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『テイルズ オブ クレストリア』の楽しいポイントを先行プレイしたシリーズファンが語る

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 2018年に発表されて以来、情報が更新されるたびに大きな話題をさらってきた、バンダイナムコエンターテインメントが贈るiOS/Android用アプリ『テイルズ オブ クレストリア(以下テイクレ)』。4月27日よりテーマ曲や最新PVが公開され、待ちきれない想いを抱いているファンも多いはずです。

 そんな期待が集まる注目作を『テイルズ オブ』シリーズのコアファンでもある編集Oが、サービス開始前に先行体験プレイ。『テイクレ』が“スマートフォンから始める、新しい『テイルズ オブ』”と謳うその理由を、レビューという形で紐解きながらお届けします。

 また、『テイルズ オブ』シリーズをまったく知らない人でも楽しめるポイントがあるかどうかを書いた記事も掲載されています。シリーズをまったく遊んだことがないという人や、「しばらく『テイルズ オブ』から離れてたんだけど……」という人は、こちらの記事をご覧ください。

とにかく続きが気になる“罪”をテーマに描くストーリー!

 『テイルズ オブ』シリーズが、なぜこれほどまで長く愛されているのか? その問いには重厚なストーリー、魅力的なキャラクター、アクションで爽快感抜群のバトル、秀逸で聴き心地のいいサウンドなど、いくつもの答えがあると思います。

 自分はジャンル名にこだわった名づけをしているシリーズだけあり、やはりストーリーこそが『テイルズ オブ』シリーズの魅力で、そこのおもしろさが保証されているシリーズだから、1作目から遊び続けてきたと思うんですよ。

 もちろん、キャラクターも作品で大事なピースの1つですが、キャラクターが輝くのは土台となるストーリーがおもしろくなくてはダメですよね。だから『テイクレ』が発表されて新キャラクターがお披露目されたときも、“罪”という重いキーワードを前面に押し出したストーリーに注目していたわけです。

 この世界を簡単に説明すると、人々は“ビジョンオーブ”というアイテムで監視され、罪を犯した人は大衆によって断罪されることにより咎我人(とがびと)と呼ばれる罪人となり、執行者により処刑されるという設定で、主人公のカナタとヒロインのミゼラはとある出来事から咎我人となるんですね。

 咎我人になるまでの過程では、いかに世界が狂っているのか、そしてカナタ自身も間違った価値観に毒されているのかが丁寧に描かれ、それだけに咎我人に“堕ちた”ときの恐怖感や絶望感が強く印象に残るんです。

 そして、カナタがこの先どんな道を歩いて、同じ咎我人となった仲間たちと立ち向かっていくのか、ものすごく興味を掻き立てられていくわけです。現状は第4章までプレイしましたが、仲間が加わるたびに世界感にどんどん引き込まれているので、「早くこの先をプレイさせてくれ」と言いたいですね(笑)。“愛しき咎我人(なかま)と出会うRPG”の名に嘘偽りなし!!

 ちなみに、これは自分がボイスに重きを置くタイプだからかもしれませんが、ストーリーの感動をさらに押し上げている理由として、メインストーリーはすべてフルボイスな点も挙げたいですね。ここはやはりファンが求める要素だし、実際にそれがあることによりものすごく感情移入度が高まります。

  • ▲幕間スキットや、キャラクターエピソードのスキットも一部ボイスがある。とくにキャラクターエピソードは、本編とはノリが違うおもしろ話が満載。解放されたらぜひ聴きましょう!!

 もちろん、メインストーリーの道中で出会うシリーズキャラクターたちもフルボイスですし、新キャラクターと彼らとの掛け合いを楽しみにしているファンの期待にしっかりと応えているのは見事ですね。なお、シリーズキャラクターたちは、原作を彷彿させるような演出やおなじみのセリフを言うなど、知っている顔が多いほど感動しますよ。


  • ▲オールドファンの自分としては、リッドやファラが序盤で顔を見せてくれた展開に胸アツでした。

“お約束”だけども新しい魅力もある新キャラクターたち!

