3作品それぞれにオンリーワンな魅力がある。『文アル』朗読CDシリーズ 横光利一役羽多野渉さんインタビュー

ガルスタオンライン 、ヒムロ
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 文豪転生シミュレーションゲーム『文豪とアルケミスト』(通称:文アル)より、キャストによる朗読CD第4シリーズ・第10~12弾が2020年3月25日に発売されます。

 今回登場する文豪は「川端康成(声優:関智一)」「横光利一(声優:羽多野渉)」「菊池寛(声優:三木眞一郎)」の3人。新感覚派である川端康成と横光利一、そして2人を引き合わせた菊池寛という組み合わせになっています。

 CDではキャストによる作品の朗読や、3人の掛け合いによるミニドラマ「緊急座談会」も収録! 初めての出会いを振り返ったり、作品についての感想を話し合ったりする場面を楽しめますよ。

 ここではCDの発売を記念して第4シリーズの出演陣に収録後の感想をお聞きしました。第2回目は、羽多野渉さんのキャストインタビューをお届けします♪

『文豪とアルケミスト』朗読CD第11弾「横光利一」羽多野渉さんインタビュー

――朗読された作品について好きだった、または印象に残ったフレーズなど、ご感想をお願いします。

 非常に奥深い言語表現がされていて、「日本語ってこんなに美しく使えるんだ」と感じる作品たちでした。短編を3つ読ませていただいたんですけども、どれも読んだ感想や読後感が違う作品になっています。それぞれに読み終わった後に「もう1回読もう!」という気持ちになるというか、恐らくさらっと読んだだけでは文章に込められた複雑な意味や深さが入ってこないんじゃないかな。それくらい巧みな比喩表現などがあるなと感じました。

 朗読するうえでは非常に難解な台本読みになったわけですが、3作品とも色々と辞書を引いたりインターネットを駆使して読み進めました。文字数の量でいうとそれほど多くはないんですけども、3作品チェックするのに丸一日つかってしまうという……(笑)。しっかり落ち着いた状態で読みたい作品に出会えたのは幸せだなと思います。そんな作品を公式で朗読させていただけて、しかも公式のスタッフさんに監修していただけたのも非常に誉れです。

――3作品それぞれのご感想もいただけますか?

 3作品それぞれにオンリーワンな魅力がありましたね。一番最初に読んだのは「春は馬車に乗って」ですけれども、これは横光先生が書かれたもののなかでは新しい方というか、他の2作に比べて後の時代に書かれているんです。完全なる事実をノンフィクションで書いたわけではないんですけど、自分の人生観を変える大きな出来事を元にこの小説を書かれたのではないかなと。夫婦の2人のお話なんですけども、奥様の方が肺を患って早く亡くなってしまう……その最期が会話でつづられています。地の文も多いですが夫婦の会話がこのお話のキモになってくるので、そこを聞いている人にどういう風にすればわかりやすくできるか考えながらやらせていただきました。夫婦の会話が、奥様の病状が変わっていくのとともに変化していくので、時間の流れを感じながら聞いていただけたらうれしく思います。僕にとってとても好きな作品になりましたし、何度も何度も読み返して「どんな風に朗読しようかな?」と想像する時間が非常に幸福だったと思います。

 そして「頭ならびに腹」はテンポよくやらせていただきました。同じ短編でもこの作品が一番テンポが早いんじゃないかなと。というのも、列車のなかのお話なので密室というか限られた空間のなかにいろんな登場人物が出てくるんですね。それをユーモラスに描いている作品だと思います。読んだ後にはちょっとした教訓のようなものが残る作品です。朗読の聞きどころとしては、小生意気な小僧が出てくるんですけど、その小僧がマイペースに歌を歌っているんです。それがひとつの聞きどころなんじゃないかなと。ちょっと変わったキャラクターでおもしろかったです。

 特典CDの「蠅」は「これが特典CDなの!?」という気もしないでもないですが(笑)。僕が最初に読んだとき、その結末に驚いてしまった作品です。たくさんの登場人物が出てくるんですけれども、彼らがどういう結末を迎えるのかというのをぜひ聞いていただいて、楽しんでもらえたらいいなと思います。小説のなかでもかなり個性豊かに描かれているので、そこを自分で朗読するときにユーモラスなキャラクターたちになるようにやらせていただきました。この結末は本当にびっくりすると思います。

