利用した仕様を実装するに至りました。チャレンジングな仕様ではあるので、これから細かい調整を行っていく予定です。

 一応前作にも、一部の機体にシールドを使った特殊アクションを実装する構想もあったのですが、結局とん挫してしまいました。『戦場の絆II』では、チームとしてシールドを持つ機体を編成するのかというところを含め、新しい戦術を考える要素になればと思っています。まずはバランスを壊さないように、慎重に調整していきます。

  • ▲敵軍の攻撃を一定量防御できるシールド。守りながら攻撃もできるなど、前作にはなかったアクションを追加している。

――シールドには耐久値があったり、壊れたりしたりするのでしょうか?

 おっしゃるとおり、シールドには耐久値があり、一定量のダメージを受けると破壊される予定です。

――シールドの操作は、これまでの延長線上に付加されるイメージなのでしょうか?

 そうなるように開発を進めております。シールドを持っていない機体は、その操作を行っても何もできない仕様になる予定です。

――劇中などでよくある、シールドで敵の格闘攻撃を防ぐといったアクションはできるのでしょうか?

 まだ制作途中ではありますが、“格闘攻撃に対してはまったく無力”というものにはならないと思います。基本的に射撃戦で活躍できるものを想定していますが、格闘が強い機体に対してシールドがどのような役割を果たすのかは、まさに試行錯誤中です。

――再出撃のリスポーンシステムですが、前作と『戦場の絆II』でのリスポーンの違いを教えてもらえますか。

 前作では指定されたポイントを選択すると、その場に再出撃するシステムでしたが、今回は輸送機から戦場へ降下するイメージになります。

 輸送機から降下する際、どのエリアにするのかを選択することになりますが、最終的な降下地点は微調整がきくような形を想定しています。例えば建物の上に着地したり、激戦区に直接降下したりするなど。ビジュアルがリアル寄りになったことに起因するところではありますが、再出撃する際もリアルな形に寄せていきたかったという狙いもあります。

  • ▲リスポーン時は上空から落下先を選択。指定したエリアを目指して降下し始める。着地するまでの間に機体を操作して、建物の上や平地など、着地場所を選ぶことに。

――たしかに、戦場にポッと現れるよりは、輸送機から降下するほうが雰囲気ありますね。

 世界観という意味でも、こちらのほうがより雰囲気が出せると考えています。また『戦場の絆』は基本的にコクピット視点のゲームなので、自分の機体を別アングルから見る瞬間って少ないんですよね。戦いのなか、不自然ではない形で、自分の機体を客観的に見られ機会を作れればと。システムとして自由度を持たせたかった点、演出として楽しんでもらえるところを増やしたかったという点の2つの意図から、今回のリスポーンシステムにチャレンジしてみたいと思っています。

――降下するまでの戦況の変化や指示出しも、前作以上に緊迫してきそうですね。

 「ココに降りるから集まってくれ」とか、「ココに降下してほしい」などの新しいコミュニケーションの1つになればと思っています。ただし、機体ごとにリスポーンレベルのようなものを設定して、降りられる範囲の差別化をする必要はあると思いますので、そのあたりは今後調整していく予定です。

――リスポーンレベルといった単語が出ましたが、具体的にはどのような感じになりそうでしょうか?

 例えば低コストの機体だと降りられる範囲が広く、高コストの機体だと降りられる範囲が狭いなど。これからの調整しだいではありますが、戦術の幅が広がればと思っています。

――続いてはカスタマイズについて。こちらもまずは前作との違いを教えていただければと思います。

 大きな違いとしてはカラーリングが選べるところでしょうか。前作ではエクストラカラーの機体を支給したことはありましたが、今回は1つの機体に複数のバリエーションを用意する予定です。例えば、友だちとカラーリングを合わせて一緒に出撃するなど、「この機体はこのカラーで戦いたい」といった、ガンダムらしい遊び方を楽しんでもらえればと思います。

 またカラーリングだけではなく、デカールを機体に貼れるようにもしたいと考えています。「自分たちの小隊は、このデカールを貼って出撃する」といった感じで、みなさんごとの遊び方をしてもらえればと思っています。

  • ▲機体の武器やカラーリングなどをカスタマイズできる。同じジムでも、万能機、射撃特化、近接特化といった差別化をすることも可能。

――カラーリングは、部位ごとに変えることができるのでしょうか?