 次に語るのはやはりキャラクターです。本作では『テイルズ オブ』シリーズでキャラクターデザインを手掛けてきた藤島康介氏、いのまたむつみ氏に加え、バンダイナムコスタジオ(BNSI)所属の小林美由紀氏、奥村大悟氏、板倉耕一氏が参加して、オリジナルキャラクターたちをデザインしています。

 『テイクレ』はそんなオリジナルキャラクターと、『テイルズ オブ』シリーズのキャラクターたちの共演が注目ポイントですが、やはりファンが気になるのはシリーズのキャラクターと並んだときの“存在感”ですよね。そもそもアプリ版はコンシューマのタイトルとゲームデザインが違うので、キャラクターを深掘りするボリュームを心配している方も当然いると思います。

 ですが、先に断言しておきますが、オリジナルキャラクターたちは本作から登場したキャラクターであることを忘れてしまうほど皆“キャラ立ち”しています。その忘れさせてくれる理由はいくつかあるので、順にお伝えしましょう。

 まずはカナタとミゼラの2人が、『テイルズ オブ』シリーズにおけるヒーロー&ヒロインの“お約束”を押さえているところ。カナタならば困っている人を見過ごせない、ある意味純粋でまだ幼い部分があり、ミゼラはカナタよりしっかりしているお姉さん的な印象を受けるが、弱さもあって守ってあげたいと思わせる存在でもあります。

  • ▲困った人は見過ごせない。そんなカナタの真っすぐさは、まさに“ザ・主人公”と言えるでしょう!

 2人のすべてを語ったわけではありませんが、この説明だけでも「あ、『テイルズ オブ』シリーズらしいな」と感じた方も多いでしょう。こういった不変的な要素を“お約束”とくくると、変化がなくて平凡に聴こえてしまうかもしれません。ですが、物語の柱となる2人が“お約束”であることで、ファンとしては「『テイルズ オブ』シリーズの新主人公&ヒロインなんだ」とスッと受け入れられるし、個人的にもむしろ“お約束”はガンガン入れるべきだと考えているので、とてもよかったです。

 もちろん、カナタとミゼラ以外のキャラクターも“らしさ”はバッチリ押さえてあり、ヴィシャスはパーティのムードメーカー的な存在です。彼が仲間になってからは会話もはずみ、カナタやミゼラの素も見えてくるなど、とにかく仲間になってからのイベントシーンが楽しいんですよ。

  • ▲ミゼラとヴィシャスの掛け合いは「やっぱりこのノリだよな~」と、思わずニヤけてしまうほど。いいコンビ仲です!

 そして忘れてはいけない要素が、キャラクターたちの3Dモデリングのクオリティです。同シリーズのスマホタイトル『テイルズ オブ ザ レイズ』でもキャラクターたちが3D化されていますが、後発のタイトルだけあり『テイクレ』はそれ以上のクオリティですね。この完成度のモデリングで、シリーズキャラクターたちを思う存分眺められるのは感無量でした。

 基本的に会話はいわゆるスキット(アニメの2D描写)で進みますが、バトル終了時の掛け合いは3Dモデルで行われ、しかも表情が変わるなどこだわっているんですよ。ぜひじっくり見てほしいですね。

  • ▲トップ画面のキャラクター表示も3D、もしくは2Dを選択できますが、これだけクオリティが高いと3D表示にしちゃいますよね!

『テイルズ オブ』的演出が詰まったスマホタイトルに求められる“遊び”の数々

 さて、ここからはスマホ用のRPGタイトルとしての“遊び”の魅力を語りたいと思います。システム自体はスタミナ消費型の、ステージクリア型の遊び方になります。スタミナは時間で回復し、ランクが上がればスタミナが全快するなど、いわゆる基本を押さえたゲームデザイン。スマホアプリを遊び慣れている人であれば、直感的に理解できるはず!

  • ▲スタミナが足りなくなったらグミで回復。アイテムでのスタミナ回復は一般的な手段ですが、ちょっとした要素も『テイルズ オブ』シリーズに置き換えられています!

 次にキャラクターの育成ですが、キャラクターはレベルアップ、限界突破、アイテムの使用などで強くなっていきます。そのなかで特徴的なのは、メモリアストーン(装備品のような概念のもの)の存在です。キャラクターの特性(大剣使い、術使い)などに合わせた特性のメモリアストーンを装備することで、能力を底上げできるシステムです。

  • ▲強化の項目はさまざま。どれから伸ばすのか、ここはプレイヤーごとに差がでるポイントですね。ぜひ手塩にかけて育てた自慢のキャラクターをサポート(他人のバトルに貸し出せる)に設定しましょう!