――羽多野さんが声を担当されている“横光利一”の魅力を改めて教えてください。

 結構クールなキャラクターだと思っていたのですが、本当はすごく人間らしい。文学の神様と称されるだけあって本当に日本語の使い方が美しいし、比喩表現も今の時代の自分たちが読んで思い浮かべる画もとにかく美しいですね。それを書いている横光利一というキャラクターは、ちょっと照れ屋さんというかシャイなところがあって、「あの人がこれを書いたんだよな……?」というギャップがすごく魅力なのかなと思いますね。

――横光利一を演じるにあたってどのような役作りをしていますか?

 これはどのキャラを演じるときもなのですが、横光は日本語の使い方が美しい方なのでことさら発音という部分には気をつけています。他の方も気をつけながらやっていらっしゃると思うんですが、鼻濁音であるとか無声化であるとか、日本語を表現する上で一番美しく聞こえるところを表現できるようにしています。

――この朗読CDを聞くとしたら、どんなシチュエーションで聞きたいと思いますか?

 「頭ならびに腹」は外で聞いてほしいなと思います。それこそ移動中とかに聞いてもらうのもおもしろいんじゃないかな、電車が止まっちゃうお話なので。列車のなかで聞いたらリアリティがあるかもしれないですね(笑)。「春は馬車に乗って」はおうちで聞いてほしいです。セリフの部分にはその夫婦の息づかいを想像しながら演じているので、イヤホンとかヘッドホンとかを使って声を聞いていただけたらうれしいなと思います。

 季節も感じられたらいいですけどね。「春は馬車に乗って」なんて冬から春にかけての季節が合うんじゃないかと思いますし。ちょうどいい時期に収録したので色々想像して、ラストシーンは僕もグッときてしまいました。収録が終わった後にスタッフさんから「癒された」と言っていただいたり。いろいろな作品があるなかでとってもピュアな作品なので、ぜひ女性の方にたくさん聞いてほしいです。

――本作では生の朗読劇イベントも行われていますが、こうしたCDでの名作の朗読にはどのような魅力があると思いますか?

 僕がハードルが高いなと思うのは、自分のなかにたくさん答えが出てきちゃうんですよね、「この地の文はこういう風に読んだ方が伝わるんじゃないか」とか。そしてこれを1つに絞らなきゃいけないじゃないですか。贅沢な悩みでもあります(笑)。ディレクターさんやスタッフさんとディスカッションを重ねて丁寧に作っていくので、洗練された朗読が音源化されるというのが魅力なんじゃないかなと思います。

 逆に生の朗読劇というのはそのときにしか生まれない朗読だと思うので、また別の魅力がありますね。同じフレーズでもパターン違いで録ったりしているので、CDには選び抜かれたテイクが入ります。

 僕たちもどのテイクが使われているのか楽しみですし、ぜひ完成された朗読を聞いていただきたいなと思います。

――最後に読者へのメッセージをお願いします。

 羽多野渉を知らないという方、横光利一の作品を読んだことがないという方にぜひ聞いてほしいCDです。自分たちが生きている国の日本語という宝物のような言語に、僕はとても誇りを持ちました。こんな風に日本語を美しく操れる文学の神様と呼ばれる作家がいたことを知っていただきたいですし、横光利一の作品が大好きな方にもぜひ聞いていただきたいです。

 特典CDを合わせて3作ありますが、全部じっくり聞いていただきたいなと思います。朗読が好きだという方にもおすすめですね。もしよかったら原作本を片手に自分でも声に出して読んでみると日本語の美しさを再確認できるんじゃないかなと思います。ぜひよろしくお願いいたします。

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朗読CD第11弾「横光利一」収録内容

・「春は馬車に乗って」
・「頭ならびに腹」
・オマケドラマ「緊急座談会その11~横光利一を語る編~」
※「蠅」は、アニメイト全3巻購入特典CDに収録


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