【おすすめDLゲーム】過去と現在を行き来する『Timespinner』で探索型2Dアクションの醍醐味を楽しむ

キャナ☆メン
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 ダウンロード用ゲームから佳作・良作を紹介する“おすすめDLゲーム”連載。今回は、PC向けに日本語版が配信されている『Timespinner(タイムスピナー)』のプレイレポートをお届けします。

 『タイムスピナー』は、90年代を彷彿とさせるドット絵のグラフィックと、広い2Dマップを舞台に自由度の高い探索を楽しめる横スクロールアクションゲームです。海外では、PS4/PS Vita/Xbox One/Nintendo Switch版も配信されています。

 主人公は、タイムスピナーの力で時間を超えることができる“時の使者”に選ばれた少女ルーネで、時の使者とその一族を狙う帝国の皇帝ヌヴィウスの野望を阻止するため、1,000年前と現在を行き来しながら冒険を繰り広げます。

自分のプレイが道を切り開く探索の醍醐味

 ゲームを開始して導入のイベントが発生すると、ルーネの一族は帝国の襲撃を受けてピンチに! 一族を助けるため、彼女と母セレンはタイムスピナーの力を使いますが、自ら陣頭に立つ皇帝の手にかかって母が犠牲となり、ルーネはいずこかへと転移します。

  • ▲時の使者に選ばれた主人公のルーネに、使命の重要性を説く母のセレン。
  • ▲ルーネとセレンは、タイムスピナーの力で飛ぼうとしますが、皇帝の襲来によってルーネだけが旅立つことに……。

 皇帝の横槍によって装置がバラバラになったせいで時間を操る術(すべ)を失い、孤独で身ひとつになったルーネですが、ここから、右に行くのも左に行くのも自由な探索が始まります!

 マップ上には序盤から通れない場所を見かけますが、探索を進めることで新アクションを修得したり、キーアイテムを手に入れたりすれば、先に進める場所は少しずつ増えていきます。時間を止める能力を使えるようになると、敵や敵の弾を踏み台にできるので、敵の配置を利用した工夫が新たな発見につながることもあります。

  • ▲時間を停止すると、敵や敵の放つ弾(攻撃エフェクト)を足場にすることが可能です。
  • ▲ご褒美として(?)アイテムの置かれた脇道も数多く存在します。念入りに探索することで、いろいろな発見の喜びを得られるでしょう。

 またゲームを進めれば、特定の場所から過去と現在を自由に往復できるので、より探索の幅も広がっていくでしょう。

 “何をしたらゲームを先に進められるか”といった導線は少ないですが、それを自分で考えるからこそ、新たな発見を繰り返している内に、“自分のプレイで道を切り開いている感覚”を得られます。そこは、探索性を重視したゲームならではの楽しみです。


  • ▲ストーリーも存在しますが、物語が行動範囲を制限することは殆どなく、アイテムの発見やボスの撃破、あるいはその両方など、探索が主体でゲームは進行します。

 ちなみに、バラバラになったタイムスピナーの部品を集めることは、シナリオの中盤になると話題から消えていきますが、序盤で語られる“タイムスピナーはどんな部品で構成されているか”という内容はきちんと覚えておきましょう。後は終盤で探索を怠らないようにすれば、非常に重要な選択を体験できるはずです。

遊びやすいアクション性。サブ要素でシナリオがより楽しく

 アクション面では、難易度ノーマルでプレイした限り、ボス戦以外で苦戦を強いられる場面はほぼなかったように感じました。

 探索においても、時間停止の際にタイミングを求められるくらいで、際どいアクションを要求される場所は少なめ。追加アクションもオーソドックスな触り心地のものがそろっていて、遊びやすいと思います。

  • ▲凶悪な敵やギミックなど、アクション面でストレスを感じることはなく、探索に集中できると思います。
  • ▲ザコ戦と比べると、ボス戦はだいぶ歯応えがあります。ただ、回復アイテムの準備具合によって難度は大きく変わるでしょう。

 攻撃方法は複数用意されていて、固有のアクションを持つオーブから好きなものを左右それぞれに装備し、それが通常攻撃となります。また、ボタンを長押しするチャージ攻撃にあたるアクションもあって、その内容も装備品(ネックレス)によって変化します。

 盾を持つ敵に物理系の攻撃が効きづらいなど、装備と敵の相性があるので攻撃法を切り替えると有利に戦える一方、使い込むとオーブのレベルが上がるため、手に馴染むアクションを使いたくなるところです。その辺りの選択は、人それぞれかもしれません。

  • ▲オーブといっても魔法的な攻撃に限らず、その種類によって攻撃方法はさまざま。画像は、長押しで巨大な剣を振るうコロッサルブレードです。
  • ▲あるアイテムを入手すると、装備セットを3つまで登録し、ボタンで切り替えができるようになります。

 なお、シナリオ上のサブキャラクターたちから受注するクエストもいくつか存在します。メインストーリーで語られない、サブキャラクターたちの心情変化などを掘り下げた内容になっていて、プレイが必須ではないにせよ、過去の世界で人々がどんな思いを抱えて生きていたのか、帝国の起源に何があったのか、物語がよりおもしろくなること請け合いです。

 その他、探索の途中で拾うことができる“母のメモリー”や“ドキュメント”などの収集アイテムは、主人公の母親の過去や1,000年前にあった出来事などが書かれています。これらのサブ要素も、より物語に対する理解や楽しさを深めてくれるはずです。

探索型2Dアクションのおもしろさがよくまとまった作品

 『タイムスピナー』は、俗に“メトロイドヴァニア”と呼ばれるジャンルの作品です。メトロイドヴァニアは、『メトロイド』と『キャッスルヴァニア』(3Dアクションゲームでなく、『悪魔城ドラキュラ』の英題の意味)の合成語で、一般には、広大で複雑なマップを舞台に、ただ敵を倒すだけでなく、探索性を重視したゲーム内容の横スクロール2Dアクションを指します。

 本作は、メトロイドヴァニアとして非常によくまとまった作品で、探索や自由度を楽しむベーシックなゲーム要素が一通りそろっており、難易度が高い傾向にある同ジャンルの中では勧めやすい難度の部類にあると思います。そのため、メトロイドヴァニアの入り口に向いている作品だと感じました。

 反面、尖った作品が少なくないメトロイドヴァニアの中では、やや物足りなさを覚えるゲームとも言えます。特に主人公の設定と紐付いた“時間を操る能力”が、敵や弾を足場にする以外の使い道に乏しく(ボスの攻撃を避けるなどにも使えますが)、設定とアクション性の合致するシチュエーションの不足に勿体なさを感じるところがあります。

 とはいえ、そうした感想は“遊んでおもしろいから、欲を言いたくなる”という部分で、裏返せば本作がおもしろい証だと自覚しています。メトロイドヴァニアが大好物の人には刺激が弱いかもしれませんが、比較的に人を選ばず楽しめる作品だと思いました。

Copyright Lunar Ray Games LLC 2014. Published by Chucklefish.

Timespinner(タイムスピナー)

  • メーカー: Chucklefish
  • 対応端末: PC
  • ジャンル: アクション
  • 配信日: 2018年9月26日
  • 価格: 1,980円(税込)
  • ※開発: Lunar Ray Games