AI臥龍とプロ棋士の攻防戦。『三国志ヒーローズ』生放送レポート

まさん
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 コーエーテクモゲームスがHEROZと共同開発し、3月10日より正式サービスが始まるiOS/Android用AIバトルボードゲーム『三国志ヒーローズ(サンヒロ)』。3月5日に行われた、第1回公式生放送の模様をお届けしていきます。

 『三国志ヒーローズ』は“将棋”ד三国志”をコンセプトに、プレイヤーの思考力が勝敗に直結する実力勝負のバトルと、奥深い駆け引きが楽しめる作品です。現在はオープンβテスト中ですが、すでに対人戦も楽しめるモードが搭載されており、日夜ユーザーの間で熱い戦いが繰り広げられています。

 今回の生放送ではプロデューサーの田中靖浩氏と、本作に声優として出演している女流棋士の香川愛生・女流三段が出演。ゲストに将棋界屈指の思考ゲームファンとして知られる糸谷哲郎・八段を迎え、棋士の立場から本作の見どころを解説。

 さらに、プロ棋士とAI臥龍との対決も行うという見どころ満載の内容になっていました。

シブサワ・コウ氏が企画から手掛けたという開発秘話

 まずは、最初に『三国志ヒーローズ』が開発された経緯から話がスタート。本作は将棋や囲碁のような戦略ボードゲームとして開発が進んでいますが、そのきっかけは3年前の東京ゲームショウで行われていたHEROZの講演だったようです。

 その講演に、コーエーテクモゲームスを代表するゼネラルプロデューサーにして代表取締役社長のシブサワ・コウ(襟川陽一)氏が感銘を受けたことがきっかけとなり、HEROZとの共同開発が進んだことが明かされました。

 さらに、ゲームの原案自体もシブサワ・コウ氏が企画書を手掛けているという事実も明らかに! 社長自らが気合を入れて制作していることに、開発の現場もパワーを感じていたと田中プロデューサーは語っていました。

  • ▲将棋のような動きをベースに、計略やオリジナルの動きをする武将(コマ)の存在などによって、独自の魅力を放っている本作。AIとのバトルも白熱!

 さらに、開発当初の意図として歴史SLGの戦闘部分を気軽に楽しむというコンセプトがあったことも判明。そのうえで、将棋のコマに向きを付け加えるというシブサワ・コウ氏の原案を、開発側がさらにブラッシュアップして現在の形になったことがわかりました。

 生放送の序盤ではアンケートも行われましたが、オープンβテスト期間中でもすでに有段者の実力を持つ人たちが6%もいることがわかり、ゲームを遊んでいる自分もビックリ。

 軽いソーシャルゲームよりも、知的な戦略を楽しむディープなゲーム性ですが、本格的なゲームを求めるユーザー層にヒットしているようです。

  • ▲オープンβテスト期間ということもあり、まだ入門していない人も多かった今回の生放送。かなり実力差が出るゲームだけに、6%も有段者がいるのには驚き!

 なお、番組の前半では将棋と『三国志ヒーローズ』の違いについて、ゲーム画面を使いながら解説する場面も。

 将棋と同じような動きをする武将(コマ)から、盾マークのある範囲の進軍を防いで戦略を大きく変える盾将。覚醒すると相手が動けなくなるマスを作り出せる軍師など、本作ならではのキャラクターが紹介されました。

  • ▲盤面が狭く、最初から白熱した試合が展開しやすい本作。自由に陣形を組めるので、事前の編制が勝敗を大きく左右することも。プレイヤーの思考力がものを言う知的なタイトルです。

香川女流三段vs糸谷八段が激突!

