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良作の手応え。ロードス島戦記新作ゲーム『ディードリット・イン・ワンダーラビリンス』を遊んだ感想は?

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 3月12日(木)より、Steamにてアーリーアクセス版がリリースされる『ロードス島戦記-ディードリット・イン・ワンダーラビリンス-』。

 “メトロイドヴァニア”と総称される2D探索型アクションタイプの本作は、“ロードス島戦記”のヒロイン(?)となるディードリットを操り、迷宮を探索していく。ここではアーリーアクセス版を触れた、かつての“ロードス島戦記”ファンのレポートをお届けする。

かつてロードス島に魅入られた人たちへ

 “ロードス島戦記”といえば、一時代を築いたファンタジーコンテンツ。生誕30周年を迎えた歴史あるコンテンツで、ある意味、今流行りの“異世界もの”の礎を築いた作品の1つと言えるのではないでしょうか。

 ゴブリンやフェアリー、長い寿命を持つ種族のエルフ、そして強大なドラゴンなどが存在する世界での英雄譚が語られていくストーリー……。ファンタジーの王道として、今なお物語は続いており、昨年“ロードス島戦記 誓約の宝冠”第1巻が発売されています。

 早くも“ロードス島戦記”が気になってきたら、こちらの公式サイトをチェックしてみてください。

 そんな“ロードス島戦記”を題材としたアクションゲームが2020年にリリースされる……。当時こそハマっていたものの、最近はずいぶんと“ロードス島戦記”とは疎遠に……そんな“潜在的ロードス島・ファン”も多いのではないでしょうか?

 今回記事を担当するのも、そんな“潜在的ロードス島・ファン”の1人。ディ…ディードリット……、あぁぁ、あの冬馬由美さんの演じていたエルフの子か……そんな感じだった2020年2月。正直なところ、登場キャラの名前すらおぼろげに覚えている程度。

 にもかかわらず、“ロードス島戦記”の新しいゲームが出るという報になぜか心を動かされ、ゲーム映像を見た瞬間「これはプレイしたい」と思うように。そして同じように、休止していた“ロードス島”熱が呼び起こされている方も多いのでは?

 火の山のシューティングスター、自由騎士パーン……うぅぅ……少しづつ記憶が呼び覚まされていく日々。前置きが長くなってしまいましたが、そんな徐々に“ロードス島”熱が高まっているかつてのファンが、アーリーアクセス版のプレイレポートをお届けしていきたいと思います。

ディードリットを主役にしたアクションゲームとは?

突然見知らぬ場所で目を覚ましたディードリット
ここはどこなのか? なぜここに居るのか?
問いかけても誰も答えてはくれず、ただ静寂があるのみ

ディードは答えを求め、おもむろに歩き出すのであった…

 ディードリットを主役とした『ロードス島戦記-ディードリット・イン・ワンダーラビリンス-』。まず軽く遊んでみての感想は“よくできている”。そして“動きがなめらか”。

 操作性は快適で、このへんに関しての不満はとくには感じません。エルフであるディードリットを操作するわけですから“エルフ感”も重要なポイント。軽快な動きのほか、精霊を切り替えてアクションのバリエーションなど、なるほどディードリットらしさを感じることができます。

 実際のディードリットがどうだったかまでの記憶は定かではありませんが“こうだろうな”“こういうことはできそう”というところをやってくれるので違和感などはナシ!

 ディードリットらしさをアクション化できているあたり、原作をしっかりと理解・踏襲しているんだなと感じさせられます。もちろん“メトロイドヴァニア”としても、丁寧に作られていると感じさせられるクオリティになっているのかと思います。

 このアーリーアクセス版を触れてみた限り、本作のキモとなるのは“精霊の切り替え”。迷宮内にあるギミックを攻略していくうえでも、この精霊の存在はなくてはいけないもの。風の精霊シルフを使役している間は空中をホバーリングすることができ、炎の精霊サラマンダーを使役している間は炎マークのタルを爆破可能に。

 また風と炎の精霊にあわせて、ディードリットの属性耐性も付与され、例えばサラマンダーを使役中は炎属性の攻撃を受け付けないといった仕様も! ギミックを解くうえでももちろんですが、バトルでも精霊の存在は欠かせないわけです。

 ギミックといえば、精霊のほかに弓の活用も不可欠。ロープを使って閉ざされている扉があり、これを開けるために利用するのが弓。通常では手が届かない場所にあるロープを、弓を使って切断する。単純に狙いをつけるだけでなく、矢を反射させてロープを射貫いて切断するなど、アーリーアクセス版でありながらも、手ごたえのある難易度のギミックが用意されています。

 もちろんギミックだけでなく、戦闘でも弓を使って遠距離の敵を攻撃することも可能です。

 迷宮を進んでいくと、さまざまなイベントシーンに出会うことも! あの懐かしい顔ぶれとの再会……ストーリー的にも、どのような展開になっていくのか気になるところです。

 ちなみに今回、水竜エイブラとの戦いも用意されていますが、左右、そして中央へと画面が切り替わりながら襲ってくる水竜の行動パターンは、作り手側の本気を感じさせる手の凝りよう。

 最初のボス戦というシチュエーションですが、ひと筋縄ではいけません。相手の行動パターンを見極め、適切な回避&攻撃を仕掛けていく……このへんも“メトロイドヴァニア”ならではの手ごたえを感じさせられました。

アーリーアクセス版を遊んでみて

 ひと通りプレイしてみても、冒頭の“よくできている”という感想は変わらず。本当に細かいところまで作り込めているなという印象! とはいえ、メトロイドヴァニアのマニア視点でもないし、“ロードス島戦記”マニアの視点でもないのですが、アーリーアクセス版を触れてみて、その体験は“良作”と呼べる手ごたえを感じるものでした。

 もちろん製品版となった場合は、全体のボリュームやレベルデザイン、ギミックの難易度設定などにより、また評価が変わってくるかもしれませんが、“製品版が楽しみになるアーリーアクセス版”であることは間違いないのと思います。

 当時としてもファンタジーを代表する作品であった“ロードス島戦記”だが、今あらためて再認識してみても、それは色あせることなく、今なお“王道”と呼ぶにふさわしい風格や威厳を感じさせてくれます。今再び“ロードス”へ……30年を経た今、これは全然アリなのではないでしょうか。

 これから製品版に向けて、20年以上ぶりに原作を再び読んでみたいと思います。

(C)水野良・グループSNE/KADOKAWA/Team Ladybug・Why so serious?

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