 個人的に育成要素でお気に入りは、バトルに参加してキャラクター熟練レベルが上がると、キャラクタールームで再生できるボイスが増えたり、キャラクターエピソード(個性的なスキット)が解放されたりするところですね。単に強くするだけではない目的があると、余計に全キャラクターを使い込みたくなります。

  • ▲キャラクタールームでは、アタッチメントを付けて着飾ることも可能。これはシリーズのファンにはたまらないですよね。かわいい眼鏡の登場に期待しちゃいます♪

 そしてRPGで大事な要素であるバトルシステムですが、なんと『テイルズ オブ』シリーズの伝統であるアクション操作を行うリニアモーションバトルではなく、ターン制のコマンド(アイコン)選択式を採用しているんですよ。

 じつはプレイ前は「派手さに欠けるんじゃない?」と半信半疑でしたが、いざ遊んでみるとこれまた想像以上に相性がいい。なにせモデリングのクオリティの高いキャラクターたちが、かなりド派手に高精細に表現された術技を繰り出してくれるので、じっくり眺められるのがファンとしてたまりません。

  • ▲通常の術技、そしてSSRキャラクターが使える秘奥義(オーバーリミッツゲージを溜めて発動できる)も、3Dなのでカメラアングルもこだわっており、見ごたえは抜群です!!

 このバトルで大事なルールは、敵味方に設定されている属性の相性を考えてのパーティ編成すること。属性はスマホRPGではおなじみの要素で、ゆくゆくは属性ごとにパーティを用意するわけですが、好きなキャラクターが多すぎてこの取捨選択がまた悩ましい。でも、これこそがキャラクター集めのだいご味なのかなと。

 ちなみに、バトル中にはランダムでキャラクター同士の掛け合いが入ることもあり、これもまたファンとしてはたまらないですね。オリジナルキャラクター同士だけでなく、オリジナルキャラクターとシリーズキャラ、シリーズキャラ同士などそのバリエーションは多く、会話が流れるたびにニヤニヤしっぱなしでしたよ。

  • ▲自分はカナタとルークのマブダチっぽいやり取りが好き。原作での設定を知っていると、余計にそういう相手ができたことにね。

 そうそう、『テイルズ オブ』シリーズを象徴するシステムの1つに料理がありますが、本作でももちろん用意されています。料理は必要な食材を用意すると作ることができ、バトル開始前に使うと最大HPや攻撃力などを上昇できるサポートアイテムです。料理は行うほど熟練度が上がるので、使い勝手のいい料理を見つける楽しさもあります。

  • ▲助手に選ぶキャラクターごとに得意料理があるのも、また“らしく”ていいですよね。得意なものほど、大成功(使用時の効果が高いアイテムになる)の確率がアップ!!

 また、スマホタイトルに欠かせないものといえばフレンドとの協力プレイや、高難度クエスト、マルチバトルなどのやり込みコンテンツですが、こちらもバッチリ用意されています。もちろんギルドも設立できるし、コミュニケーションという部分での不満点はなかったですね。

  • ▲マルチバトルでは、バトルを解放するにはAP(一部アイテムが必要なケースあり)が、他のプレイヤーのバトルに救援で参加するにはBPが必要です。先行プレイでは敵が強くて手を出せなかったのですが、報酬も魅力的で早くみんなで倒したい!

 なお、ギルドのコンテンツ紹介イラストが、「勇気凛々胸いっぱい団」もとい「凛々の明星(ブレイブヴェスペリア)」の団長、カロルなところは心にくい演出でした。これ以外にも交換屋がかめにん、ガルド稼ぎのコンテンツがルーティなど、既存のスマホRPGにあるような要素も『テイルズ オブ』尽くしな点がGOOD!

 そして最後に紹介する遊びは、シリーズのファンもまったく遊んだことがないユーザーも考慮した、充実したギャラリーです。そのなかにある“テイルズ オブ ヒストリー”では、タイトル年表から関連作品紹介(アニメも!)、そしてキャラクター紹介が用意されています。うろ覚えなキャラクターがいても、すぐに確認できるのでありがたいですね!

  • ▲スタミナ回復を待つ間のおともにピッタリなボリュームのある“テイルズ オブ ヒストリー”

 というわけで、サービス開始前の『テイクレ』をひと足先にプレイしたレビューをお届けしました。遊んでみると、発表からリリースまで時間がかかった理由がよくわかる作り込みで、いちファンとしてサービス開始が本当に待ち遠しいですね。文中で魅力として挙げているストーリーについては、ほんの一端しか触れていませんが、こちらも大きく期待できそうです。

 そして最後にひと言。音楽がものすごく聴き心地がいいので、そちらにも期待してください!

(C)いのまたむつみ (C)藤島康介 (C)BANDAI NAMCO Entertainment Inc.
※画面は開発中のものです。

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テイルズ オブ クレストリア

  • メーカー: バンダイナムコエンターテインメント
  • 対応端末: iOS
  • ジャンル: RPG
  • 配信日: 2020年7月16日
  • 価格: 基本無料/アイテム課金

テイルズ オブ クレストリア

  • メーカー: バンダイナムコエンターテインメント
  • 対応端末: Android
  • ジャンル: RPG
  • 配信日: 2020年7月16日
  • 価格: 基本無料/アイテム課金

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