 今のところはプリセットから選んでもらう形になる予定です。どこまで色を変えられるかなどの詳細は、ここからさらに詰めていきます。

――カラーバリエーションは単色だけではなく、模様や迷彩といったものもあるのでしょうか?

 単色ではない模様なども実装予定です。

――機体によって選択できるカラーは決まっているといった感じでしょうか? 例えばこの機体は黒や赤系しか設定できないとか。

 機体ごとに変えられる色を設定しようと考えていた時期もありました。ただ、このゲームはチーム戦のため、チームで色を統一できなくなるのはよくないのではないかと思い、ある程度、チームで色をそろえられることを優先して設定しようと考えています。

――機体を入手した時点でカラーを変えられるのか、それともプレイを重ねることで選べるカラーが増えていくのか。そのへんの仕様はいかがでしょうか?

 最初は1色しか選べないということは、初めてのプレイヤーさんはカラーリングを楽しめないということになってしまいます。デフォルトとして何色かは用意してあり、そのなかで試しに色を変えられるようにしていきたいと思っています。そこから、ゲームをプレイすればするほど使えるカラーが増えていくようにできればと。大会を開催することになれば、大会出場者専用カラーを入手できるような試みをしてみたいなと考えています。

――優勝チームだけがもらえるカラーリングなどがあると、プレイヤーのモチベーションにもつながりそうですよね。

 金メダルならぬ、優勝専用カラーもやりたいところですね。前作ではチームでカラーを統一させるようなことができなかったので、『戦場の絆II』では実現できるようにがんばりたいと思います。

参戦する機体や作品について

――稼働時に実装される機体数はどのぐらいの規模を想定してるのでしょうか?

 グラフィックが大きく変わるということもあり、稼働時に前作で登場した機体をすべて出すというのは難しいところです。まずは世界観や作品を絞って、機体を実装していきたいと思っています。とはいえ、百機以上選べた前作から一気に少なくなることにはなってしまうので、前作以上に機体を出すペースを早められるように努力していくつもりです。

――グラフィックのクオリティが上がっているだけに、機体を作り上げるのも時間がかかりそうですよね。

 モデルや動きは前作の流用ではなく、イチから新規に作っています。何もない状態から作りあげているので、試行錯誤や苦戦といった部分もかなりあります。とはいえ、クオリティを落とさずに、できるだけ早いペースでの実装ができるように作っていきます。

――前作同様、もしくはそれ以上に、いろんな作品から機体を参戦させていく予定などはありますか?

 プレイヤーの動向も見ながらアップデートを重ねていくタイトルとなりますので、稼働後はどうなっていくのか、まだなんとも言えないところではありますが、基本的には機体数はドンドン増やしていきたいと思っています。プレイヤーのみなさんそれぞれに好きなモビルスーツがあると思うので、できるだけ参戦作品も広げて、いろいろな機体を実装させていければとは考えています。

クオリティがアップしたマップや演出の数々

――機体やマップはもちろん、攻撃時の表現といったものもクオリティアップされているかと思われますが、こだわっている表現などはありますか?

 リアルで迫力のあるモビルスーツ戦を目指したいと思っています。ひと言で言い表すのであれば、リアルなモビルスーツ・サバゲ―といった感じでしょうか。モビルスーツをリアルな形で体感するとこんな感じになるのかというところを作っていきたいです。

  • ▲『戦場の絆II』のパイロット視点。映像的にも格段にグレードアップしているのがわかる。

――戦場の広さやマップの形状といった部分での変化はありますか?

 マップに関してはギリギリまで調整を進めていく予定です。4対4や6対6に合うように、広さは前作からあまり変えないようにするつもりです。戦いの規模間は、前作と同じだと考えていただければと思います。

 ゲームルールの基本は、タンクをからめた拠点防衛線なので、その根幹を崩さないようなオブジェクトの配置や、建物の高低差を心がけて調整しています。

――マップのこだわりポイントなどはありますか?

 グラフィックに近しいところではありますが、前作に比べて壊れる建物などを多めに設定しています。戦いに影響を与える形で壊れるものを仕込んでいきたいですし、アーケードならではの迫力感というものを表現できるステージを用意しています。

 細かい部分にはなりますが、水面から顔を出すと、コクピットに水滴が付くといった演出なども取り入れています。ステージを移動しているだけでも、リアルな世界観を感じてもらえるように作り上げていくつもりです。

  • ▲砂埃といった細かい表現も用意され、戦場の空気感を感じさせられる。

モバイル要素もグレードアップ

――前作にあったモバイルサイトのように、連動サイトは用意されるのでしょうか?