 番組の後半では、棋士たちが『三国志ヒーローズ』で対戦。1試合目は香川女流三段vs糸谷八段が対決。香川女流三段の貂蝉と、糸谷八段の孔明との対決が見られました。

  • ▲香川女流三段の編制はコチラ。盾将のなかでも強力な張飛と、覚醒後に相手の行動を縛れる軍師・司馬懿が前衛に配置され、貂蝉の計略で相手を引き寄せやすくなっています。
  • ▲糸谷八段の編制はコチラ。蜀の武将オールスターズといった感じの編制です。弓将の多さと、将棋でいう角の動き+αの移動範囲を持つ趙雲が怖い編制です。

 しゃべりながら遊ぶのは難しいと言いつつも、巧みな戦術と美しいコマ捌きで魅せるお2人。糸谷八段は序盤から王手で香川女流三段を追い詰めていき、プロ棋士が本気で攻めている姿を見せてくれました。

 「序盤は倒しあって王手で時間を稼ぐ手になりやすい」という本作の流れを解説する糸谷八段。

 相手が1マスずつしか動けなくなる孔明の計略“石兵八陣法”で騎将の動きを封じると、それに対して香川女流三段も目の前の敵を引き寄せる“天衣無縫踊”で対抗。

 リーダー武将を盾将の前に誘導する手を繰り返し、糸谷八段の行動を封じたかに見えましたが……。

  • ▲ゲーム中で自分が声を当てた貂蝉の真似をしながら、天衣無縫踊で糸谷八段を責める香川女流三段でしたが……?

 ここで、なんと痛恨の時間切れ! もう1度、天衣無縫踊を使える絶好のチャンスを逃してしまいました。その後は張飛で孔明を責めるも、横からの攻撃で逆王手。次々と増援を投入されて香川女流三段はとうとう詰みに……。

 劣勢にみえるような状況でも、終始冷静なコマ捌きで香川女流三段を撃破した糸谷八段。プロ棋士として、その実力を存分に見せつける試合となっていました。やっぱり、将棋が強い人は『三国志ヒーローズ』も強い!

  • ▲実際の将棋のように、リプレイを使った感想戦もできる本作。やはり、香川女流三段が時間切れで武将を動かせなかったというミスが、決定的な敗北につながったようです。

AI臥龍レベルマックスとプロ棋士が本気で対決!

 第2試合は、糸谷八段とAI臥龍レベル10(現状の最大レベル)との対決。長期戦は必至かと思いきや……斥候を相手が取れない配置にうまく置き、なんと5ターンという早期に決着をつけてしまいました!

 自分もイベントでAI臥龍のレベル10と戦ったことはあるのですが、このレベルのAIを5ターンでねじ伏せる糸谷八段の実力には感服。配置の時点で、AI臥龍の編制の弱点を見抜いていたようです。すごすぎる……。

 しかし、その後に行われた香川女流三段と臥龍とのバトルでは、AI臥龍がその強さをいかんなく発揮! 

 香川女流三段が相手のコマの動きを読み間違える油断を見逃さず、AI臥龍が圧倒してしまいました。

 納得のいかない香川女流三段は、再び糸谷八段とタッグを組んでリベンジ。2人で試行錯誤しながら戦うものの、AI臥龍も負けてはいません。

 一進一退の攻防が続き、結果的にはターンオーバー後の撃破数で1体だけ足りずに敗北。棋士でも苦戦するAIの前に、香川女流三段は惜しくも敗れてしまいました。

 普段リアルに戦い続けている棋士であっても、油断すると負けてしまうほどに強いAI臥龍レベル10。正式サービス版以降、さらに上のレベル11やレベル12などが実装される予定もあるとのことで、現在プレイ中の自分も非常に楽しみです。

 もちろん、ただ難しいゲームというわけではなく、プレイヤーの棋力に合わせたレベルのAIと戦えるので「難しそうかな?」と心配している人は安心してください。

 今回の生放送では棋士がAIを圧倒する場面と、逆にAIに翻弄される場面の両面が見られ、非常に奥深いゲームの一端が垣間見られました。

 現在はオープンβ中ですが、3月10日の正式サービス版になれば、さらに人が増えて実力に見合った人と対戦しやすくなるでしょう。

 将棋と同じく、実際に触れて指してみることで、初めてその奥深さと楽しさがわかるゲームでもあるので、生放送で気になった人はぜひ遊んでみてください!

(C)2020 コーエーテクモゲームス / HEROZ, Inc. All rights reserved.

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