【おすすめDLゲーム】『Replica』では人のスマホを覗き見る背徳感を味わえる
- 文
- カワチ
- 公開日時
ダウンロード用ゲームから佳作・良作を紹介する“おすすめDLゲーム”連載。今回は韓国のインディー開発者SOMI氏が手がける『Replica』(アプリ版のタイトルは『Replica : a little temporary safety』)を紹介します。
普段できないことをできるのがゲームのおもしろさ。ファンタジー世界の勇者になったり、プロのサッカー選手になったり、ゲームの中ではさまざまな体験をすることができます。
一方で「こんなすごいことができるのは俺じゃないよなぁ……」と思ってしまうこともあります。そのため、自分を主人公として見立ててゲームをプレイするのであれば、ある程度のリアリティは必要になってくるのかなと感じます。
と、いうことで今回紹介するのは他人の携帯電話から情報を収集して、持ち主がテロリストである証拠を探すアドベンチャーゲーム『Replica』。最初にスマートフォンの画面が表示された時、ロックすら外すことができず途方に暮れてしまうのですが、ショートメールが届いたことに気づきます。そこには「もうすぐ誕生日ね」という発言が。
スマートフォンに表示された現在の日付を見ると11月4日。もしやと思い、「1105」を入力すると……開いた! アイコン画面が表示され、スマートフォンが操作できるようになりました。
チュートリアルとしてはほどよい難易度で、ゲームの内容と魅力がわかる最高の掴みになっていると思います。
その後は国家安保部の人間から指示を受けて、具体的にテロ容疑の調査を進めることになります。国家安保部の仕込んだ『Todo』アプリにどういったことを調べればいいのか書いてあるため、次にやらなければいけないことはわかります。
普段、自分がスマートフォンを使っている時のことを思い出しながら「電話番号ならここにありそう」や「位置情報が写真に紐付いていれば……」と考えつつ調査を進めていきます。
登場するSNSなどは名前こそ違えども現実にあるものとソックリなのでリアリティがあります。ゲーム内のBGMを変えたい時には音楽アプリを開いて曲を再生すればいいのですが、そういう細かいところも自然で凝っているなと思います。
そんな中で他人の情報を盗み見ることはかなり背徳的ですが、背徳的であるがゆえのゾクゾクするような快感を得ることができますね。
もしかして国が狂っているのではないのかという恐怖
ゲームを進めていくと、「本当にスマートフォンの持ち主はテロリストなのか?」という疑問が湧いてきます。
本作の舞台は、個人の移動や電話の使用などを政府が厳しく監視する国。かなり歪んだ思想であることがわかります。プレイを進めていくうちにスマートフォンの持ち主は政府に言いがかりを付けられているだけで危険人物ではないのでは……という考えも出てきます。
プレイヤーはスマートフォンから110番にかけることで警察に助けを求めることもできますが、すぐに政府に連絡されてしまい、自分は国家に従うしかないことを思い知らされます。テロ容疑者を告発しなければ、自分が懲役を受けてしまう……。
本作のゲームジャンルこそホラーではないのですが、ある意味ホラーよりも怖い作品になっていると感じました。最初は他人のスマートフォンを覗き見ることが楽しいですが、だんだんと国の現状と自分の立場が分かってきて怖くなっていきます。
エンディングは12種類も用意されており、その中には国家に反抗できるものも……? 300円以下で買えるゲームでありながら隠し要素もたくさんあって、周回プレイをするのも楽しい本作。ちょっと変わったゲームが好きな人はぜひ手にとってもらいたいです。
(C) 2016 Somi
本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります
“おすすめDLゲーム”まとめページはこちら(電撃オンライン)
『Replica』
- メーカー:Zero Rock Entertainment
- 対応端末:PC(Steam)
- ジャンル:アドベンチャー
- 配信日:2016年7月11日
- 価格:298円
- ※開発:Somi
『Replica : a little temporary safety』
- メーカー:Zero Rock Entertainment
- 対応端末:iOS/Android
- ジャンル:アドベンチャー
- 配信日:2016年11月14日
- 価格:iOS版 250円/Android版 220円