 モバイルサイトは用意します。前作でできた戦績の閲覧といったようなことはできるようにする予定です。カスタマイズなどは、モバイルサイトからでできるようにしたいですよね。カスタマイズはじっくり時間をかけてやりたいところですし。

 また、チーム対戦ゲームなので、できれば一緒にやるプレイヤーを見つけられるような機能も実装できないかとも考えています。自分がプレイヤーだったときは、相手のプレイヤーネームと店舗を覚えて、実際に会いに行って仲よくなるといったことが多かったのですが、今はSNSもありますし、コミュニケーションが取りやすい環境にあります。そうしたつながりをサポートしたり、より活発なコミュニケーションができるような機能が実現できればと模索しているところです。まだまだ検討段階ではありますが、プレイヤー間のつながりをモバイルサイトを通じで広がげることができればと思っています。

――やはり最近は店舗で知り合いになるというよりは、SNSのつながりから交流が広がることのほうが増えていますよね。

 『戦場の絆』は人と知り合えるタイトルだとも思っていますので、そこは今まで以上に大事にしていきたいと考えています。

『戦場の絆』の今後の展開について

――JAEPO2020で『戦場の絆』の全国大会の開催が発表されましたが、『戦場の絆II』を含めたこれからの展開を教えてください。

 『戦場の絆II』は制作決定をみなさんにお伝えしたところで、これから開発を進めていき、製品版を早くお見せできるようにするということが第一の目標です。先日開設した公式ツイッターのほうで、開発中の情報などを随時公開していきます。気になる方は、ぜひ公式ツイッターをフォローしていただければと思います。

 『戦場の絆』全国大会は、今年の冬に開催するべく、スケジュールを絶賛調整しているところです。こちらもいろいろ決定しましたら、随時情報を公開していきますので、チェックしてみてください。

――『戦場の絆』のアップデートは今後も行っていくのでしょうか?

 少なくとも全国大会までは、アップデートや機体の追加は行っていきます。『戦場の絆II』を発表したからといって、前作『戦場の絆』の動きが止まるということはありません。

――『戦場の絆II』のロケテストの予定などはありますか?

 タイミングはまだ未定ですが、稼働前に触っていただけるような機会は何度か用意する予定です。プレイヤーのみなさんのお力も借りながら、『戦場の絆II』をよりよいものにしていければと思っています。そう遠くない時期に、『戦場の絆II』を見ていただくタイミングを設けたいと思いますが、そういった情報も公式ツイッターのほうで発信していきますのでチェックいただけますと幸いです。

――『戦場の絆II』の稼働時期はいつごろになりますか?

 少なくとも『戦場の絆』の全国大会が終わるまでは、稼働することはありませんね(笑)。そこで1つの盛り上がりを作れると思うので、全国大会での熱を受けた形で、稼働までこぎつけたいと思います。

――『戦場の絆II』でも全国大会やイベントは行っていく予定でしょうか?

 プレイヤーのみなさんにスポットライトが当たる機会は、増やしていきたいと考えています。大会やイベントは、前作よりも重視していきたいですね。プレイをしてくださったみなさんが主役になれるような施策を積極的に行っていきたいです。

――前作から『戦場の絆II』への引き継ぎ要素などはあるのでしょうか?

 今まさに調整中のところですが、引き継ぎ要素は用意させてもらいます。わかりやすい形で、前作をプレイしていたことを、ほかのプレイヤーの方にも見えるような何かを考えています。『戦場の絆II』を最初にプレイするときに、今までずっとやってきたみなさんにはアドバンテージがあって、そうした方々が『戦場の絆II』をさらに広めてくださるような形を目指せればと思っています。

――最後に『戦場の絆II』を楽しみにしているみなさんへのメッセージをお願いします。

 先日『戦場の絆II』を発表させてもらいましたが、さまざまな反響をいただき、本当に感謝しております。『戦場の絆』シリーズは、プレイヤーさんたちが14年かけて築きあげてきた1つの文化、1つの場所だと思っていますので、そこがまた盛り上がれるような環境を作っていけたらなと思っています。また、そこに来た新しいプレイヤーさんたちが楽しめるように、開発陣一同全力でゲームを作りあげていきます。『戦場の絆II』でもプレイヤーのみなさんのお力をお借りしながら、楽しい空間を作っていければと思っていますので、今後ともよろしくお願いします。

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